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2013年6月29日 (土)

13章:共同寝室

*以下はLONDON & GLASGOW COLLINS' CLEAR-TYPE PRESSの『THE FORTY-FIVE GUARDSMEN』を見つつ、原書のフランス語からの翻訳を行っています。翻訳内容が正しいかどうかは保証しませんsweat01。また意味が取れないと明らかに直訳になっているところもありますsweat01。固有名詞の読み方も間違っている可能性が高いです。あしからずsweat02

デペルノンが言ったように、まだ10時にすぎなかったとはいえ、死のような静寂がすでにルーヴルに広がっていた。かろうじて、風が大いに激しく吹いていたので、人々は歩哨の重い足取りとはね橋のきしむ音を聞いた。

確かに5分以内にその二人の散歩者たちは、まさにサン-ジェルマン-ロセルロワ(Saint-Germain-l'Auxerrois)の建設以来、その名前を失わずにいたド・ラストリュス通りの建物に到着した。

公爵は彼の施設付司祭の鍵を取り出し、何段か降り、小さな中庭を横切り、黄色の木目の下に隠されたアーチ形の門を開いた。そしてその下の部分はまだ長い草の中にはまり込んでいた。

彼は10歩の間暗い道を辿った。そしてその終わりで、彼は角の1つで石の階段を見下ろす内部の中庭の中にいることに気づいた。

その階段は広い部屋、正確に言うと巨大な廊下に達していた。

デペルノンはその廊下の鍵も同様に持っていた。

彼は静かにその扉を開けた。そしてアンリに開いているその扉が先ず第一に目を驚かせる奇妙な設備であることを指摘した。

45のベッドがそこに備えついていた。そのベッドのそれぞれが眠っている人によって占有されていた。

国王はその全てのベッドを、その全ての眠っている人々を見た。それから不安な好奇心を持って、公爵側に振り返った。

「ああ!」国王が公爵に尋ねた。「眠っているこの全ての人々は何者なのだ?」

「今夜はまだ眠っていますが、もちろん明日は自分の番が来たらもはや眠らない人々です。」

「なぜ彼らはもはや眠らないのだ?」

「陛下が眠れるためです。陛下が。」

「説明しろ。それではそこにいる人々の全てはお前の友人たちなのか?」

「私によって選ばれたのです、陛下。平らな場所の中の穀物のように選別されたのです。影のようにもはや陛下から離れない勇敢な護衛たちであり、陛下が行くだろう至るところにに行く権利を持っており、人が1つの剣の長さもあなたに近付かせないようにする全くの紳士たちです。」

「それを考え出したのはお前か、デペルノン?」

「ああ!おお、そうです、全て私だけでです、陛下。」

「人々は笑うだろうな。」

「いいえ、人々は恐れるでしょう。」

「彼らはそれではとても恐ろしいのか、お前の紳士たちは?」

「陛下、それはあなたがあなたの気に入るだろう、そしてあなたを知っているだけに過ぎない、あなたと関係を持っているに過ぎない、光、熱、人生を持つためにあなたに話しかけるに過ぎない獲物のようなものに放つ猟犬の群れです。」

「しかし、それは私を破産させるだろう。」

「国王がかつて破産しましたか?」

「私はすでにスイス兵たちに支払うことができないのだ。」

「この新参者たちをよくご覧ください、陛下。そしてもしあなたにとって彼らが大出費の人々に思えるのなら、私に言ってください。」

国王は注意と同様に建築の美しい区分に慣らされていた国王のために十分値する様相を示していたその長い共同寝室に視線を投げた。

その長い広間は、その長さの全てを礼拝堂と同様に他方の一方の側に置かれ、通路に国王とデペルノンを互いに結んでいた端の一つを与えながら、建築家が45のアルコーヴ(*1)を置いた仕切りによって仕切られていた。

その各々のアルコーヴの中に穿たれていた扉は一種の隣の住まいに入口を与えていた。

この巧みな区分から各々の紳士が公の生活と私的な生活を持つことが生じた。

アルコーヴによって彼は公のものに見えた。

ざっくばらんに、彼は小さな仕切り小屋の中に隠れていた。

それぞれのその小さな仕切り小屋の扉は建物の長さの全てに走っていたバルコニーに面していた。

国王は先ず第一にこの巧妙な区別の全てがわからなかった。

「なぜそなたは彼らのベッドの中でそのように眠っている彼らの全てを私に見せようとするのだ?」国王が尋ねた。

「陛下、私はこのような視察を陛下のためにすることはとても容易であると考えたからです。それから、このアルコーヴはそれぞれ番号を持っており、利点があります。それはそれらの下宿人にその番号を伝えることです。このようにしてその下宿人たちのそれぞれが必要に応じて人間あるいは数字になるのです。」

「それはかなり思い描ける。」国王が言った。「何よりももし我々だけがこの算数の全ての鍵を持ち続けるのならば。しかし、不幸はこの狭苦しい部屋の中でいつも生活することが息苦しいということだ。」

「もしお望みでしたら、陛下、私と共に一回りして、それらの各々の小屋の中に入りに行きましょう。」

「ちっ!お前が私に作ったばかりなのは何という家具置き場だ、デペルノン!」眠っている人たちの古着が積まれた腕のない椅子に視線を投げながら、国王が言った。「もし私がそこにその元気で活動的な男たちのぼろを隠しておくならば、パリは大いに笑うだろうな。」

「その通りです、陛下。」公爵が答えた。「私の45人はあまりにも贅沢に装っておりません。しかし、陛下、もし彼らが全て重臣格公爵でしたら・・・」

「そうだ、分かっている。」国王が微笑みながら、言った。「彼らは私に非常に費用を掛けるので、彼らは私に費用を掛けさせないだろう。」

「おお!それと同様です、陛下。」

「彼らは私にいくら費用を掛けさせるのだ、さあ?それが多分私に決心させるだろう。と言うのは、本当に、デペルノン、宝の山は欲望をそそらないのだ。」

「陛下、私は彼らが少し痩せて、南部の我々の地方の中で生じている太陽で日に焼けていることをよく知っております。しかし、私がパリにやって来た時、私は彼らのように痩せて、日に焼けていたのです。彼らは私のように太り、白くなります。」

「ふむ!」アンリがデペルノンに斜めの視線を投げながら、言った。

それから、少し後に、

「お前は彼らが賛美歌隊員のようにいびきをかいていることを知っているのか、お前の紳士たちが?」国王が言った。

「陛下、彼らに一瞥を投げる必要はありません。彼らは今夜あまりにも夕食を摂り過ぎたじことがおわかりでしょう。」

「おやおや、ここに寝言を言っている者がいるぞ。」国王が好奇心で耳を澄ませながら、言った。

「本当ですか?」

「ああ、彼は一体何と言っているのだ?聞いてみよう。」

確かに紳士たちの一人は頭と腕をベッドの外にぶら下げて、口は半分閉じ、憂鬱な微笑みと共にいくつかの言葉を囁いた。

国王は足のつま先で彼に近付いた。

「もしあなたが女性なら、」彼が言っていた。「逃げてください!逃げてください!」

「ああ!ああ!」アンリが言った。「彼はその者に恋をしているのだな。」

「あなたは何とおっしゃいましたか、陛下?」

「彼の顔は十分私の気に入っている。」

デペルノンは彼の大燭台を近づけた。

「それから彼は白い手と十分行き届いた髭を持っております。それはきれいなガスコーニュ人であり、前途有望なエルノートン・ド・カルマンジュ殿です。」

「彼はあそこに何か形取られた愛を置いてきたのだな、かわいそうな奴め!」

「もはや彼の国王のもの以外の別な愛を持たないためですよ、陛下。我々は彼の犠牲を考慮するでしょう。」

「おお!おお!お前の殿・・・お前は彼を前に何と呼んでいたかね?その次に現れた奇妙な顔があるぞ。」

「エルノートン・ド・カルマンジュです。」

「ああ!そうだ!ちくしょう!31番は何というシャツを持っているのだ!悔悛者の袋らしい。」

「そちらの者はムッシュー・ド・シャラブルです。もし彼が陛下を破産させるのなら、それは彼ではないでしょう。私は少しも金持ちになることなく、あなたに請け合います。」

「そしてその陰気な別の顔は愛の夢を見ている様子ではないのではないか?」

「何番ですか、陛下?」

「12番だ。」

「先の鋭くとがった刀身、ブロンズの心臓、策に富んだ人間、ムッシュー・ド・サント-マリーヌです、陛下。」

「ああ、何だと!しかし私はそれをよく考えるぞ。お前は自分がそこに1つの考えを持っていることを知っているな、ラ・ヴァレット?」

「私はそれを十分考えております。それゆえ、少しご判断ください、陛下の影同様にもはや体から離れることがない、この新しい番犬たちがどんな効果をもたらそうとしているか。人々がどこにも決して見ることがないこの大きな番犬たちが、最初の機会に、我々が全てにとって名誉となるやり方で姿を現すでしょう。」

「そうだ、そうだ、お前は正しい。それが1つの考えだ。しかしそれではちょっと待て。」

「何をです?」

「彼らはその身なりの中で私の影のように私の後に従うつもりではないだろうと思うが。私の身体はよい振る舞いをしている。そして私は影を、正確に言えば名誉を傷つける影を望んではいない。」

「ああ!我々は再び戻ってきたのです、陛下、数字の問題に。」

「お前はそれをうまく避けるつもりだな?」

「いいえ、全く逆です。全ての事が根本的な問題です。しかし、数字に対して、私は更に1つの考えを持っているのです。」

「デペルノン!デペルノン!」国王が言った。

「あなたは何をお望みですか、陛下?陛下の気に入るようにしたいという気持ちは私の想像力を二倍にします。」

「さあ、さあ、その考えを言うんだ。」

「ああ!もしそれが私次第であれば、その紳士たちの各々が明日の朝、彼らの古着を着ているスツールの上に上半期の支払いに対する1000エキュの財布を見つけるでしょう。」

「上半期で1000エキュでは、1年で6000リーヴル(*2)ではないか?ばかな!そなたは気が狂っている、公爵。一連隊全体でもそれより費用が掛からないだろう。」

「あなたはお忘れです、陛下。彼らは陛下の影として運命づけられていることを。そしてあなたはあなたご自身にそれを言いました。あなたはご自分の影がきちんと服装を整えていることを望んでいると。それゆえ各々はあなたの名誉となるように服を着て、武装するためにその1000エキュから受け取らなければならないのです。そして名誉と言う言葉に基づいて、綱を少しガスコーニュ人たちに緩めさせてください。ところで、その装備のために1500リーヴルかけるので、従ってそれは最初の1年にとっては4500リーヴルになりますが、次の年、そして別の年には3000になります。」

「それはより満足のいくことだ。」

「それでは陛下は承認くださるのですか?」

「1つの困難がある、公爵。」

「どれでしょうか?」

「お金が欠けていると言うことだ。」

「お金が欠けているですって?」

「もちろんだ!お前は私がお前にそこに与えた悪い理由でない人物のより良い者を知らなければならない。まだお前に支払いをさせることができないお前が。」

「陛下、私は手段を見つけております。」

「私に金を持たせることか?」

「あなたの見張りのために、そうです、陛下。」

「網目の塔は様子は何か。」国王はデペルノンの側を見ながら考えた。」

それから声に出して、

「さあ、その手段を。」彼が言った。

「人々は記録していますが、今日同様獲物と魚の権利に基づく法令が6ケ月ありました。」

「それはありうる。」

「上半期の支払いは私が何もしないことを予め知らせておいた時に、貯金の会計係が今朝取り立てた65000エキュを出したのです。それで国庫に払い込む代わりに、彼は陛下の意のままに税金を管理しているのです。」

「私はそれを戦争のために取っておいたのだぞ、公爵。」

「ああ!まさにそうです、陛下。戦争の第一の条件は兵卒を持つということです。王国の第一の関心は国王の防衛と安全です。国王の護衛を精算しながら、人々は全てこの条件を満たします。」

「理由は悪くない。しかし、お前の費用で、私は45000エキュが使われるのを見るしかないぞ。それゆえ私には私の連隊のために20000残されるだろう。」

「失礼ですが、陛下、陛下の楽しみは別として、私はその20000エキュを遣ってしまったのです。」

「ああ!お前が遣ってしまっただと?」

「そうです、陛下、それは私の手形に対する手付金となるでしょう。」

「私は確信していた。」国王が言った。「お前は自分の金を取り戻すために私に護衛を与えるのだと。」

「おお!とんでもありません、陛下!」

「しかし、なぜその45の計算が正しいのだ?」国王が1つ別の考えを伝えながら、尋ねた。

「どうぞ、陛下。数字の3は最も重要で、素晴らしいのです。更に便利なのです。例えば、一人の騎士が3頭の馬を持っている時、彼は決して徒歩ではありません。二番目の馬は疲れた最初の馬と取り替えます。そしてそれから、彼は怪我あるいは病気の場合に二番目を補うために三番目を残しておきます。それゆえ、あなたはいつも3倍の15人の紳士たちを持つことになるのです。勤務中の15人、休息する30人。各々の勤務時間は12時間続くでしょう。そして、その12時間の間、あなたはいつも右に5人、左に5人、前に2人、後ろに3人持つのです。もし人々が少しでもやって来たら、あなたはそのような護衛と共に攻撃するのです。」

「何と!計画された服装の支給なのだな、公爵。そして私はお前を讃えよう。」

「彼らをご覧ください、陛下。本当に彼らはよい効果を与えるのです。」

「そうだ、服を整えたら、彼らは悪くないだろう。」

「あなたは今あなたに迫っている危険について私が話す権利を持っていることをお考えですか、陛下?」

「私は言っていない。」

「私はそれゆえ正しいのでは?」

「それでもよい。」

「この考えを持っていたのはムッシュー・ド・ジョワイユーズではありません。」

「デペルノン!デペルノン!彼は欠席者たちを悪く言うことに慈悲深くないぞ。」

「何てことだ!あなたは出席者を全く悪く言うのですね、陛下。」

「ああ!ジョワイユーズはいつも私に随行しているのだ。彼は今日グレーヴに私と共にいたのだ、彼が、ジョワイユーズがだ。」

「ああ!私は、私はここにいましたよ、陛下。そして陛下は私が自分の時間を失わなかったことがお分かりでしょう。」

「ありがとう、ラ・ヴァレット。」

「ところで、陛下、」デペルノンが一瞬の沈黙の後に言った。「私は陛下にお願いしたいことがあります。」

「それは私を大いに驚かせた。と言うのも、公爵、お前は私に何も要求していなかったからだ。」

「陛下は今日は厳しいですね、陛下。」

「おお!いいや、お前は理解していないぞ、私の友よ。」嘲笑が復讐を満足させた国王が言った。「正確に言えば、お前は私を悪く理解している。私はこう言ったのだ。私に役立ちながら、お前は私に何かを要求する権利を持っていると。それでは要求しなさい。」

「それは違います、陛下。更に、私が陛下にお願いすることは1つの役職なのです。」

「1つの役職!お前が!歩兵隊の上級大佐のお前が更に役職を望むのか。しかし、それはお前をつぶしてしまうだろう。」

「私は陛下の仕事のためならばサムソンのように強いのです。私は天と地上を運びます。」

「さあ要求しなさい。」国王がため息をつきながら、言った。

「私は陛下が私にこの45人の紳士たちの指揮権を与えてくださることを望みます。」

「何と!」仰天した国王が言った。「お前は私の前を、私の後ろを歩くことを望んでいるのか?お前はその点に身を捧げたいのか?お前は護衛たちの隊長になりたいのか?」

「いいえ、違います、陛下。」

「結構なことだ。それではお前は何を望んでいるのだ?話しなさい。」

「私は私の同胞たちであるこの護衛たちが他の全てのものと同様に私の指揮をよりよく理解することを望んでいるのです。しかし、私は彼らの前を行くことも、後を追うこともないでしょう。私は私自身の副官を持つでしょう。」

『その下にまだ何かあるぞ。』アンリは頭を振りながら、思った。『このやっかいな男はいつも所有するために犠牲にする。』

それから、声に出して、

「ああ!それでよい。お前はお前の指揮権を持つだろう。」

「内密に?」

「そうだ。しかし、それでは誰が公式に私の45人の長になるのだ?」

「小ロワニャックです。」

「ああ!それはよかった。」

「彼は陛下のお気に召しますか?」

「もちろん。」

「それではそれは決まったのですね、陛下?」

「ああ、しかし・・・」

「しかし?」

「お前の近くでどんな役割を演じるのだ、そのロワニャックは?」

「彼は私のデペルノンです、陛下。」

「それではお前に高く費用が掛かるではないか。」国王がぶつぶつ不平を言った。

「陛下はおっしゃいますか?」

「私は承認すると言っているのだ。」

「陛下、私は45人の財布を探すために、貯金の会計係の家に行きます。」

「今晩か?」

「我々の男たちは彼らの腕のない椅子の上に明日それを見つけなければならないわけではないのです。」

「それは正しいな。行きなさい。私は私の家に戻るよ。」

「ご満足ですか、陛下?」

「十分だ。」

「いずれにせよ十分お守りいたします。」

「ああ、ぐっすり眠っている人々によって。」

「彼らは明日は眠らずに過ごしますよ、陛下。」

デペルノンは回廊の扉までアンリを送って行き、独り言を言いながら、彼と別れた。

「もし私が国王でなかったら、私は国王のように、そして私に費用を何も掛けさせない護衛を持つのだが、何てことだ!」

<2013.6.29修正済>

*1:alcôve

ベッドをはめ込むためための壁のくぼみ。

*2:計算すると1リーヴル=3.75エキュになります。

2013年6月28日 (金)

12章:ルーヴルのアンリ三世陛下の部屋

*以下はLONDON & GLASGOW COLLINS' CLEAR-TYPE PRESSの『THE FORTY-FIVE GUARDSMEN』を見つつ、原書のフランス語からの翻訳を行っています。翻訳内容が正しいかどうかは保証しませんsweat01。また意味が取れないと明らかに直訳になっているところもありますsweat01。固有名詞の読み方も間違っている可能性が高いです。あしからずsweat02

すでに我々の読者が我々と共に何度も入り、我々が哀れな国王アンリ三世がとても長くとてもつらい時間を過ごしているのを見たルーヴルのこの大きな部屋の中で、我々はもう一度国王でもなく、主人でもなく、しかし衰弱し、青ざめ、不安で、そして有名なアーチ型天井の下で絶えず彼の記憶を呼び覚ます全ての影の迫害に完全に委ねられた彼を再び発見しに行く。

アンリは我々が他の場所で語っていた彼の友人たちの致命的なその死以来、とても変わった。その死別の悲しみはひどい損害を与える暴風のように彼の頭を過ぎ去った。そして哀れな国王は自分が人間であるということを絶えず思い出し、友人もなく、衛兵もなく、王冠もない国王たちだけが神のもとへ行く恐ろしい瞬間をそのように前もって始めながら、私的な愛情の中に自分の力と信頼を置かず、嫉妬の死によって全ての信頼と全ての力を無くすのを見ていた。

アンリ三世は残酷に打ちのめされていた。彼が愛していたその全てが彼の周囲で相次いで倒された。ショーンベルク(Schomberg)、ケリュス(Quélus)、モジロン(Maugiron)が決闘でリヴァロ(Livarot)とアントラーゲ(Antraguet)によって殺された後、サン-メグラン(Saint-Mégrin)はムッシュー・ド・マイエンヌによって暗殺されていた。その傷は鮮烈に血を流して残されていた・・・。彼が新しい寵臣であるデペルノンとジョワイユーズに抱いた愛情はよりよい子供たちを失くした父親が彼に残された子供たちに移すものに似ていた。この彼らの欠点を完全に知りながら、彼は彼らを愛し、彼らをいたわり、死をこうむるいかなるものも彼らに与えないために彼らを監視している。

彼はデペルノンに大いに満足していた。しかしながら、不意の衝動や気まぐれによってデペルノンを嫌った。同様にある種の瞬間、彼はデペルノンを憎んだ。その情け容赦ない助言者であるカトリーヌが聖櫃の中のランプのように絶えずその考えを監視していたのはそれゆえであり、カトリーヌが彼の若さの中の同様の狂気の沙汰から国王の愛情を批判することに対して国民の声を理解できなかったのはそれゆえである。

彼女は決して彼に言ったことがなかった。彼がラ・ヴァレットの領地を公国に昇格させ、王のように大きくするために国庫を空にした時、彼女は決して彼に言わなかった。

「陛下、あなたを愛さないこの男たちを、あるいは一層悪いことに彼らのためにあなたを愛さない者を憎むのです。」

しかし、彼女は国王の眉がしかめるのを見ていた。疲労の一瞬の中で、彼が吝嗇あるいは臆病の責任をデペルノンに負わせるのを聞いていた。彼女は国民の不満とデペルノンに対する王位の不満の全てを要約した、そして国王の憎しみの中に新しい溝を掘った不屈の言葉をすぐに発見した。

デペルノンは不完全なガスコーニュ人であり、彼の生来の鋭敏さと邪悪さで国王の弱さの能力を測っていた。彼は自分の野心を、漠然とした野心を隠すことを知っていた。そして、その目的はまだ彼自身に知られていなかった。ただ彼の貪欲は、はるか遠くの、そして未来の地平線に隠れてまだ彼には見えておらず、知られていない世界のほうへ向かっていくための羅針盤の代わりとなった。そして彼が自制して振る舞ったのはこの貪欲にならってだけだった。

もし偶然国庫が少し満たされてるいることに気付いたなら、人々はデペルノンが腕を輪にし、陽気な顔をして、立ち現われ、近づいて来るのを見た。国庫が空であったなら、彼は横柄な唇としかめた眉をして、彼の館、彼の城のいくつかに引き籠るために姿を消し、そこで彼は心の弱さによって哀れな国王を手に入れ、彼から何か新しい贈り物を引き出すまで不運を嘆いた。

彼によって、えこひいきは仕事、彼が可能な収入のすべてを巧みに利用した仕事に昇格させられた。先ず、彼は支払期日に支払うことに対する遅れがないことを国王に伝えなかった。それから、彼が後に廷臣になった時、そして国王の寵愛の気まぐれなキスが彼のガスコーニュ人の脳みそを固めるために十分に頻繁な収入であり、後に我々は彼が仕事の役割の一つに専心することに同意したのは、彼が自分の餌食を作ることを望む土台の復帰に協力するということであると言おう。

この必要性を彼は大いに感じ、全ての状態が最も良い時には怠惰な廷臣に、全ての状況が最も悪い時には勤勉な廷臣になることに導いた。彼はその時全く辛辣に、その人生が公でも私的にも話される出来事ではない、そしてとても容易に寵愛をお金に、お金を楽しみに変えたケリュス、ショーンベルグ、そしてモジロンの心地よい暇を嘆いた。しかし、時代は変わった。鉄の時代は黄金の時代の後を継いだ。お金はもはや昔のように生じなかった。彼はお金のために、それを手に入れるために、半分干上がった国庫の中のように人々の静脈の中を探し回りに行かなければならなかった。デペルノンは諦めて、飢えながら行政の抜け出せない木目の中に飛び込み、それと彼が通行したことによりそこを荒廃させながら、黄金のエキュの噂が告訴人たちの声をかき消す度に、呪いを考慮に入れることなしに絞り取った。

我々がジョワイユーズの性格を描いた素早く、大変不完全な概要は、アンリが自分を取り巻いていたものからフランスにそして自分自身に対していつも奪わせていた影響のこの大きな分け前を分け合っていた二人の寵臣の間に、我々は友情があったとは言わないが、どんな違いがあったかを読者に教えることができる。ジョワイユーズは全く自然に、そしてそれをよく考えず、ケリュス、ショーンベルク、モジロン、そしてサン・メグランの足跡を追い、自分の物にした。彼は国王を愛していた。そして無頓着に彼によって愛されていた。国王がジョワイユーズの先任者たちに持っていた素晴らしい友情の上に広まっていたその見知らぬ噂の全てがこの友情と共に死んでいた。いかなる忌まわしき汚点もジョワイユーズに対するアンリのほとんど父親のようなその愛情を汚さなかった。有名で正直な人々の一族から、ジョワイユーズは少なくとも公然と国王の尊敬を受けた。そして彼の親しみやすさは一度もある境界を越えたことがなかった。道徳的なッ人生の真ん中において、ジョワイユーズはアンリの本当の友人だった。しかし、その真ん中はほとんど生じたことがなかった。アンヌは若く、怒りやすく、恋をしていて、利己主義だった。彼にとって国王によって幸せになり、その根源の方に幸福をもっと高くさせるだけでは十分ではなかった。彼にとって自分がしたいかなるやり方で幸せになることがすべてであった。勇敢で、美しく、裕福で、彼は若者の頭に作った愛の後光のその三重の反映で輝いていた。自然はジョワイユーズに対してあまりにも与えすぎていた。そしてアンリは時々彼を委ねた、彼を国王にした自然を、彼の友人のためにしたごくわずかのことを呪った。

アンリはこの二人の男たちをよく知っていた。そして多分その対照のために彼らを愛していた。懐疑的で、迷信的な外観の下で、アンリはカトリーヌなしに、注目すべき利益の感覚の中において発達させた哲学の土台を隠した。

よく裏切られたが、アンリは決して騙されなかった。

彼の友人たちの性格のこの完全に知ること、孤独で悲しい彼らの異なった欠点と美点を深く知ることはそれゆえであり、この陰気な部屋の中で、彼は彼らについて、自分について、自分の人生について考え、その影の中に味方のあまり洞察力のないたくさんの視線に対して未来にすでに招いたその死の地平線を見た。

サルセドの出来事は彼をひどく陰気にした。同様の瞬間に二人の女性たちの間でだけアンリは自分の窮迫を感じた。ルイーズの弱さは彼に嫌な思いをさせた。カトリーヌの強さは彼をぞっとさせた。アンリは運命によって定められた国王たちが感じていた、一族が彼らの中に、そして彼らと共に消えることに対して、この曖昧なそして果てしない大きな恐怖を結局自分自身に感じた。

すべての男たちの上に上がったとはいえ、確かにその偉大さは頑丈な土台を持っていないことに気づき、人々が香を捧げる彫像であり、人々が崇める偶像であることを感じ、しかし司祭たちと国民、崇拝者たちと大臣たちは彼らの関心に従ってあなた方を傾けあるいは起こし、彼らの気まぐれに従ってあなた方は揺れ動かされ、それは高慢な精神にとって最も残酷な失寵である。アンリはそれを痛切に感じた。そしてそれを感じることでイラついた。

しかしながら、時々彼はその時期が終わる前に自分から全く消えていた青年期の気力を取り戻した。

「結局、」彼は独り言を言った。「なぜ私を不安にさせるのか?私にはもはや被る戦争はない。ギーズはナンシー(Nancy)にいるし、アンリはポー(Pau)にいる。一方は自分自身にその野心を再び閉じ込めざるを得ない。他方は決して野心を持っていない。心は静まっている。いかなるフランス人も自分の国王を廃位することが不可能なその企てを真面目に検討しない・マダム・ド・モンパンシエの金の鋏によって約束されたその三番目の冠は自尊心を傷つけられた女の言葉でしかない。私の母は簒奪の幽霊について私にその王位簒奪者を本気で示すことができずにただ夢を見ている。しかし私は男であり、自分の悲しみにもかかわらず、まだ未熟な脳である私は彼女がひどく恐れるとそれらを主張していること基づいて、何が私を捉えているのかを知っている。私は滑稽なアンリ・ド・ナヴァール、憎らしいギーズに仕返しをするだろう。そして手にした剣、外国の同盟を消散させるだろう。ふん!私は今日役に立たないより、ジャルナック(Jarnac)で、そしてモンコントゥール(Montcontour)で役立たない方がよいだろう。そうだ。」アンリは胸に頭を落としながら、続けた。「そうだ。しかし、さしあたり、私は退屈している。そして退屈することは致命的である。退屈!そして私の母は決してそのことにういては話さない。さあ、今夜誰かが私の元にやって来るだろう!ジョワイユーズは早くからここにいると大いに約束していた。彼は楽しんでいる、彼は。しかし楽しむために彼は一体全体どのようにしているのだ?デペルノンは?ああ!彼は楽しんでいない。彼は不満を示している。彼は贅沢に万5千エキュの手形を受け取れていない。ああ、そうだ!彼は気楽に全てに不満を示している。」

「陛下、」取次係の声が言った。「デペルノン公爵殿です!」

待つことの退屈を知っている全ての者は待たれている人に対して暗示する非難がその人物が現れた時に雲が消え失せる容易さと共に国王に公爵のために折りたたみ椅子を前に出すことを命じることを急がせたことを理解するだろう。

「ああ!こんばんは、公爵。」彼が言った。「私はそなたに会えてうれしいよ。」

デペルノンは恭しく頭を下げた。

「一体なぜそなたはあのいかがわしいスペイン人の四つ裂きの刑を見に来なかったのだ?そなたは私の観覧席に席があったことをよく知っていた。私がそなたにそれを告げていたのだから。」

「陛下、私は出来なかったのです。」

「そなたが出来なかったとは?」

「はい、陛下、私は仕事があったのです。」

「確かに彼は約50㎝の宝庫を持った私の大臣とも、補助金が支払われないことを私に知らせるためにやって来るとも言われていない。」アンリは肩をそびやかしながら、言った。

「確かに、陛下、」デペルノンが好機をつかみながら、言った。「陛下は正しいです。補助金は支払われておりませんし、私は1エキュも持っていません。」

「よろしい。」アンリはイライラしながら、言った。

「しかし、」デペルノンが答えた。「それは討議されたことではないことを、私は陛下に急いで申し上げます。と言いますのも、陛下は私が専心している仕事がそこにあるということをお考えかもしれないからです。」

「ではその仕事は、公爵。」

「陛下はサルセドの処刑で起こったことをご存知です。」

「何だって!私はそこにいたのだ。」

「人々は受刑者を奪い取ろうと試みておりました。」

「私はそんなことは見ていなかったぞ。」

「しかしながら街の人々による突然の噂があるのです。」

「理由がなく、結果のない噂だ。人々は動かなかった。

「私は陛下が間違っていると思っております。」

「お前は自分の信念をどこに置いているのだ?」

「サルセドが裁判官の前で言ったことを国民の前で否認したことにです。」

「ああ!そなたはすでにそれを知っているのだな、そなたは?」

「私は陛下に関係する全てのことを知ろうと努めております。」

「ありがとう。しかしそなたはその前置きと共にどこに行くことを望んでいるのだ?」

「次の事です。サルセドのように死ぬ男はとてもよい召使として死ぬということです、陛下。」

「ああ!それから?」

「そのような召使の主人はとても幸せです。要するにそれだけのことです。」

「そしてお前は私がそのような召使を持っていない、より正確に言えば私はもはや持っていないと言いたいのだな、私は?もしお前が言いたいことがそのことならば、お前は正しい。」

「私が言いたいことはそのことではありません。陛下が機会を見つけ、私はサルセドの主人が見つけたような同様によりよく忠実な人物、召使を請け合います。」

「サルセドの主人、サルセドの主人!彼らの名においてそれでは一度現実を言ってみろ。私を取り囲んでいる全てをそなたが。その主人は何と呼ばれているのだ?」

「陛下は私よりすっと彼をご存知に違いありません。陛下は政治に専心なさっているのですから。」

「私は私が知っていることを知っている。そなたが、そなたが知っていることを私言ってくれ。」

「私は、私は何も知りません。ただ私は大いに物事を疑っているだけです。」

「よろしい!」退屈したアンリが言った。「そなたは私を怯えさせるために、そして私に不愉快なことを言うためにここにやって来たのではないのか?ありがとう、公爵、私はそこが大いにそなたらしいと思うぞ。」

「さあ、陛下が私を虐待することがここにあります。」デペルノンが言った。

「それは十分正しいと私は思うぞ。」

「いいえ、陛下、身を捧げている男の通知は不当に倒すことができます。しかしその男はそれでも尚、その通知を与えながら、自分の義務を果たさないです。」

「それは私の仕事だ。」

「ああ!陛下がそのように受け取るのである以上はあなたは理由をお持ちです。それゆえもはや何もお話しにならないでください。」

ここで。彼は一瞬沈黙したが、最初に破ったのは国王だった。

「さあ、」彼が言った。「陰気にさせないでくれ、公爵。私は既にピラミッドの中のエジプトのファラオのように陰鬱だ。私を楽しませてくれ。」

「ああ!陛下、喜びは思うようにはなりません。」

国王は怒りでテーブルを拳で叩いた。

「そなたは頑固だ、意地の悪い友人だ、公爵!」彼が叫んだ。「ああ!ああ!私はかつての私の召使たちを失いながら、全てを失っていなかったと信じてはいなかった。」

「敢えて私は陛下に陛下はほとんど新しい者たちを激励していないと指摘申し上げますか?」

ここで国王は返事の代わりにその間新しい休憩を取った。彼はさらに明確な意味を表していた表現と共に大きな財産を作っていたその男を見た。

デペルノンは理解した。

「陛下はその善行について私を非難しています。」彼は極端なガスコーニュの口調で言った。「私は、私は自分の献身について彼を非難いたしません。」

そして公爵はもう座っておらず、国王が彼のために準備させた折りたたみ椅子を掴んだ。

「ラ・ヴァレット、ら・ヴァレット、」アンリが悲しげに言った。「お前は私の心をひどく悲しませる。沢山の機知を持ち、だめになっているお前が。お前のよい気質で私を陽気に楽しくさせてくれ。神は私にとって私がケリュスがとても勇敢で、ショーンベルクがとても善良で、モジロンが私に対して自尊心がぴりぴりしているという噂を聞いていなかったことの証人である。いいや、同様にその時代にはビュッシーがいた。ビュッシーはもしお前が望んでも、私のものではなかった。しかし、もし私が他の者に不安を催させることを恐れていなかったなら、私は身を捧げられた。ビュッシー、彼らの死の不本意な原因だ、ああ!私がやってきたところで、私は私の敵を同様に惜しむのだ!、確かに4人全て勇敢な人々だった。ああ!ああ!私がそう言うことで怒るな。お前は何を望んでいるのだ、ラ・ヴァレット、それはやって来る人全てにラピエール(細身の剣)の大きな一撃を日中のそれぞれの時間に与えるこそなたの気質ではない。しかし結局、もしお前が大胆で、手腕が高いのならば、お前は冗談好きで、鋭敏で、時々よい忠告をくれる。お前は私が退屈の唯一の瞬間に感じないだろう更に控えめなその他の友人のように、私の仕事の全てを知っている。」

「陛下は誰と話をすることをお望みなのですか?」

「お前は彼に似ているかもしれない、デペルノン。」

「しかし、私は尚更陛下が惜しんでいるのが誰かを知らなければなりません。」

「おお!哀れなシコよ、お前はどこにいるのだ?」

デペルノンは全く感情を害されて、立ち上がった。

「ああ!お前は何をしているのだ?」国王が言った。

「陛下、陛下は今日は思い出の中におられるように見えます。しかし、確かに全ての人々にとってそれは幸せではありません。」

「それは何故だ?」

「陛下は多分それを考慮することなしにシコ閣下と私を比べ、私はその比較に少しも満足を感じないからです。」

「お前は間違っているぞ、デペルノン。私は私が愛し、私を愛してくれた男であるシコと比べることはできない。彼は頑丈で、器用な召使だった。」

そしてアンリは深いため息をついた。

「私は陛下が私を大貴族にしてくださったのはメートル・シコと似ているためではないと思っております。」デペルノンが言った。

「さあ、非難するな。」国王がとても皮肉な微笑と共に言ったので、そのガスコーニュ人はとても鋭敏であると同時にとても厚かましかったので、誰の目にも明らかな非難の前でなされなかったそのはにかんだ嘲笑の前で楽に更に気分が悪くなった。

「シコは私を愛していた。」アンリが続けた。「そして彼が私には欠けている。私が言うことができるのはこれが全てだ。おお!私はお前がいるその同じ場所に美しく、勇敢で、忠実なその若者たちの全てが通り過ぎたことを考える。あそこにお前が帽子を置いた肘掛け椅子の上でシコは何度も眠っていたのだ!」

「多分、それは強い精神だったのでしょう。」デペルノンが遮った。「しかし、いずれにせよ、それはあまり敬意を抱かれませんでした。」

「ああ!」アンリが続けた。「この親愛なる友は今日多くの連帯意識を持たないのか。」

そして彼は悲しげに頭蓋骨からロザリオの祈りを行った。それはあたかも彼が本物の骸骨にしたかのように陰鬱なかち合う音を聞かせた。

「ああ!彼は一体どうなったのです、あなたのシコは?」デペルノンが気に掛けずに尋ねた。

「彼は死んだのだ!」アンリが答えた。「私を愛した者たちの全てのように死んだのだ!」

「えっ!陛下、」公爵は言葉を続けた。「私は確かに彼が死ぬと言う事実を大いに信じます。彼は冗談の間にあまり年を取っていなかったですが、人々は私に節度は彼のお気に入りの美徳ではないと言っています。哀れな奴は何で死んだのです、陛下?・・・消化不良ですか?」

「シコは悲しみで、すぐれない心臓で死んだのだ。」国王がとげとげしく答えた。

「彼はあなたのために最後に一度笑わせることを言ったでしょう。」

「お前は間違っている。それは彼が自分の病気を知らせることによって私を悲しませることを同様に望まなかったということだ。彼は私の友人たちをどれだけ惜しんでいるかを知っており、彼は私が彼らのために何度も泣いたのを見ていたということだ。」

「それでは再びやって来たのは彼の影ですね。」

「影であっても私が彼と再会出来たらよかったのに!いいや、私にその新しい悲しみを手紙で知らせてきたのは彼の友人で、立派な小修道院の院長のゴランフロだ。」

「ゴランフロ!それは何者です?」

「私がジャコバンの小修道院の院長にした聖なる人物で、サン・タントワーヌ門の外の、クロワ・フォバン(Croix-Faubin)の正面で、ベレスバ(Bel-Esbat)の近くのその美しい修道院に住んでいる。」

「何と!陛下が小修道院の院長に3万リーヴルを与えるだろう者に対して、そして陛下が彼を非難しないように大いに気を付けるものに対して何らかの悪い説教者ですな。」

「お前は今では不敬虔になるつもりなのか?」

「もしそれが陛下の退屈を紛らわすのでしたら、私は試みます。」

「お前は言いたくないのか、公爵、お前は神に背いているのだぞ!」

「シコは大いに不敬虔でした、彼は。そして彼は私には人々が彼を大目に見ているように思えました。」

「シコは私がまだ何かに笑うことができた時代に現れた。」

「それでは、陛下は懐かしむのは間違っています。」

「それは何故だ?」

「もし陛下がもはや笑うことがお出来になれないのなら、とても陽気であったシコは大いに役立たないでしょう。」

「人は全てに対して善良だった。そしてそれはただ単に私が彼を惜しむ彼の機知のためではないのだ。」

「では何のためです?それが彼の顔のためとは思いません。と言うのは彼はとても見にくかったからです、私たちのシコは。」

「彼は賢明な忠告を持っていたのだ。」

「さあ!もし彼が生きていたのなら、陛下はあの修道士を小修道院長にしたように、彼を国璽尚書(法務大臣)にしていたと思いますよ。」

「さあ、公爵、頼むから笑うでない。私は自分が愛情を示した人を、そして自分自身に持っていた人のために。シコは彼が死んで以来、私にとって真面目な友人のように神聖なものなのだ。そして私が笑いたくない時、私は誰も笑わないのを聞いている。」

「おお!構いません、陛下。私は陛下を笑いたくありません。私が言ったことはさっきあなたが彼の立派な気質のためにシコを惜しんでいたことであり、さっきあなたが私があなたを悲しませることを望んでいる間に私にあなたを陽気にすることを望まれたことです・・・何てことだ!おお!失礼しました、陛下。この嫌な罵り言葉はいつもうっかり私の口から洩れてしまいます。」

「よろしい、よろしい、今私は気持ちが冷めた。今私はお前が不吉な言葉で会話を始めた時に私に見せることを望んだところにいる。それではお前の新しい悪いことを私に言え、デペルノン。国王の家にはいつも人間の力がある。」

「私は疑っておりません、陛下。」

「それでは幸せだ。と言うのは、私のように悪く見張られると、もし私が自分自身を守らなかたら、1日に10回は死んでいるだろうから。」

「私の知っているある種の人々を立腹させないものです。」

「それらに対して、公爵、私は私のスイス兵たちの矛槍があるぞ。」

「それは遠くから命中する力が全くありません。」

「遠くから命中させなければならないものに対して、私は私の火縄銃兵たちのマスケット銃があるぞ。」

「それは間近から撃つためには困ったものです。国王の胸を守るために、それは矛槍やマスケット銃よりもよい胸です。」

「ああ!」アンリが言った。「私がかつて、そして高貴な心の胸の中に持っていたものがここにある。しかし人々がケリュス、ショーンベルク、サン-リュック、モジロンそしてサン-メグランと呼んだその生きた城壁の時代には決して人々が私に達することはなかった。」

「それでは陛下は残念に思っているということですか?」利己主義の現行犯で国王を逮捕しながら、復讐するつもりで、デペルノンが尋ねた。

「私は全ての事の前にその胸の中を撃ったその心を残念に思っているのだ。」アンリが言った。

「陛下、」デペルノンが言った。「もし私が思い切ってするのなら、私は陛下に私がガスコーニュ人であるということを指摘いたしましょう。それは先見の明があり、器用であるということです。私は自然が私を拒んだ長所の精神によって補おうと努めております。一言で言えば、私は私ができることの全てをいたします。私がしなければならないことの全てということです。従って私は言う権利を持っています。『結果はどうであれ、なすことをなせ!』と。」

「ああ!お前は何とか切り抜けたようだな。お前は私が遭う本当のあるいは偽の危険を私に大いにみせびらかしにやって来たのだな。そしてお前が苦労して私を怯えさせることに成功した時、お前はその言葉によって自分の考えを要約するのだ。『結果はどうであれ、なすべきことをなせ!・・・』大いに感謝するぞ、公爵。」

「それでは陛下は危険について少しは考えたいのですね?」

「それで構わない。もしお前がそれらと闘うことを私に証明するのなら、私はそれを信じるだろう。」

「私はできると信じております。」

「お前は出来るのだな?」

「はい、陛下。」

「よく分かった。お前は算段を、小さな手段を持っているのだな、狐のようにずるい男め!」

「とても小さくはありません。」

「さあ、それから。」

「陛下は立ち上がることに同意なさいますか?」

「何をするのだ?」

「私と共にルーヴルの昔の建物(*1)まで行くためです。」

「ド・ラストリュス通り(*2)の側か?」

「まさしく人々が家具置き場を建てることに専心したところです。陛下がもはや祈祷台や頭蓋骨のロザリオなどの他の家具を望まなくなって以来、見捨てられた計画です。」

「この時間に?」

「ルーヴルの大時計で10時の時報が鳴ったら。それはあまりにも遅すぎないと私には思われます。」

「その建物の中に私は何を見るのだろうか?」

「ああ!もちろん!もし私があなたにそれを言うのでしたら、それはあなたには浮かばない手段です。」

「とても遠いな、公爵。」

「回廊を通って行けば、5分で行けますよ、陛下。」

「デペルノン、デペルノン・・・」

「ああ!陛下?」

「もしお前が私に見せたいものがとても好奇心をそそるものでなかったら、気を付けるんだな。」

「私はあなたに保証いたします、陛下、それは好奇心をそそるものであるだろうということを。」

「それでは行こう。」国王が努力して立ち上がりながら、言った。

公爵はマントを身につけ、国王に自分の剣を示した。それから、蝋燭の大燭台を掴みながら、彼は回廊の中をあまりにもキリスト教的な国王を先導し始めた。国王はだらだらした歩調で彼の後を追った。

<2013.6.28修正済>

*1:ルーヴル旧館(VIEUX LOUVRE)

下記の地図の左上にVIEUX LOUVREと書かれた建物があります。ここがそこかと。

http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/f28/image/01/f28l0018.html

*2:Rue de l'Astruce

ルーヴル旧館付近にこの名の通りがありません。この名前でgoogle検索してみましたが、ヒットしませんでした。なので、不明ですが、旧館自体の位置は上記で確認していただけるかと思いますので、その辺りと思ってください。

2013年6月17日 (月)

11章:再び同盟

*以下はLONDON & GLASGOW COLLINS' CLEAR-TYPE PRESSの『THE FORTY-FIVE GUARDSMEN』を見つつ、原書のフランス語からの翻訳を行っています。翻訳内容が正しいかどうかは保証しませんsweat01。また意味が取れないと明らかに直訳になっているところもありますsweat01。固有名詞の読み方も間違っている可能性が高いです。あしからずsweat02

ロベール・ブリケが、陰謀家の十分礼儀にかなった態度を取りながら、丁度みんなの後に続いて階段を上ろうとした時に、ニコラ・プーレンが数人の不思議な同僚たちと話をした後に、アーチ型の入り口で待っていることに気が付いた。

「これは私の為に違いない。」ブリケが心の中で思った。

確かに、長官の副官は彼の新しい友人が恐るべき敷居をまさにまたごうとした丁度その時に呼び止めた。

「あなたは私を悪く思わないでください。」プーレンがブリケに言った。「しかし、我々の友人たちの大多数はあなたを知らないので、あなたが会議に入ることを許可される前にあなたについての情報を得ることを望んでいるのです。」

「それはあまりにも正当ですね。」ブリケが答えた。「そしてあなたは私の自然な謙遜がすでにこの反論を前もって知らせていたことをご存知です。」

「私はあなたが正しいことを認めます。」プーレンが答えた。「あなたは申し分のないお方だ。」

「それでは私は帰ります。」ブリケは言葉を続けた。「夜にカトリック同盟のたくさんの勇敢な支持者たちにお会いできてとても幸せです。」

「あなたを送って行きましょうか?」プーレンが尋ねた。

「いいえ、ありがとうございます。それには及びません。」

「しかしながら、人々は門であなたに難色を示すかもしれません。他方で人々は私を待っているのです。」

「あなたは外に出るための合言葉をお持ちではないのですか?私はそこはいかにもあなたらしいとは思いませんよ、メートル・ニコラ。それは用心深くありませんよ。」

「そうですとも。」

「では!私にそれを与えてください。」

「本題に入りましょう!あなたは入ったので・・・」

「私たちは友人ですよ。」

「よろしい。あなたは言うだけです。『パルム(Parme)とロレーヌ(Lorraine)』と。」

「それで門番は私に門を開いてくれるのでしょうか?」

「まさにすぐに。」

「大変結構です。ありがとうございます。あなたの仕事に行ってください。私は私の仲間の元へ戻ります。」

ニコラ・プーレンは彼の仲間と別れ、同僚に再び合流しに行った。

ブリケはあたかも再び中庭に降りるかのように数歩進んだ。しかし、階段の最初の段に到着した時、彼は特定の場所を探るために立ち止った。

彼の観察の結果、アーチ型天井は外側の壁と平行して伸びており、大きな庇によって保護されていた。このアーチ型天井はブリケが光栄にも入場許可を得なかったその不思議な会合にふさわしい、ある低い広間に達していることが明らかだった。

この推測を固め、すぐに確信となったのは、その壁に穿たれ、人々が外からの視界を遮り、空の空気と様子だけを残すために、今日牢獄あるいは修道院の窓に置くような、一種の木の漏斗で守られた格子のはまった窓に光が見えてくるのを彼が見たことだった。

ブリケはこの窓は会合の広間のものであり、もし人がそこまで達することができたなら、その場所は観察に有利であり、目が別の方向を容易に補うことができる監視所を置くことになると大いに考えた。

ただ、その監視所に達することと、人に見られることなく、見るための場所を手に入れることの困難があっただけだった。

中庭には馬を連れた小姓たち、矛槍(*1)を持った兵士たち、鍵を持った門番がいた。要するにすべて機敏で洞察力のある人々だった。

幸いにして、中庭は大変大きく、夜は大変暗かった。

更に小姓たちと兵士たちはアーチ型天井の下に腹心の人たちが姿を消したのを見て、何も専念することがなく、門番は門がしっかり閉まっていることと、合言葉無しにそこを出ていくことは不可能と知っていたので、もはや夜のための寝台を準備し、火の前で生ぬるくなった香料が入った葡萄酒のコックマール(*2)を念入りに扱うことしか専念していなかった。

すべての情熱の衝動の中に精力的と同様に刺激の好奇心があった。この知ることへの欲望はあまりにも大きかったので、一人ならずの好奇心の強い者の人生を貪り食った。

ブリケはあまりにも十分にそこまで精通していたので、彼の情報を完全なものにすることを少しも望んでいなかった。彼は自分の周囲に二度目の視線を投げた。そして鉄格子の上で窓に反射した光によって身をすくませられ、その呼びかけの合図の中に、そしてとても輝いているその鉄格子の中に、彼の頑強な手首に対してある挑発を見たと思った。

従って、その漏斗に到達することを決め、ブリケは飾りのように続いているように見え、その窓に達していた低い階段の軒蛇腹(*3)の距離に滑り込み、同様に外壁の中にも彫刻を施された飾りに、あたかも猫あるいは猿ができたかのように手足で支えて歩きながら、壁に沿って進んだ。

もし小姓たちや兵士たちがその影の中に不可思議なシルエットが壁の真ん中の上を目に見える支え無しに滑り動いていくのをはっきりと見分けることができたなら、彼らは確かに魔法だと叫ばずにはおれなかっただろうし、最も勇敢な者たちの中で一人ならずも馬たちを逆なでるのを感じただろう。

しかし、ロベール・ブリケは彼の離れ業を見せる時間を少しも残さなかった。

4大股ぎで、彼は鉄格子に達し、そこにしがみつき、外から見られないのと同様、中からも鉄格子によってほとんど覆い隠されていたその格子と漏斗の中に隠れた。

ブリケは間違えていなかった。そして彼は一度でそこに到達した時に彼の苦労と大胆さに十分報われた。

確かに、彼の視線は4口の鉄のランプで照らされ、あらゆる種類の甲冑でいっぱいになっていた大広間をすっかり見渡せた。そして、それらの中を十分探しながら、彼は確実に自分の腕甲と頸甲を見分けた。

そこに積み上げられていた、あるいは束になっていた杭、矛槍、マスケット銃は4連隊相当に武装させるのに十分なものだった。

しかしながらブリケは使用されるために置いている、あるいは分配するために積まれて、集めて1つにされているそれらの武器の素晴らしい配置にあまり注意を払わなかった。彼の燃えるような眼は、厚い、そして煙と埃の汚い層ができている窓ガラスを、帽子の庇あるいはマントの頭巾の下に隠された知人の顔を見分けるために貫いた。

「おお!おお!」彼が言った。「我々の革命家のメートル・クリュセ(Crucé)がいるぞ。デ・ロンバール(des Lombards)通りの角の食料品店の我々の小ブリガール(Brigard)がいるぞ。自分をビュッシーと呼ばせ、本当のビュッシーが生きていた時に確かに思い切ってある冒涜を犯さなかったメートル・レクレール(Leclerc)がいるぞ。武器に関しては、もし私の知り合いのダヴィッド(David)某がリヨン(Lyon)で死んだ秘密の不意打ちを知っているのなら、私は以前の主人に頼む日がいつか必要になるだろう。ちくしょう!中産階級たちはすっかり代表にされている。しかし貴族階級は・・・ああ!ムッシュー・ド・マイヌヴィル。神よ、私をお許しください!彼はニコラ・プーレンの手を握り締めている。人々が兄弟のように仲良くすることは感動的なことだ。ああ!ああ!このムッシュー・ド・マイヌヴィルは演説者なのか?彼は私には演説するために立ち止ったように見えるぞ。彼は快い身振りをして、説得力のある目をぐるぐる回している。」

そして、確かに、ムッシュー・ド・マイヌヴィルは演説を始めた。

ロベール・ブリケは演説の言葉を一言も聞くことができたわけではないが、ムッシュー・ド・マイヌヴィルが話している間に頭を振った。しかし、彼はマイヌヴィルの身振りと会合者の身振りを解釈した。

「彼は聴衆をほとんど説得していないように見える。クリュセはしかめっつらをしている。ラシャペル-マルトー(Lachapelle-Marteau)は背を向けている。そしてビュッシー-レクレールは肩をすくめている。さあ、さあ、ムッシュー・ド・マイヌヴィル、話せ、汗をかけ、息を吐け、雄弁になれ、何てことだ!おお!結構なことだ、生気を取り戻している聴衆の人々がいるぞ。おお!おお!人々は近づいて、彼の手を握り締め、宙に帽子を投げたぞ。ちくしょう!」

ブリケは我々が彼に言ったように見たが、話を聞くことはできなかった。しかし、心の中で嵐のように荒れ狂う集会者の討議に出席している我々は読者にそこで起きたばかりであることを話すつもりである。

まず、クリュセ、マルトー、そしてビュッシーはムッシュー・ド・マイヌヴィルにギーズ公爵の無活動について抗議した。

マルトーは代理人の資格として発言していた。

「ムッシュー・ド・マイヌヴィル、」彼が言った。「あなたはアンリ・ド・ギーズ公爵の名において来られたのですか?ありがとうございます。そして私たちはあなたを大使として受け入れます。しかし、公爵ご自身の存在は私たちには必要不可欠なのです。18歳で、彼の輝かしい父上を亡くされた後、彼はすべての善良なフランス人に対して同盟の計画を採択し、私たちはその軍旗の下に全員を加担させました。私たちの宣誓に従って、この神聖な理由の華々しい勝利のために私たちの身を危険にさらし、私たちの財産を犠牲にしているのです。そして、私たちの犠牲にもかかわらず、何も進行せず、何も決定していないのです。気を付けてください、ムッシュー・ド・マイヌヴィル、パリの人々は疲れています。ところで、パリが一旦疲れると、フランスでは人々は何をするでしょうか?公爵殿はそれを考えなければなりません。」

この前置きはすべての同盟者たちの同意を得た。そして、とりわけニコラ・プーレンが拍手喝采することに熱中することによって目立っていた。

ムッシュー・ド・マイヌヴィルは飾り気なく、答えた。

「紳士諸君、もし何も決定していないのなら、それはまだ何も機を熟していないということだ。お願いだから、状況を検討してくれたまえ。公爵閣下と弟御の枢機卿猊下はナンシー(Nancy)で監視している。一方で、ダンジュー(d'Anjou)公爵殿が我々を専心させるために我々に投げたがっているフランドルのユグノーたちを抑えるためにとっておいた軍の態勢を整えている。他方でフランスのすべての聖職者たちに、そしてローマ法王に同盟を採択させるために郵便を送っているのだ。ギーズ公爵閣下はあなた方が知らないことをご存知だ、紳士諸君。それはダンジュー公爵とべアルネ人の間で不都合に破棄されたこの古い同盟が再び関係を結ぶことを招いているということだ。それはナヴァール人の側にスペイン人を専心させ、我々に武器とお金を送ることを妨げることに動き回っている。ところで、公爵閣下は何かする前に、とりわけパリに来る前に、異端者と簒奪者と戦うのに正常な状態をお望みだ。しかし、ムッシュー・ド・ギーズの代わりに、我々には将軍のように、議員のように力を増大している、そして私が今にも待っているムッシュー・ド・マイエンヌがいる。」

「それは、」ビュッシーが遮った。そして彼が肩をすくめたのはその時だった。「それはあなたの公子たちは私たちがいないところにいる、そして決して我々が彼らがいることを求めているところにはいないということを言っているのですか?例えば、マダム・ド・モンパンシエ(Montpensier)は何をしているのですか?」

「ムッシュー、マダム・ド・モンパンシエは今朝パリに入られた。」

「誰も彼女を見ていないのでは?」

「そうだとも、ムッシュー。」

「ではその人は誰なのです?」

「サルセドだ。」

「おお!おお!」集会者全員が言った。

「しかし、」クリュセが言った。「彼女は人目を避けているのですか?」

「全くそうではない。しかし捕まえられていない。私はそうあって欲しいと願っている。」

「では彼女がここにいるとどうして知ったのです?」ニコラ・プーレンが尋ねた。「あなたがおっしゃっているのはサルセドではないと思います。」

「私は彼女がここにいることを知っている。」マイヌヴィルが答えた。「私はサン・タントワーヌ門まで彼女に同行したからだ。」

「私は門が閉められていたと言っているのを聞きました。」二番目の話に差し挟む機会を切望していたマルトーが遮った。

「そうだ、ムッシュー。」マイヌヴィルがどんな攻撃も抜け出させることができないいつもの礼儀正しさで答えた。

「それでは彼女はどうやってそれらを開けさせたのです?」

「自分流に。」

「それでは彼女はパリの門を開けさせることができたのですか?」大人と同盟する時に、いつも子供のように妬み、疑り深い同盟者たちが言った。

「紳士諸君、」マイヌヴィルが言った。「あなた方は知らないように見える、あるいは少なくとも漠然としか知らないように見えるが、それは今朝パリの門で起こった出来事の一つなのだ。入場許可の証明書を持っている者だけに市壁を越えさせる命令が与えられていた。誰からその署名された証明書を借りたのか?私は知らない。ところで、サン・タントワーヌ門で我々の前に5~6人の男たちがいて、そのうち4人はとても貧しい身なりをしていて、顔色が悪かった。6人の男たちがやって来た。彼らは必要な証明書を持っていた。そして我々の正面を通り過ぎた。彼らの中の何人かは自分が同郷人を支配していると自信を持っている人々の横柄な滑稽さを持っていた。その男たちは何者なのか?その証明書は何だったのか?私たちに答えてくれ、パリの紳士諸君。あなた方の街の出来事に関して知らないことは何もない任務をゆだねられているあなた方が。」

かくして、告発されていたマイヌヴィルは告発した。それは雄弁術の偉大なる技術だった。

「証明書、横柄な人々、パリの門での例外的な入場許可、おお!おお!それは何を意味しているのですか?」全く夢見がちなニコラ・プーレンが尋ねた。

「もしあなた方が、ここに住んでいるあなた方がそれらの事を知らないのなら、どうやって我々はそれらを知るだろうか?ロレーヌに住み、自分の時間の全てを人々が同盟と呼ぶこの集まりの2つの両端を結びつけるために、奔走して過ごしている我々が。」

「それはそうとして、それらの人々はどうやってやって来たのですか?」

「ある者は徒歩で、またある者は馬で、ある者は一人で、またある者は従者を従えて。」

「その者たちは国王の手のものでは?」

「3~4人は乞食のような様子をしていた。」

「その者たちは軍人では?」

「彼ら6人のうち2人しか剣を持っていなかった。」

「彼らは外国人では?」

「私は彼らはガスコーニュ人だと思う。」

「おお!」いくつかの声が軽蔑の調子で答えた。

「そんなことはどうでもいい。」ビュッシーが言った。「彼らがトルコ人なら、彼らは私たちに注意を呼び覚ますに違いない。人々は彼らについて問い合わせるだろう。ムッシュー・プーレン、それはあなた方の問題だ。しかし、それらの全ては同盟の問題への関心を少しも呼び起こさない。」

「新しい計画がある。」ムッシュー・ド・マイヌヴィルが答えた。「あなた方は明日、我々を既に裏切っていて、再び我々を裏切っただろうサルセドが単に何も話さなかっただけでなく、死刑台の上で再び前言を取り消したことを知るだろう。そしてこのことはその証明書を持った人々の一人に続いて入り、1000回粉々に砕かれる危険を冒して死刑台にまで入り込む勇気を持ち、人に認められる危険を冒して、忍耐強く姿を現した公爵夫人のおかげなのだ。サルセドが心情の吐露の中で止まったのはその瞬間だった。一瞬後、我々の勇敢な死刑執行人は後悔の中で彼を止めた。このようにして、紳士諸君、あなた方は我々のフランドルに関する企ての点で何も恐れることはないのだ。その恐ろしい秘密は墓の中に運ばれながら消えたのだから。」

同盟者たちとムッシュー・ド・マイヌヴィルを和解させたのは最後の文章だった。

ブリケは彼らの動きで彼らの喜びに気付いた。この喜びは突然決心するように見えた堂々とした中産階級の人を大いに不安にした。

彼は漏斗の高さから中庭の舗道の上にそっと滑り降り、門の方へ向い、そこで『パルムとロレーヌ』という2つの言葉を言うことによって、門番は彼の通行を許可した。

通りの中で一度、メートル・ロベール・ブリケはとても大きな音を出して息をしたので、人々はずっと前から彼が息を止めていたことを理解した。

秘密会議はまだ続いていた。歴史は我々にそこで何が起こったかを教える。

ムッシュー・ド・マイヌヴィルはギーズの名において、パリの未来の反徒に対し全ての暴動の計画をもたらした。

国王の寵愛を得ていたためによく知られていた街の重要な人々の喉を搔き切って殺すこと、「ミサ万歳!政治家たちに死を!」と叫びながら、通りを走り回ること、そしてこのようにして以前の人々の古い残骸と共に新しいサン・バルテルミーを掻き立てることが問題だった。ただ後者においては人々は悪いカトリックをあらゆる種類のユグノーと考えて、混同した。

このように活動しながら、人々は2つの神に仕えた。天に君臨するものとフランスに君臨しようとしていたものに。

神とムッシュー・ド・ギーズに。

<2013.6.17修正済>

*1:矛槍:図の人が持っているものです。

Img_0001

*2:coquemar

ハンドルがついて、注ぎ口がない陶器の入れ物

こんな形のものみたいです。

*3:corniche

Img

2013年6月16日 (日)

SWAN MAGAZINE vol.32

外出予定をうっかり忘れて、楽天ブックスに予約を入れてしまっていたので、昨日ようやく帰宅してから読めました。

結婚に対して否定的な考えを持つレオンに何となくショックを受ける真澄。

一方ハンブルグ・バレエ団に行こうとしているレオンは真澄を誘うが、真澄はシュツットガルド・バレエ団でさえまだ何も自分を確立していないため、まずは自分を確立したいと主張し、レオンとの同行を拒絶する。

ガラ・コンのゲネプロで、真澄とレオンはロイヤル・バレエ団のアリスとクリスの演目がセルゲイエフ先生が真澄とレオンに振付けたマーラーのアダージェットだったことを知り、愕然とする。

というので、今回は終了。

アリスとクリスの演目は本当にセルゲイエフ先生が振付けたんですか??って気がしてなりません。というのは真澄に振付をしていた時にこっそり見ていたのがあの二人だったから。でもまあ盗み見していたものを堂々と公開ってこともないでしょうが、クリスがレオンに同じ振付家が男性ダンサー2人に新作を考えているという話をして、レオンにパートナーをという話を持ちかけるのですが、その振付家がセルゲイエフ先生ってことなんですよね?

真澄とレオンの結婚はモスクワから帰ってきてから数ケ月後ってことだったから、つまり真澄とレオンはデキ婚と考えられます(苦笑)。じゃないと、あのレオンが数ケ月後に結婚なんて決めないと思う。そして、真澄の妊娠中、レオンはあちこちに行っているのか??

2013年6月 8日 (土)

10章:胴鎧の男

*以下はLONDON & GLASGOW COLLINS' CLEAR-TYPE PRESSの『THE FORTY-FIVE GUARDSMEN』を見つつ、原書のフランス語からの翻訳を行っています。翻訳内容が正しいかどうかは保証しませんsweat01。また意味が取れないと明らかに直訳になっているところもありますsweat01。固有名詞の読み方も間違っている可能性が高いです。あしからずsweat02

ペルティナは彼の胴鎧を惜しむ十分な理由を持っていた。と言うのは、まさにちょうどその時、我々が見た主人にとても馴れ馴れしく話す風変わりな従僕を介して、それは永久に捨て去られたばかりだったからだ。

確かにフルニション夫人によって発せられた「10エキュ!」という魔法の言葉で、ペルティナの従僕はその商人を追いかけた。

すでに夜が来て、おそらくその古鉄の商人を急がせていた時だったので、サミュエルがホテルを出発した時にすでに30歩先を進んでいた。

それゆえサミュエルは古鉄の商人を呼ぶことを余儀なくされた。

商人は恐怖で立ち止まった。そして彼の元にやって来た男に突き刺すような一瞥を投げた。しかし、商品を担いでいる男を見ながら、商人は立ち止まった。

「あなたは何かお望みですか、私の友よ?」商人が男に言った。

「えっ!そうですとも!」その狡猾な様子の従僕が言った。「私はあなたと取引がしたんですよ。」

「何と!それでは急いでください。」

「あなたは急いでいるのですか?」

「ええ。」

「おお!あなたは私に息をつく十分な時間を与えてくださいよ、まったく!」

「たぶん、しかし早く息をついてください。人が私を待っているのです。」

商人が従僕に対して確実な疑念を失わずにいたのは明らかだった。

「私があなたに持ってきているものを見る時に、」従僕が言った。「あなたが私には買い手に見えるように、十分時間をかけてください。」

「それであなたは私に何を持って来ているのです?」

「素晴らしい一揃いですよ、その細工が・・・しかしあなたは私の話を聞きませんね。」

「ええ、私は考えて。」

「何をですか?」

「それではあなたは知らないのですか、私の友よ。」胴鎧の男が言った。「武器の商売は国王の法令によって禁止されていると言うことを?」

そして彼は自分の周囲に心配そうな視線を投げた。

従僕は知らないように見えることがよいと判断した。

「私は何も知りません、私は。」彼が言った。「私はモン-ド-マルサン(Mont-de-Marsan)から到着したばかりなのです。」

「ああ!それでは違いますね。」この返事が少し安心させたように見えたその胴鎧の男が言った。「しかし、あなたはモン-ド-マルサン到着したとはいえ、」彼が続けた。「しかしながら、すでに私が武器を買うことをご存知なのですか?」

「はい、私はそれを知っています。」

「誰がそれをあなたに話したのです?」

「何と!私が言う必要はありませんよ。そしてあなたはちょっと前にかなり強くそれを叫びましたよ。」

「どこでそれを?」

「『高潔な騎士』のホテルの入口で。」

「それではあなたはそこにいたのですか?」

「そうです。」

「誰とですか?」

「たくさんの友人たちとです。」

「たくさんの友人たちですって?あのホテルは通常決して人がいなかったのに。」

「それでは、あなたはそれが十分変わったのを知ったに違いありません。」

「確かに。しかしその友人たちの全てはどこからやって来たのです?」

「私のようにガスコーニュからですよ。」

「あなた方はナヴァールの国王に属しているのですか?」

「まさか!私たちは心も血もフランス人ですよ。」

「そう、しかしユグノーですか?」

「私たちの聖父ローマ法皇のようにカトリックですよ、ありがたいことに。」サミュエルが自分の縁なし帽を脱ぎながら、言った。「しかし、それは重要なことではありませんよ。重要なのはこの胴鎧です。」

「よろしければ、少しばかり壁に近付いてください。私たちは全く通りの真ん中に姿をさらけだしていますから。」

そして彼らはステンドグラスの窓に全く光が見えなかった中産階級の外観の家まで再び数歩進んだ。

その家はバルコニーが形作った一種の庇の下に扉があった。石の腰掛がその正面にあり、唯一の飾りとなっていた。

それは役立つと同時にうれしいものだった。というのは通行人たちが彼らの雌騾馬あるいは馬に乗るための鐙として役立っていたからだった。

「さあ、その胴鎧を。」彼らがその庇の下に到着した時、商人が言った。

「持ってください。」

「待ってください、家の中で人が動いていると思います。」

「いいえ、それは向かいです。」

商人は振り返った。

確かに向かいに3階建ての家があり、3階は時々はかなく明るくなった。

「早くしてください。」商人は胴鎧を手で触りながら、言った。

「おや!何て重いんでしょう!」サミュエルが言った。

「古いし、頑丈で、時代遅れですね。」

「芸術品です。」

「6エキュではどうですか?」

「何と!6エキュ!あなたはあそこで古い胴鎧の残骸に対して10エキュを与えたじゃないですか!」

「6エキュです。いいんですか、ダメななんですか。」商人が繰り返して言った。

「でも彫金をじっくり見てください。」

「重さで転売するのに彫金の何が重要なんです?」

「おお!おお!あなたはここで値切るのですね。」サミュエルが言った。「そしてあそこであなたは人が望んだ全てを与えたというのに。」

「じゃあもう1エキュ出しますよ。」商人がイライラしながら、言った。

「金箔だけでも14エキュの価値がありますよ。」

「さあ早くしてください。」商人が言った。「さもないと値をつけませんよ。」

「よろしい。」サミュエルが言った。「あなたは奇妙な商人ですね。あなたは自分が商売をしていることを隠している。あなたは国王の法令に違反している。そして正直な人々を値切っている。」

「まあ、まあ、そんなふうに叫ばないでください。」

「おお!私は怖がりませんよ。」サミュエルは声を高くしながら、言った。「私は禁じられた商売をしませんよ。そして隠れることを余儀なくされることは何もありませんよ。」

「まあ、まあ、10エキュ受け取って、黙ってください。」

「10エキュですって?私はあなたに金だけでその値打ちがあると言いましたよ。ああ!あなたは逃げ出すんですか?」

「いいや、違います。何という激しい人だ!」

「ああ!もしあなたが逃げ出すのなら、私が、この私が衛兵を呼ぶのを御覧なさい!」

その言葉を言いながら、サミュエルはとても声を高めたので、彼の言った脅しをすることなく実行したのも同然であった。

その騒ぎで取引が行われていた向かいの家のバルコニーで小さな窓が開かれた。そしてその窓が開かれながら、軋む音が生じた。商人は大きな恐怖と共にそれを聞いた。

「さあ、さあ、」彼が言った。「私はあなたが望むことの全てをしなければならないことを十分理解しています。ここに14エキュあります。そしてそこから立ち去ってください。」

「結構なことです。」サミュエルは14エキュをポケットに入れながら、言った。

「十分幸運ですよ。」

「でもこの14エキュは私の主人のためのものなんですよ。」サミュエルが続けた。「そして同様に私には自分のためになにがしかの物が必要なんです。」

商人は鞘から短剣を半分引き抜きながら、自分の周囲に一瞥を投げた。明らかに彼は売ったばかりの物を取り替えるためにいつまでも胴鎧を買い戻すことを免除していたサミュエルの皮膚に裂け目を作るつもりだった。しかしサミュエルは葡萄を摘む雀のような機敏な目を持っていた。そして次のように言いながら、後ずさりした。

「ええ、ええ、よい商人ですね。私はあんたの短剣を見てますよ。でも私はまだ他のものも見ているんだ。同様にあんたを見ているバルコニーの顔をね。」

商人は激しい恐怖で青ざめて、サミュエルによって示された方向を見た。そして確かにバルコニーに猫の革を裏につけた部屋着に身を包んだ背の高い不可思議な人を見た。その監視者は最後の場面の一音節も一身振りも見逃さなかった。

「さあ、さあ、あなたは私からお望みのものを手に入れますよ。」商人は牙を示すジャッカルによく似た笑いを浮かべて、言った。「ここにおまけの1エキュあります。あなたは人を苦しませる何という悪魔なんだ!」彼はとても低く、付け加えた。

「ありがとう。」サミュエルが言った。「よい取引を!」

そして胴鎧の男に挨拶をして、サミュエルはあざ笑いながら、姿を消した。

商人は通りに一人だけ留まり、ペルティナの胴鎧を拾い始め、フルニションのものの中に入れ込んだ。

その中産階級の人はまだ見ていた。それから商人がとても困惑しているのを見た時、

「ムッシュー、」中産階級の人が商人に言った。「あなたは甲冑を買ったように見えますが?」

「とんでもない、ムッシュー。」哀れな商人が答えた。「偶然ですよ。そして機会がそのように現れたからですよ。」

「それでは、その偶然は私に素晴らしく役立ちますよ。」

「何にです、ムッシュー?」商人が尋ねた。

「私はちょうどそこに、私の手の届くところに、私の邪魔をしているたくさんの古鉄を持っていると思ってください。」

「私はあなたに違うとは言いません。でもさしあたってあなたがご覧の通り、私は自分で運ぶことができる全てを持っているのです。」

「とにかく私はあなたにそれらをお見せしますよ。」

「無駄です。私はもはやお金を持っていないのです。」

「そのくらいなら大したことではありませんよ。私はあなたに掛け売りしますよ。私にはあなたが全く正直な人のように見えますから。」

「ありがとうございます。しかし、人が私を待っているのです。」

「私があなたを知っているように思えるのは奇妙なことですね。」その中産階級の人が言った。

「私ですか?」商人が無駄に身震いを抑えようと努めながら、言った。

「さて、このサラド(*1)を見てください。」中産階級の人が知らせたものを彼の長い足で運びながら、言った。と言うのは彼は商人が立ち去らなかった恐怖の窓から全く離れたいと思っていなかったからだ。

そして彼は商人の手にそのがらくたを置いた。

「あなたは私をご存知なんですか?」商人が言った。「あなたが私をご存知だと思っているということを言っているのですか?」

「私はあなたを知っているということを言っているんですよ。あなたは少しも・・・」

中産階級の人は思い出そうとしているように見えた。商人は身動きせずに、待った。

「あなたはニコラではありませんか?」

商人の顔がゆがんだ。彼の手の中の兜が震えているのが見えた。

「ニコラ?」彼が繰り返して言った。

「ニコラ・トゥルシュー(Nicholas Truchou)、ド・ラ・コッソンヌリー(de la Cossonnerie)通りの金物商人の。」

「いいえ、いいえ。」微笑んで、4倍幸せな男として息をついた商人が答えた。

「そんなことはどうでもいいですね。あなたはよい顔をしている。だから私のために完全な甲冑、胴鎧、腕あて、そして剣を買うことを検討している。」

「それは禁止されている商売であることに注意してください、ムッシュー。」

「私はそれを知っていますよ。あなたの売り手がちょっと前にかなり大声であなたに叫んでましたから。」

「あなたは聞いていたんですか?」

「もちろんですとも。あなたはまさに大きな取引をしていましたね。それは私にあなたとお付き合いをするという考えをもたらしました。でも安心してください。私は悪用しませんよ、私は。私はそれが商売であることを知っているのです。私も同様に仲買人でしたから。」

「ああ!ではあなたは何を売っていたのですか?」

「私が売っていたものですか?」

「ええ。」

「愛顧です。」

「よい商売ですね、ムッシュー。」

「それで私は財を成しました。あなたは私を中産階級と思っていると思いますが。」

「それはおめでとうございます。」

「その結果、私が贅沢を好み、私の邪魔をしている古鉄の全てを売ることになったんですよ。」

「私はそれを理解しています。」

「まだ腿甲がありますよ。ああ!そのうえ手袋も。」

「でも私はそれらの全てを必要としていないんですよ。」

「私も必要ではないんです。」

「その胴鎧だけ受け取りましょう。」

「それではあなたは他の胴鎧を買ってくれないのですか?」

「ええ。」

「それは奇妙ですね。というのは、つまりあなたは重さで転売するために買っているからです。あなたは少なくともそう言いました。そして鉄は鉄ですよ。」

「それは真実です。でも見てください、むしろ・・・」

「あなたのお好きなように。その胴鎧を買ってください。より正確に言えば、さあ、あなたは全く買わない理由を持っています。」

「あなたは何が言いたいのです?」

「我々が生きているような時代においては各々が武器を必要とするということが言いたいのですよ。」

「何と!全く平和の最中なのに?」

「私の親愛なる友よ、もし私達がたくさんの平和の中にいるのなら、そのような胴鎧の商売は生じないでしょう。何てことだ!(*2)人々がそのことを言ったのは全く私に対してではありませんよ。」

「ムッシュー!」

「そしてとりわけ非合法のものならば。」

商人は遠ざかるために動いた。

「でも本当にあなたを見れば見るほど、」その中産階級の人が言った。「私はあなたを知っていることを確信しますよ。いいえ、あなたはニコラ・トゥルシューではない。にもかかわらず私はあなたを知っている。」

「黙れ!」

「そしてもしあなたが胴鎧を買うのなら・・・」

「えっ?」

「ああ!それは神の気に入る仕事を果たすためであることを私は確信していますよ。」

「黙ってください。」

「あなたは私を魅了しています。」その中産階級の人がバルコニーから、その手が商人の手をつないだ無限の腕を差し出しながら、言った。

「しかし、一体全体あなたは何者なのです?」がんじがらめになっている自分の手を感じながら、商人が尋ねた。

「私は、教会分裂の恐怖、同盟の友、そして過激なカトリックというあだ名のロベール・ブリケです。ところで、私はあなたを本当に思い出していますよ。」

商人は青ざめた。

「あなたはニコラ・・・ゴランブロ(Grimbelot)、骨なし雌牛(*3)の革なめし工の。」

「いいえ、あなたは間違っていますよ。さようなら、メートル・ロベール・ブリケ。あなたとお知り合いになれてうれしいです。」

「何と、あなたは帰ってしまうのですか?」

「十分お分かりでしょう。」

「私の古鉄を受け取らずに?」

「私はお金を持っていないんです。あなたにそう言いました。」

「私の召使があなたの後を追いますよ。」

「できません。」

「それではどうしたらいいんですか?」

「もちろん!私達がしているように留まるのです。」

「何てことだ!私はそんなことはしませんよ。私は大いにあなたとの付き合いを大切にしたいと思っているのです。」

「そして私はあなたのものから逃げたいのです。」商人が答えた。そして今回は諦めて彼の胴鎧を見捨て、そして認められることよりもむしろ全く損をすることにして、一目散に逃げ、消え去った。

しかし、ロベール・ブリケはそのように打ち負かされるがままになっている男ではなかった。彼はバルコニーにまたがり、ほとんど飛び下りることを必要とせずに通りに降りた。そして5~6歩の大股でその商人に追いついた。

「あなたは気が狂っているのですか、私の友よ?」彼が大きな手を哀れな男の肩の上に置きながら、言った。「もし私があなたの敵ならば、もし私があなたを止めたいならば、私は叫ぶしかありません。夜警はこの時間、デ・ゾーギュスタン通り(des Augustins)を通りますからね。でも違います。あなたは私の友です。さもなければ私は断じてそんなことはしない!そしてその証拠に私は本当にあなたの名前を思い出しているのですよ。」

この時商人は笑い始めた。

ロベール・ブリケは彼の正面に身を置いた。

「あなたはニコラ・プーレン(Nicolas Poulain)という名前だ。」彼が言った。「あなたはパリの長官の副官だ。私はその下にニコラが存在していたことを覚えているんです。」

「私はもうだめだ。」商人が片言を言った。

「それどころかあなたは救われたんですよ。何てことだ!あなたはこの私がするつもりのことを大義名分のために決してしないでしょう。」

ニコラ・プーレンは思わずうめき声を挙げた。

「さあ、さあ、元気を出して。」ロベール・ブリケが言った。「気を落ち着けてください。あなたは兄弟を見つけたんですよ、兄弟ブリケを。胴鎧を1つ持って行ってください。私は別なものを2つ持って行きます。私は取引を超えて、あなたに私の腕あて、腿甲、手袋を贈ります。さあ、出発だ。そして、同盟万歳!」

「あなたは私と一緒に来ますか?」

「私はペリシテ人たちを打ち破るに違いないこれらの武器を運ぶのをお手伝いしますよ。道を示してください。私はあなたの後についていきます。」

骨の髄まで不幸なその長官の副官にとても自然に疑念の閃きがあった。しかし閃くとすぐに消え失せた。

「もし彼が私を破滅させたいのなら、」彼は自分自身に呟いた。「私を知っていることを自白するだろうか?」

それから声に出して、

「さあ、あなたは確かにそれを望んでいるのですから、私と一緒に来てください。」彼が言った。

「生涯変わらぬ!」ロベール・ブリケが片方の手で彼の味方の手を握り締めながら、叫んだ。一方、もう片方の手は鉄の重荷を勝ち誇ったような様子で宙に持ち上げた。

二人とも動き始めた。

20分歩いた後、ニコラ・プーレンはマレ地区に到着した。彼らの政治的な会話の情熱と同様に歩行がとても速かったので、彼は汗をかいていた。

「何という疲労困憊状態になっているんだ、私は!」ニコラ・プーレンがギーズ館から少し距離を置いたところで立ち止まりながら呟いた。

「私の武器はこちら側に行くと予想するぞ。」ブリケが思った。

「友よ、」ニコラ・プーレンがライオンの巣窟に入る前に、全く無邪気な様子に浸っていたブリケの方に悲劇的な身振りをして、振り返りながら、言った。「私はあなたに最後の熟考の一瞬を残します。もしあなたが良心に力を得て支えられているのでなければ、今や帰る時です。」

「へえ!」ブリケが言った。「私は他のものも十分見ましたよ。そして『non intremuit medulla mea(*4) 』」彼は朗々と読み上げた。「ああ、失礼、あなたはおそらくラテン語をご存知じゃありませんね?」

「あなたはご存知なんですか?」

「あなたがご覧の通りです。」

「学識があり、大胆で、力強く、金持ちとは何という掘り出し物だ!」プーレンが独り言を言った。「さあ、入りましょう。」

そして彼はブリケをギーズ館の巨大な扉に案内した。それはブロンズのノッカーを3回目に叩いた時に開いた。

中庭は見張りと幽霊のようにそこを歩き回っていたマントに身を包んだ男たちでいっぱいだった。

館の中には1つも明かりがなかった。

8頭の馬は鞍が置かれ、馬勒(*5)をつけられて、角で待っていた。

ノッカーの物音が男たちの大多数を振り向かせた。そして新しくやって来た者たちを迎え入れるために、一種の人垣を形作った。

それからニコラ・プーレンは少し開かれたくぐり戸を管理していた一種の門番の耳に身をかがめ、自分の名前を言った。

「そして私は良き仲間を連れて来ているんだ。」彼は付け加えた。

「紳士方、お通りください。」門番が言った。

「これを倉庫に運んでくれ。」それからプーレンが見張りに3つの胴鎧と更にロベール・ブリケの古鉄を手渡しながら、言った。

「へえ!倉庫があるんだ。」ブリケが独り言を言った。「ますますいいぞ。ちくしょう!あなたはそんなまとめ役を果たしているのですか、長官閣下殿?」

「ええ、ええ、人々はそれを裁判しなければなりません。」プーレンは思い上がって、微笑しながら、答えた。「しかし、私はあなたを紹介しにやって来たのです。」

「気を付けてください。」その中産階級の人が言った。「私は非常に内気なのです。私を大目に見てください。それが私が望む全てです。私の力量を証明する時には、ギリシア人が言ったように、私は自分の行為によって全く一人で自分を紹介しますよ。」

「あなたのお好きなように。」その長官の副官が答えた。「ではここで私を待っていてください。」

そして彼は大多数の散歩者たちと握手しに行った。

「それではまだ我々は誰かを待っているのですか?」1つの声が尋ねた。

「主人だ。」別の声が答えた。

今、背の高い男が館に入りにやって来た。彼は謎の散歩者たちの間で交わされた最後の言葉を聞いていた。

「紳士諸君、」彼が言った。「私は彼の名においてやって来た。」

「ああ!ムッシュー・ド・マイヌヴィルだ!」プーレンが叫んだ。

「えっ!しかし私は馴染みの場所でここにいるんだ。」ブリケが完全に顔を醜くしたしかめっ面をつくろいながら、自分自身に独り言を言った。

「紳士諸君、我々はここに全員そろっている。討議しよう。」最初の声を聞かされていた声が言った。

「ああ!よろしい。」ブリケが言った。「そして二人だ。こちらの人は私の代理人のメートル・マルトー(Marteau)だ。」

そして彼はどれだけ人相学の研究を習熟していたかを証明した容易さでしかめっ面を変えた。

「上がりましょう、紳士諸君。」プーレンが言った。

ムッシュー・ド・マイヌヴィルが最初に通り過ぎた。ニコラ・プーレンが彼の後を追った。コートの男たちはニコラ・プーレンの後に行った。そしてロベール・ブリケはマントの男たちの後に行った。

全員がアーチ形天井に達する外側の階段を上った。

ロベール・ブリケは他の者たち同様に上った。次のように呟きながら。

「しかし小姓だ。あの奇妙な小姓は一体どこにいるんだ?」

<2013.6.8修正済>

*1:salade

写真のような丸い兜のことと判明!

Salade220pxhelm_dsc02194


*2:ventre de biche !

ガスコーニュ地方の間投詞。ちくしょうとかそういったような意味合いのようです。

*3:原文は「la Vache sans os」。sans os はwithout bone、vacheはcowなのですが、Vと大文字になっているので、固有名詞?とも思いますが、ちょっと意味が分かりませんでした。ちなみに英訳本にはこの部分カットされて、単に「革なめし工」とだけになっています。

*4:non intermuit medulla mea !

google翻訳によると「私の骨髄は移動していない。」という意味のようです。

*5:馬勒=馬具の一部で、おもがい(headstall)、くつわ(bit)、手綱(rein)から成る。

2013年6月 1日 (土)

地元の常識はずれな恥ずかしい行動

昨日外出した際に、ある携帯電話会社のショップが開店していたのを見た。

開店、リニューアルオープンなどというとお祝いのお花が届き、それが飾られていることが多いが、私の地元で何か大きな勘違いが生じているのをよく目にして、あれはどうなの??と見ている方がとても恥ずかしい気になることがある。

それはそのお祝いに届いて飾られているスタンドの花を片っ端から引っこ抜いて、持って行ってしまう、つまり盗んでいくということ!!

お店側は顧客になるかもしれない人たちなので、その行為を注意できないのかもしれないが、常識的に考えて、開店初日の花を持って行く(盗んでいく)と言うのは甚だ異常な行為だと思うのだ。ところが誰かがやりだすと「えっ、もらっていいの?」みたいなことになり、次から次へとみんなもらって(盗んで)いくことになる。

この行為が地元では日常的に発生していて、こんなのどこの地域でも見たことないよ!!ととても恥ずかしい気持ちになる。

例えば開店から数日経過して、もう花もいらないと判断した時にお店側が持って行っていいですよというのなら話は分かる。そういう事例があったのを、その後勘違いして、初日から持って行っていいと思うようになったのかわからないが、普通に考えて持って行ってダメでしょう?と思う。

ってかどんなこともわきまえない大人ってどうなの??と思う。

あの行動は本当に恥ずかしいし、地元の恥なので、やめてほしいと切に願う。お店側も遠慮せずに「花を持って行かないでください。」って書いておけばいいのに・・・

何て言うのかこういう非常識な行動をする人が多い世の中だなと思う。自分さえよければいいとでもいうのだろうか?相手のことを考えたら、こんな行動には出れないはずだ。

本当にやめろ!!花泥棒たちannoy!!

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