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カテゴリー「Les Quarante-Cinq」の47件の記事

2014年4月 2日 (水)

34章:ラテン語学者シコ

*以下はLONDON & GLASGOW COLLINS' CLEAR-TYPE PRESSの『THE FORTY-FIVE GUARDSMEN』を見つつ、原書のフランス語からの翻訳を行っています。翻訳内容が正しいかどうかは保証しませんsweat01。また意味が取れないと明らかに直訳になっているところもありますsweat01。固有名詞の読み方も間違っている可能性が高いです。あしからずsweat02

若者たちが出発した後、シコが早い足取りで歩いて行ったことを覚えているだろう。

その上、彼らがオルジェ(Orge)川の上のジュビジィ(Juvisy)橋の側面になっている小さな谷に姿を消すや否や、シコはアルゴス(*1)のように背後から見る特権を持っているように思われた。そしてもはやエルノートンもサント-マリーヌも見えなくなって、シコは小さな丘の頂で立ち止まり、地平線、溝、平原、木の茂み、川、ついには道の大きな楡の木の後ろで斜めに進んでいる白くまだらに覆われている雲まで調べ、彼を邪魔する者あるいは見張る者が誰もいないことを確認し、背中を木にもたれながら、溝の裏に座った。そして自省をし始めた。

彼は銀の財布を2つ持っていた。というのは彼は国王の手紙に加えてサント-マリーヌによって小さな袋が手渡されたことに気付いた。それは貨幣に変わった金あるいは銀によく似たある種の物を含んで膨らみ、転がしていた。

その小さな袋は一方が上に、他方が下に刺繍された2つのHが組み合わされた、本当に国王の財布だった。

「きれいだ」シコが財布を眺めながら、言った。「国王の名において素敵だ!彼の名前、彼の紋章!彼はもはや寛大ではなく、愚かだ!確かに、私は決して彼に何もしないだろう。私の名誉にかけて」シコが続けた。「もしあることが私を驚かすのなら、それはこの善良で優れた国王が財布の上に刺繍したのと同時に自分の義弟に運ぶために私を送っている手紙と私の領収書を持っていないことだ。どうして私たちの邪魔をするのだ?政治的な人々がみな今日野外にいる。みんなのように政治をしよう。ふん!人々がこの哀れなシコを少しばかり暗殺しようとする時、人々がすでにこの同じアンリがローマにムッシュー・ド・ジョワイユーズを送ったことを郵便にしたように、それは最も少ない友人の一人であり、それだけのことだ。そして友人たちは今日のような時代においてはとても共通なので、惜しげもなく使うことができる。神が選択した時に何と悪いものを選択したことか!今、先ず財布の中にあるお金を見てみよう、それから手紙を調べようじゃないか。100エキュ!私がゴランフロから借りたのと全く同じ金額だ。ああ!失礼、中傷してはならない。ここに小包がある・・・スペインの金の、5☓4倍の。さあ!さあ!微妙だぞ。とても優しいな、アンリケ!ああ!確かに私が余計と思っていた数や王家の百合の花ではなかった。私は彼にたっぷり接吻を送ろう。今やこの財布は私には邪魔だ。私には頭の上を通り過ぎる鳥が私を国王の密使と見做し、私をからかおうとし、あるいは一層悪いことに通行人に私を密告するように思える」

シコは手の平のくぼみの中に財布の中身をあけ、ポケットからゴランフロの麻の簡素な袋を取り出し、お金たちに言いながら、そこに銀と金を移した。

「お前たちは一緒に静かにしていることができる、私の子供達よ。というのはお前たちは同じ国から来たのだから」

それから、今度は小袋から手紙を引っ張り出し、そこに拾った小石を入れ、刺繍の付いた財布の紐を再び閉じ、投石手が石を投げるように、それを橋の下を蛇行していたオルジェ川に投げ込んだ。

水が噴き出し、2~3個の円が穏やかな表面に変化を与えながら、進み、広がりながら、岸の両岸で壊れた。

「これは私のためだ」シコが言った。「今はアンリのために旅をしよう」

そして彼は財布を川に容易く投げ入れるために地面に置いていた手紙を掴んだ。

しかし木を載せたろばが道を通ってやってきた。

二人の女たちが、木の代わりにあたかも聖遺物を運んでいるかのように高潔な歩を進めていたそのろばを連れていた。

シコは地面を支えていた彼の大きな手の下に手紙を隠し、彼女らを通り越させた。

一旦一人になると、彼は手紙を再び手にし、あたかも単なる代理人の手紙であることが問題であるかのように、封筒を破り、最高に平然とした落ち着きで、印璽を壊した。

それから彼は両手で巻いた封筒と2つの石で砕いた印璽を掴み、すべて小袋の中に一緒にして戻した。

「今は」シコが言った。「文体を見ようじゃないか」

そして彼は手紙を広げ、読んだ。

『我々の大変親愛なる弟よ、そなたが我々の大変親愛なる兄であり、亡き国王シャルル9世に抱いていたその深い愛情はまだルーヴルの丸天井の下に住み、頑固に私の心をとらえている』

シコはお辞儀をした。

『それゆえ、私はそなたに悲しく、そして困った出来事について話をしなければならないことを嫌に思う。しかしそなたは逆境において強い。それゆえ私は人々が勇敢で信用できる友人たちにだけ言っているこのことについてそなたに知らせることをもはや躊躇わない』

シコは中断し、再びお辞儀をした。

『更に』彼は続けた。『私はそなたを説得するのが肝心な王家の関心事を持っている。その関心事は、私の名前とそなたの名前の名誉にかかわることなのだ、私の弟よ。

我々は全く敵に取り囲まれた二人であるという、この点において似ているのだ。シコがそれをそなたに説明する』

「Chicotus explicabit!(シコが説明する)!」シコが言った。「正確に言えばevolet(打ち明ける)か、それは限りなく上品だ」

『そなたの下僕のド・テュランヌ(Turenne)子爵殿がそなたの宮廷に日々の醜聞の話題を与えているのだ。そなたの幸福と名誉以外に、私がそなたの問題にかかわっていないことを切望する!しかし、そなたの妻は大いに残念なことに私が妹と呼ぶ者であり、私がそなたのために代わりにその心配をしなければならないのだ・・・彼女がしないそれを』

「おお!おお!」シコがラテン語の翻訳を続けた。「Quaeque omittit facere.(各々がすることを差し控えている)これは難しいぞ」

『私はそれゆえそなたに注意することを勧める、私の弟よ、マルゴとテュランヌ子爵との共謀が奇妙にも我々の共通の友人とつながっており、ブルボン家に恥と損害をもたらすことについてだ。そなたが事実を確信したらすぐに十分な見せしめを行ってくれ。そしてシコが説明する私の手紙を開いたらすぐに事実を確かめてくれ』

「Statim atque audiveris Chicotum litteras explicantem.(彼はシコが手紙を説明するのを聞くや否や)続けよう」シコが言った。

『最も小さな疑いがそなたの遺産の正当な継承権に迫っていることは困ったことである、私の弟よ、神が私に考えるのを禁ずる大切な問題だ。というのは、ああ!この私が前もって自分の子孫の中に生き続けられないことを余儀なくされているからだ。

兄として、そして国王として、私はそなたに告発する。二人の共犯者たちはほとんどいつも人々がロワニャック(Loignac)と呼んでいる小さな城に集まっている。彼らは狩猟を口実に選んでいる。その上、その城はムッシュー・ド・ギーズたちが少しも他人ではない陰謀のたまり場なのだ。というのもそなたは確かに知っている、私の親愛なるアンリ、どんな奇妙な愛によって私の妹がアンリ・ド・ギーズと私の真の弟であるムッシュー・ダンジュー、私自身がこの名前を持っていた時にはアランソン公爵を名乗っていた彼を熱心に追い求めたかを』

「Quo et quam irregulari amore sit prosecuta et Henricum Guisium et germanum meum, etc.(どこでどうやってそれが彼女の愛の不品行をアンリ・ド・ギーズと私の弟に駆り立てたのか)など」

『私はそなたを抱擁する。そして私の意見を忠告する。その上そなたを助ける準備はすべて整っている。さしあたりそれまでに、私がそなたに送るシコの意見を使ってくれ』

「Age, auctore Chicoto.(さて、作者シコ)よろしい!ナヴァール王国の助言者は、はい、ただいま」

『親愛なる、など、など』

こんなふうに読みながら、シコは両手の間に頭を置いた。

「おお!」彼が言った。「ここにあるのはとても悪い伝言に思えるぞ。ホラティウス・フラックス(*2)が言っているように、人は1つの悪を逃れようとして、更に悪いものに転がるということを私に証明している。実際、私はマイエンヌの方を好むぞ。しかし、私が彼を許さない嫌な錦織の小袋は別にして、手紙は悪賢い人間のものだ。というのもアンリオが普通夫たちを作るのに役立つ練り粉をこねると仮定するならば、この手紙は彼を同時に彼の妻、テュランヌ、アンジュー、ギーズと、そして同様にスペインと仲たがいさせる。実際、アンリ・ド・ヴァロアがルーヴルでポーのアンリ・ド・ナヴァールの家で起こっていることにとてもよく通じているためにはあそこに何人かのスパイを持っていなければならない。そしてそのスパイはアンリオをひどく当惑させるだろう。他方で、もし私がスペイン人、ロレーヌ人、ベアルネ人あるいはフラマン人に偶然出会うとしたら、この手紙は私にひどく不愉快なことをもたらすだろう。ベアルンですることのために彼が私を送ったことを知ろうとするのは十分興味深いことだからだ。さて、もし私がその野次馬たちの誰かに偶然出会うことを全く予想していなかったなら、私はとても不注意だっただろう。何よりもムッシュー・ボルロメは、あるいは私の思い違いかもしれないが、私に何かを残しているに違いない。」

『二番目の点』

『国王アンリの近くの任務を望んだ時、シコは何かを探していたか?平穏が彼の目的だった。さて、シコはナヴァールの国王と彼の妻を仲たがいさせに行く。シコがとても権力のある人物たちの間の仲を裂きながら、幸福な80歳に達するのを妨げる致命的な敵を作りに行くゆえに、それはシコの仕事ではない。確かに、それはよかった。人は若くある限り十分生きるだけだ。しかし、それならムッシュー・ド・マイエンヌのナイフの一撃を待っている方がいい。いいや、というのも全ての事には相互性が必要だからだ。それはシコのモットーだ。シコはそれゆえ旅を続行する。しかしシコは才人だ。そしてシコは用心する。従ってお金を身に着けて持つだけだ。その結果、シコを殺したとしても、人々は彼にひどく損害を与えるだけだ。それゆえシコは始めたことを仕上げるつもりだ、つまりこの素晴らしく物々しい手紙を初めから終わりまでラテン語に翻訳し、すでに3分の2を刻んだ記憶の中にしっかりとどめるつもりだ。それから馬を買う。なぜなら、ジュヴィジィからポーまでは本当にあまりにも何回も左足の前に右足を置かなければならないからだ。しかし何よりもまず、シコは彼の友人であるアンリ・ド・ヴァロアの手紙を無数の小さな破片に切り裂き、その小さな破片が欠片の状態になり、一方はオルジェ川に、他方は空中に、そして最後に残った物は全てが、国王たちの暴言さえもその胸に戻る我らの共通の母である大地に蒔くことを注意する。シコが始めたことを終えた時・・・』

そしてシコは彼の分割の計画を実行するために中断した。それゆえ手紙の3分の1は水に、別の3分の1は空中に、そして3番目の3分の1はこのために短剣でもナイフでもないが、必要な場合には一方が他方に替わることができるものであり、シコが腰に身に着けていた道具で掘られた穴の中に姿を消した。

彼がこの作業を終えた時、続けた。

「シコは最も細心の注意をして、再び旅行の途についた。そして彼は自分が正直な胃であるかのように、コルベイユ(Corbeil)の善良な街で夕食を摂るだろう。それまでの間、時間をつぶそう」シコが続けた。「我々がすると決めたラテン語の主題について。私には我々が十分楽しい楽曲を作曲するように思えるぞ」

突然シコが立ち止まった。彼はルーヴルの言葉をラテン語に翻訳できないことに気付いたばかりだった。それは彼に大いに逆らった。

彼はすでにシコをChicotusにしていたように、同様にマルゴという言葉をMargotaにラテン語化することを余儀なくされた。なぜなら、十分表現するためには、シコをChicôt、マルゴをMargôtと翻訳しなければならなかったが、それはもはやラテン語ではなく、ギリシア語だったからだ。

Margaritaに関しては、彼は全く考えなかった。彼の考えでは翻訳は全く正確ではなかった。国語純粋主義の究明とキケロ風の言い回しと共にこのラテン語の全てがシコを快い街であるコルベイユまで導いた。そこで大胆な使者はサン-スピール(Saint-Spire)の素晴らしさを少し、そして大聖堂の周りに食欲をそそられる湯気の香気で満たしていた焼肉屋兼出前屋兼宿屋の主人の素晴らしさを大いに眺めた。

我々は彼が摂ったごちそうについて全く描写しない。我々は彼が宿屋の主人の馬小屋で買った馬について描写しようとはしない。それは我々に仕事として命じるにはあまりにも難しすぎるからだ。食事は十分長く摂られ、馬はもし我々の良心が偉大でなければ、我々におよそ1巻分の内容を与えるくらい十分に欠陥のあるものだったとだけ言っておこう。

*1:ギリシア神話に出てくる百眼の巨人

*2:古代ローマ時代の詩人

<2014.4.2修正済>

2014年1月19日 (日)

33章:修道士ボルロメ

*以下はLONDON & GLASGOW COLLINS' CLEAR-TYPE PRESSの『THE FORTY-FIVE GUARDSMEN』を見つつ、原書のフランス語からの翻訳を行っています。翻訳内容が正しいかどうかは保証しませんsweat01。また意味が取れないと明らかに直訳になっているところもありますsweat01。固有名詞の読み方も間違っている可能性が高いです。あしからずsweat02

時刻は夜の10時頃だった。代表者殿たちはひどく後悔して帰り、そして彼らの家の近くの通りの角で挨拶を交わしながら、別れた。

ニコラ・プーレンはみんなから最も遠く離れたところにいて、我々の前の章の最後のパラグラフの初めにあった彼に叫び声を挙げさせた当惑した状況について深く考えながら、一人で、一番後ろをてくてく歩いていた。

というのも、その日はみんなにとって、そしてとりわけ彼にとって事件に富んでいた。

それゆえ彼は聞いたばかりのことに大いに身震いしながら、家に帰った。そして、もし『影』が彼をヴァンセンヌの陰謀の告発に駆り立てたことについて判断したら、ロベール・ブリケはムッシュー・ド・マイエンヌの前でラシャペル-マルトーによって非常に率直に詳しく説明された策略の計画を暴露しなかったことを決して許さなかっただろうと思った。

熟考はとても深かった。そして4ピエの広さの一種の細長い通路であり、ヌーヴ-サン-メリー(Neuve-Saint-Méry)通りに通じていたラ・ピエール-オ-レアル(la Pierre-au-Réal)通りの真ん中で、ニコラ・プーレンは自分が歩いていた反対の方向から膝までまくり上げられたジャコバンの僧服が走ってくるのを見た。

道を開けなければならなかった。というのはその通りでは二人のキリスト教徒が横に並んで通ることができなかったからだ。

ニコラ・プーレンは修道士が武人に対して謙虚に道の家際によけると思った。しかし、そんなことはなかった。修道士は疾走する牡鹿のように走った。彼はとても勢いよく走っていたので、外壁に倒された。そしてニコラ・プーレンは大いに悪態をつきながら、倒されないように脇によけた。

その葉鞘で縁取られた家の中で、その時両者の通行を望んだ二人の男たちの間に生じたお互いにとっていらつかせる移動が始まり、お互いを抱き合わないことに執着し、一方の腕が他方の腕に絶えず置き直されたことに気付いた。

プーレンは決断した。神聖な修道士であり、武人よりも忍耐強くない僧服の男を外壁に押し付けるために体の真ん中を掴んだ。

その衝突の中で、彼らは互いに味わうかのように、お互いを認め合った。

「ボルロメ修道士!」プーレンが言った。

「メートル・ニコラ・プーレン!」修道士が大声を挙げた。

「ご機嫌いかがですか?」プーレンがパリの中産階級の素晴らしい人の好さと変わらない寛容さを持って、言葉を続けた。

「大いに悪いです」修道士が答えた。「気を落ち着かせるのは俗人よりも大いに難しいことなのです。というのも、あなたは私を遅刻させているのです。そして私は大いに急いでいるのです」

「あなたは何て人だ!」プーレンが言い返した。「古代ローマ人のようにいつも好戦的で!でもこんな時間にそんなに急いでどこに走っていくのですか?小修道院が火事になっているのですか?」

「いいえ、でも私はマイヌヴィルと話をするために公爵夫人の家に向かっているのです」

「どちらの公爵夫人のお宅ですか?」

「マイヌヴィルと話ができるお宅は私にはたった一つしかないように思えますが」ボルロメが言った。そして先ず長官の副官にきっぱりと答えることができたと思った。なぜならば、この副官は彼を追跡させることができたからだ。しかし、彼は過ぎた好奇心を持とうと思っていなかった。

「では」ニコラ・プーレンが答えた。「マダム・ド・モンパンシエのお宅に何をしに行くのですか?」

「ああ!もう!全く簡単なことですよ」ボルロメがもっともらしい答えを探しながら、言った。「私たちの院長様は公爵夫人に指導者になってくれるように頼まれたのです。彼は受け入れましたが、良心の恐れに襲われ、断ることにしたのです。会見は明日に決まっています。それゆえ私はモデスト・ゴランフロ尊師の名において、公爵夫人に彼を当てにしないように言いにいかなければならないのです」

「大いに結構。でもあなたはギーズ館の方に行くようには見えませんね、私の大変親愛なる修道士さん。あなたは完全に逆の方向に向いているとさえ言いますよ」

「そうです」兄弟ボルロメが答えた「私はそこからやって来たので」

「ではあなたはどこに向かっているのです?」

「私は館で公爵夫人が今夜到着し、サン-ドニ館に宿泊するムッシュー・ド・マイエンヌを訪ねて行ったと言われました」

「相変わらず正しいですね。全くその通りです」プーレンが言った。「公爵はサン-ドニ館にいます。そして公爵夫人は公爵の近くにいます。でもお仲間さん、そんなことをして何になるんです。すみませんが、私と騙し合いをしているんですか?修道院の任務をするために会計係が送られるのは普通のことじゃありませんよ」

「公妃のところです、当然ではありませんか?」

「モンパンシエ公爵夫人の罪の懺悔を信じているのはマイヌヴィルの腹心であって、あなたではない」

「一体私は何を信じればいいのだ?」

「何と!ねえ、あなたは修道院から道の真ん中までの距離をよく知っている。なぜならあなたは私にそれを測らせたのだから。気をつけなさい!あなたは私にほんの少ししか話さないが、多分とても多すぎることだと思いますよ」

「あなたは間違っていますよ、親愛なるムッシュー・プーレン。私は他のことは何も知りません。お願いですから、今私を引き留めないでください。というのも、私がもはや公爵夫人を見つけられなくなってしまうからです」

「あなたは彼女が戻る、そしてあなたが彼女を待つことができる彼女の家でいつも彼女を見つけることができますよ」

「ああ!もちろんです!」ボルロメが言った。「私は公爵殿に少ししかお目にかかれないことも残念に思っていないのです」

「それでは行きなさい」

「なぜなら、結局あなたは彼を知っているからです。もし一度私が彼を彼の愛人の家から離れさせたら、見つけることが出来なくなってしまうでしょう」

「全くその通りです。今やあなたが関わっていることを知っています。お別れしましょう。さようなら、そして幸運を祈ります」

ボルロメは、自由に通行できる道を見ながら、彼に差し向けられた希望と引き替えにニコラ・プーレンに素早くおやすみなさいを投げかけ、開かれた道路を突進して行った。

「さあ、さあまた何かあるな」ニコラ・プーレンは影の中に少しずつ消えたジャコバンの僧服を見ながら、独り言を言った。「しかし、一体全体私は起きていることを知りたがっているのか?私はすることを余儀なくされる仕事を偶然好きになっているのか?ちっ、おやおや!」

そして、彼は少しの良心の落ち着きもなく、しかし我々がこの世界のすべての身分の人たちに与えている心の平穏であり、もし違っていたとしても、私たちより力強い支えと共に寝に帰った。

その時間の間、ボルロメは失われた時間を取り戻す希望を与える速さを伝えながら、自分の進路を進み続けた。

というのも彼はムッシュー・ド・マイエンヌの習慣をよく知っていた。そして疑いなく、よく知っているために、メートル・ニコラ・プーレンに詳しく説明しなければならないと思っていなかった理由を持っていた。

とにかく彼は汗まみれで息を切らせながら、サン-ドニ館に到着した。公爵と公爵夫人が彼らの重要な問題について話をしようとした時に、ムッシュー・ド・マイエンヌは我々がジョワイユーズが抗議したことを知っているあのシテの貴婦人を自由に訪れに行くために、姉を追い払おうとしていた。

弟と姉は国王の歓待と10の計画に関するいくつもの解釈の後で、次に続く出来事について意見が一致した。

国王は疑いを持っておらず、次第に攻撃するのが容易になっていた。

重要なことは、国王が弟を見捨て、アンリ・ド・ナヴァールを忘れている間に、北部の地方において同盟を組織することだった。

この2人の最後の敵のうち、内に秘めた野心を持つダンジュー公爵だけが恐れる必要があった。アンリ・ド・ナヴァールに関しては、多くの情報を与えたスパイによって3~4人の愛人と愛し合うことにしか専念していないことが知られていた。

「パリは準備された」マイエンヌが声に出して言った。「しかし王家との同盟は政治家たちと真の王党派たちにに権力を与えた。国王と彼の支持者たちの間の断絶を待たなければならなかった。この断絶はアンリの変わりやすい性格と共に生じるのを遅らせることができなかった。ところで、急を要するものは何もないようだ」マイエンヌは話し続けた。「待とうではないか」

「私は」公爵夫人が低い声で言った。「目論んでいるこの仕業の後でパリを蜂起させるためにパリの全地区にばらまかれた10人の男たちを必要としていたけれど、この10人の男たちを見つけたの。だからもう求めるものは何もないわ」

マイヌヴィルがボルロメが公爵殿と話がしたいことを知らせながら、突然入って来た時、彼らはそこにいて、一方が会話をし、他方は密談をしていた。

「ボルロメ!」公爵が驚いて言った。「それは誰のことだ?」

「それは、殿下」マイヌヴィルが答えた。「私が殿下に実行者で才人を求めた時にあなたがナンシーから私に送ってくださった者ですよ」

「覚えている。私は一人で二人分を持っていると答え、ボルロヴィル(Borroville)隊長をそなたに送った。彼は名前を変え、ボルロメと呼ばれているのか?」

「そうです、殿下、名前と制服を変えました。彼はボルロメと呼ばれ、ジャコバンです」

「ボルロヴィルがジャコバンだと!」

「そうです、殿下」

「一体どうして彼がジャコバンなのだ?もし僧服の下に彼を認めるのなら、悪魔は大いに笑わなければならない」

「どうして彼がジャコバンかですって?」

公爵夫人がマイヌヴィルに合図をした。

「後からお知りになるでしょう」後者が続けた。「それは私たちの秘密なのです、殿下。そしてとりあえずはボルロヴィル隊長、あるいはボルロメ修道士、あなたのお好きな方の話を聞きましょう」

「そうよ、彼の訪問は私を不安にさせるのだから」マダム・ド・モンパンシエが言った。

「私も同様にそれを認めます」マイヌヴィルが言った。

「それじゃあ、一瞬も見失うことなく彼を案内しなさい」公爵夫人が言った。

公爵に関していえば、使者の話を聞きたいという欲望と愛人との逢引が不足することへの心配の間でさまよっていた。

彼はドアと大時計を見ていた。

ドアが開いた。そして大時計が11時の時報を鳴らした。

「ああ!ボルロヴィル」公爵が言った。「少し不機嫌にもかかわらず、こんなふうに変装したそなたに笑わずにはおれないぞ、私の友よ!」

「殿下」隊長が言った。「私は確かにこのひどい僧服の下では大変居心地が悪いです。しかし、結局必要なことは必要なのです、お父上のムッシュー・ド・ギーズがおっしゃったように」

「いつもそなたをその僧服の中に潜り込ませているのは私ではないぞ、ボルロヴィル」公爵が言った。「だから私を恨まないようにしてくれ、お願いだ」

「はい、殿下、それは公爵夫人なのです。しかし、私は彼女を恨みたいとは思いません。なぜなら私は彼女への奉仕の為に存在しているのですから」

「よろしい、ありがとう、隊長。それで、今、さあ、そなたはこんなに遅く私たちに何を言うのだ?」

「残念なことに私はもっと早くお話しにあがることができませんでした、殿下。というのも私は小修道院全体を抱えているからなのです」

「ああ!それで、話しなさい」

「公爵殿」ボルロヴィルが言った。「国王はダンジュー公爵殿に援軍を送ります」

「おや!」マイエンヌが言った。「私たちはその歌をよく知っているぞ。人々がその歌を私たちに歌って、3年にもなるのだから」

「おお!そうです、しかし今回は、殿下、ほとんど確実な情報をお伝えします」

「ふむ!」後ろ足で立つ馬がするのと同じような頭の動きをしながら、マイエンヌが言った。「ほとんど確実だと?」

「今日同様、つまり昨晩、午前2時に、ムッシュー・ド・ジョワイユーズがルーアンに向けて出発しました。彼はディエップへ出航し、アントワープに3000人の男たちを運びます」

「おお!おお!」公爵が言った。「それで、誰がそのことをそなたに言ったのだ、ボルロヴィル?」

「自分自身がナヴァールに向けて出発した男からです、殿下」

「ナヴァールに向けてだと!アンリのところか?」

「はい、殿下」

「誰の名においてアンリの元へ行ったのだ?」

「国王の名においてです。はい、殿下、国王の名においてです。そして国王からの手紙を持ってです」

「その男は何者だ?」

「ロベール・ブリケと名乗っています」

「それで?」

「ゴランフロ師の大親友です」

「ゴランフロ師の大親友だと?」

「彼らはとても親しげな口をきいていました」

「国王の大使か?」

「そう確信しております。彼は小修道院からルーヴルに信任状を取りに人を派遣しました。そしてその任務を遂行したのが私たちの修道士たちの1人です」

「その修道士は?」

「私たちの小さな戦士、ジャック・クレマンです。あなたが注目なさっていた同じ人物です、公爵夫人」

「それで彼はそなたにその手紙を引き渡さなかったのか?」マイエンヌが言った。「粗忽者め!」

「殿下、国王が彼に手渡さなかったのです。彼は自分の手の者によって使者にそれを運ばせました」

「その手紙を手に入れなければならない、ちっ!」

「きっとそれを手に入れなければならないでしょうね」公爵夫人が言った。

「どうしてそなたはそのことを考えなかったのだ?」マイヌヴィルが言った。

「私は使者に私の部下たちの1人を、ヘラクレスのような男を加えたいと大いに考えておりました。ところがロベール・ブリケは疑わしく思い、彼を戻したのです」

「そなた自身がそこに行かなければならなかった」

「不可能です」

「それはなぜだ?」

「彼は私をよく知っているからです」

「修道士としてであって、隊長としてではないと思うが?」

「確かに、私は何も知りません。そのロベール・ブリケは油断をしない、とても厄介な人物なのです」

「一体どんな男なのだ?」マイヌヴィルが尋ねた。

「大変痩せていて、全てが神経であり、全てが筋肉であり、全てが骨であり、器用で、冷やかし好きで、寡黙な男です」

「ああ!ああ!それでエペを操るのか?」

「それを発明した者かのように、殿下」

「長い顔か?」

「殿下、彼はあらゆる顔を持っております」

「小修道院長の友人で?」

「彼が一介の修道士の時からの」

「おお!私は疑いを持ったぞ」マイエンヌが眉をしかめながら、言った。「明らかになるだろう」

「早くなさってください、殿下。といいますのも、押し分けて進むように、その元気で活動的な男は効率よく歩いているに違いありません」

「ボルロヴィル」マイエンヌが言った。「そなたは私の兄のいるソワッソンへ向けて出発するのだ」

「しかし、小修道院は、殿下?」

「それゆえそなたはそんなに困惑しているのか?」マイヌヴィルが言った。「モデスト尊師に話を作ることを。そしてそなたが彼を信じさせたいと思った全てを彼が信じないとでも?」

「そなたはムッシュー・ド・ギーズに話すのだ」マイエンヌが続けた。「ムッシュー・ド・ジョワイユーズの任務についてそなたが知っている全てを」

「承知いたしました、殿下」

「それで、ナヴァールは、あなたが忘れている、マイエンヌ?」公爵夫人が言った。

「私はそれをほとんど忘れておりませんから、自分に課しますよ」マイエンヌが答えた。「新しい馬に鞍をつけてくれ、マイヌヴィル」

それから彼は低い声で付け加えた。

「彼はまだ生きていたのか?おお!そうだ、彼は生きているに違いない!

<2014.1.19修正済>

2013年12月 1日 (日)

32章:パリの中産階級の紳士たち

*以下はLONDON & GLASGOW COLLINS' CLEAR-TYPE PRESSの『THE FORTY-FIVE GUARDSMEN』を見つつ、原書のフランス語からの翻訳を行っています。翻訳内容が正しいかどうかは保証しませんsweat01。また意味が取れないと明らかに直訳になっているところもありますsweat01。固有名詞の読み方も間違っている可能性が高いです。あしからずsweat02

人々はルーヴルにとても注意を払っていたので、ムッシュー・ド・マイエンヌはほとんど気づかれずに後ろのドアからギーズ館を出発し、あたかもたった今旅行から戻って来たかのように長靴を履いたまま、3人の紳士たちを伴って、馬でルーヴルに行った。

彼の到着を知らされたムッシュー・デペルノンは国王にその訪問を知らせた。

自分の方へ知らされたムッシュー・ド・ロワニャックは45人に二番目の通知を告げた。それゆえ15人は決められたように控えの間に、15人は中庭に、そして14人は宿舎にと。

我々が14人と言うのは、ご存知の通り特別な任務を受けていたエルノートンは仲間たちに気付かれていなかったからだ。

しかしムッシュー・ド・マイエンヌの一行には恐れを抱かせるような者は誰もいなかったので、二番目の集団は兵舎に戻る許可を受け取った。

陛下の近くに案内されたムッシュー・ド・マイエンヌが恭しく訪問した時、国王は気取って迎えた。

「ああ!私の従弟殿(*1)」国王が彼に尋ねた。「おやおやそなたはパリを訪れるためにやって来たのかね?」

「そうです、陛下。」マイエンヌが言った。「私は行かなければならないと思ったのです。私の兄と私の名において、陛下には我々以上に忠実な臣下がいないことを思い出していただくために。」

「何と!(*2)」アンリが言った。「そのことはよく知られているぞ。そなたが私を訪ねてくれたことで知る喜びは別として、そなたは実際この小旅行をなしで済ませることができたのだぞ。確実に何か別な理由があったに違いないな。」

「陛下、あなたのギーズ家に対するご厚意は過去しばらくの間我々の敵が流布していた奇妙な噂によって変化することがなかったと信じております。」

「どんな噂かね?」国王がとても危険なものを最も親密なものにしたその気立てのよさで尋ねた。

「何と!」マイエンヌが少し狼狽しながら尋ねた。「陛下は私たちに不都合なことを言われているのを全くお聞きになっておられないのですか?」

「従弟殿」国王が言った。「はっきり言っておくが、私は人々がここでムッシュー・ド・ギーズたちを悪く言うのを許さないということをよく理解しておくのだ。そして、そなたはそれを知らないように思えるが、人々はそのことをよく知っている。だからそんなことは言わないぞ、公爵。」

「それでも、陛下」マイエンヌが言った。「私は参りましたことを後悔しておりません。なぜなら私は私の国王にお会いできて、そしてそのようなお気持ちを知り、幸せだからです。ただ、私が慌てて参りましたことは無駄になるだろうと認めます。」

「おお!公爵、パリは人々が絶えず何かしらの手助けを引き出したいと思っているよい街だよ。」国王が言った。

「そうですね、陛下。しかし私たちにはソワッソンに自分たちの仕事があるのです。」

「どんな仕事かね、公爵?」

「陛下の御為でございます、陛下。」

「本当だ、本当だ、マイエンヌ。それではそなたが始めたようにそれらをし続けなさい。私は私の臣下たちの行動を必要とするときに評価し、認めることを知っている。」

公爵は微笑みながら退出した。

国王は両手をこすり合わせながら自分の部屋に戻った。

ロワニャックはエルノートンに合図をし、彼は自分の下僕に一言言って、4人の騎士たちを追い始めた。

下僕は厩舎に走った。そしてエルノートンは歩いて後を追った。

ムッシュー・ド・マイエンヌを見失う危険はなかった。ペルデュカ・ド・パンコルネの失言でギーズ家の公子の一人がパリに到着していることが知らされていた。このニュースで、善良な同盟者たちは家を出て、彼の足跡を暴き始めた。

スターを言うように、大きな肩、丸い体つき、碗のような髭でマイエンヌと気づくことが困難ではなかった。

それゆえ人々はルーヴルの門まで彼の後を追い、そこで同じような仲間たちが彼が再び出てきて、彼の館の門まで彼に同行するために待っていた。

マイヌヴィルは彼らに言いながら、最も熱心な人々を無駄に遠ざけた。

「たくさんの火はいらないのいだ、友よ、たくさんの火はいらないのだ。全く!諸君は我々を危険に晒すつもりか。」

公爵は自分の住居としていたサン-ドニ館に到着した時、やはり200~300人の男たちの一行を共にしていた。

そのため気付かれることなく公爵の後を追うことはエルノートンにとってとても容易かった。

ちょうど公爵がそこに戻り、挨拶するために振り返った時に、彼と同時に挨拶する紳士たちの1人に同行していた、あるいは彼がサン-タントワーヌ門を入らせた小姓に同行し、サルセドの拷問に対してとても奇妙な好奇心を見せていた騎士を認めたと彼は思った。

ほとんどちょうどその時、そしてマイエンヌの姿が見えなくなったばかりの時、1つの駕籠が群衆を押し分けて進んできた。マイヌヴィルはその前に進んだ。カーテンの1つが開いた。そして月の光の恩恵で、エルノートンは自分の小姓であり、サン-タントワーヌ門の貴婦人であることを認めたと思った。

マイヌヴィルと貴婦人はいくつか言葉を交わし合い、駕籠は館の車寄せの下に姿を消した。マイヌヴィルは駕籠の後を追い、門が再び閉まった。

一瞬の後、マイヌヴィルがバルコニーの上に姿を現し、公爵の名においてパリ市民たちに感謝し、夜遅くなっているので、悪意が何も彼らの集まりを利用することができないよう、家に戻るように促した。

公爵の一行として中に入っていた10名を除いてはみんなこの勧告に従って立ち去った。

エルノートンは他の者たち同様に立ち去った。正確に言えば、他の者たちが立ち去る間に立ち去るふりをした。

他の者すべてを除いて留まっていた選ばれた10名は同盟の代表者たちであり、ムッシュー・ド・マイエンヌの来訪にお礼を言うためと同時に彼の兄に来訪を決意してくれるよう懇願するために送られてきた人たちだった。

というのも、我々がすでに胴鎧の晩の間に垣間見ていたこの立派な中産階級の人々は想像力が不足しておらず、彼らの予備の集会において人々が当てにしていたリーダーの承認と支援が不足していただけに過ぎないたくさんの計画を考え出していた。

ビュッシィ-ルクレールは3つの修道院で武器の取り扱いを訓練し、500人の中産階級の人々を加入させた、つまり実数で1000人を自由に使えることを知らせに来た。

ラシャペル-マルトーは行政官、聖職者、そしてすべての宮廷の人々に実行していた。彼は助言と行動を同時に与えることができた。200人の黒服を着る人々によって忠告し、200人のマントを着る人々によって行動を表した。

ブリガールはデ・ロンバール(des Lombards)通りの商人たち、中央市場とサン-ドニ通りの中心人物たちを持っていた。

クリュセはラシャペル-マルトーと代理人たちを共有していた。そして更にパリ大学を自由に使った。

デルバール(Delbar)は全体で500人になる恐るべき種類であるの全ての船乗りたちと港の人々を提供した。

ルシャール(Louchard)は熱狂的なカトリックである、500人の馬商人たちを自由に使った。

ポラール(Pollard)と呼ばれる錫の陶器商とジルベール(Gilbert)という名の豚肉屋は街と郊外の1400の肉屋と豚肉屋を代表していた。

シコの友人であるメートル・ニコラ・プーレンは全てのものと全ての人を提供した。

公爵は安全な部屋の中に閉じ込められていた時に、この新事実とこの申し出を聞いていた。

「私は同盟の力を素晴らしいと思うよ。」彼が言った。「しかし疑いなく私に提案するためにやって来た目的が私にはわからないよ。」

メートル・ラシャペル-マルトーがすぐに3点について説明する準備をした。彼はひどく冗漫で、そのことは有名だった。マイエンヌは身震いした。

「急ぎなさい。」彼が言った。

ビュッシィ-ルクレールがマルトーの言葉を遮った。

「これが」彼が言った。「私たちが変化に渇望していることです。私たちは最も強い人間であり、従ってこの変化を望んでいます。それは短く、わかりやすい、そして正確なことです。」

「しかし、」マイエンヌが尋ねた。「その変化を達成するためにあなた方は何を成し遂げるのです?」

「私には思えるのです。」ビュッシー-ルクレールがとても低い身分の人間の家の言葉としては大胆とみなされるかもしれなかった率直さと共に言った。「同盟の考えは私たちのリーダーたちから生じているように私には思えます。それは私たちのリーダーたちに対して目的を示すものあり、私たちにではありません。」

「メッシュー、」マイエンヌが言い返した。「あなた方は全く正しい。目的は光栄にもあなた方のリーダーである者によって示されなければならない。しかし、あなた方に繰り返して言うようにまさにここが、将軍が戦いを交える瞬間を判断しなければならない、そして自分の軍が素晴らしく整列し、武装し、生き生きとしているのを見て、それをしなければならないと思った時に攻撃の合図を与えるだけの時なのだ。」

「しかし、結局、殿下、」クリュセが言葉を続けた。「同盟は急を要しているのです。私たちは光栄にもすでにあなたにそれをお話ししております。」

「何について急を要しているのだ、ムッシュー・クリュセ?」マイエンヌが尋ねた。

「もちろん達成するです。」

「何の?」

「私たちの目的です。私たちは同様に私たちの計画を持っているのです、私たちは。」

「それでは、違うな。」マイエンヌが言った。「もしあなた方が計画を持っているのなら、私はもはや何も言うことはない。」

「いいえ、殿下。しかし私たちはあなたのご助力を当てにはできないのですか?」

「全く疑いなく、もしその計画が私たちの同意を受けたものならば、私の兄とそして私の。」

「多分、殿下、それはあなた方にご承認いただけるでしょう。」

「それではその計画を。」

同盟者たちは互いの顔を見つめ合った。2~3人がラシャペル-マルトーに話すように合図をした。

ラシャペル-マルトーが前に進み、公爵に説明する許可を懇願するように見えた。

「言いなさい。」公爵が言った。

「では、殿下、」マルトーが言った。「これが私たちの元に来たものです。ルクレール、クリュセ、そして私の元にです。私たちはそれについてじっくり考えました。そしてその結果は多分確実だと思います。」

「本題に入りなさい、ムッシュー・マルトー、本題に入りなさい!」

「街には街の全ての権力をつなぐ箇所がいくつかあります。大小のシャトレ(Châtelet)、タンプル塔、市役所、武器庫、そしてルーヴルです。」

「そうだな。」公爵が言った。

「この全ての場所は守備隊が留まって守られています。しかしこじ開けるのはそれほど困難ではありません。なぜならそれらは急襲を予期することができないからです。」

「私もそれを認めるよ。」公爵が言った。

「しかしながら街は更に守られていることがわかります。先ずは見張りの騎士とその射手たちによって守られています。彼らは危険な状態の場所を動き回る真のパリの守りです。私たちが考え付いたことはここにあります。見張りの騎士をクチュール-サント-カトリーヌ(la Couture-Sainte-Catherine)に住んでいる彼の家で捕えるのです。急襲は騒ぎを起こさずにできます。場所は人けのない、人里離れたところです。

マイエンヌは頭を振った。

「そこがとても人けがなく、とても人里離れていても、」彼が言った。「人々は頑丈な門を突破できない。そして騒ぎを少しも起こさずに約20発の火縄銃を発射することはできない。」

「私たちはその反論を予め予想しておりました、殿下。」マルトーが言った。「見張りの騎士の射手たちは私たちの味方です。真夜中に私たちは扉をたたきに行きます。ただ2~3回です。射手が開けます。彼は騎士に陛下が彼と話がしたい旨を伝えに行きます。それは何も奇妙なことではありません。大体月に1回、国王は報告と遂行のためにこの役人を呼び寄せているのです。こうして扉が開かれ、私たちは10人の男たちを、サン-ポール(Saint-Paul)地区に住む船乗りたちを中に入れ、彼らが見張りの騎士を片付けます。」

「つまり喉を掻き切って殺すと言うことか?」

「そうです、殿下。それゆえ以上が守りを遮断する最初の命令です。その他の行政官たち、その他の官吏たちが震える中産階級あるいは政治家たちによって前面に出るかもしれないのは本当です。議長殿がいます。ムッシュー・ドー(d'O)がいます。ムッシュー・ド・シヴェルー(Chiverny)がいます。ムッシュー・ラグル(Laguesle)検事がいます。ああ!人々は同時に彼らの家をこじ開けるでしょう。どうやってそれをするのかを私たちはサン-バルテルミー(*3)で学んだのです。そして人々は見張りの騎士殿を扱ったのと同じように彼らを扱うでしょう。」

「ああ!ああ!」重大なことと気づいた公爵が言った。

「それは私たちの地区において選ばれた全ての政治家たちに襲いかかる、そして宗教の異端と政治の異端に決着をつける素晴らしい機会になるでしょう、殿下。」

「それは素晴らしいことだ、メッシュー。」マイエンヌが言った。「しかし、あなた方は同様に本当に堅固な城であり、絶えず歩哨と紳士たちが注意しているルーヴルを襲うかどうかを私に説明していない。国王は大変内気なので、見張りの騎士のように殺されるがままになっていない。彼は手にエペを持つだろう。そして大いに考えてくれ、彼は国王なのだ。彼の存在は中産階級の上に大いに影響を与えるだろう。そしてあなた方は打ち負かされる。」

「私たちはルーヴルの遂行のために4000人を選びました、殿下。そして4000人の男たちはあなたのおっしゃる彼の存在が彼らにもたらす影響のためにヴァロアをあまり好んでいない者たちなのです。」

「あなた方はそれで十分だと思っているのか?」

「疑いなく、私たちは10対1です。」ビュッシー-ルクレールが言った。

「ではスイス兵は?4000人いるではないか、メッシュー。」

「そうです、しかし彼らはラニュイ(Lagny)におります。そしてラニュイはパリから8リュー(*4)あります。それゆえ、国王が彼らに知らせることができたとしても、使者が馬で行くのに2時間、スイス兵が徒歩で来るのに8時間、つまり10時間かかるでしょう。そして彼らが市壁で止められるのに間に合って到着するでしょう。というのは、10時間で私たちは街全体の支配者たちになっているからです。」

「ああ!それでもいい、私はその全てを認めよう。見張りの騎士が殺され、政治家たちが滅ぼされ、街の当局者たちがいなくなる。邪魔者たちの全てがついに倒される。それではあなた方はそれをすることを疑いなく決心しているのだな?」

「私たちは私たちのような正直な人々の政府を作ります。」ブリガールが言った。「そして私たちの小さな商売において成功すること、私たちの子供たちや妻たちにパンを保証することを与えるのです。それ以上に望むものはありません。多分ほんの少しの野心が私たちの間の何人かに10人組あるいはカルトニエ(*5)あるいは義勇軍の集まりの指揮を望ませるでしょう。ああ!公爵殿、私たちはそうなるでしょう。しかしそれだけのことです。あなたは私たちが注文の多い者たちでないことがお分かりでしょう。」

「ムッシュー・ブリガール、あなたは明言を言いましたね。」公爵が言った。「ええ、あなた方は正直だ。私はそれをよく知っている。そしてあなた方は何も混じっていないあなた方の身分の中で我慢していない。」

「おお!いいえ、いいえ!」いくつかの声が叫んだ。「上等のワインに澱はいりません。」

「お見事!」公爵が言った。「話すことがあるよ。今、さあ、さて、長官の副官殿、イル-ド-フランスにはたくさんの怠け者と悪者がいるかね?」

ニコラ・プーレンは一度も前に身を置いていなかったので、彼の意に反して前に進んだ。

「はい、殿下、」彼が言った。「非常に多くではありませんが。」

「あなたはその下層民のおおよその数を私たちに言うことができますか?」

「はい、おおよそでしたら。」

「では見積もってください、メートル・プーレン。」

プーレンは指折り数え始めた。

「泥棒が3000~4000、暇人と乞食が2000~2500、その場限りの盗賊が1500~2000、暗殺者が400~500です。」

「よろしい!低く見積もって、6000ないしは6500の袋と縄のごろつきがいるのだ。その人たちはどんな宗教に属しているのかね?」

「何とおっしゃいましたか、殿下?」プーレンが尋ねた。

「私は彼らがカトリックかユグノーかと尋ねたのだよ。」

プーレンは笑い始めた。

「彼らは全ての宗教を持っています、殿下。」彼が言った。「正確に言えば1つだけです。彼らの神は金であり、血は彼らの予言者です。」

「よろしい、もし人々がそのことを言うかもしれないのなら、それは宗教のためなのだ。そして今、政治的な宗教において、私たちは何を言うのだ?彼らはヴァロアの者か、同盟者か、熱心な政治家の者か、あるいはナヴァールの者か?」

「彼らは強盗で掠奪者です。」

「殿下、推測なさらないでください。」クリュセが言った。「私たちがその人々を味方とみなすつもりがあるのではないかということを。」

「ああ、確かに、私はそうは推測していないよ、ムッシュー・クリュセ。そして私を不安にさせるのはまさにそのことなのだ。」

「どうしてそのことがあなたを不安にさせるのですか、殿下?」驚いて、代表団の数人のメンバーが尋ねた。

「ああ!私は十分に理解しているよ、メッシュー、意見を持たない、従ってあなた方と兄弟のように仲良くならないその人々はパリにはもはや行政官も、国家権力も、王国も、更に彼らを引き留めるものは結局何もないことを知り、あなた方が戦争をしている間にあなた方の店を略奪し、あなた方がルーヴルを占拠している間にあなた方の家を略奪し始めるのだ。彼らはいつも最も強い者であるように、ある時は彼らはスイス兵と共にあなた方に反して身を置き、またある時はあなた方と共にスイス兵に反して身を置くのだ。」

「何と。」代表者たちはお互いの顔を見ながら言った。

「私はそれは人々が考えるには十分重大なことと思うのだが、メッシュー?」公爵が言った。「私に関して言えば、私は大いに専念し、その不都合を避ける手段を探そう。というのは私たちのものの前にあなた方の関心、それが私の兄と私のモットーだからだ。」

代表者たちは賛成のざわめきを聞かされた。

「メッシュー、今、昼夜馬で24リュー進んだ男が数時間眠りに行くことを許してくれたまえ。ここにいれば安心だ。少なくとも今に関しては。もしあなた方が行動している間に危険があったとしても。それは多分あなた方の意見ではなかったかな?」

「おお!そうですとも、公爵殿。」ブリガールが言った。

「大いによろしい。」

「私たちはそれでは大変控えめに暇乞いをさせていただきます、殿下。」ブリガールが続けた。「そしてあなたはいつ私たちが新しい集会の日を決めることをお望みでしょうか・・・?」

「それは可能な限り最も早くに、メッシュー、安心してください。」マイエンヌが言った。「多分明日か、遅くとも明後日に。」

そして彼らは実際に暇乞いをしながら、彼らが考えてもいなかった危険を見つけたその先見の明に全く茫然とさせられたままになっていた。

しかし彼の姿が見えなくなるや否や、タペストリーの中に隠されていた扉が開き、一人の女性が広間に突進して来た。

「公爵夫人だ!」代表者たちが叫んだ。

「そうです、メッシュー!」彼女が叫んだ。「そしてまさにあなた方を窮地から救い出しに来たのです!」

彼女の勇気をよく知っていたが、同時に彼女の熱狂を恐れていた代表者たちは彼女に慇懃な態度を取った。

「メッシュー、」公爵夫人は微笑みながら続けた。「ヘブライ人ができなかったことをユーディットだけが成し遂げたのです。同様に私に期待して頂戴、私には私の計画があるのです。」

同盟者たちに最高の女ったらしたちがキスをした白い両手を差し出しながら、彼女はマイエンヌが既に通った扉を通って退出した。

「ちくしょう!」ビュッシー-ルクレールが口髭をなめ、公爵夫人を追いながら、叫んだ。「全くここにいるのが一族の男だと思うぞ。」

「やれやれ!」ニコラ・プーレンがマダム・ド・モンパンシエを見て、自分の額の上に玉のように光っている汗をぬぐいながら、呟いた。「私はまったくこの全てとは関係ないところにいることを望むよ。」

<2013.12.1修正済>

*1:実際は従弟ではなく再従兄弟同士の関係。マイエンヌ公爵の母アンナ・デステはフランス国王ルイ12世の娘にあたり、アンリ3世の祖父フランソワ1世の妻クロードの妹にあたる。従って、アンリ3世の父アンリ2世とマイエンヌ公爵の母アンナがいとこ関係であり、その子供に当たる彼らは再従兄弟になる。しかし遠い親戚のことを「いとこ」というのが貴族の習わしですね。

*2:原文は「Par la mordieu !」。訳せないので、適当です。

*3:1572年8月24日に起こったカトリック側がプロテスタントを大量虐殺したサン・バルテルミーの大虐殺のこと。

*4:1lieue≒4km

*5:6章の注を参照

2013年10月27日 (日)

31章:どのようにしてムッシュー・ド・ロワニャックが四十五人に演説を行ったか

*以下はLONDON & GLASGOW COLLINS' CLEAR-TYPE PRESSの『THE FORTY-FIVE GUARDSMEN』を見つつ、原書のフランス語からの翻訳を行っています。翻訳内容が正しいかどうかは保証しませんsweat01。また意味が取れないと明らかに直訳になっているところもありますsweat01。固有名詞の読み方も間違っている可能性が高いです。あしからずsweat02

二人の若者たちはそれぞれ国王の帰還を待つために彼らの小さな宿舎の窓辺に身を置いた。

彼らはそれぞれ全く異なる考えをしながら身を落ち着けていた。

サント-マリーヌは憎しみ、恥辱、野心で眉根を寄せ、心は激しい状態になっていた。

エルノートンは起こったことをすでに忘れており、たった一つの事に専心していた。つまり彼が小姓の身なりのもよ7とパリに導き入れ、そして彼が豪華な駕籠の中に再び見つけたばかりのあの女性であったかもしれないことだった。野心の計算よりも恋の冒険をする気になっている心にとってそこが熟考の詳しい理由だった。

同様にエルノートンは少しずつ自分の熟考に耽った。そしてそれはとても深かったので、頭を上げながら、サント-マリーヌがすでにそこにいなかったことに気付くだけだった。

閃きが彼の心を通り抜けた。

彼より専心していなかったサント-マリーヌは国王の帰還を窺っていた。国王は戻っていた。そしてサント-マリーヌは国王の部屋にいた。

彼は敏捷に立ち上がり、回廊を通り抜け、そして丁度サント-マリーヌが退出しようとしていた時に国王の部屋に到着した。

「さあ」彼が喜びに輝いて、エルノートンに言った。「これが国王が私にくださったものだ。」

そして彼はエルノートンに金の鎖を見せた。

「おめでとう、ムッシュー。」エルノートンが声に感情を少しも露わにすることなく、言った。

そして今度は彼の番になって、国王の部屋に入って行った。

サント-マリーヌはムッシュー・ド・カルマンジュ側のある嫉妬の表明を予想していた。従って彼はエルノートンが彼の番で出てくるのを待ちながら、その落ち着きに全く仰天した。

エルノートンは約10分間アンリの部屋にいた。その10分はサント-マリーヌにとって何世紀ものようだった。

ついにエルノートンが出てきた。サント-マリーヌは同じ場所にいた。素早い視線で彼は自分の仲間を取り囲んだ。それから彼の心は膨らんだ。エルノートンは何も持ち帰らなかった。少なくとも目に見えるものは何も。

「それできみには」サント-マリーヌが自分の考えを追いながら、尋ねた。「国王は何かくださったのかい、ムッシュー?」

「キスするための御手を。」エルノートンが答えた。

サント-マリーヌは手の中で輪を壊すかのように彼の鎖を押しつぶした。

二人共黙って宿舎の方へ向かった。

丁度彼らが広間に入ろうとした時にトランペットが鳴り響いた。招集の合図で45人は蜂の巣のミツバチのように各々が宿舎から出てきた。

それぞれがその一瞬の全体の集合を利用しながら、自分の仲間の身体と衣服の中に起こっている変化に驚くために、再び不意にやって来た人を怪しんだ。

大多数は恐らく悪趣味な、しかし鮮やかな色で上品さを補っていた非常な豪華さを見せびらかしていた。

その上彼らは、もし悪い兵士であったなら十分に抜け目のない政治家であったデペルノンが探していたものを持っていた。

ある者は若さを、またある者は力強さを、他の者は経験を、そしてそのことが全ての者において少なくとも不完全を正した。

要するに彼らは都会の服を着た将校の集団に似ていた軍隊の外観はあまりにも少しの例外を除けば彼らが最も野心を燃やすものだった。

かくして見せるために、長いエペ、やたらと鳴らす拍車、野心的なかぎ状の口髭、鹿あるいは水牛の長靴と手袋、全てが大いに金箔が貼られ、大いになめされ、あるいはリボンで飾られた。人々がその時言っていたように、最大数によって本能的に取り入れられた服装がそこにあった。

最も慎み深い人は暗い色で、最もケチな人は丈夫なラシャで、活発な人はレースと薔薇色あるいは白のサテンによって見分けられた。

ペルデュカ・パンコルネはあるユダヤ人の店で監獄の鎖のように太い金メッキされた銅の鎖を見つけた。

ペルティナ・ド・モンクラボーは細い絹のリボンと刺繍だけだった。彼は泥棒たちによって傷つけられた一人の紳士を得たデ・ゾードリエット(des Haudriettes)通りの商人から自分の服を買った。

その紳士はその商人の店から別の衣服を取り寄せた。そして受け取った歓待に感謝して、泥と血でいくらか汚れた自分の衣服を彼の元に置いて行った。

しかし商品は衣服の染みを抜かせ、とても体裁の良い状態にした。短剣の二撃の跡として二つの穴が大いに残った。しかしペルティナはその二つの場所に金の刺繍を施させた。それは飾りによって傷に取って代わったものとなった。

ユスターシュ・ド・ミラドゥーは輝いていなかった。彼はラルディーユ、ミリトール、そして二人の子供たちに服を着せなければならなかった。

ラルディーユは奢侈取締法がその時代に身に着けることを女性に許しているのと同じくらい豪華な服を選んだ。ミリトールはビロードとダマスカ織で覆われており、銀の鎖、羽毛のついた縁なし帽、刺繍された靴下で飾られていた。それで哀れなユスターシュにはボロをまとわないために十分なお金がほとんど残らなかった。

ムッシュー・ド・シャラブルは自分の鉄灰色の胴衣を持ち続け、洋服屋が直し、新調したように裏を付けた。いくつかのビロードの帯がそこにまき散らされ、持ちの良いその衣服に新しい立体感を与えた。

ムッシュー・ド・シャラブルは胴衣を変えるのを望まないことを強く主張していた。しかし最も入念に探したにもかからわず、彼はよりよく作られ、より好都合なラシャを見つけることができなかった。

その上、彼はひなげし色の半ズボンと長靴、マントと帽子に出費した。目に見えて全体の調和が取れていることはそんな風にけちんぼの衣服の中にいつも生じた。

彼の武器に関しては非の打ちどころがなかった。老軍人は素晴らしいスペインのエペ、優れた製作者の短剣、完璧な喉あてであることに気付いた。それは更に襞のついた円形状の襟の節約だった。

ムッシュー・ド・ロワニャックが眉をしかめて入って来た時、それゆえそのメッシューたちはお互いに見とれ合っていた。

「メッシュー、」彼が尋ねた。「きみたちは全員ここにいるかね?」

「全員です!」45人の声が来たるべき演習のための多くの約束のまとまりと共に答えた。

「メッシュー、」ロワニャックが続けた。「きみたちは国王のとても特別な奉仕のためにここに呼び寄せられた。それは立派な称号であるが、多くの義務を負わせるものである。」

ロワニャックが満足の快いつぶやきによって占められた間を置いた。

「しかしながら、私にはきみたちの中の数人は義務を理解していないように見える。私は彼らにそれを思い出させるとしよう。」

それぞれが耳をそばだてた。彼らが自分の義務を知ることに熱心であったこと、そうでなければそれを果たすことを急いでいることは明らかだった。

「むくどりのように振る舞い、きみたちの気まぐれで嘴の突きや爪の突きをあちこちにふりまくために国王がきみたちを加え、きみたちに支払っていると考えてはならない、メッシュー。規律は秘密が守られているとはいえ、緊急である。そしてきみたちは紳士たちの集団であり、最初の従順者であり、王国に献身的に仕える最初の者たちでなければならない。」

聴衆は息をしなかった。というのもその始まりの厳粛さから結果が重大であると理解することは容易であったからだ。

「今日からきみたちはルーヴルの内奥で生活している。つまりまさに政府の実験室の中でだ。もしきみたちが討議の全てに出席していないのなら、しばしばきみたちはその内容を実行するために選ばれるだろう。きみたちはそれゆえ秘密の責任だけでなく、実行することができる能力を持つ将校の立場にいるのだ。」

二度目の満足のつぶやきがガスコーニュ人たちの横列の中に走った。人々はあたかも高慢がその男たちを数プス(*1)大きくしたかのように頭が姿勢を直したのを見た。

「今仮定してくれ、」ロワニャックが続けた。「時々国家の安全あるいは王国の平穏の上に置かれているその将校の一人が、もう一度言うと、将校が会議の秘密を漏らす、あるいは命令を課されている兵士がそれを実行しないと仮定してくれ。彼は死ぬだろう。きみたちはそれを知っているかね?」

「疑いなく。」いくつもの声が答えた。

「おお!メッシュー、」ロワニャックは恐ろしい調子で言葉を継いだ。「まさにここに今日国王の会議を漏らし、陛下が取りたいとお考えの手段を多分不可能にした者がいる。」

恐怖が高慢と感嘆に取って代わり始めた。45人は疑念と不安と共にお互いを見つめ合った。

「きみたちのうちの二人は、メッシュー、通りの真ん中で老女のようにおしゃべりをしながら、驚いていた。そしてとても重大な言葉の霧を洩らしていたので、言葉のそれぞれが今一人の人間を殴り、そして殺すかもしれない。」

サント-マリーヌがすぐにムッシュー・ド・ロワニャックの方へ進み、彼に言った。

「ムッシュー、私は仲間たちの名においてここであなたとお話しする名誉を持っていると思います。国王の全ての召使の上の疑いを長く置き去りにしたままにしないでください。どうぞ急いでお話しください。私たちは何を守るかを知っております。そして善人は決して悪人と混同されません。」

「これは簡単なことだ。」ロワニャックが答えた。

注意が激しくなった。

「国王は今日敵の一人の情報を受け取った。まさしくきみたちが戦う必要に迫られている者の一人が国王に対して立ち向かう、あるいは陰謀を企てるためにパリに到着した。その敵の名は密かに言われた。しかし一人の見張りが聞いていた。つまり城壁のように、そして耳が聞こえない、口がきけない、不撓不屈でなければならない者と見做さればならない男が聞いたと言うことだ。しかしながら、まさにその男は今日の午後通りの真ん中で通行人を引き寄せ、ある種の感情をかきたてる空威張りと騒ぎと共にその国王の敵の名前を繰り返して言っていた。私は彼を知っていた。それで私の耳で全てを聞かれたその男と同じ道の後を追った。私はそれを遮るために彼の肩の上に手を置いた。というのは彼の進んだ速度では更なる言葉と共に非常に侵すべからざる重要性を危険に晒したので、もし私の最初の警告で彼が無言にならなかったら、私はその場で彼を刺し殺すことを余儀なくされただろう。」

人々は今ペルティナ・ド・モンクラボーとペルデュカ・ド・パンコルネが青ざめ、一方が他方にほとんど気絶してひっくり返っているのを見た。モンクラボーは全くよろめきながら、いくつかの言い訳を片言言おうと試みた。

「きみを正当化できるものは何もないよ、ムッシュー。」ロワニャックがモンクラボーに言った。「もしきみが酔っていたなら、きみは酒を飲んだという理由で罰せられなければならない。もしきみがほら吹きで思い上がった人間でしかないのなら、きみは更に罰せられなければならない。」

恐ろしい沈黙が生じた。

ムッシュー・ド・ロワニャックは人々が始まりにそれを覚えていたように、不吉な結末を約束する厳しさを告げた。

「従って、」ロワニャックは続けた。「ムッシュー・ド・モンクラボー、そして同様にきみ、ムッシュー・ド・パンコルネ、きみたちは罰せられるだろう。」

「お許しを、ムッシュー。」ペルティナが言った。「しかし私たちは田舎から到着しました。宮廷について不慣れなのです。そして政治の中で生きる術を知らないのです。」

「その奉仕の役目の重さを測ることなく、陛下に奉仕する名誉を受け入れてはならない。」

「私たちは今後は墓のように無言になります。お約束します。」

「それは全くよいことだ、メッシュー。しかしきみたちが今日行った悪事を明日改められるのかね?」

「そのように努めます。」

「不可能だ、もう一度言う、不可能だ!」

「それでは今回は、ムッシュー、私たちをお許しください。」

「きみたちは生きている。」ロワニャックがその二人の張本人たちの願いに直接答えることなく、再び始めた。「私が厳格な規則によって抑制したいと望んでいる明らかなわがままの中で。きみたちはそのことをよく聞いているかね、メッシュー?耐えがたい条件に気付いた者はそれを止める。私は彼らを取り替える志願者たちに困っていないのだ。」

誰も答えなかった。しかし多くの額にしわが寄った。

「従って、メッシュー、」ロワニャックが言葉を続けた。「きみたちがそのことで罪に問われるのはよいことなのだ。裁判は私たちの中で密かに敏速に、記録もなく、手続きもなく、行われるだろう。暴露者たちは直ちに死刑を受けるだろう。そのことについてはあらゆる種類の口実がある。そして誰もそれを見る者はいない。例えば、ムッシュー・ド・モンクラボーとムッシュー・ド・パンコルネが通りで彼らが忘れなければならなかったことについて親しげに話をする代わりに、彼らが思い出さねばならなかったことに関して口論をしていたと仮定しよう。ああ!その口論はムッシュー・ド・パンコルネとムッシュー・ド・モンクラボーの間に決闘をもたらしうることはないかね?決闘の中では時々片足を大きく前に出して突っ込むと同時に、突っ込みながら串刺しになる。その決闘の翌日、人々はこの二人のメッシューがプレ-オ-クレールで死んでいることを見つける。人々がムッシュー・ド・ケリュス、ムッシュー・ド・ショーンベルグ、そしてムッシュー・ド・モギロンを発見したように。そのことは決闘があったに違いないという反響をもたらす。そしてそれだけのことだ。私はそれゆえ殺すだろう。きみたちはそのことをよく聞いていたかね、メッシュー?私はそれゆえ、国王の秘密を洩らした者は誰でも決闘あるいは別なやり方で殺すだろう。」

モンクラボーは全く気が遠くなり、その蒼白さは次第に鉛色になり、歯は砕けるほど食いしばられ、そして彼の仲間にもたれかかった。

「私は、」ロワニャックが言葉を続けた。「重大ではない罪に対しては重大ではない罰、例えば投獄のようなものを課すだろう。そして私は国王を奪うより厳しく張本人を罰するときに使うだろう。今日私は話をしたムッシュー・ド・モンクラボーと話を聞いたムッシュー・ド・パンコルネの命を容赦する。私は彼らを許す。もう一度言うと、なぜなら彼らは間違えていたかもしれなかったし、知らなかったからだ。私は彼らに投獄の罰を受けさせない。なぜなら私は今夜あるいは明日彼らを必要とするかもしれないからだ。従って私は彼らに軽罪を犯した者たちに対して用いたいと思っている第三の苦しみを取っておいている、罰金だ。」

この罰金と言う言葉を聞いて、ムッシュー・ド・シャラブルの顔はむなじろてんの鼻面のように長くなった。

「きみたちは1000リーヴル受け取った、メッシュー。100リーヴル返すんだ。そしてその金は私が何も非難しない者たちに功績に応じて報いるために私によって使われるだろう。」

「100リーヴルだって!」パンコルネがつぶやいた。「しかし、畜生!私はもはや100リーヴル持っていない。自分の身なりに使ってしまった。」

「きみの鎖を売るんだ。」ロワニャックが言った。

「私は国王の奉仕にそれを委ねることを大いに望みます。」パンコルネが答えた。

「違うぞ、ムッシュー。国王は臣下たちの罰金を支払うために臣下たちの衣類を決して買わない。きみ自身が売り、きみ自身が支払うのだ。私は一言付け加えておく。」ロワニャックが続けた。「私はこの集団の色々なメンバーの中の色々な種類のいら立ちに気付いている。意見の対立が起こる度に人々が私にそれを委ねることを望む。そして私だけが意見の対立の重大さを判断し、戦いが必要と思ったのなら、戦うことを命じる権利を持つだろう。我々の時代、人々は決闘で大いに死んでいる。それは流行だ。そして私は流行を追うために私の集団が絶えず間引きされ、不十分であることについて気にしない。私の許可なく行われた最初の戦い、最初の挑発は、もしその罪が奉仕に対して重大な損害をもたらすのなら、厳しい投獄、多額の罰金、あるいは同様の更に厳しい苦痛の罰に処せられるだろう。その条項が適用されるかもしれない者たちはそれらを適用される。さあ、メッシュー。ところで、きみたちの中の15人は今夜陛下が部屋に入った時、階段の下に留まるだろう。そして最初の合図でもし必要ならば控えの間に散らばるのだ。15人はあからさまに任務と言うことを見せずに外に留まり、ルーヴルにやって来た人々の後ろに混ざるのだ。最後の別の15人は宿舎に留まること。」

「ムッシュー、」サント-マリーヌが近づきながら、言った。「意見を述べるのではなく、神が私を見張っています!しかし説明を求めることをお許しください。全てのよい集団が十分に指揮されることを必要としています。もし私たちが長を持たないのなら、どのようにしてまとまって行動するのでしょうか?」

「それでは私は、私は一体何なのだ?」ロワニャックが尋ねた。

「ムッシュー、あなたは私たちの司令官です、あなたは。」

「私ではない、ムッシュー、きみは間違っている。それはデペルノン公爵閣下だ。」

「それではあなたは私たちの伍長なのですか?その場合十分ではありません、ムッシュー。そして私たちには15人の分隊につき一人の将校が必要です。」

「それは正しいな。」ロワニャックが答えた。「そして私は毎回自分を3つに分けることができない。しかしながら私はきみたちの中に功績の優位よりも他の優位を望まないのだ。」

「おお!他の優位に関しては、ムッシュー、あなたは否定しなければならないです。それは一日だけ生じるでしょう。そして仕事中、もしまとまった状態にないのなら、あなたは違いを知ります。」

「それでは私は可変の長を知らせるだろう。」ロワニャックがサント-マリーヌの言葉で一瞬考えた後、言った。「命令の言葉と共に、私は長の名前を与えるだろう。その方法によって各々が自分の番で、従い、そして命令することを知るだろう。しかし私はまだ誰の能力も知らない。その能力は私の洗濯を決めるために発達するに違いない。私は見て、判断するだろう。」

サント-マリーヌは頭を下げ、列に戻った。

「ところで、きみたちは聞いているな。」ロワニャックが言葉を続けた。「私はきみたちを15人ごとの小隊に分けたことを。きみたちは自分の番号を知っている。一番目は階段に、二番目は中庭に、三番目は宿舎だ。最後のものは半分服を着た状態で、枕元にエペを置くこと。つまり、最初の合図で動く準備ができているということだ。さて、行け、メッシュー。ムッシュー・ド・モンクラボーとムッシュー・ド・パンコルネ、きみたちの罰金の支払いは明日だ。私が会計係だ。行け。」

全員が退出した。エルノートン・ド・カルマンジュだげが残った。

「きみは何か言いたいことがあるのかね、ムッシュー?」ロワニャックが尋ねた。

「はい、ムッシュー。」エルノートンが頭を下げながら、言った。「私にはあなたが私たちがすることを正確に話すことを忘れているように思えます。国王に奉仕するという存在は疑いなく名誉ある言葉です。しかし私はその奉仕が導くところまで大いに知りたいのです。」

「そのことは、ムッシュー、」ロワニャックが言い返した。「微妙な問題だ。そして私はそれについて明確に答えることを知らないだろう。」

「あなたはなぜ敢えて尋ねないのですか、ムッシュー?」

この言葉の全てはとても快い礼儀正しさと共にムッシュー・ド・ロワニャックに掛けられたので、彼の習慣に反して、ムッシュー・ド・ロワニャックは無駄に厳しい返事を探した。

「なぜならば、私自身が自分が夜にすることを朝に知らないからだ。」

「ムッシュー、」カルマンジュが言った。「あなたは私たちと比べてとても高い地位についているので、私たちが知らない多くのことをご存知に違いありません。」

「私がしたようにするんだ、ムッシュー・ド・カルマンジュ。人々がきみに言うことなしに、そのことを学ぶのだ。私はきみの邪魔をしない。」

「私はあなたの理解に任せます、ムッシュー。」エルノートンが言った。「なぜなら、友情もなく憎しみもなく、宮廷に到着し、そしてどんな情熱によっても導かれず、私には役立つことがないかもしれません。しかしながらあなたは他者よりも有益です。」

「きみは友情も憎しみを持っていないのかね?」

「はい、ムッシュー。」

「しかしながら、きみは国王を愛している。少なくとも私はそう思っているが?」

「私はそうしなければなりませんし、そうしたいと思っています、ムッシュー・ド・ロワニャック、召使として、臣下として、そして紳士として。」

「ああ!きみが模範としなければならないのは方位基点だな。もしきみが悪賢い人間なら、それに向かい合う者を見つけるのに役立つに違いない。」

「素晴らしいことです、ムッシュー。」エルノートンが頭を下げながら、言い返した。「私はもうわかっています。しかしながら、私をひどく不安にする問題点が残っているのです。」

「どんなことかね、ムッシュー?」

「盲従です。」

「それは第一条件だ。」

「私は話を完全に聞きました、ムッシュー。盲従は名誉に気難しい人々にとって時々困難です。」

「そのことは私には関わりがないよ、ムッシュー・ド・カルマンジュ。」ロワニャックが言った。

「しかしながらムッシュー、命令があなたの気に入らない時は?」

「私はムッシュー・デペルノンの署名を読む。そしてそのことが私を慰めるのだ。」

「そしてムッシュー・デペルノンは?」

「ムッシュー・デペルノンは陛下の署名を読む。そして私のようにご自分を慰める。」

「あなたは正しいです、ムッシュー。」エルノートンが言った。「そして私はあなたの謙虚な召使です。」

エルノートンが退出するために一歩動いた。彼を引き留めたのはロワニャックだった。

「しかしながら、きみは私の中のいくつかの考えを呼び覚ましたばかりだ。」彼が言った。「そして私は他の者たちには言わないことをきみには言うだろう。なぜなら他の者たちはきみのように私に話をする勇気もなければ礼儀正しさも持っていないからだ。」

エルノートンは頭を下げた。

「ムッシュー。」ロワニャックが若者に近付きながら、言った。「多分今夜重要なある人物がやって来るだろう。彼を見失うな。そしてルーヴルから出てから行くだろう至るところへ彼を追うんだ。」

「ムッシュー、あなたに言うことをお許しください。しかしそれは私にはスパイのように思えますが、それは?」

「スパイ!きみは思うのか?」ロワニャックが冷静に言った。「それはありうる。しかし手に取れ・・・」

彼は自分の胴衣から書類を取り出し、カルマンジュに差し出した。カルマンジュはそれを広げ、読んだ。

『今夜ムッシュー・ド・マイエンヌを追わせよ。もし彼が敢えて偶然にもルーヴルに現れたなら。』

「署名は?」ロワニャックが尋ねた。

「デペルノン署名。」カルマンジュが読んだ。

「どうだね!ムッシュー?」

「それは正しいです。」エルノートンが深くお辞儀をしながら、言い返した。「私はムッシュー・ド・マイエンヌを追います。」

そして彼は退出した。

<2013.10.27修正済>

*1:pouce

1プス=2.6cm、1ピエの12分の1

2013年8月24日 (土)

30章:サント-マリーヌ

*以下はLONDON & GLASGOW COLLINS' CLEAR-TYPE PRESSの『THE FORTY-FIVE GUARDSMEN』を見つつ、原書のフランス語からの翻訳を行っています。翻訳内容が正しいかどうかは保証しませんsweat01。また意味が取れないと明らかに直訳になっているところもありますsweat01。固有名詞の読み方も間違っている可能性が高いです。あしからずsweat02

エルノートンは間違わなかった。指し示した男は本当にシコだった。

彼側でも優れた目と耳を持っていた。彼はとても遠くから騎手たちを見て、聞いていた。

彼は彼らが話があるのは自分であると気付いていたので、彼らを待った。

この点において彼がもはやいかなるものも疑わず、二人の騎手たちが彼の方に向かっていたのを見た時に、彼は気高い態度を取るためのように、自分の長いエペの柄の上に手を置いた。

エルノートンとサント-マリーヌは一瞬二人とも無言でお互いを見つめ合った。

「あなたがどうぞ、ムッシュー、よろしければ。」エルノートンが自分の敵に身をかがめながら、言った。というのは、このような場合、敵の言葉は仲間の言葉よりもふさわしい。

サント-マリーヌは息を詰まらせた。この礼儀正しさについての驚きが彼の喉を締め付けた。彼は頭を下げながら答えるしかなかった。

エルノートンは彼が黙っているのを見た。そしてそれから発言した。

「ムッシュー、」彼がシコに言った。「私たちは、こちらのムッシューと私は、あなたの召使です。」

シコは彼のとても愛想の良い微笑みと共にお辞儀をした。

「失礼ですが、」若者は続けた。「あなたのお名前をお聞かせいただけませんでしょうか?」

「私の名前は影です、ムッシュー。」シコが答えた。

「そうです、ムッシュー。」

「あなたは私たちに対してあなたが待っていることを話すのに十分ではありませんか?」

「私は手紙を待っています。」

「あなたは私たちの好奇心を理解しています、ムッシュー。そしてそれはあなたに対して何も無礼なものはないです。」

シコは絶えず、そして更に愛想の良い微笑みと共に身をかがめた。

「あなたはその手紙をどんな場所から待っているのですか?」エルノートンが続けた。

「ルーヴルからです。」

「どんな印で封印されたものですか?」

「国王の印です。」

エルノートンは自分の胸の中に手を入れた。

「あなたは疑いなくこの手紙を認めますか?」彼が言った。

「はい、もし私がそれを見たなら。」

エルノートンは自分の胸から手紙を取り出した。

「それをこちらに。」シコが言った。「そしてあなたもご存知の通り、より一層の安全のために、私はあなたに何かと交換して与えなければならないのでは?」

「受取書ですか?」

「それです。」

「ムッシュー。」エルノートンが答えた。「私は国王よりこの手紙をあなたに運ぶことを課せられました。しかし、あなたに手渡すことを課せられたのはこちらのムッシューなのです。」

そして彼は手紙をサント-マリーヌに差し出し、サント-マリーヌはそれを受け取り、シコの両手の上に置いた。

「ありがとう、メッシュー。」シコが言った。

「あなたはご覧になった。」エルノートンがつけ加えた。「私たちが任務を忠実に果たしたことを。道路には誰もおらず、それゆえ誰も私たちがあなたと話している、あるいは手紙を差し上げたことを見ていません。」

「その通りだ、ムッシュー、私はそれを認めるよ。そして必要な場合にはそれを立証しよう。さて、私の番だ。」

「受取書を。」二人の若者が一緒に言った。

「私はお二人のどちらにそれを手渡さなければならないのかな?」

「国王はそれについて何もおっしゃっていなかった!」サント-マリーヌが人を脅かすような態度をした彼の仲間を見ながら、叫んだ。

「受取書の写しをつくってください、ムッシュー。」エルノートンが答えた。「そして私たちのそれぞれに1つずつ与えてください。ここからルーヴルまで遠いので、途中私かこちらのムッシューが不幸に遭うかもしれませんから。」

その言葉を言いながら、エルノートンの目が今度は光り輝いた。

「あなたは賢明な人だな、ムッシュー。」シコがエルノートンに言った。

そして彼はポケットから覚書帳を取り出し、2ページ破きながら、その上のそれぞれに次のように書いた。

『ムッシュー・エルノートン・ド・カルマンジュによって運ばれた手紙をムッシュー・ルネ・ド・サント-マリーヌの手で受け取った。影』

「さようなら、ムッシュー。」サント-マリーヌは自分の受取書を奪い取りながら、言った。

「さようなら、ムッシュー、そしてよい旅を。」エルノートンが付け加えた。「何かルーヴルに伝えることはありませんか?」

「全く何もないよ、メッシュー。本当にありがとう。」シコが言った。

エルノートンとサント-マリーヌは自分たちの馬の頭をパリに向けた。そしてシコは最もよい騾馬が羨んだ1歩を遠ざかった。

シコの姿が見えなくなった時、エルノートンはかろうじて100歩進んでいたが、突然自分の馬を止め、サント-マリーヌに話しかけた。

「さて、ムッシュー、」彼が言った。「よろしければ、馬から降りてください。」

「それは何のためだ、ムッシュー?」サント-マリーヌは驚いて、言った。

「私たちの仕事は終わりましたので、私たちは話をしなければなりません。私にはこの場所は私たちのような会話をするのにとても優れているように思います。」

「お好きなように、ムッシュー。」サント-マリーヌがすでに仲間がしていたように馬から降りながら、言った。

彼が馬から降りた時、エルノートンは彼に近付いて、言った。

「あなたはご存知だ、ムッシュー。私側の訴えもなく、あなたの節度もなく、結局何の理由もなく、あなたは道中私をひどく侮辱しました。さらにあります。あなたは時機を得ない時に私にエペに手を置かせることを望みました。そして私は断りました。しかし、ちょうど今、時はいい状態になりました。御用は何でも承りましょう。」

サント-マリーヌはこの言葉を陰気な顔をして、眉根を寄せて、聞いた。しかし、奇妙なことである!サント-マリーヌは彼を全く限界の向こうに引きずっていた怒りの流れの中にもはやいなかった。サント-マリーヌはもはや争いたくなかった。熟考が彼に良識を取り戻させていた。彼は自分の立場が全く劣っていると考えていた。

「ムッシュー、」彼が一瞬の沈黙の後で答えた。「私がきみを侮辱した時、きみは私に奉仕によって答えてくれた。それゆえ私は今きみにさっき言った言葉を言うことしか知らない。」

エルノートンは眉をしかめた。

「いいえ、ムッシュー、でもあなたはあなたが今しがた言ったことを再び今考えていますよ。」

「きみは誰にそれを言っているのだ?」

「あなたの言葉の全ては憎悪と嫉妬によって口述されていたのです。そしてあなたがそれらを言ってから2時間以後、その憎悪と嫉妬はあなたの心から消すことができていない。」

サント-マリーヌは顔を赤らめた。しかし何も答えなかった。

エルノートンは一瞬待ってから答えた。

「もし国王があなたよりも私をお気に召したのなら、それは私の顔があなたの顔よりも彼のお気に召したからです。もし私がビエーヴル川の中に投げ込まれなかったのなら、それは私があなたよりも上手に馬に乗っていたからです。もし私がちょうどあなたがしたいと思った時にあなたの決闘を受け入れなかったのなら、それは私の方が思慮分別があったからです。もし私があの男の犬にかまれなかったとしたら、それは私の方が聡明だったからです。最後にもし私がちょうど今あなたと決闘をし、エペを抜くのなら、それは私の方が本当の名誉を持っているからです。もしあなたが躊躇なさるなら、私はもっと勇気を持つように言うつもりです。」

サント-マリーヌは身震いした。そして彼の目は輝きを放った。エルノートンが指摘した悪い情熱の全てが彼の鉛色の顔の上に代わる代わる烙印を刻み込んだ。若者の最後の言葉で、彼は怒り狂った人のように自分のエペを抜いた。

エルノートンはすでに自分の物を手にしていた。

「さあ、ムッシュー、」サント-マリーヌが言った。「きみが言った最後の言葉を撤回してくれ。それは余計です。きみはそれを認めている、私を完全に知っているきみは。きみが言ったように私たちは一方が他方の2リューのところに住んでいるのだから。それを撤回してくれ。きみは私の屈辱はもうたくさんに違いない。私の名誉を傷つけないでくれ。」

「ムッシュー、」エルノートンが言った。「私は決して腹を立てていないように、私が言いたいことを言ってはいません。従って、私は全く何も撤回することはありません。私も同様に傷つきやすいのです、私も。そして宮廷において新参者ですから、あなたと会う度に顔を赤らめたくないのです。もしよろしければエペを1回交わしてください、ムッシュー。それはあなたのためと同じくらいに私の満足のためになります。」

「おお!ムッシュー、私は11回打ち勝ってきたのだよ。」サント-マリーヌが陰気な微笑みと共に言った。「そして私の11人の敵のうち2人は死んだのだ。きみはまだそのことを知っていると思うが?」

「そして私は、ムッシュー、私は一度も打ち勝ったことがありません。」エルノートンが言い返した。「というのはそのような機会が一度も起こらなかったからです。私がそこに達しない時に私の元にやってきたのを私の好きなように見做しています。そして私は好機を逃しません。私はあなたのご意向をお待ちしますよ、ムッシュー。」

「さあ、」サント-マリーヌが頭を振りながら、言った。「私たちは同胞だ。私たちは国王に奉仕している。私たちはもはや喧嘩をしてはならない。私はきみを勇敢な男と見做すよ。もしそれが私にとってほとんど不可能だとしたら、私はきみに手を見せさえするよ。きみが望んでいることを、私はきみのように示すよ。心の奥底まで傷ついたことは私の過ちではない。私は嫉妬している。私がそうすることできみは何を望むんだ?性格は悪い日の中で私を生み出した。ムッシュー・ド・シャラブルあるいはムッシュー・ド・モンクラボーあるいはムッシュー・ド・パンコルネは全く私の腹を立てさせなかった。私の苦しみを生じさせるのはきみの長所なのだ。諦めてくれ。私の嫉妬はきみに対してできるものは何もないのだから。そして残念なことにきみの長所はきみにあり続けるのだ。同様に私たちはあそこに住んでいるではないか、ムッシュー?きみが私たちの喧嘩の動機について話す時、確かに私は大いに苦しむ。」

「私たちの喧嘩は、誰も知りませんよ、ムッシュー。」

「誰も?」

「そうです、ムッシュー。ゆえにもし私たちが争うのなら、私はあなたを殺す、あるいは私が殺されるでしょう。私は命をほとんど尊重していない者ではありません。それどころかとても執着しています。私は23歳ですし、優れた名前も持っています。私は全く貧しくありません。私は自分と未来に希望を持っています。安心してください。私はライオンのように身を守ります。」

「ああ!私は、きみとは全く逆だよ、ムッシュー、私はすでに30歳だ。そして人生にとてもうんざりしている。というのは私は未来も自分も信じていないからだ。しかし私は人生に全くうんざりして、幸せに疑い深くなっているが、きみと争うことは好まないよ。」

「では、あなたは私に詫びるのですか?」エルノートンが言った。

「いいや、私は十分したし、十分言ったよ。もしきみが満足していないのなら、それはよかった。それではきみは私よりも勝ることを止めるのだな。」

「私はあなたに思い出させるでしょう、ムッシュー、一方も他方もガスコーニュ人である時に、笑われることに身をさらすことなく、喧嘩を終えることは同様にないことを。」

「私が待っていることがまさにここにある。」サント-マリーヌが言った。

「あなたが待っている?・・・」

「笑う人だ。おお!その人が私を過ごさせる素晴らしい瞬間だ。」

「それではあなたは戦うことを拒絶するのですね?」

「私はきみとは争いたくない。理解し合おう。」

「私を挑発した後で?」

「それは認める。」

「しかし結局、ムッシュー、もし忍耐が私から逃れ、私があなたにエペで激しく突撃したら?」

サント-マリーヌは身を引きつらせて拳を握りしめた。

「それでは、」彼が言った。「それはよかった。私は10歩先に私のエペを投げるだろう。」

「気を付けてください、ムッシュー、というのはその場合、私はあなたをエペの先で突くことになるんですよ。」

「結構だ。というのはそれなら私はきみを憎む理由を持つからだ。そして私はきみを死ぬほど憎むだろう。それからある日、きみが弱っているある日、私はきみがそれをしたばかりであるように思い出させるだろう。そして私は絶望して、きみを殺すだろう。」

エルノートンは自分のエペを鞘に戻した。

「あなたは奇妙な人ですね。」彼が言った。「そして私は心の底からあなたをお気の毒に思います。」

「きみが私を気の毒に思うって?」

「はい、というのはあなたはひどく苦しんでいるに違いないからです。」

「ひどくね。」

「あなたは決して愛さないに違いないでしょう?」

「決して。」

「しかしあなたは少なくとも情熱をお持ちでは?」

「唯一ね。」

「嫉妬ですね、あなたが私に言った。」

「そうだ、それは私が言語に絶する恥と不幸の一段階の全てを持っていることをなすのだ。私は私の他の者を愛している女を熱愛する。私は他の者の手が触る時に金を愛する。私は比較によっていつも高慢だ。私は自分の中の怒りを興奮させるために飲む。つまり、それが噂にならない時にそれを激しくさせるためだ。つまりそれを爆発させ、雷のように燃やすためだ。おお!そうだ、そうだ、きみは言った、ムッシュー・ド・カルマンジュ、私は不幸だと。」

「あなたは善良になることを決して試さないのですか?」エルノートンが尋ねた。

「私は成功しない。」

「あなたは何を期待しているのですか?それでは何をするつもりなのですか?」

「有毒な植物が何をするかって?それは他のもののように花を持つ。そしてある人々は有用性を引き出すことを知っている。熊と餌食の鳥が何をするかって?彼らは噛むが、ある飼育者たちは狩猟用に調教することを知っている。私がいるのは、そして『その植物は有毒だ。それを引っこ抜け。その動物は激している。それを殺せ。』と言われる日まで私が多分ムッシュー・デペルノンとムッシュー・ド・ロワニャックの手の中にいるのはそのためだ。

エルノートンは少しずつ平静になった。

サント-マリーヌはもはや彼の怒りの対象ではなく、研究の対象だった。彼は状況がとても奇妙な告白に導いていたその男に対してほとんど哀れみを強く感じていた。

「あなたが重要な地位についたら、大きな財産を作ることができます。そしてあなたは治るでしょう。」彼が言った。「あなたの天分のセンスの中で進歩してください、ムッシュー・ド・サント-マリーヌ。そしてあなたは戦争あるいは陰謀において成功するでしょう。その時支配することができ、あなたは憎む人が減るでしょう。」

「もし私が高く昇進しても、もし私が深く根付いても、絶えず私の上には私を傷つける更に上の運があるだろう。その下に私の耳をつんざく意地悪な笑いがあるだろう。」

「私はあなたをお気の毒に思います。」エルノートンが繰り返した。

それで終わりだった。

エルノートンは木につないでいた自分の馬のところへ行き、それを解いて、再び鞍にまたがった。

サント-マリーヌは彼の馬の手綱を離していなかった。

二人ともパリへの道を再び取り始めた。一方は聞いたことで、他方は話したことで無言で陰鬱になりながら。

突然エルノートンがサント-マリーヌに手を差し出した。

「私があなたを治すことを試して欲しいですか?」エルノートンがサント-マリーヌに言った。「さあ?」

「もう一言も言わないでくれ、ムッシュー。」サント-マリーヌが言った。「いらない、それを試さないでくれ。きみは失敗する。逆に私を憎んでくれ。そしてそれが私が君を素晴らしいと思う方法になるだろう。」

「もう一度、私はあなたをお気の毒に思います、ムッシュー。」エルノートンが言った。

1時間後、二人の騎手たちはルーヴルに戻り、四十五人の住まいの方に向かった。

国王は外出していた。そしてその夜戻ることになっていただけだった。

<2013.8.24修正済>

2013年8月22日 (木)

29章:二人の友人たち

*以下はLONDON & GLASGOW COLLINS' CLEAR-TYPE PRESSの『THE FORTY-FIVE GUARDSMEN』を見つつ、原書のフランス語からの翻訳を行っています。翻訳内容が正しいかどうかは保証しませんsweat01。また意味が取れないと明らかに直訳になっているところもありますsweat01。固有名詞の読み方も間違っている可能性が高いです。あしからずsweat02

さて、読者がお気に召すなら、我々は小さな秘密を持っていることに満足している国王が自分側からの使者としてシコに送った二人の若者達を追うことにしよう。

馬に乗るや否や、エルノートンとサント-マリーヌは片方が他方の上位に立つがままにしないために、くぐり戸を通る時に危うく押し合いへしあいになった。

確かに2頭の馬は横に並んで行ったので、二人の騎士たちの膝をお互いに砕いた。

サント-マリーヌの顔は真っ赤になり、エルノートンの顔は青ざめた。

「きみは私に痛みを与えたな、ムッシュー!」彼らが門を越えた時、最初の人が叫んだ。「一体きみは私を押しつぶしたいのか?」

「あなたも同様に私に痛みを与えましたよ。」エルノートンが言った。「ただ私は不平を言わないだけです、私は。」

「きみは私を懲らしめたいように思うが?」

「私はあなたを懲らしめようだなんて全く思っていませんよ。」

「何だと!」サント-マリーヌが彼の仲間のもっと近くで話すために馬を押し進めながら言った。「私にその言葉を少し繰り返して言ってくれ。」

「何をするためにです?」

「私はそれが理解できなかったからさ。」

「あなたは私に喧嘩を売っているのですか?」エルノートンが冷静に言った。「それはあなたにはお気の毒なことですね。」

「それではどんな目的で私はきみに喧嘩を売ろうとしたと言うんだ?私はきみを知っているということか、私が?」サント-マリーヌが軽蔑するように反論した。

「あなたは私を完璧にご存知です、ムッシュー。」エルノートンが言った。「先ず、私たちがやってきたところでは、私の家はあなたの家から2リューのところにあり、私はその地方では古い家柄の出身であることでよく知られているからです。それからあなたはご自分だけが呼び寄せられたと信じていた時に私をパリで見て激怒したからです。最後に国王が私に手紙を運ぶようにお授けになったからです。」

「ああ!それでもいい。」激しい怒りで青ざめたサント-マリーヌが叫んだ。「私はその全てが本当だと認めよう。しかしその結果1つの事が生じているのだ・・・」

「何がです?」

「きみの近くで私が悪くなっていることに気付いているということさ。」

「お望みならなるがいいでしょう。そうですとも!あなたを我慢させているのは私ではありません。」

「きみは私を理解していないように見えるな。」

「逆ですよ、ムッシュー、私は素晴らしくあなたを理解しています。あなたはあなた自身がその手紙を運ぶために私から大いに奪いたがっているのです。残念ながらそのためには私を殺さなければなりませんよ。」

「きみは誰に私が妬んでいないと言っているんだ?」

「望むこととすることは2つです。」

「とにかく水際まで私と共に降るんだ。そしてきみは私にとって望むこととすることが1つならずであることを見るだろう。」

「私の親愛なるムッシュー、国王が私に手紙を運ぶように授けている時に・・・」

「えっ?」

「おお!私はそれを運んでいるのです。」

「私は自惚れの強いきみからそれを力で取り上げるのさ!」

「お願いですから、野犬のように私に頭を撃ち抜かれるようにしないでくださいませんか?」

「きみが?」

「疑いなく、私は大きな拳銃を持っています。そしてあなたはお持ちではない。」

「ああ!お前は私にそれで仕返しをするのだな!」サント-マリーヌが馬と距離を作りながら、言った。

「どうかお願いです。私の任務が果たされた後に。」

「ほら吹きめ!」

「今のところ言動を慎むようにお願いしますよ、ムッシュー・ド・サント-マリーヌ!というのは私たちは国王に属しているという名誉に浴しているのです。そして私たちは人々を扇動しながら、王家を悪く思わせています。それから王座の防御者たちの間の不和を見ることは陛下の敵にとってどんな大勝利があるかを考えてください。」

サント-マリーヌは手袋を齧った。怒り狂った歯の下で血が流れた。

「まあまあ、ムッシュー、」エルノートンが言った。「あなたの手は私たちがそうする時に向けてエペを握るために取っておいてください。」

「おお!私は破裂しそうだ!」サント-マリーヌが叫んだ。

「それではそれは私にとって既成の仕事になるでしょう。」エルノートンが言った。

人々は絶えず増大するサント-マリーヌの激怒がどこへ行ったか知らなかったかもしれない。サン-タントワーヌ通りを通り過ぎながら、突然エルノートンがサン-ポール(Saint-Paul)の近くで1つの駕籠を見た時、驚きの叫び声を挙げ、半分ヴェールを被った女性をみるために立ち止まった。

「昨日の私の小姓だ!」彼が呟いた。

その貴婦人は彼を認めた様子をせず、しかし実際には彼女の駕籠から飛びのきながら、平然と通り過ぎた。

「やれやれ!きみは私を待たせていると思うが。」サント-マリーヌが言った。「女たちを見るためにね!」

「お許しください、ムッシュー。」エルノートンは走り出しながら、言った。

その瞬間から若者たちは大急ぎでフォーブル-サン-マルソー通り(la rue Faubourg-Saint-Marceau)を沿って行った。彼らはもはや喧嘩のためにさえも話し合うことはしなかった。

サント-マリーヌはうわべではとても落ち着いているように見えた。しかし実際には彼の肉体の筋肉の全てがまだ怒りに打ち震えていた。

その上、彼は認めていた。そしてその発見は、人々が容易に理解するように、彼を少しも穏やかにしなかった。その上、彼は優れた騎手だったので、彼の馬は仲間の馬よりもとても劣っていて、走ることなくすでに汗まみれだったので、ある場合、エルノートンの後を追うことができないことを認めていた。

そのことは彼をとても心配させた。同様に彼の乗用馬にすることができることを本当に気づくためかのように、彼は細い棒と拍車で馬を苦しめた。

この固執は馬と彼の間に喧嘩をもたらした。

それはビエーヴル(Bièvre)川の近くで起こった。

その動物はエルノートンがしたような感動させる力を奮発しなかった。しかし、自分の生まれを思い出し(それはノルマンディ(Normande)産だった。)、騎手をずり落として告訴した。

馬は隔たりから始め、それから後ろ足で立ち、それから羊を突破し、川の中まで騎士と共に走りながら、彼を厄介払いしたビエーヴル川まで逃れた。そしてそこで彼らは別れた。

人々は水によって半ば窒息していたとはいえ、サント-マリーヌの呪いが1リューの距離から聞こえた。

彼が苦労して足を置くことに成功した時、目は彼から抜け落ち、血の滴りが数滴彼の擦りむいた額から流れ、彼の顔に筋をつけていた。

泥に覆い尽くされ、びしょ濡れになり、大いに血が流れ、大いに打撲傷を与えられて、ぐったりしていたように、サント-マリーヌは自分の馬を取り戻すことは不可能であると理解した。試みることさえも滑稽な試みだった。

彼がエルノートンに言った言葉が記憶に戻ってきたのはその時だった。もし彼がサン-タントワーヌ通りで1秒仲間を待ちたくなかったら、どうして彼の仲間が道で1~2時間も彼を待ってくれていただろうか?

その考えはサント-マリーヌを怒りからより激しい絶望へと導いた。とりわけ彼が両脚の土台にしたところから、無口なエルノートンが疑いなく最短であると考えたある道を斜めに進みながら、両脚で拍車を入れるのを見た時だった。

実を言えば怒りっぽい人々においては、怒りの絶頂は狂気の稲妻である。

ある者は錯乱に到達したにすぎない。

またある者は力と知性が完全に衰弱するまでになる。

サント-マリーヌは機械的に自分の短剣を抜いた。一瞬彼はそれを胸に柄まで突き立てようという考えを持った。

今彼が耐え忍んでいることをいかなる者も、彼さえも話すことができなかった。

人々は似たような危機で死ぬ。あるいはもしそれを耐えるのなら、10年年を取る。

彼は頂上に辿り着くまで手と膝を使って、再び川の土手に上った。そこに辿り着き、彼の取り乱した目は道を調べた。もはや何も見えなかった。

疑いなく先を行くためにエルノートンは右に姿を消していた。実際は彼自身の馬も同様に姿を消していた。

サント-マリーヌが激怒した心の中で、他者に対して、そして自分自身に対して多くの不吉な考えを思いめぐらしている間に、1頭の馬のギャロップが彼の耳に鳴り響いた。そして彼はエルノートンによって選ばれた、その右の道から1頭の馬と一人の騎手が不意に現れるのを見た。

その騎士は手にもう1頭の馬を持っていた。

それがムッシュー・ド・カルマンジュが走った結果だった。彼は馬を追跡するのに恐怖は活動を二倍にするのをよく知っていたので、右の方に遮った。

それゆえ彼は回り道をし、狭い通りを横断して待ちながら、低ノルマンディの馬の通行を遮った。

これを見て、サント-マリーヌの心は喜びで溢れた。彼は感激と自分の視線に心地よい表情を与えた感謝の衝動を強く感じた。それから突然彼の顔は暗くなった。彼は自分に対するエルノートンの完全な優位を理解した。というのは、彼は自分の仲間の代わりに、自分は彼のように行動する考えさえも持たなかったことを認めたからだ。

態度の気高さが彼を打ちのめした。彼はそれを測り、苦しむために、それを感じた。

彼は感謝の言葉をもぐもぐ言ったが、エルノートンは注意を払わなかったので、憤然として彼の馬の手綱を取り戻し、苦痛に反して、再び鞍にまたがった。

エルノートンは一言も話さず、自分の馬をなでながら、前に歩を進めた。

サント-マリーヌは私たちが言ったように、素晴らしい騎手だった。彼が犠牲者になった事故は驚きだった。今回彼が優位になった対立の一瞬の終わりに、再び馬の主人となり、馬に速足を取らせた。

「ありがとう、ムッシュー。」彼が思い上がりと礼儀正しさを100回相殺した後で、二度目にエルノートンの元にやって来て、言った。

エルノートンは手で帽子を触りながら、彼の側で頭を下げることで満足した。

道はサント-マリーヌにとって長く思えた。

およそ2時半頃に、彼らは1匹の犬を連れて歩いていた男に気付いた。彼は大きく、側にエペを持っていた。彼はシコではなかったが、シコに値する腕と脚を持っていた。

また全く泥だらけだったサント-マリーヌは留まることができなかった。彼はエルノートンが通り過ぎ、その男に注意さえも払わなかったのを見た。

彼の仲間の過ちに気付くという考えが意地悪な閃きのようにガスコーニュ人の思考の中に浮かんだ。彼はその男の方に押し進み、彼に近付いた。

「旅の人よ、」彼が尋ねた。「あなたは何かを待っていませんか?」

旅行者は今サント-マリーヌを見た。その様子は全く快いものではなかったことを認めなければならなかった。

最新の怒りによって歪んだ顔、衣服の上でひどく乾かされたその泥、頬の上でひどく乾かされた血、しかめた黒い眉、彼の方に伸びた熱っぽい手、質問よりひどく脅威を与える身振り、その全てが歩行者にとって不吉に思えた。

「もし私が何かを待っているとしても、」彼が言った。「それは誰かではない。そしてもし私が誰かを待っているとしても、確実にそれはあなたではない。」

「あなたはひどく無作法ですね、私のメートル。」怒りに対してついに手綱を緩める機会を見つけて非常に満足し、その上間違えたことで、自分の敵に新しい大勝利を与えたばかりであることを知って、激怒したサント-マリーヌが言った。

そして彼が話をしたと同時に、彼は旅行者を打つために細い棒で武装した手を上げた。しかし後者は自分の棒を上げ、サント-マリーヌの肩を殴った。それから馬のひかがみとその男の腿までに跳びはねて、肉の切れ端と布地の一片のそれぞれの場所を持って行った犬に口笛を吹いた。

馬はその苦痛で苛立っており、前に走ったのは2度目だった。しかし鞍に留まっていたサント-マリーヌの全努力に反して抑えることができなかったのは事実だった。

彼は同様にエルノートンの前を運び去られた。そして彼が自分の災難に微笑むことをすることもなく通り過ぎるのを見た。

彼が自分の馬を落ち着かせることに成功した時に、ムッシュー・ド・カルマンジュが彼に追いついた時に、彼の思い上がりが減少することなく、しかし妥協に入りながら始まった。

「さあ!さあ!」彼が微笑もうと努力して言った。「私は今不幸な一日にいるように思える。しかしながらあの男は私たちが関わりのある人について陛下から受けた人物描写にひどく似ていた。」

エルノートンは黙って彼を見ていた。

「私はきみに話をしているのだよ、ムッシュー。」軽蔑の証拠のように彼が正しい理由を持って見ていたその冷静さによって激怒し、そして彼の命を失わせるに違いない、何か決定的な騒ぎによって止めさせて欲しいと思ったサント-マリーヌが言った。「私はきみに話をしているのだよ、聞こえていないのかい?」

「陛下が私たちにお示しになった人は」エルノートンが答えた。「棒を持っていなければ、犬もつれていません。」

「それは正しいよ。」サント-マリーヌが答えた。「そしてもし私がよく考えていたなら、私は少なくとも方に1つ打撲傷を腿に2つの牙を持っただろう。私が見ていることについて、賢明であり、落ち着いていることは気持ちがいいことだ。」

エルノートンは全く答えなかった。しかし鐙の上で背伸びをし、監視の視線としての目の上に手を置いた。

「あそこにいます。」彼が言った。「私たちが探し、私たちを待っている人が。」

「何だと!ムッシュー。」サント-マリーヌが彼の仲間のこの新しい優位に嫉妬して、鈍く言った。「きみは素晴らしい視力を持っているな。私は、私には黒い点しかわからないし、しかもかろうじてだ。」

エルノートンは答えることなく、前進し続けた。まもなくサント-マリーヌが自分の番になって、国王に示された男を見て、認めることができた。悪い衝動が彼を襲った。彼は最初に到着するために自分の馬を前に押し進めた。

エルノートンはそれを予期していた。彼は脅威なく、明白な意図もなく、サント-マリーヌを見ていた。その一瞥はサント-マリーヌ自身を戻らせた。そして彼は自分の馬を再び従わせた。

<2013.8.22修正済>

2013年8月19日 (月)

28章:暴露

*以下はLONDON & GLASGOW COLLINS' CLEAR-TYPE PRESSの『THE FORTY-FIVE GUARDSMEN』を見つつ、原書のフランス語からの翻訳を行っています。翻訳内容が正しいかどうかは保証しませんsweat01。また意味が取れないと明らかに直訳になっているところもありますsweat01。固有名詞の読み方も間違っている可能性が高いです。あしからずsweat02

デペルノンは控えの間を通り抜けながら、そこに留まっていた紳士たちの一人の元へ行った。

「そなたは何と言う名だね、ムッシュー?」彼が名前の分からない顔に尋ねた。

「ペルティナ・ド・モンクラボーです、閣下。」その紳士が答えた。

「よろしい!ムッシュー・ド・モンクラボー、そなたは私の扉にいるのだ。そして誰一人入れてはならぬぞ。」

「承知いたしました、公爵殿。」

「誰もだぞ、聞いているか?」

「もちろんです。」

そして贅沢に着飾り、青いサテンの胴衣と共にオレンジの靴下で気取って見せていたムッシュー・ペルティナはデペルノンの命令に従った。彼は従って壁にもたれ、腕を組んで、タペストリーに沿って場所を取った。

ニコラ・プーレンは書斎に入って行った公爵の後を追った。彼は扉が開かれ、再び閉まり、それから扉のカーテンが落ちたのを見た。そして彼は真面目に震え始めた。

「さあ、そなたの陰謀は、ムッシュー?」公爵が手加減せずに言った。「しかし、お願いだから、それは相当なものであることだな。というのは私には今日するのが快いことがたくさんあるのだ。そしてもし私がそなたの話を聞くために時間を失うのなら、気を付けるんだな!」

「ああ!公爵殿、」ニコラ・プーレンが言った。「全く最高に恐ろしい大罪であることが問題なのです。」

「それでは、その大罪を見せるんだ。」

「公爵殿・・・」

「私を殺そうとしているのかな?」デペルノンがスパルタ人のように断固として立ち向かいながら、遮った。「ああ!それでもよい、私の命は神のものであり、国王のものだ。それを奪うがいい。」

「あなたのことが問題ではないのです、閣下。」

「ああ!それは私を驚かせるな。」

「国王の事が問題なのです。国王を誘拐しようとしているのです、公爵殿。」

「おお!またその誘拐という古い事件か!」デペルノンが軽蔑するように言った。

「もし私がそのもっともらしさを信じるのなら、今回は十分深刻なことなのです、公爵殿。」

「それで、いつ陛下を誘拐しようとしているのだ?」

「閣下、陛下が駕籠でヴァンセンヌへ行く最初の時です。」

「どうやって誘拐するのだ?」

「二人の猟犬係を殺してです。」

「誰がその一撃を加えるのだ?」

「マダム・ド・モンパンシエです。」

デペルノンは笑い始めた。

「あの哀れな公爵夫人に、」彼が言った。「そのことがあると見なされているとは!」

「彼女は少しも計画をしていません、閣下。」

「彼女はそのことについてソワッソンで専心しているのでは?」

「公爵夫人はパリにいます。」

「パリにだと!」

「私は閣下にお答えすることができます。」

「そなたは彼女を見たのか?」

「はい。」

「それはそなたが彼女を見たと思うと言うことだな。」

「私は光栄にも彼女と話をいたしました。」

「光栄?」

「間違いました、公爵殿。不幸にもです。」

「しかし、私の親愛なる長官の副官よ、国王を誘拐するのは公爵夫人ではないのでは?」

「お許しください、閣下。」

「彼女自身が?」

「自ら、大変精通した腹心の者たちとです。」

「それで彼女はどこにその誘拐の監督のために身を置くのだ?」

「ジャコバンの小修道院の窓の1つです。あなたがご存知の通り、それはヴァンセンヌの道にあります。」

「そなたは何と言うことを言うのだ?」

「事実なのです、閣下。駕籠が修道院の正面に到着しようとした時に止めるための測量が全くなされているのです。

「それで誰がその測量を行ったのだ?」

「ああ!」

「さあ最後まで話せ、この悪魔め!」

「私がです、閣下。」

デペルノンは後ろへ飛び跳ねた。

「そなたが?」彼が言った。

プーレンはため息をついた。

「その中にいたそなたが、そなたが告発するのか?」デペルノンが続けた。

「閣下、」プーレンが言った。「国王の良き下僕は奉仕のために全く危険を冒さなければなりません。」

「確かに、そうだ!そなたは絞首刑の危険を冒している。」

「私は品位を落とすことや国王の死よりも自分の死を好みます。それが私がやってきた理由なのです。」

「それはよい思いやりだ、ムッシュー。そしてそなたはそれらのために全く大きな理由を持っているに違いない。」

「私は思いました、閣下。あなたは国王のご友人であり、私を裏切らないと、そしてあなたは私がしにやって来た暴露の全てを利益になるように変えるだろうと。」

公爵は長い間プーレンを見ていた。そしてその青ざめた顔の輪郭を深く探った。

「まだ別のことがあるに違いない。」彼が言った。「公爵夫人は全く断固としている人だから、敢えて同じような企てを試すだけではないだろう。」

「彼女は兄弟を待っています。」ニコラ・プーレンが答えた。

「アンリ公爵か!」デペルノンはライオンが近づいてきたことを感じる恐怖と共に叫んだ。

「いいえ、アンリ公爵ではありません、閣下。マイエンヌ公爵だけです。」

「ああ!」デペルノンはホッとしながら、言った。「しかしそんなことはどうでもいい。その大きな企ての全てに対して備える必要がある。」

「疑いなく、閣下。」プーレンが言った。「私が急いで来たのはそのためなのです。」

「もしそなたが本当のことを言っているのなら、副官殿、そなたは報いられるだろう。」

「なぜ私が嘘をつくのですか、閣下?私の利益は何なのです、国王のパンを食べている私の?そうであれ、違うのであれ、私は彼に奉仕しなければならないのでは?ですから私は国王の元まで行き、予告します。もしあなたが私をお信じになれないなら、私の言うことを証明するために必要なら、死にます。」

「ダメだ、何と言うことだ!そなたは国王の元へ行ってはならぬ。聞いてくれるな、メートル・ニコラ?そしてそなたが話をするのは私にだけだ。」

「もちろんです、閣下。あなたがためらっているように見えたので、そう言ったに過ぎません。」

「いいや、私はためらってなどいない。そして先ずは私がそなたに負っているのは1000エキュだ。」

「それでは閣下がお望みなのはそれがご自身だけのものであることなのですか?」

「そうだ、私には競争心と熱意がある。そして私は自分のために秘密を留める。そなたは私にそれを売り渡すんだな?」

「はい、閣下。」

「それが本当の秘密であるという保証と共に。」

「おお!全く保証します。」

「それでは未来を考慮することなく、1000エキュはそなたに行くのでは?」

「私は家族を持っております、閣下。」

「ああ!しかし、1000エキュだぞ、何てことだ!」

「もし私が同じような暴露をしたことをロレーヌで人々が知ったなら、私が発したそれぞれの言葉は私に1パイント(*1)の血の犠牲を払わせるでしょう。」

「哀れな男だ!」

「それゆえ不幸の場合に、私の家族が生活することが出来なければなりません。」

「えっ?」

「ですから!それが私が1000エキュを受け取る理由です。」

「何という説明だ!そなたがそれらを断らない時から、そなたがそれらを受け取るどんな理由が私に重要だと言うのだ?それゆえ1000エキュはそなたのものだ。」

「ありがとうございます、閣下。」

公爵が金庫に近付き、そこに手を突っ込むのを見ながら、プーレンは公爵の後ろに進んだ。

しかし公爵は金庫から小さな帳簿を取り出すだけに留め、その上に巨大な恐ろしい文字で次のように書いた。

『ムッシュー・ニコラ・プーレンに3000リーヴル』

彼がその3000リーヴルを与えたか、それらを借りているか知ることができないようにするために。

「あたかもそなたがそれらを持っているようだな。」彼が言った。

プーレンは手足を進めていたが、引っ込め、それで彼に挨拶をした。

「かくして決まったわけだな?」公爵が言った。

「何が決まったのですか、閣下?」

「そなたは私に教え続けてくれるのだろう?」

プーレンは躊躇した。それはスパイの仕事が彼に課されると言うことだった。

「ああ!」公爵が言った。「その最高の献身はすでに消え失せてしまったのかね?」

「いいえ、閣下。」

「それでは私はそなたを当てにすることができるのかね?」

プーレンは努力した。

「あなたはそれを当てにすることができます。」彼が言った。

「そして私だけにだ。私はそのことの全てを知っているな?」

「あなただけです。はい、閣下。」

「行け、私の友よ、行け。何ということだ!ムッシュー・ド・マイエンヌは行儀がいい。」

彼はプーレンを通らせるためにタペストリーを持ち上げながら、その言葉を言った。それからプーレンが控えの間を通り過ぎ、姿を消したのを見た時、彼は敏捷に再び国王の元へ立ち寄った。

国王は犬たちと遊んで疲れて、けん玉(*2)で遊んでいた。

デペルノンは忙しそうで、心配している様子をしていたが、国王はとても重要な仕事に心を奪われていたので、気付きさえもしなかった。

しかしながら、公爵が黙った頑固者のようなままだったので、国王は頭を上げ、一瞬彼を見た。

「おや!」彼が言った。「また何かあるのかね、ラ・ヴァレット?さあ、お前は死んでいるのか?」

「陛下!」デペルノンが答えた。「私が見ているものを見なければよかったのに。」

「何と!私のけん玉をか?」

「陛下、大きな危険の中で、一人の臣下が主人の安全について不安になるかもしれません。」

「また危険か?お前は黒い悪魔に連れ去られてしまえ、公爵!」

そして、注目すべき器用さで、国王はけん玉の先に象牙の玉を刺した。

「しかし、それではあなたは起こっていることについてご存知ないのでは?」公爵が彼に尋ねた。

「そうだ、おそらく。」国王が言った。

「あなたのより残酷な敵が今あなたを取り囲んでいるのですよ、陛下!」

「ふん!一体誰だね?」

「先ずはモンパンシエ公爵夫人です。」

「ああ!そうだ、それは正しい。彼女は昨日サルセドの車責めの刑を見ていた。」

「どうやって陛下はそのことを言っているのですか!」

「そのことが私に何をするのだ、私に対して?」

「それではあなたはそのことをご存知では?」

「お前は私がそのことをお前に話しているのだから、私が知っていることをよく分かっているな。」

「しかし、ムッシュー・ド・マイエンヌが到着したこと、それも同様にご存知なのですか?」

「昨日の夜からな。」

「ああ、何と!この秘密は!・・・」公爵は不愉快な驚きと共に言った。

「国王に対して秘密があるのか、私の親愛なる者よ?」アンリがぞんざいに言った。

「しかし誰があなたにお知らせすることができたのですか?」

「私たち他の王子たちには暴露があるのをお前は知らないのかね?」

「あるいは警察です。」

「それは同じことだよ。」

「ああ!陛下は警察をお持ちだ。そして何もおっしゃらない!」感情を害されたデペルノンが答えた。

「そうだとも!もし私が私を愛さなかったら、一体だれが私を愛してくれるのだ?」

「あなたは私を侮辱しています、陛下!」

「もしお前が熱心なら、私の親愛なるラ・ヴァレット、それは大きな長所だ。お前が遅いのなら、それは大きな欠点だ。お前の知らせは昨日の4時なら大いに素晴らしいものだった。しかし今日では・・・」

「何と!陛下、今日では?」

「それは到着するのが少し遅かったようだな。」

「まだとても早いです、陛下、なぜなら私はあなたが私の話を聞く覚悟をしているのを見ていないからです。」デペルノンが言った。

「私が?私がお前の話を聞くのに1時間あったぞ。」

「何と!あなたは脅迫されているのです、攻撃されているのです。あなたは待ち伏せされているのです。それでも心を乱されませんか?」

「なぜそんなことをするのだ?なぜならお前は私に護衛隊を与えたではないか。そして昨日お前は私の不死が保証されると強く主張したではないか?お前は眉をひそめている。ああ、そうとも!しかしお前の四十五人はガスコーニュに戻ったのか、あるいはもはや彼らに価値はないのか?雄の騾馬のようにあの紳士たちからではないのか?人々が彼らを試す日、全くの砲撃だ。お前は後退する彼らを買わせられたんだな。」

「結構です、陛下は彼らが何であるかをご覧になるでしょう。」

「私は全く怒らないだろう。それはすぐなのか、公爵、私がそのことを見るのは?」

「あなたがお考えになっているよりも多分ずっと早く、陛下。」

「よろしい!お前は私を怖がらせているぞ。」

「あなたはご覧になるでしょう、あなたはご覧になるでしょう、陛下。ところで、田舎に行かれるのはいつでしょうか?」

「森にか?」

「そうです。」

「土曜日だ。」

「それでは3日以内に?」

「3日以内に。」

「十分です、陛下。」

デペルノンは国王にお辞儀をし、退出した。

控えの間で、彼はムッシュー・ペルティナの任務を解くことを忘れていたことに気付いた。しかし、ムッシュー・ペルティナは自分自身で任務を解いていた。

<2013.8.19修正済>

*1:pinte

英では約0.57リットル、米では約0.47リットル。

*2:bilboquet

こういう形のけん玉の一種です。

Img

2013年8月16日 (金)

27章:ルーヴルにて

*以下はLONDON & GLASGOW COLLINS' CLEAR-TYPE PRESSの『THE FORTY-FIVE GUARDSMEN』を見つつ、原書のフランス語からの翻訳を行っています。翻訳内容が正しいかどうかは保証しませんsweat01。また意味が取れないと明らかに直訳になっているところもありますsweat01。固有名詞の読み方も間違っている可能性が高いです。あしからずsweat02

大きな意外な出来事があった同じ日に、国王は書斎から出て来て、ムッシュー・デペルノンを呼び出させた。

正午だったかもしれなかった。

公爵は急いで従い、国王の家に行った。

彼は陛下が最初の部屋の中に立って、顔を赤らめ、国王の突き刺すような視線の下に目を下していたジャコバンの修道士に注意をしながら検討しているのを見つけた。

国王はデペルノンを脇に呼んだ。

「ところで見てくれ、公爵。」国王が若者を公爵に示しながら、言った。「ここにいる修道士の顔は奇妙だ。」

「陛下は何を驚かれているのですか?」デペルノンが言った。「私にはごく普通の顔をだと思いますが、私は。」

「本当に?」

そして国王は戯言を言い始めた。

「お前は何と言う名前なのだ?」国王が修道士に言った。

「兄弟ジャックです、陛下。」

「お前は他の名前を持っていないのかね?」

「私の家族の名前はクレマン(Clément)です。」

「ジャック・クレマン修道士(*1)かね?」国王が繰り返した。

「陛下は同様にその名前の中に何か馴染みのないことを見つけてはいないのですか?」公爵が笑いながら言った。

国王は答えなかった。

「お前は大いに用事を成し遂げた。」彼が言った。「少なくともそれを考慮することをやめることなく。」

「どんな用事ですか、陛下?」公爵が人々が彼を非難し、彼に毎日の親交を与えていたその大胆さで尋ねた。

「つまらないことだ。」アンリが言った。「私と、お前が知らない、正確に言えばお前がもはや知らない誰かの間の小さな秘密だ。」

「確かに、陛下、」デペルノンが言った。「あなたはその子供を奇妙にご覧になられている。そしてあなたは彼を困らせていますよ。」

「本当だ、そうだ。私はなぜ自分の視線を彼に抵抗することができないのかわからないのだ。私には私がすでに彼と会っている、あるいは彼と会うだろうと思えるのだ。彼は私の夢の中に現れたように思える。ああ、私のたわごとだ。さあ、小さな修道士よ、お前は任務を終えた。人々がその必要とされている手紙を必要としている者に届けるだろう。安心するのだ。デペルノン!」

「陛下?」

「彼に10エキュを与える。」

「ありがとうございます。」修道士が言った。

「お前は歯の端で感謝を言ったな!」修道士が10エキュを軽蔑したように見えたことが理解できなかったデペルノンが非難した。

「私は歯の端で感謝を述べました。」小さなジャックが答えた。「なぜなら私はその壁に掛かってるスペインの美しいナイフの方を大いに好むからです。」

「何と!お前はサン-ローラン(Saint-Laurent)のお祭り騒ぎの道楽者やサント-マルグリット(Sainte-Marguerite)通りのウサギ小屋(*2)に走りに行くための金を好まないのか?」デペルノンが尋ねた。

「私は清貧と貞節の誓願を立てております。」ジャックが言い返した。

「それでは彼にそのスペインの剣の一つを与えるのだ、そして彼は立ち去るぞ、ラ・ヴァレット。」国王が言った。

公爵はけちな男だったので、そのナイフの中で彼にとって最も高価でないように見えたものを選び、その小さな修道士に与えた。

それはカタロニアのナイフで、刃が大きく、とがっており、彫金された素晴らしい角細工の部分の中にしっかりと柄がつけられていた。

ジャックはそれを受け取り、とても素晴らしい武器を所有することを大変喜び、退出した。

「公爵、」国王が遮った。「お前の四十五人の中に2~3人乗馬の心得のある者がいるかね?」

「少なくとも12人はおります、陛下。そして1ケ月以内に全員が騎士になるでしょう。」

「お前の手で2名選んでくれ。そして彼らにすぐ私の元に話をしに来させてくれ。」

公爵はお辞儀をし、退出し、控えの間の中でロワニャックを呼んだ。

ロワニャックは数秒で姿を現した。

「ロワニャック、」公爵が言った。「私に今すぐたくましい2名の騎士を送ってくれ。陛下直々の任務を果たすためだ。」

ロワニャックは素早く回廊を通り抜け、今後我々が四十五人の住まいと呼ぶ建物の近くに到着した。

そこで彼は扉を開け、主人の声で呼んだ。

「ムッシュー・ド・カルマンジュ!ムッシュー・ド・ビラン(Biran)!」

「ムッシュー・ド・ビランは出掛けております。」歩哨が言った。

「何と!許しもなく出掛けたのか?」

「彼はデペルノン公爵閣下が今朝彼に薦めた地区の勉強をしているのです。」

「大いに結構!それではムッシュー・ド・サント・マリーヌを呼んでくれ。」

アーチ形天井の下で二人の名前が鳴り響き、選ばれた二人がすぐに姿を現した。

「諸君、」ロワニャックが言った。「デペルノン公爵のところまで私の後についてきなさい。」

そして彼は彼らを公爵の元へ案内し、公爵はロワニャックを帰らせ、彼らを国王の元に案内したのは彼の番だった。

陛下の合図で公爵は退出し、二人の若者たちが留まった。

彼らが国王の前にいるのは初めてだった。アンリはとても威厳のある様子をしていた。

心の動揺が彼らにおいて異なった様子で現れた。

サント-マリーヌは輝いた目と緊張したひかがみと逆立った口髭をしていた。

カルマンジュは青ざめていたが、全く高慢ではなく、同様に全く毅然としていたが、思い切ってアンリに視線を向けることはしていなかった。

「そなたたちは私の四十五人かね、メッシュー?」国王が言った。

「私はその名誉を受けております、陛下。」サント-マリーヌが言い返した。

「そしてそなたは、ムッシュー?」

「私はムッシューが私たち二人のために答えたと思っておりました、陛下。それが私の返事をお待たせした理由です。しかし、陛下にお仕えする時、私は他の者と同じように準備ができております。」

「よろしい。そなたたちは馬に乗り、トゥールの道を取るのだ。そなたたちはそれを知っているかね?」

「お伺いしたいです。」サント-マリーヌが言った。

「進むべき道を見出したいです。」カルマンジュが言った。

「そなたたちをよりよく案内するために、先ずシャラントンを通って行くのだ。」

「わかりました、陛下。」

「そなたたちは一人で旅をしている男と出会うまで前進するのだ。」

「陛下は私たちに彼の特徴をお与えくださいませんか?」サント-マリーヌが尋ねた。

「大きな剣を脇か背中に持ち、大きな腕と大きな脚を持っている。」

「彼の名前を教えていただけませんか、陛下?」エルノートン・ド・カルマンジュが尋ねた。そして礼儀作法の習慣に反して、彼の仲間の例は国王を遮ることに導いた。

「彼は影と言う名だ。」アンリが言った。

「私たちは出会った全員の旅人に名前を尋ねることになります、陛下。」

「そして私たちは全てのホテルを丹念に調べることになります。」

「一旦その男と出会い、認めたら、そなたたちは彼にこの手紙を手渡すのだ。」

二人の若者たちは一緒に手を差し出した。

国王は一瞬困惑したままだった。

「そなたは何と言う名前だったかね?」彼が二人の内の一人に尋ねた。

「エルノートン・ド・カルマンジュです。」彼が答えた。

「で、そなたは?」

「ルネ(René)・ド・サント-マリーヌです。」

「ムッシュー・ド・カルマンジュ、そなたは手紙を運び、そしてムッシュー・ド・サント-マリーヌがそれを手渡しなさい。」

エルノートンは大切な委託物を受け取り、それを自分の胴衣にしまおうとした。

サント-マリーヌは手紙が見えなくなろうとした時にエルノートンの腕を止め、その封印に恭しくキスをした。

それから彼はエルノートンに手紙を手渡した。

このへつらいはアンリ三世を微笑ませた。

「さあ、さあ、メッシュー、」彼が言った。「私は自分がとても奉仕されていることがわかったよ。」

「それですべてでしょうか?」エルノートンが尋ねた。

「そうだ、メッシュー。ただ1つ最後に忠告がある。」

若者達は身をかがめて、待った。

「この手紙は、メッシュー、」アンリが言った。「一人の男の命より大切なものなのだ。そなたたちの頭にそのことを決して忘れるでないぞ。影にこっそりそれを手渡すのだ。彼はそなたたちに受取書を与えるだろうから、それを私に返してくれ。そして何よりも自分本来の仕事のために旅をしている人々のように旅をしてくれ。行け。」

二人の若者達は国王の書斎から退出した。エルノートンは喜びの絶頂で、サント-マリーヌは嫉妬でふくれて。一方は目に炎を、他方は仲間の胴衣を焼く貪欲な視線を持って。

ムッシュー・デペルノンは彼らを待っていた。彼は質問したがった。

「公爵殿、」エルノートンが答えた。「国王は私たちにお話しすることを許可しておりません。」

彼らはすぐに厩舎に行き、そこで国王の猟犬係が彼らに2頭の元気で十分整えられた旅行用の馬を引き渡した。

ムッシュー・デペルノンは、カルマンジュとサント-マリーヌが丁度出発しようとした時に、もし一人の男がすぐにそしてぜひとも彼と話をしたがっていることに気付かなかったら、それ以上を知るためにきっと彼らを追っていただろう。

「何者だね?」公爵はいらいらしながら尋ねた。

「イル-ド-フランスの長官の副官です。」

「ああ!なんということだ!」彼は叫んだ。「私は市の役人、長官、あるいは見張りの騎士かね?」

「いいえ、閣下、しかしあなたは国王のご友人です。」彼の左側で控えめな声が答えた。「お願いです、この理由でどうぞ私の話をお聞きください。」

公爵は振り返った。

彼の近くに脱帽し、しょんぼりした哀れな懇願者がおり、彼は絶えず虹の微妙な色合いの1つを通っていた。

「そなたは誰かね?」公爵が乱暴に尋ねた。

「ニコラ・プーレンです。あなたのお役にたちます、閣下。」

「それで、そなたは私に話をしたいのかね?」

「お許しを乞います。」

「私は時間がないのだ。」

「秘密を聞くためでもですか、閣下?」

「私は毎日100聞いているよ、ムッシュー。そなたのものは101になるだろう。それは1つ余計だ。」

「もしそれが陛下の御命に関わるものであってさえもですか?」ニコラ・プーレンがデペルノンの耳に身をかがめながら言った。

「おお!おお!私はそなたの話を聞こう。私の書斎に来なさい。」

ニコラ・プーレンは汗が流れていた彼の額を拭い、公爵の後を追った。

<2013.8.16修正済>

*1:Jacques Cément

この話には結末まで書かれていないので、ご存知ない方にネタバレしますが、アンリ三世を暗殺する修道士の名前はジャック・クレマンと言いました。多分このジャックです。デュマは伏線として彼を登場させたと思われます。

*2:les farceurs de la foire Saint-Laurent, ou les clapier de la rue Sainte-Marguerite

ちょっとよくわかりませんでしたが、フランス版wikiによるとla foire Saint-Laurentもla rue Sainte-Margueriteも繁華街っぽいです。

2013年8月 7日 (水)

26章:ギーズ家の人々

*以下はLONDON & GLASGOW COLLINS' CLEAR-TYPE PRESSの『THE FORTY-FIVE GUARDSMEN』を見つつ、原書のフランス語からの翻訳を行っています。翻訳内容が正しいかどうかは保証しませんsweat01。また意味が取れないと明らかに直訳になっているところもありますsweat01。固有名詞の読み方も間違っている可能性が高いです。あしからずsweat02

シコがナヴァールに向けて出発した日の同じ夜、我々は以前の話の中で既に読者を導いたギーズ館の大広間でもう一度見つけるだろう。我々はギーズ館の大広間で見つけ、言うだろう。我々がカルマンジュの馬の尻に乗ってパリに入るのを見た、生き生きとした目のその小さな若者は我々が既に知っているゴランフロ尊師の美しい告解者とは別者ではないということを。

今回彼女は自分自身あるいは性別を隠すためのいかなる用心も行っていなかった。

マダム・ド・モンパンシエは、上品なドレスを身につけ、口の広がった襟、その時代の流行のように、宝石の星を完全に散りばめた髪をして、窓の壁の切り込みに立って、誰かがやって来るのが遅れていることをいらいらして待っていた。

影は濃くなり始めた。公爵夫人はもはや彼女の視線が絶えず注がれていた館の門をやっとのことで見ることができなかった。

ついに馬の足音が聞こえ、10分後、取次役の声が密かに公爵夫人の家にムッシュー・ド・マイエンヌが来訪したことを告げた。

マダム・ド・モンパンシエは立ち上がり、慌てて彼女の弟の前へ走って行った。そして彼女は足を引きずらないようにするためのいわば習慣であった、右のつま先で歩くことを忘れていた。

「一人なの、弟よ?」彼女が言った。「あなたは一人なの?」

「はい、姉上。」公爵が公爵夫人の手にキスをした後、座りながら言った。

「でも、アンリは、一体アンリはどこなの?みんながここで彼を待っていることをあなたはよく知っているでしょう?」

「アンリは、姉上、まだパリですることはありませんよ。一方、逆に彼はフランドルやピカルディ(Picardie)の街ではまだ大いにすることがあるのです。我々の仕事は遅く、隠密のものです。我々はあそこに仕事があるのです。どうしてすべてがなされたパリにやって来るためにこの仕事を止めなければならないのです?」

「ええ、でももしあなたが急がなければ全てが崩れてしまうのよ。」

「ふん!」

「まあ!あなたが望む限りね、弟よ。私はあなたに話すわ、私は、中産階級の人々はもはやその理由の全てに満足していないということを。そして彼らは彼らの渇望であり、熱狂であるアンリ公爵を見たがっているのよ。」

「彼らは好機に彼を見るでしょう。一体マイヌヴィルはそのことを全て彼らに説明しなかったのですか?」

「異論の余地なく。でもあなたは知っているでしょう。彼の声はあなたのものには値しないことを。」

「先ずは緊急の用件に取り掛かりましょう、姉上。それでサルセドは?」

「死にました。」

「話さずに?」

「一言も口を開くこともなく。」

「結構。それで武装は?」

「完了したわ。」

「パリは?」

「16地区に分割されたわ。」

「それで各々の地区に我々が任命した長がいるということですか?」

「ええ。」

「それでは安らかに暮らしましょう、さあ(*1)!それが私が我々の善良な中産階級の人々に言いに来たことなのですから。」

「彼らはあなたの話を聞かないわ。」

「ふん!」

「私はあなたに彼らが激していると言っているのよ。」

「姉上、あなたはご自身特有のせっかちさにならって、他者をせっかちに考える習慣をあまりにも持ちすぎていますよ。」

「あなたは私を真面目に非難しているの?」

「とんでもないことです!でもアンリ兄上が果たさなければならないと言っていることです。ところで、アンリ兄上は人々が急ぐことを少しも望んでおられませんよ。」

「それでは何をするのです?」公爵夫人はいらいらしながら尋ねた。

「彼を急がせるのはどんなことですか、姉上?」

「全ての事よ、もし人々が望むなら。」

「あなたのお考えでは何によって始められるのですか?」

「国王を捕えることによってよ。」

「それはあなたの不動のお考えですね。私はそれが悪いとは言っていませんよ。もし人々がそれを実行することができるのなら。しかし、計画と実行は2つです。我々がすでにどれだけ失敗してきたのかを思い出してください。」

「時代は変わったわ。国王はもはや自分を守るための人を持っていないわ。」

「いいえ、スイス兵、スコットランド兵、フランス衛兵を除いてはです。」

「弟よ、あなたが望む時、私は、私は、あなたに話すわ。私は2人の従僕だけを連れて、主要道路にいる彼をあなたに見せるわ。」

「人々は私にそのことを100回も言っていますよ。そして私は彼が一人だったことを見たことがない。」

「もしあなたがパリに3日だけ留まってくれたら、あなたはその時彼を見ることになるわ。」

「また企てですか!」

「計画と言いなさい。」

「その場合、私にそれを教えていただけますか?」

「おお!それは女の考えよ。そして従ってそれはあなたを笑わせるわ。」

「私は張本人であるあなたの自尊心を傷つけないことを切望します!さあ、その計画を。」

「あなたは私をバカにするわ、マイエンヌ。」

「いいえ、私はあなたのお話を伺いますよ。」

「まあ!要するに、ここに・・・」

今、取次役がタペストリーを持ち上げた。

「殿下方はムッシュー・ド・マイヌヴィルをお迎えになられますか?」彼が尋ねた。

「私の共犯者の?」公爵夫人が言った。「それなら彼は入って来るわ。」

ムッシュー・ド・マイヌヴィルは確かに入って来た。そしてマイエンヌ公爵の手にキスをしに来た。

「一言だけ、殿下、」彼が言った。「私はルーヴルから到着いたしました。」

「なんと!」マイエンヌと公爵夫人が同時に叫んだ。

「人々はあなたの到着に気付いています。」

「どのようにしてそれを?」

「私がサン-ジェルマン-ロクセロワ(Saint-Germain-l'Auxerrois)(*2)の部署の長と話をしている時に、二人のガスコーニュ人が通り過ぎました。」

「そなたは彼らを知っているのか?」

「いいえ。彼らは全く真新しい者たちでした。『ちくしょう!』一人が言いました。『きみは素晴らしい胴衣をそこに持っているな。しかし、その買い物において、きみの昨日の胴鎧と同じようには役立たないぞ。』―『ふん!ふん!とても固いから、ムッシュー・ド・マイエンヌのエペは』もう一人が言いました。『胴鎧を傷つけないそのサテンよりも傷つけないことを断言するぞ。』そしてその点においてガスコーニュ人は人々があなたが近くにいることを知っていることを示す虚勢をぶちまけました。」

「それで、そのガスコーニュ人たちは誰に属しているんだ?」

「私は何も知りません。」

「それでは彼らは帰ったのか?」

「おお!そのようなことではありません。彼らは大声で叫びました。殿下の名前が聞こえました。通行人の何人かが立ち止まり、確かにあなたが到着したのかどうかを尋ねました。彼らがその質問に答えようとした時に突然一人の男がガスコーニュ人に近付き、彼の肩に触れました。あるいは私は大いに間違っているかもしれません、殿下、というのはその男はロワニャックだったのです。」

「それから?」公爵夫人が尋ねた。

「とても低い声で数語話して、そのガスコーニュ人は服従の合図に答えるのみで、その話の邪魔をした人の後を追って行ったのです。」

「それで?」

「それで私はそれ以上知ることができませんでした。しかし、やはり疑わしく思います。」

「そなたは彼らの後を追わなかったのか?」

「もちろん追いました。しかし遠くからです。私は殿下のような貴族を認めることを恐れました。彼らはルーヴルの側に向かって行き、ムーブル(Meubles)館の後ろで姿を消したのです。しかし、彼らの後で、全く長く続く声がたなびいて繰り返されたのです。『マイエンヌ!マイエンヌ!』と。」

「私は全く簡単に答える手段を持っているぞ。」公爵が言った。

「どんな?」彼の姉が尋ねた。

「今夜国王に挨拶しに行くということです。」

「国王に挨拶ですって?」

「疑いなく。私はパリにやって来ています。私は彼に彼の素晴らしい街であるピカルディのニュースを与えれば何も言うことはない。」

「その方法はよろしいかと。」マイヌヴィルが言った。

「無謀だわ。」公爵夫人が言った。

「必要不可欠なことですよ、姉上。もし確かに人々が私がパリに到着したことに気付いているのなら。私が家族全体の敬意を国王に示すためにルーヴルの前に全く長靴を履いて降りることは更に我々のアンリ兄上の意見でもあったのです。一度その義務を果たし、私は自由になり、私が良いと思う人を受け入れることができるのです。」

「例えば委員会のメンバーとか。彼らはあなたを待っているわ。」

「私はルーヴルから戻ったら、彼らをサン-ドニ館で迎えましょう。」マイエンヌが言った。「それゆえ、マイヌヴィル、人々が私の馬をわら束でこすらないまま私に返してくれ。そなたは私と共にルーヴルに来るのだ。あなたは姉上、どうか我々をお待ちください。」

「ここで、弟よ?」

「いいえ、サン-ドニ館で。そこに私は供揃いの一行を残しています。そして人々は私がそこで眠ると思っています。我々は2時間以内にそこにいることでしょう。」

<2013.8.7修正済>

*1:原文はPâques-Dieu。調べても意味不明でした。Pâquesは復活祭という意味で、Dieuは神ですから、文字通りいけば「復活祭の神よ!」ですが、意味不明なので、適当に訳しました。

*2:St.Germain l'Auxerrois

ルーヴルの東側にある教会。

http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/f28/image/01/f28l0014/f28l0014_1_4.html

2013年7月31日 (水)

25章:待ち伏せ

*以下はLONDON & GLASGOW COLLINS' CLEAR-TYPE PRESSの『THE FORTY-FIVE GUARDSMEN』を見つつ、原書のフランス語からの翻訳を行っています。翻訳内容が正しいかどうかは保証しませんsweat01。また意味が取れないと明らかに直訳になっているところもありますsweat01。固有名詞の読み方も間違っている可能性が高いです。あしからずsweat02

シコは人々が知っている通り、決心するのに長くかからなかった。

彼は待っていること、そして可能な限り最高に便利である決心をした。

濃密なあかしでの並木道を通り抜けて、彼は興味を引くかもしれない往来する人々を気付かせないでおかないために自分で覗き穴を作った。

道は人けがなかった。

シコの視界は更に遠くまで広がったが、騎士もやじ馬も農民も現れなかった。

前日の群衆の全ては原因となった見世物と共に消え失せていた。

シコはそれゆえ道路の上を水平に移動し、フランス国王陛下の舗道の上を先のとがった長い棒で測量している、とてもけちけちした身なりをした男しか見なかった。

シコは全くすることがなかった。

彼は自分にとって注目の的を提供するその男を発見したことで満足していた。

彼は何を測量しているのか?彼はなぜ測量しているのか?1ないし2分の間メートル・ロベール・ブリケの最も真面目な熟考が以上だった。

それゆえ彼はそれを見失わないように決心した。

不幸にも、測量がちょうど終わりに達しようとした時に、その男は頭を起こそうとし、目を他の場所の方に上げることを強いながら、より重大な発見が彼の全注意を奪いに来た。

ゴランフロのバルコニーの窓は扉いっぱいに開かれ、人々はモデスト尊師のかなりの肥満、そして、彼の大きく見開かれた大きな目と祝日の微笑と大変親切な態度で、毛皮の飾りのついたビロードのマントの下にほとんど身を隠していた貴婦人を導いていたのが見えるのがわかった。

「おお!おお!」シコが独り言を言った。「告解者がいるぞ。歩きぶりは若いな。少し頭を見せろ。そこだ、そうだ、もう少しこちら側に振り返ってもらえませんかね。結構だ!私が見ている顔の全てと似ていると思うのは本当に奇妙なことだぞ。私はそこに何て悪い癖を持っているんだ!よろしい、今は従者がいる。おお!おお!彼に関しては、私は間違わない。まさにマイヌヴィルだ。そうだ、そうだ、反り返った口髭、貝殻のエペ、彼自身だ。しかし少し考えよう。もし私がマイヌヴィルについて間違わないとしたら、何てことだ!なぜ私はマダム・ド・モンパンシエについて間違うのだ?というのはこの女性は、ああ、そうだ!ちくしょう!公爵夫人だ。」

シコは、人々が考えたかもしれないように、その瞬間その二人の有名な人物を見失わないために、測量の男を見捨てた。

一瞬後、彼は彼らの後ろに、マイヌヴィルが何度も繰り返して質問していた、ボルロメの青ざめた顔が見えるのがわかった。

「それだ。」彼が言った。「全ての人々がいる。いいぞ!陰謀を企てろ、それは流行だ。しかし、ちくしょう!公爵夫人はモデスト尊師の家に住むことを偶然望んだのか?ここから100歩のところにベレ-スバ(Bel-Esbat)の館を既に持っている彼女が?」

今、シコの注意は新しい興奮の動機を感じた。

公爵夫人がゴランフロと話をしている、正確に言えば彼に話をさせていた間に、ムッシュー・ド・マイヌヴィルは外の誰かに合図をした。

しかしながら、シコは測量の男以外は誰も見なかった。

その合図が送られたのは彼宛であったことは確かだった。その結果測量の男はもはや測量していないという結果になった。

彼は、横と表がパリの方に向けられたバルコニーの正面に立ち上がった。

ゴランフロは告解者と共に愛想の良さを続けていた。

ムッシュー・ド・マイヌヴィルはボルロメに何かを耳打ちした。そしてボルロメはすぐに小修道院長の後ろでシコには理解できない、しかしどうやら測量の男には明らかなやり方で、盛んに身振りをし始めた。というのは、彼は遠ざかり、別の場所で待ち伏せし、そこでボルロメとマイヌヴィルの新しい合図が彼を彫像のように釘付けにした。

数秒の不動状態の後、兄弟ボルロメによってなされた新しい合図に基づき、彼は、その目的を見抜くことができないシコをそれだけますます心を奪ったある種の練習に熱中した。

測量の男は、自分がいた場所から小修道院の門まで走り始めた。一方、ムッシュー・ド・マイヌヴィルは手に懐中時計を握っていた。

「何と!何と!」シコが呟いた。「その全てが私には怪しく思えるぞ。謎が十分にかけられている。しかし、もし謎が十分にかけられているのなら、多分測量の男の顔を見ながら、私はそれを見抜くぞ。」

今、あたかもシコの霊感がぜひ願いを叶えて欲しいと願ったかのように、測量の男が振り返った。そしてシコは彼が長官の副官であり、同様に前日彼が古い胴鎧を売ったニコラ・プーレンであることを認めた。

「さあ、」彼が言った。「同盟万歳!私は残りを見抜くために少しの仕事で今十分見たぞ!ああ!それでもよい、人々が働くだろう。」

公爵夫人とゴランフロとマイヌヴィルの間で何か交渉が行われた後、ボルロメは窓を再び閉め、バルコニーは人けのない状態になった。

公爵夫人と従者は彼らを待っていた駕籠に乗るために小修道院を立ち去った。

モデスト尊師は門まで同行し、一生懸命最敬礼をした。

公爵夫人は小修道院長の挨拶に答えるためにその駕籠のカーテンをまだ開けたままにしていた。その時サン-タントワーヌ門を通ってパリから出てきたジャコバンの修道士が彼が好奇心に駆られて見た馬の頭にやって来て、それから駕籠の側でその中をじっと見つめた。

シコはその修道士がルーヴルから大股で戻り、マダム・ド・モンパンシエの前で恍惚となって留まっていた小さな兄弟ジャックであると認めた。

「さあ、さあ、」彼が言った。「私は運がいいぞ。もしジャックがもっと早く戻っていたら、私は公爵夫人を見ることができなかったし、私たちの待ち合わせ場所であるラ・クロワ-フォバンに走らざるを得なかった。今、ここに小さな陰謀を企てた後で立ち去るマダム・ド・モンパンシエがいる。そしてメートル・ニコラ・プーレンの番だ。あちらの人を私は10分で追い払うだろう。」

確かに、公爵夫人はシコの前を彼を見ることもなく、パリへ向かって乗って行った。そしてニコラ・プーレンはまさに彼女を追いかける準備をしていた。

公爵夫人のように、彼はシコが潜む生垣の前を通らなければならなかった。

シコは猟師が動物がやって来るのを見たように、彼がやって来るのを見て、手の届くところに来た時に彼を引っ張るように見えた。

プーレンがシコの手の届くところに来た時に、シコは引っ張った。

「ああ!廉潔の士、」彼が穴から言った。「どうぞこちらをご覧ください。」

プーレンは身震いをして、溝側に頭を向けた。

「あなたは私をご覧になっている。素晴らしい!」シコが続けた。「今、何でもないような様子をされていますが、メートル・ニコラ・・・プーレン。」

長官の副官は銃声で鹿が飛び跳ねるように、飛び上がった。

「あなたはどなたです?」彼が尋ねた。「そして何がお望みなのです?」

「わたしが誰かですって?」

「そうです。」

「私はあなたの新しい、しかし親密なお友達の一人ですよ。私が望んでいること、ああ!さあ、あなたに説明するにはほんの少し長くなります。」

「しかし、結局、あなたは何を望んでいるのですか?話してください。」

「私はあなたが私の元にやって来ることを大いに望んでいますよ。」

「あなたのところ?」

「そう、ここです。溝の中に降りてきてくださることを。」

「なぜそんなことをするのです?」

「あなたはそれを知りますよ。先ず降りてきてください。」

「しかし・・・」

「この生垣側を背中に座りに来てください。」

「結局・・・」

「私側から見ることなく、私がそこにいることを疑っている態度をあなたが持つこともなく。」

「ムッシュー・・・」

「それは大いに強い要求です。私がそれを大いに知っています。しかし、あなたが望んでいること、メートル・ロベール・ブリケは強く要求する権利があります。」

「ロベール・ブリケ!」プーレンがすぐに命令された演習の弁解をしながら叫んだ。

「さあ、さあ、座ってください、それだけですよ。ああ!ああ!私たちはヴァンセンヌの道の上でちょっとした寸法を測っているように見えますね?」

「私が!」

「何の疑いもなく。その後で、機会が生じた時に、その道路の職務をしている長官の副官を驚かせる何があるのです?」

「それは事実だ。」プーレンが少し安心して言った。「あなたは私が測量していたのを見たのですね。」

「それだけますます、」シコが続けた。「あなたはあまりにも有名過ぎる人物たちの監視下で行っていましたね。」

「あまりにも有名過ぎる人物たちですって?私は理解できません。」

「何と!あなたはご存知なかったのですか?・・・」

「私はあなたが意味していることがわからないのだ。」

「そのバルコニーの上にいて、再びパリへ向かったばかりのあの貴婦人と紳士を、あなたは彼らがいたことをご存知ないのですか?」

「誓って。」

「ああ!何と私にとってあなたにとてもお金持ちな新参者を教えなければならないことは幸せなことですよ!ムッシュー・プーレン、あなたが管理者のために道路の職務をしていたのはド・モンパンシエ公爵令夫人とド・マイヌヴィル伯爵殿なのですからね。どうぞ動かないでください。」

「ムッシュー、」ニコラ・プーレンが抵抗しようと努めながら、言った。「その言葉は、あなたが私にそれらを話しかけるやり方は・・・」

「もしあなたが動くのなら、私の親愛なるムッシュー・プーレン、」シコが答えた。「あなたは私をある窮地に追い込みに行かせます。ですから、落ち着いてください。」

プーレンはため息をついた。

「全く!いいですか、」シコが続けた。「私はそれゆえあなたに言ったのです。その人物たちの監視下で同様にまさに働いたばかりであったと。そして気付かれていなかったと。同様にそれを強く主張するのはあなたです。それゆえ私は言ったのです、私の親愛なるムッシュー、あなたが注目した別の有名人、例えば国王はあなたにとって大いに好都合であると。」

「国王ですって?」

「陛下、そうです、ムッシュー・プーレン。断言しますが、陛下は大いに全ての労働に感心し、全ての苦しみに報いる傾向があるのですよ。」

「ああ!ムッシュー・ブリケ、後生ですから!」

「私は繰り返しますよ、親愛なるムッシュー・プーレン、もしあなたが動いたら、あなたは死人になると。ですから、この不興を避けるために落ち着いていてください。」

「しかし、それではあなたは私に何をお望みなのです、天の名において?」

「あなたの幸せですよ。他のことではありません。私はあなたの友人と言いませんでしたか?」

「ムッシュー!」ニコラ・プーレンが絶望して叫んだ。「私はあらゆる人ではなく、陛下に対して、あなたに対して、した不正がどんなものか本当にわからないのです!」

「親愛なるムッシュー・プーレン、あなたは合法的に誰かに説明してください。それは私の仕事ではありません。ご覧のように私には私の考えがあります。そしてそれを持っています。この考えは国王の長官の副官がムッシュー・ド・マイヌヴィルの合図と指示で道路の仕事をした時に、国王が副官が従うことに同意するのを知るだけのことに過ぎません。その上、もし国王が長官の副官が毎日の報告書の中にマダム・ド・モンパンシエとムッシュー・ド・マイヌヴィルが昨日の朝自分の素晴らしい街であるパリに入ったことを記入し忘れたことを悪いと思わないのなら、誰が知りますか?ただそれだけのことですよ、さあ、ムッシュー・プーレン、あなたはきっと陛下と仲直りしますよ。」

「ムッシュー・ブリケ、書き落としは犯罪ではありません。そしてもちろん陛下はあまりにも見識のあるお方ですが・・・」

「親愛なるムッシュー・プーレン、あなたは妄想しているように思いますよ。私にははっきりと見えますよ、私には。この件に関して。」

「あなたは何を見えるのです?」

「素晴らしく、立派な絞首台が1つ。」

「ムッシュー・ブリケ!」

「ちょっと待ってくださいよ、ちくしょう!新しい縄を持って、東西南北に4人の兵士がいて、絞首台の周りにはかなりたくさんのパリ市民たち、そして縄の先には私の知り合いのある長官の副官がいるのです。」

ニコラ・プーレンはとても激しく震えたので、その振動であかしでの並木道全体を揺さぶった。

「ムッシュー!」彼は手を組み合わせながら、言った。

「しかし私はあなたの友人です、親愛なるムッシュー・プーレン。」シコが続けた。「そして友人の資格で、あなたに与える助言がここにあります。」

「助言ですって?」

「そうです、ありがたいことに従うのがとても簡単です!あなたはその足で行くのです、ちゃんと聞いていますか?見つけに行くのです・・・」

「見つける・・・」ニコラがたくさんの不安と共に遮った。「誰を見つけるのです?」

「ちょっと、私はよく考えます。」シコが遮った。「ムッシュー・デペルノンを見つけるのです。」

「ムッシュー・デペルノン、国王のご友人の?」

「その通りです。あなたは離れて彼を捕まえるのです。」

「ムッシュー・デペルノンをですか?」

「そうです、そしてあなたは道路の測量の出来事の全てを彼に語るのです。」

「それは狂気の沙汰では、ムッシュー?」

「逆に思慮分別です、最高の思慮分別です。」

「私には理解できません。」

「しかしながら、それはわかりやすいことですよ。もし私があなたをただ単に測量の男と胴鎧の男のように告発するのなら、人々はあなたを縄につなぐでしょう。逆にもしあなたが自ら進んで実行したなら、人々はあなたに報酬と敬意を浴びせるでしょう・・・あなたは確信を抱いていないように見えますね!・・・結構、それは私にルーヴルに戻るという苦しみを与えるでしょう。しかし、確かに、それでも私は行くでしょう。ただ私があなたのためにしないことのみを。」

そしてニコラ・プーレンはシコが立ち上がるために枝を乱しながら立てた音を聞いた。

「だめです、だめです。」彼が言った。「ここにいてください、私が行きます。」

「すぐにですよ!しかしあなたはお分かりだ、親愛なるムッシュー・プーレン、言い逃れはだけであることを。と言うのは明日私は国王にちょっとした手紙を送る予定なのです。私はあなたが私を理解しているような、正確に言えばあなたが私を理解していないような、親密な友人であるでるという光栄に浴しているのですよ。それで明後日の朝絞首刑に処せられないようにするために、同様にあなたが高く、そしてより短く吊り下げられるでしょう。」

「私は出発します、ムッシュー。」打ちのめされた副官が言った。「しかしあなたは絞殺につけこんでいます・・・」

「私がですか?」

「ああ!親愛なるムッシュー・プーレン、私を祭壇に掲げてください。5分あったら、あなたは裏切り者だ。私はあなたを祖国の救助者にしますよ。ところで、早く走ってください、親愛なるムッシュー・プーレン、と言うのは私はここから離れることをとても急いでいるのです。しかし、あなたが出発した時、私はそれが出来るだけです。デペルノン館です。お忘れないよう。」

ニコラ・プーレンは立ち上がった。そして絶望した男の顔をして、矢のようにサン-タントワーヌ門の方に突進した。

「ああ!危ないところだった。」シコが言った。「というのは小修道院から外に出た人がいたからだ。しかしそれは私の小さなジャックではないぞ。ああ!ああ!」シコが言った。「アトス山を切ることを望んだアレクサンドルの設計者のように切られたあのならず者は誰だ?何てことだ!私のような哀れな子犬に同行するのはあんな太った犬なのか!」

その小修道院の密使を見ながら、シコは急いで待ち合わせ場所であるラ・クロワ-フォバンに急いで走った。

環状道路を通ってそこに行かざるを得なかったように、右車線は彼にとって速さにおいて優位だった。大股で道路を遮った巨大な修道士はラ・クロワに最初に到着したと言うことである。

シコは、全く歩きながら、顔つきが全く気に入らなかったその男を調査する時間を更に少し失っていた。

確かにその修道士は本当のペリシテ人だった。彼がシコを見つけにやって来た慌ただしさの中で彼のジャコバンの僧服は閉じてさえもおらず、そして人々は裂け目の1つから筋肉がたくましく、全く俗人の半ズボンを身に着けて異様な姿にしていた彼の脚を垣間見た。

下手に降ろされた彼の頭巾はまだその上に小修道院の鋏が通っていないたてがみを見せていた。

外観に深く口角を引きつらせた宗教的でないある表情を持ち、そして彼が微笑から笑いに移ることを望んだ時に、厚い唇の城壁の後ろの根の生えた柵のように見えた3本の歯を見えるままにしていた。

シコのもののように長いが、より太った腕、ガザの門を取り除くことができる(*1)肩、帯の縄の中に通していた大きな包丁、それは彼の胸の周りに盾のように巻かれた袋と共に、そのジャコバンのゴリアテ(*2)の守勢・攻勢の武器だった。

「全く、」シコが言った。「彼はひどく醜い。そしてもし彼があちらの人のような頭を持って、私に素晴らしい知らせを持ってきていなかったなら、私はそのような生き物は地上に大いに無用であることが分かるだろう。」

修道士はシコが近づいてくるのを絶えず見ながら、ほとんど軍隊式に挨拶をした。

「きみは何が望みなんだい、私の友よ?」シコが尋ねた。

「あなたはムッシュー・ロベール・ブリケですか?」

「本人だよ。」

「その場合、私はあなた宛ての院長様からのお手紙を持っております。」

「くれたまえ。」

シコはその手紙を受け取った。それは次のような文面だった。

『私の親愛なる友よ、私たちが別れた後、私は大いによく考えた。私には主が私に預けた羊を狼が貪り食う世の中に行かせることは本当にできない。私はきみが大いに理解しているように私たちの小さなジャック・クレマンについて話しているのを聞いている。彼はさっき国王によって受け入れられ、そしてきみの伝言を完全に果たした。

年齢がまだ幼く、小修道院で奉仕しなければならないジャックの代わりに、私はきみに私たちの共同体の優れたそして立派な兄弟を送る。彼の品性は優しく、彼の気質は害がない。私はきみが彼を旅の道連れとして同意してくれることを確信している・・・』

「そうだ、そうだ、」シコが修道士に斜めに視線を投げながら、思った。「その上、考慮する。」

『私はこの手紙に私の祝福を付け加えると共にきみに生の声を与えなかったことを後悔している。

さようなら、親愛なる友よ!』

「何と素晴らしい文体がここにあるんだ!」シコが読み終えた時に言った。「その手紙は会計係によって書かれたと断言するぞ。彼は素晴らしい手を持っている。」

「確かにその手紙を書いたのは兄弟ボルロメです。」ゴリアテが答えた。

「ああ!その場合、私の友よ、」シコが大きな修道士に気持ちよく微笑みながら、答えた。「きみは小修道院に戻るんだ。」

「私がですか?」

「そうだ、そしてきみは院長閣下に私が意見を変え、一人で旅行することを望んでいることを伝えるんだ。」

「何と!あなたは私を連れて行ってくださらないのですか、ムッシュー?」修道士が脅しを逃れていない驚きと共に言った。

「そうだ、私の友よ、そうだ。」

「ではそれはどうしてです、よろしければ教えてください?」

「私は倹約しなければならないからだよ。天気は厳しい、そしてきみは並外れて食べるに違いない。」

巨人は3回抗弁を示した。

「ジャックは私と同じくらい食べますよ。」彼が言った。

「そうだ、しかしジャックは修道士だ。」シコが言った。

「では私は、私は一体何だと言うのです?」

「きみは、私の友よ、きみはドイツ人傭兵あるいは憲兵だ。ここだけの話だが、それは私が派遣された方の聖母を憤慨させるかもしれない。」

「それではあなたはドイツ人傭兵と憲兵について何を話しているのです?修道士が答えた。「私はジャコバンです。私は。私の僧服はそれだと分かるものではないのですか?」

「服装は修道士にしないよ、私の友よ。」シコが言い返した。「しかしナイフは兵士にする。それをどうか兄弟ボルロメに言ってくれ。」

そしてシコは、人々が追い払う犬のようにうなりながら、再び小修道院への道を取った巨人に一礼をして立ち去った。

我々の旅行者に関しては、彼の連れにならなければならなかった者を見えなくさせて、彼が修道院の大きな門の中に急いで入ったのを見た時に、生垣の後ろに隠れに行き、そこで自分の胴衣を脱ぎ、麻のシャツの下に我々が知っている上等の鎖帷子のシャツをさっと身に着けた。

身繕いを完全にして、彼はシャラントンの道に合流するために田畑を横切って行った。

<2013.7.31修正済>

*1:多分サムソンの話かと

*2:Goliath

ダビデに石で打ち倒された巨人

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