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2013年1月31日 (木)

『シャルニー伯爵夫人』英訳版4巻読了\(≧▽≦)/:その2<ネタバレ注意>

*以下、『ジョゼフ・バルサモ』及び『王妃の首飾り』を未読の方はネタバレご注意ください。あと全文翻訳している章が正しく翻訳されているかどうかは保証しません。あくまで私の理解なので・・・sweat02

11章『8月9日と10日の間の夜:ビヨの遺書』

国王に呼ばれた時、ペティヨンは宮殿を去ることは入ることよりも容易ではないことを予期していた。彼はビヨに話しかけた。

「ビヨさん、丁度今の国民議会について何か知らせてくれませんか?」

「徹夜で議論中ですよ。」

「それはいい!あなたが言っていたポン・ヌフで見たものとはなんですか?」

「大砲と国民衛兵がマンダ氏の命令でそこに配置されていましたよ。」

「そしてあなたはサン・ジャン・アーケードの下だけでなく、サン・タントワーヌ通りでも大きな兵士たちの集団が集まっているのを見たのですね?」

「そうです。それもマンダ氏の命令によってです。」

「では今からこれを聞いてください、ビヨさん。」

「聞きましょう!」

「ここにマヌエルとダントンに宛てたサン・ジャン・アーケードにいる国民衛兵を家に帰らせ、ポン・ヌフからの守備隊を取り除く命令があります。あなたも理解していると思いますが、どんなことがあってもこの命令は果たされなければなりません。」

「私がそれを自分自身でダントン氏に持っていきましょう。」

「よし!あなたはサン・トノレ通りに住んでましたね?」

「はい。」

「ダントンへの命令を届けた後、家に戻って、少し休んでください。2時間やそこらで起きて、フイヤンテラスの側の壁の外側に沿って歩いてきてください。もしあなたがいくつかの石がフイヤンテラスから壁を越えて投げられているのを見聞きしたら、それは私が自分の意志に反してそこに留まっており、暴力で脅かされているからということになります。」

「わかりました。」

「それから国民議会に出向き、あなたの仲間に私を呼びにやるように言ってください。あなたは理解していると思いますが、ビヨさん、私は私の命をあなたの手に委ねたのです。」

「私はそれに対して責任があります!安心して行ってきてください!」

ペティヨンはビヨのよく知られた愛国心を信頼して、立ち去った。ビヨは信頼している人すべてに話した。ピトゥが丁度到着したからだ。ビヨはピトゥをダントンの元に送り、偉大な指導者なしに戻ってくるなと言った。ダントンの怠惰さにもかかわらず、ピトゥは彼の心に達し、彼を市役所に連れてきた。

ダントンはポン・ヌフで大砲を見、サン・ジャン・アーケードで国民衛兵に会った。彼はそのような大きな軍事派遣隊が武装した民衆の後ろに近づくところに留まっているのが許されないことの重要性を知った。ペティヨンの命令を手にして、マヌエルとダントンはサン・ジャン・アーケードから国民衛兵を退散させ、ポン・ヌフから大砲を追い払った。これは反乱の道を開かせた。

その間ビヨとピトゥはサン・トノレ通りのビヨがまだ住んでいた古い部屋に戻ってきた。ピトゥは友達として家に来ることを同意して、うなずいた。ビヨは座り、ピトゥにも同様にするように合図した。

「ありがとう、ビヨさん。」若者は答えた。「でも僕は疲れてませんから。」しかしながらビヨは強く主張したので、ピトゥは座った。

「ピトゥ。」農場主が言った。「私はお前に私のところに来て加われと手紙を送った。」

「そしてあなたが見ているように、ビヨさん、僕はあなたを待たせませんでしたよ。」ピトゥは彼の32本の歯のすべてを見せて、彼の特徴でもある寛大な微笑みと共に言った。

「本当にそうだな!お前は何か重大なことが起こっていると推測したのか?」

「思っただけです。でも今教えてください、ビヨさん―。」

「何を、ピトゥ?」

「僕はバイイ氏にもラファイエット氏にも会っていません。」

「バイイはシャン・ド・マルスで私たちを殺そうとした裏切り者だ。」

「ええ、僕も知っています。というのはあなたが言ったように、僕はそこであなた自身の血で濡れたあなたをくまなく探したからです。」

「ラファイエットは国王をさらおうと思っている裏切り者だ。」

「ああ、僕はそれを知らなかった!ラファイエット氏が裏切り者!誰がそう思ったのです?国王は?」

「国王は全ての中で最も大きな裏切り者だ。」

「それに関しては」ピトゥが言った。「僕を驚かせませんよ!」

「国王は外国人と企てをしている。そしてフランスを敵に委ねようとしている。テュイルリーは陰謀の温床だ。だからテュイルリーを攻略することが決められたのだ。分かったか?」

「もちろん!もし僕が理解していたら―、言ってください、ビヨさん―私たちがバスティーユを奪ったように?」

「そうだ!」

「そんなに困難ではないだけですね!」

「それは誤りだ!」

「どうして?本当により困難なんですか?」

「そうだ。」

「でも僕には壁はそんなに高くないように見えます。」

「そうだ。しかしより十分に守られている。いいか、私の親愛なる坊や、バスティーユは50名の年金受給者の守備隊で守られているだけだった。それに対し宮殿には3000~4000名の男たちがいる。」

「まさか!3000~4000人?」

「バスティーユが不意に襲われた事実を考慮することなしにだ。そして、今月の最初からテュイルリーの人々は攻撃を恐れ、防戦状態に備え、あらゆるものを置いているのだ。」

「それでは彼らは宮殿を守るつもりなのですか?」

「そうだ!そしてそれだけ一層シャルニー伯爵が防御を任せられるということだ。」

「事実、彼は昨日妻を連れて、早馬でブルソンヌを出発しました。―でもシャルニー伯爵も裏切り者なのですか?」

「違う!彼は貴族だ。それだけだ。彼はいつも宮廷側にいる。そして彼は人々を裏切ることも人々をなだめて彼を信用させることもしない。」

「では僕たちはシャルニー伯爵に対して戦うということですか?」

「たぶんな!」

「それは異例のことでは?―隣人たちも!」

「そうだ!これが市民戦争と呼ばれるものなのだ、ピトゥ。しかし喜んで同意しないなら、お前は戦いを強いられないぞ。」

「申し訳ありません、ビヨさん。でもあなたが喜んで同意することは僕にとっても喜んで同意することになるんです。」

「私はお前を戦わせたくないんだ、ピトゥ!」

「それでは一体どうしてあなたは私を呼びにやったのです、ビヨさん?」

農場主の顔が曇った。「私がお前を呼びにやったのはこの書類を渡すためだ。」

「この書類ですって、ビヨさん?」

「そうだ。」

「何の書類です?」

「私の遺言の写しだ。」

「何と?あなたの遺言の写しですって?ちょっと、ビヨさん。」ピトゥは笑いながら続けた。「あなたは横たわったり、死んだりすることが望まれているような人じゃありませんよ。」

「そうだ。」ビヨは壁にかかっている彼のマスケット銃と革製の弾薬袋を指さして、言った。「しかし、私は殺されるかもしれない人に見える。」

「ああ、そうです。僕たちはみんな死を免れません!」ピトゥは警句的に言った。

「それでピトゥ、私がお前をここに呼びにやったのは、この私の遺言の写しをお前に渡すためなのだ。」

「僕にですか、ビヨさん?」

「お前にだ、ピトゥ、私はお前を私の唯一の遺産受取人にしているからだ―。」

「僕が、あなたの相続人?」ピトゥが言った。「いいえ、ありがとうございます、ビヨさん!あなたは冗談のつもりで言っているんだ!」

「私はお前を相続人だと言っているんだ、私の友よ!」

「できません、ビヨさん。」

「なぜだ?何でできない?」

「だめです!男が正統な相続人を持っている時、彼の財産を部外者にただで渡すことなどできません。」

「お前は間違っている、ピトゥ。彼はできるんだ!」

「それなら彼はするべきではありません、ビヨさん。」

雲がビヨの表情の上を通り過ぎた。「私は相続人を持っていない!」彼は言った。

「あなたが相続人を持っていないですって?あなたがカトリーヌ嬢と呼んでいる人は何なのです?」

「私はそんな名前の者は知らない。」

「あっちに行ってください、ビヨさん。そして僕にそんなふうに言わないでください。僕を怒らせますよ。」

「ピトゥ、物事が私に属している時、私はそれを私が選んだ物に与えることができる。慣習的な流儀のように、もし私が死んだら、それはお前のものになる。そしてお前の番が来たら、お前はそれをお前が選んだ人に与えることができるのだ。」

「ああ、なんと!よし!」ピトゥは理解し始めて言った。「それではもしあなたに何か不幸が起きたら―ふん!僕は何てバカなんだろう!あなたはどんな不幸にも遭いません!」

「今さっきお前がまさに言った通り、私たちはみな死を免れない。」

「そうです!―ええ、あなたは正しい。私はその遺言を受け取ります、ビヨさん。でも、もし僕があなたの相続人になるような不幸に見舞われたら、僕が満足することをあなたの財産でできると確信しますか?」

「疑いなく、財産はすべてお前のものになるだろう。彼らは貴族とごく親しい人に対してするように、お前には、善良な愛国者と理解しているお前には、どんなごまかしもしようとしてこないだろう。」

ピトゥの不安はどんどん明らかになっていった。

「では、物事がそうなるように、ビヨさん、そうですね、私は受け入れます。」ピトゥが言った。

「それでは私がお前に話さなければならないことはこれで全てだ。ポケットにその書類を入れて、休め。」

「何の目的で?」

「そうだな、全てのありえそうなことは私たちが明日―いや正確に言えば今日働くということだ。もう午前2時だものな。」

「あなたは外出するのですか、ビヨさん?」

「ああ、私はフイヤンテラス沿いに仕事がある。」

「僕は必要じゃありませんか?」

「逆だ。お前は私のようにな!。」

「その場合、ビヨさん、ちょっと食べたいんですけど。」

「そうだな!どうして私はお前に腹はすいていないのかと尋ねることを全く忘れていたんだろう?」

「ああ、それはあなたが僕がいつもお腹をすかせていることを知っているからですよ。」ピトゥは笑って、言った。

「食料置き場がどこにあるかお前に示す必要はないな―。」

「ありません、ビヨさん。僕のことであなたを悩ませないでください。あなたは帰ってきますよね?」

「帰ってくるさ!」

「もし帰って来ないのなら、ぼくがまたあなたを見つけられるようにどこにいるか教えなければなりませんよ。」

「無駄だ!1時間で私は戻ってくる。」

「それならよかった!幸運を!」

ピトゥは食料を探しに行った。どんな出来事によっても決して減ることのない国王自身のような食欲を持って。しかし、深刻ではあった。その間ビヨはフイヤンテラスの方に向かっていた。

彼は足元に落ちた石によって知らされる前に完全には宮殿に到着しなかった。続く2回目、それから3回目で、ペティヨンが恐れていたことが来たこと、そして市長はテュイルリーに引き留められていることを知らされた。

ビヨが受け取っていた命令に従って、すぐにその問題を国民議会に報告し、国民議会はすぐにペティヨンを呼びにやった。

こうして自由になったペティヨンは国民議会の広間を歩いて通り、徒歩で市役所に戻った。彼を示す馬車をテュイルリーの中庭に残したまま。

ビヨもまた彼の住まいに戻った。そして夕食を済ませたピトゥを見つけた。

「ああ、ビヨさん、何か知らせはありますか?」若者は尋ねた。

「何もないさ。」ビヨは答えた。「もしその日が明けないならな。そして空は血のように赤いぞ。」

*************************************

ペティヨンが前章で石を投げていたのには訳があったんですね・・・coldsweats02。そしてビヨ、もう遺書まで残していたとは・・・ピトゥがカトリーヌたちの面倒を見てくれることをもうわかっていたからですね。ピトゥがシャルニー伯爵と対峙することになるのをひるんでいたのはシャルニー家の人たちと交流があったからですかね。それとピトゥ達が住んでいるあたり一帯の御領主様なんでしょうね、きっと、シャルニー家は。そのあたりは『アンジュ・ピトゥ』で明らかになっているかと・・・

12章『午前3時から6時まで』

テュイルリーの近くの人けのない河岸沿いで馬に乗っている二人の男がいた。マンダ将軍と副官だった。1時頃マンダは市役所に呼び出された。最初彼は行くのを拒否した。2時に命令が否応なしにやってきた。マンダはまだ抵抗したかったが、ロードレルがやってきて、「法律の条項に従って、国民衛兵の司令官は市政府の命令下にあるという事実に注意なさい。」と言われ、行くことを決心した。しかし彼は2つのことを知らなかった。1つは48地区中47地区が合体して、それぞれから3人の委員を選出し、その仕事が国を救うための手段について会議し、関わること。マンダはその時まであった古い市政府を予期していたので、新しい141名の顔に会うということを考えもしなかった。2つめは市によって公布された命令―それはサン・ジャン・アーケードとポン・ヌフから兵士を追い出すことだった―はその重要性からマヌエルとダントン自らによって参加されたことだった。

そのためポン・ヌフに到着した時、マンダは完全に人けがないことに驚いた。そして副官を偵察に送り、大砲も国民衛兵も見当たらないことを知った。ドーフィーヌ広場、ドーフィーヌ通り、オーギュスタン河岸はポン・ヌフ同様、人けがなかった。

もし彼が宮殿に戻っていたなら、たぶんよかっただろう。しかし男たちは運命が彼らを押すところへ進んだ。彼は市役所が近づいてくると、命と生気が近くに引き寄せられているように思えた。ちょうどある器官の中で血が心臓の方に引き下がり、手足が見捨てられ、冷たく、色のない状態にされたままになっているかのように。そして興奮、熱―言い換えれば革命―がペルルティエ河岸に沿って、グレーヴ広場、そして市役所、民衆の生活の椅子、パリと呼ばれる大きな体の心臓にあった。

マンダはペルルティエ河岸の角で止まり、副官をサン・ジャン・アーケードに送った。国民衛兵は消えていた。マンダは引き返そうと願った。民衆の流れが固まりになって彼の後ろに集まり、浮浪者のように彼を市役所の階段に押し進めた。

「ここに残るんだ。」マンダは副官に言った。「もし不運が私に起こったら、宮殿にそれを報告しに行け。」

マンダは彼を取り囲む波によって運ばれた。民衆の注意はマンダにだけ向けられていたので、副官は危害を加えられることなく、ペルルティエ河岸の角に留まった。

市役所の大広間に到着するとマンダは異様で厳しい顔の面前にいることに気付いた。ここに反乱全体があった。そしてその成長を抑えるだけでなく、反乱の誕生を抑えようとした男の責任を問う準備ができていた。テュイルリーではマンダが質問者だったが、ここではマンダ自身が質問された。

「誰の命令によって宮殿の警護が二重にされたんだ?」

「パリ市長の命令によってだ。」

「どこで命令された?」

「私が去ったテュイルリーでだ。私の不在中に実行されたのかもしれない。」

「なぜ大砲を出す命令がなされたのだ?」

「私が大隊の観兵式を行いたいと願ったからだ。そして観兵式には大砲がつきものだ。」

「ペティヨンはどこだ?」

「私が去った時には宮殿にいた。」

「囚人としてか?」

「違う!彼は自由だ。そして庭を歩いていた。」

その時尋問が遮られた。新しい市議会の議員が封を開けられた手紙を提出し、それを大声で読み上げるように頼んだ。マンダは自分が破滅することを知るためにその手紙を一目見る必要があるだけだった。彼は自分自身の筆跡であることを認めた。この手紙は彼がその朝1時にサン・ジャン・アーケードに配置されている大隊に送った命令であり、宮殿に対して動いている群衆の後部を、ポン・ヌフからの大隊が群衆の側面を攻撃している間に攻撃するように指揮したものだった。この命令は兵士の撤退の後、自治体の手に落ちた。調査が今行われていた。この手紙以上に破滅的な自白を告発された者から手に入れることができただろうか?市議会はマンダをアベイ牢獄へ送るべきだと決定した。この判決はマンダに読まれ、それから遂行が始まった。マンダに決定が読まれている間、議長は手である種の水平な身振りを行った。―それは民衆が解釈の仕方をあまりにもよく知り過ぎていた身振りだった。1年後には定着したこの身振りは「殺せ」という意味だった。不幸にも多くの事実が告発を正当化しているように見えた。

マンダが市役所の前の階段を3段降りようとしかけたまさにその時、彼の若い息子が彼に会いに急いでやってきた。その時ピストルの銃弾が囚人の頭に当たった。マンダは怪我をしただけだった。彼は立ち上がった。しかしすぐに再び倒れ、20もの槍で撃たれた。少年が腕を投げ出し、叫んだ。「父上、父上!」彼の叫びに誰も注意を払わなかった。突然円の外からサーベルと槍のきらめきが見えた。そして胴体から取り外された流血している頭を持った腕が上げられた。これはマンダの頭だった。彼の息子は気絶した。副官は彼が見たものを報告するために、全速力で馬でテュイルリーに向かった。暗殺者たちは仲間同士に分かれた。ある者は体を川に投げ込んだ。ある者は槍に刺したマンダの頭と共にパリの通りを散歩した。

今は4時近くだった。

この破滅的な知らせが宮殿に届く前、宮殿ではマンダから権限を委譲されていたド・ラ・シェスネが国王を起こし、国民衛兵の兵士たちを国王の存在を見せることと適切な言葉をかけることによって彼らの熱狂を奮い立たせようとしていた。しかし国王はヴァレンヌのソースの家のバルコニーと同じような状況で、見た目に威厳が全く感じられなかった。更に年老いたメーリー公爵が良かれと思ってやったことが大失敗を犯した。彼は剣を抜き、国王の足元に跪き、彼が代表する貴族とアンリ4世の子孫である国王のために死ぬ覚悟であると誓った。国民衛兵はフランスの貴族に全く同情していなかった。さらに彼らが守っているのはアンリ4世の子孫ではなく、立憲君主だった。そのため、国家への喝采が反響した。失った機会を取り戻す必要があった。しかし、ルイ16世は何もできなかった。宮殿内にいた王党派は「国王よ、永遠なれ!」と叫んだが、途方もない大きな「国家万歳」の声に圧倒された。愛国者たちは「他の国王はいらない!国家だ!」と叫びだし、国王は哀願者のように「そうだ、私の子供たちよ、国家とあなたたちの国王は1つで同じものなのだ。」と答えた。王妃はエリザベート王妹に王太子を連れてくるように言った。子供がもたらす影響に期待したからだ。王党派たちは国王の振る舞いを隠すために再度「国王よ、永遠なれ」と叫ぶことを試みたが、二者の衝突が生じるだけだった。数名の砲手が持ち場を離れ、国王に拳を振り上げて、叫んだ。「我々は我々の兄弟たちに発射するのだということを考えろ!お前のような裏切り者のために!」王妃は国王を後ろに引っ込め、王太子を連れ出した。しかし王太子に対する喝采は挙がらなかった。到着は遅すぎ、間に合わなかった。

国王は宮殿に戻った。それは本当の退却であり、ほとんど逃亡だった。自分の部屋に着くと、ルイ16世は肘掛け椅子に身を投げた。王妃はドアに残ったままで、体を曲げ、辺りを見回し、誰かを探していた。彼女はシャルニーが彼女の部屋のドアの枠組みにもたれていたのに気づき、すぐに彼のところへ行った。

「ああ、ムッシュー、すべては破滅です!」

「私もそう思います。」

「私たちはまだ逃げることができるかしら?」

「あまりにも遅すぎます!」

「私たちのためにするべきことはあるの?」

「死ぬことです!」シャルニーは挨拶と共に答えた。それに対し王妃はため息をつき、彼女の部屋に再び入った。

13章『朝6時から9時まで』

マンダが殺されるや否や市の自治体はサンテールを彼の代わりに国民衛兵の司令官に任命した。サンテールはすぐに市中に一斉の帰営太鼓を鳴らすことと教会の鐘を二倍の警報として鳴らすことを命令した。それから彼は愛国者の巡視隊を、テュイルリーまで行き、そしてとりわけ国民議会を監視するための命令と共に組織した。実際には巡視は国民議会の辺りを一晩中うろついていた。夜10時、巡視はシャン・ゼリゼで武装した11人の一群を逮捕した。彼らは保護のためのフイヤン衛兵所に連れて行かれた。残りの夜はもう一群の11人が逮捕された。先の11名と同じ場所で違う部屋に監禁された。夜明け頃、最初の11名が脱出した。後者の11名は残っていた。

午前7時に国民衛兵の制服を着た29か30歳の若者がフイヤンの中庭に連れて来られた。見た目から王党派の疑惑が持たれた。ボンジュールという名のフイヤン地区の指導監督が彼に質問をした。彼は市議会からの命令で物事の様子を調査し、法務長官に報告に行く途中で逮捕されたことを説明した。そして彼が持っていた命令書が吟味された。命令書は正規の物だったが、署名が偽造されていないか、市役所に確認することになった。

この最後の逮捕は群衆を中庭に連れてきた。そして囚人たちの死を叫びだした。市の役人はそれらの声をあまり大きくさせ過ぎないようにしなければならないことを知っていたので、人々を立ち去らせるために熱弁を奮った。その効果が現れようとしていた時に市役所に確認にやった使者が戻ってきて、命令は正しく、命令書を持っていた男の名前はシュローと言うことが告げられた。彼は以前ランバル公爵夫人の歓迎会の際にジルベールがルイ16世とマリー・アントワネットにギロチンのスケッチを見せた時、同席していた男だった。この男の名前を聞いて、怒りの叫びを挙げると共に彼の死を要求した女性がいた。群衆はその女性のために道を開けた。女性はテロワーニュだった。彼女はその活躍から卓越した人気を誇っていた。その彼女を自分が編集長をしている新聞でシュローは皮肉や冗談の対象にしていた。そして彼女は今やシュローだけではなく、他の11名の囚人の死も要求していた。それを聞いたシュローはドア越しに200名の国民衛兵を支配下に置いている将校に懇願した。「私を出してください。私が名前をあげましょう。彼らは私を殺すことができる。そしてそれで終わる。私の死は他の11名の命を救うでしょう。」自然と護衛はドアを開けるのを拒否した。シュローは窓から飛び出そうとしたが、他の人々から止められた。彼らは自分たちが冷たい血の中で虐殺されるために引き渡されることを信じられなかった。指導監督のボンジュールは暴徒のわめきにおじけづき、テロワーニュの要求を承認し、国民衛兵に無秩序な群衆の意志に抵抗を示すことを禁止した。国民衛兵は命令に従い、撤退した。そしてドアが無防備になり、民衆が拘置所に突進し、最初に掴んだ男を中庭に引きずって行き、殺した。その間2人の囚人が何とか逃亡した。2番目、3番目の男たちも同様に殺され、4番目にシュルーの番が来た。シュルーは若く、勇敢で、活気に満ちていたので、恐ろしい戦いが続いた。彼は何度も地面やドアに近づき、ようやく自由になり、ついにドアに到達して、開こうと振り返った瞬間、その無防備さを見逃さなかった暗殺者たちのサーベルで突き刺された。そしてテロワーニュの足元に倒れた彼に彼女は最後の傷を与える残酷な喜びを持っていた。シュルーが取っ組み合いをしている間にもう一人の囚人が何とか脱出できた。その他は皆虐殺された。9名の死体はヴァンドーム広場に引きずられ、そこで首をはねられた。彼らの首は槍に突き刺され、パリ中に見せびらかされた。

かわいそうなシュルーは2ケ月前に結婚したばかりだった。その日の晩、彼の召使が金を支払うことで主人の頭を手に入れた。続いて長い捜索の後、体も取り戻した。シュルーの献身的な妻は妊娠1ケ月の状態だった。そして彼女が彼のために葬式を要求した。

一般的な取っ組み合いが本当に始まる前に2つの場所で血が流された。市役所の階段とフイヤン衛兵所で。これらの殺人は朝の8時から9時の間に犯された。バルバルーの警鐘によって一緒に招集され、サンテールのいつもの太鼓の音によって1万から1万1千人の国民衛兵がサン・タントワーヌ通りを通って、サン・ジャン・アーケードに入り、グレーヴ広場に入った。つまり前夜は十分に警護されていたのである。

これらの男たちはテュイルリーに行進するための命令を求めてやってきた。彼らは1時間待たねばならなかった。その間群衆の中で待たされる原因について2つの噂が流れていた。槍だけで武装した1000名の男たちがいらいらし始め、自分たちだけで前進し、宮殿を略奪すると宣言した。数名の共謀したマルセイユ人と10~12名のフランスの国民衛兵―彼らは2~3年前にバスティーユを攻略するのを手伝った同じ人々だった―はこの無秩序な群衆の先頭に立ち、共通の同意によって長として歓迎された。

その間マンダの暗殺を見た副官が全速力で馬を走らせ、テュイルリーに向かった。しかし、国王の星回りの悪い王宮の中庭への訪問の後、国王と王妃がそれぞれの部屋の棟に戻ってくるまで副官は彼らに彼の憂鬱な知らせを報告できなかった。王妃はその知らせを信じることができず、副官から何度もその悲惨な詳細の全てを述べさせた。

その間に主要階にけんか騒ぎの音が聞こえてきた。憲兵と国民衛兵と愛国的な砲手の間でけんかが起きていた。中庭にいた人たちはまだ国民衛兵の司令官だったマンダの死を知らなかった。しかし、すでに宮殿の主要階には知らされていたので、近衛兵が叫んだ。「あの低寿命なマンダは宮殿に誰も送ってよこさなかった。貴族以外。」マンダの年長の息子は国民衛兵の構成員の中にいた。彼の不在の父に対する侮辱で年長の息子はサーベルを引き抜いて、列から突進していった。2~3名の砲手が彼の前に身を投げた。王妃の侍従のウェーバーはサン・ロック近衛兵の中にいたので、若者の援助に飛んで行った。ウェーバーが王妃の元にやってきて、けんか騒ぎについて伝えた。返事として王妃は彼にマンダの死を知らせた。

窓の下の音が大きくなった。砲手たちが銃を捨てて、自分たちはそれぞれ弾丸を持っていることを強調していた。大砲には火薬は積まれていなかったので、使い物にならなかった。

「あなたはこの状況をどう思う、私の善良なウェーバー?」

「陛下はロードレル氏とご相談されるのがよろしいかと。私には彼は宮殿の中で最も献身的な男の一人のように見えます。」

「そうね。でも私はどこで彼と話すことができるの、立ち聞きされることも、見張られることも、さえぎられることもなく?」

「王妃がお望みなら、私の部屋で。」王の従僕のティエリーが言った。

「それがいいわ!」王妃は言った。そしてウェーバーに振り返って、付け加えた。「ロードレル氏を見つけてきて、ティエリーの部屋に連れてきて頂戴。」

ウェーバーはあるドアから出ていき、王妃はティエリーの後を別なドアから追った。宮殿の時計が9時の時報を鳴らした。

14章『午前9時から11時まで』

ウェーバーが市自治体の理事の入場を王妃に知らせたまさにその時、スイス兵の大尉のデュルレが国王か総大将に最後の命令を聞きに行くために、国王の部屋に行く途中であった。シャルニーはその価値のある大尉が彼を連れて行く案内人か侍従を探しているのを見た。「何かお望みですか?」

「あなたは総大将ですか?」デュルレは言った。

「そうです。」

「私は最後の命令を受け取りに参りました。反乱軍の縦隊の先頭がカルーゼル中庭からまさに見えるようになってきましたので。」

「あなたはあなたの立場を守るように命令されている。というのは国王は私たちの真ん中で死ぬ決意をされているのだ。」

「わかりました、総大将。」デュルレは簡単に答えた。そして希望を断つ、この命令と共に仲間の元に戻った。

デュルレ大尉が言った通り、反乱軍の前衛隊が視界に見えてきていた。それは1000名もの槍で武装した男たちと20名のマルセイユ人と12~15名のフランスの護衛が先頭に立つ形で構成されていた。後者の集団の中にきらきら光る肩章を持った若い大尉がいた。この若い大尉はビヨの推薦によって任務を課されていた。この前衛隊の後ろ8リーグのところに12台の大砲の大隊によって先導された国民衛兵と連邦主義者の大きな本体がやってきた。

シャルニーの命令がスイス兵に伝えられた時、彼らは憂鬱で意図的な沈黙の決意を保持しながら、静かに固く決意して、各々の持ち場に整列した。国民衛兵はあまり厳しく訓練されていなかったが、騒々しく、無秩序な方法で、しかしスイス兵同様の決意を持って、その場を占めた。紳士階級は剣とピストルのような射程距離が短い武器だけを持って、不完全に組織された。まさに来ようとしている戦闘は死に向かうことを知っていたので、彼らはある種の興奮した酩酊状態で、民衆との実際の闘争の瞬間を待った。

包囲している、または包囲攻撃の前日にいた人たちが場所に入ってきて、王宮の中庭の門で軽く叩く音がした。数名の声が「和平交渉だ!」と叫んだ。壁の上に槍に固定された白いハンカチが翻った。ロードレルが呼びにやられた。彼はすでに来る途中だった。

「彼らは王宮の門を叩いていますよ。」

「それを聞いて、私が来ました。」

「何がなされるのです?」

「門を開けてください。」

命令は門番に伝えられた。ロードレルは槍を持つ男たちの前例部隊と向かい合う自分自身に気が付き、言った。「私の友よ、あなたがたは群のためではなく、和平交渉のために門を開けてくれと頼んでいますね。あなた方の代弁者は誰ですか?」

「ここです。」ピトゥが空の穏やかな声と慈愛に富んだ顔で言った。

「あなたは誰ですか?」

「僕はアンジュ・ピトゥ、アラモン連邦主義者の隊長をしています。」

ロードレルはアラモン連邦主義者の兵士がいることに気付かなかった。しかし、時間は貴重だったので、彼は質問は不必要と判断し、言った。「何がお望みですか?」

「僕は僕自身と僕の友人たちの自由な通行を要求します。」

ピトゥのぼろ服を着た友人たちは槍を振り回し、しかめっ面をしていて、危険な敵のように見えた。

「通行?何のために?」

「国民議会を閉鎖するためです。僕たちは12台の大砲を持っています。もし僕たちがその望みを得られる場合は誰も発射はしないでしょう。」

「それであなたたちは何を望んでいるのですか?」

「国王が退位することです。」

「これは重大な問題ですよ。」ロードレルが言った。

「ええ、とても重大です。」ピトゥが習慣的な礼儀正しさと共に、言った。

「熟考が必要です。!」

「それは正しいです!」ピトゥが答えた。それから彼は大きな宮殿の時計を見て、付け加えた。「9時45分ですね。もし10時に僕たちが答えを受け取らなかったら、僕たちは攻撃を開始します。」

「その間あなたがたは私たちに門を閉めていることを許してくれるのだね?」

「もちろんです!」ピトゥは答えた。そしてそれから仲間たちに言った。「僕の友よ、門を閉めさせてくれ!」そして彼は最も重要な槍を持つ男たちに身振りで退却を合図した。彼らは従い、門は困難なく閉じられた。しかし、短い間、門は開けたままにされていたので、包囲する人たちは彼らを受け入れるための恐るべき準備を観察する機会を持った。門が閉められた時、ピトゥの兵士たちは和平交渉が続くことがとても心配になった。何人かが仲間たちの肩に載せられ、壁を登り、内部にいた国民衛兵と会話をし始めた。そして国民衛兵たちも歩み寄ってきて、友情のこもった、平和的な、くだけた雑談の準備ができるほどになっていた。

15分が経過した。宮殿から男がやってきて、門を開ける命令をした。この時門番は彼の宿舎の中で見えないところにいたので、国民衛兵がかんぬきを上げた。包囲する人たちは彼らの要求が承認されたと思った。門が開くや否や、彼らは長い間待っていた人のように、そして後衛―つまり無秩序な民衆だった―の力によって前に押し出されたように、押し入った。彼らは大声でスイス傭兵に声を掛け、彼らの帽子を槍やサーベルの先で揺らし、叫んだ。「国家よ、万歳!国民衛兵よ、万歳!スイス兵よ、万歳!」国民衛兵は国家に対する喝采で応えた。スイス兵は深い憂鬱な沈黙を守ったままだった。大砲の口で攻撃者たちは先を考え、辺りを見回すために立ち止まった。

大玄関の間は高さに応じて、3つのグループが幅広く配置されたスイス兵でいっぱいだった。前廊の各段にもスイス兵の列があった。これは6グループで構成されており、同時に発射も可能だった。

数名の反乱者たちが熟考し始めた。そしてピトゥもその中の一人だった。しかし、熟考するにはかなり遅かった。

国民衛兵はマンダの息子のけんかの結果から愛国者たちが王党派から離され、解散させられていた。

中庭に入ってきた男たちは古いピストルと古いマスケット銃と新しい槍で武装していた。彼らはすべての大きな暴動の始まりと確信する革命の同じ奇妙な先駆者だった。彼らは王位―王位では言い足りない、王政―を沈没させるために開かれた深淵を見るために笑いながら、走っていた。大砲の砲手たちも彼らの味方だった。国民衛兵はまさに彼らに加わろうとしているように見えた。彼らはスイス兵も説得して同じように反乱側に加わるように働きかけた。彼らは時間がどれだけ経過していたか気付いていなかった。彼らの長のピトゥはロートレルに10時までに決心するように言っていた。そして今10時15分だった。無秩序な群衆の一部がスイス兵を釣り針で引っ張り、捕まえることをし始めた。宮殿から「狙え!」という命令が聞こえた。マスケット銃が上げられたのを見て、宮殿の窓にピストルを撃ちこんだ男がいた。「狙え!」から「発射!」までの短い間隔の間にピトゥは何が起こっているのか見た。「低く伏せてください!」彼は彼の随行者たちに叫んだ。「さもなければあなたたちはすべて死にますよ!」そして教訓の見本になるように、彼もひれ伏した。しかし彼の忠告が受け入れられる前に玄関の間の前で発射の命令が反響した。そこはただちに炎と煙で充満し、弾丸の嵐がすさまじい音を立ててやってきた。このぎっちり詰まった人間の塊―すくなくとも縦列の半分は中庭になだれ込んでいた―は風によって倒された小麦畑のように揺れ、円状鎌で刈り取られる収穫のようにふらつき、倒れた。彼らの3分の1だけが生き残った。彼らは逃げようとしたが、兵士と兵舎からの二手からの発射を受けた。歩道にいた400名の内300名は完全に殺され、残り100名は致命的な怪我をしていた。中庭は死体がまき散らされた部分がいくつか出来ていた。

少しずつすべてが静かになった。逃亡者はカルーゼル広場に逃げ、ある者は川側に、ある者はサン・トノレ通りに逃げた。すべてが殺人者に対しての救助を叫びながら。ポン・ヌフで逃亡者たちは反乱の本体に会った。本体は馬に乗ったサンテールとウェステルマンによって指揮されていた。しかし、実際は徒歩で従っている男が指揮している雰囲気だった。逃亡者たちはサンテールを認めると、助けを求めた。

「ああ、サンテールさん、助けてください、助けてください!彼らは私たちの兄弟を虐殺しています!」

「誰がだ?」

「スイス兵です!私たちが彼らにぴったり並んでいる間に発射したのです。」

徒歩の男が逃亡者の一人に言った。「お前と一緒に若い将校がいたはずだ。私は彼を見ていない!」

「彼は最初に撃たれた人の中に倒れています、市民代表者!残念です。彼は勇敢な若者だったのに!」

「そうだ、彼は勇敢な若者だった!」質問者は目に見えて青ざめ、答えた。「そうだ、彼は勇敢な若者だった、そして彼は勇敢に報復される!―前進しろ、サンテールさん!」

「このような厳粛な出来事においては、私たちは経験に勇気と同様に援助を呼び起こすべきだと思う、私の親愛なるビヨ。」

「それならそれでよし!」

「続いて私は総指揮を市民ウェステルマンに割り当てる。彼は完璧な将校で、市民ダントンの友人だ。そして私は一兵卒として従う。」

「もしきみがすぐに見失うことなく行進するのなら、好きにすればいい。」

「「命令を受け入れてもらえますか、市民ウェステルマン?」サンテールが尋ねた。

「受け入れます!」プロシア人は短いが含みのある答えをした。

「それでは命令を!」

「前進!」ウェステルマンが叫んだ。そして巨大な縦隊は一瞬立ち止まってから、再び動き始めた。

前衛がカルーゼル広場に入り、エシュレ通りと河岸からくぐり戸を抜けた時、テュイルリーの時計が11時の時報を鳴らした。

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ビヨ、ピトゥの生死を心配しています・・・sweat02でも大丈夫!

15章『11時から正午まで』

宮殿に再び入って、ロードレルは王妃のために彼を探していた侍従に会った。その時間宮殿の本当の強さは王妃が持っていることを知っていたので、今度は彼が王妃を探す番だった。

彼は彼女が奥まった角で彼を待っていることを知って、うれしく思った。そこで彼は彼女だけと、遮られる心配なく話がすることができた。彼はそれゆえウェーバーが上に上っていく後に従った。

王妃は炉棚の近くで、窓の方に背中を向け、座っていた。ドアが開く音がして、彼女は素早く振り返って、言った。「それで?」尋ねるような調子で、まだ何も明らかな質問をしなかった。

「王妃は光栄にも私を呼びにやってくださったのですか?」ロードレルは尋ねた。

「ええ!あなたは市の行政長官の一人です。あなたの宮殿での存在は王家にとっての防御手段です。私はそれゆえあなたにあなたが何を望んで、何を恐れているかを尋ねたいのです。」

「望むことは少しです!恐れることは全てです!」

「民衆は完全に宮殿に対して行進しているのですか?」

「前衛部隊がカルーゼル広場にいて、スイス兵と話をしていますよ。」

「話をしているですって?私はスイス兵に力で力を追い払うように命令しました。彼らはそむく気になったのですか?」

「いいえ、スイス兵は彼らの持ち場で死ぬ覚悟です。」

「そして私たちは私たちの。スイス人が国王に奉仕している兵士のように、君主たちは君主制に奉仕する兵士なのです。」

ロードレルは黙っていた。

「私はあなたの意見に一致していない意見を持つほど不幸なのですか?」王妃が尋ねた。

「陛下が私にお尋ねにならないならば、私はどんな意見も持ちません。」

「私はそれを尋ねます。」

「それでは、私はあなたに率直な男が決めたことをお話しします。私の意見はもし国王がテュイルリーに留まるなら、彼は破滅するということです。」

「でももし私たちがテュイルリーに留まらないとしたら、私たちはどこに行けばいいのですか?」王妃は戦慄を覚えながら、言った。

「現在の出来事の交差点で、王家の避難場所となるところがたった1つだけあります。」

「そして、それは―?」

「国民議会です。」

「「あなたはどこを言っていますの?」王妃は素早く目を光らせ、あたかも彼女が彼の話を正しく聞かなかったことを確信したかのように話した。

「国民議会です!」

「あなたは私があの人たちに何を頼むと思っていますの?」

再びルードレルは口をつぐんだ。

「一方の敵をもう一方の敵と共に連れてくるのなら、私は暗闇で後ろから私たちを突き刺したいと思う人達よりも日中に公然と私たちに攻撃してくる人たちを好みます。」

「それでは、決心してください。―民衆に敗北を認めるか、大急ぎで国民議会に退去するか!」

「退去ですって?それでは私たちの防御はそんなにも不幸で、私たちは一発も発射することなく退去しなければならないということですか?」

「決心される前にあなたに有能な男からの報告をお聞かせしましょうか?そしてあなたが自由になるのはどれだけの武力なのかお気づきになりますか?」

「ウェーバー、宮殿の将校を探してきなさい、マイヤルドさんかド・ラ・シェスネさんか―。」彼女はシャルニーの名前を出しそうになったが、止めた。そしてウェーバーは部屋を去った。

「もし陛下が窓に行かれたら、ご自身で判断できると思いますよ。」ロードレルが言った。

明らかな反感と共に彼女は窓に向かって数歩進み、カーテンを脇に引っ張り、外を見た。カルーゼル広場そして王宮の中庭にさえ槍を持った男たちがいた。

「何てこと!」彼女は叫んだ。「あの男たちはあそこで何をしているのです?」

「私が陛下にお話しした通り、彼らは話をしているのですよ。」

「でも彼らはまさに宮殿の周辺から入ってきた人たちですよ!」

「私は陛下にどの道を取るべきか決断する機会を与えるために時間を稼ぎたいと思っています。」

その瞬間ドアが開いた。「入りなさい!入りなさい!」王妃は自分が話しかけている人が誰かも知らずに言った。

シャルニーが入ってきた。「私です。」彼は言った。

「ああ、あなたでしたか!それでは私は何も尋ねることはありません。ほんの少し前あなたは私に私たちがするべきことで残っているものは何かを言ってくれましたから。」

「彼に従うと」ロードレルは尋ねた。「そこに残っているのは―?」

「死ぬことだけです!」王妃が言った。

「あなたは私が提案したことが選ぶに値するとわかっておられますか?」

「誓って、私は最善ではないことを知っています!」王妃が言った。

「あなたは何を提案されたのですか?」シャルニーは尋ねた。

「国王を国民議会にお連れすることです。」ロードレルが言った。

「それは死ではない。」シャルニーは言った。「しかし不名誉だ!」

「あなたは聞きましたね。」王妃がロードレルに言った。

「真ん中の道がないことを見てください。」ロードレルが答えた。

ウェーバーが進み出て、言った。「私はとるにたらない存在です。そしてこのような集まりの中で発言するのは大胆なことだとわかっています。しかし多分私の献身が私を古いったせるのです。国民議会が国王の安全を見守るために代表団を送ることを求められたらどうなるでしょうか?」

「それならそれでよし!私はそれに同意します!」王妃が言った。

「シャルニー伯爵、もしあなたが提案に同意するなら、国王のところに行き、それを甘受させてください、お願いします!」

シャルニーはお辞儀をし、立ち去った。

「伯爵の後を追いなさい。そして私に国王の返事を持ってきなさい。」彼女は彼女の乳兄弟に言った。彼はその後すぐに従った。

シャルニーの存在はとても厳粛で、献身的で、冷淡で、もし王妃でなくとも女性に対する残酷な非難であったので、彼女は身震いなしに彼を見ることはできなかった。多分彼女もまたまもなく起ころうとしている恐ろしい予感がしていた。

ウェーバーが戻ってきて、言った。「国王はシャンピオン氏とドジョリ氏にすぐに国民議会に陛下の要求を運ぶようことを受け入れます。」

「あそこを見て!」王妃が急に叫んだ。

「何です?」ロードレルが尋ねた。

「彼らはあそこで何をしているの?」

包囲者たちはちょうどその時スイス兵を捕まえることに熱中していた。

ロードレルが見た。しかし起きていることに対して何か考えを得るための時間を持つ前にピストルの一撃が空に放たれ、恐るべき発射が後を追った。宮殿はあたかもその土台が揺るがされているかのように震えた。王妃は金切り声を挙げ、一歩後ずさりし、それから好奇心に強要され、窓に戻った。

「見て!見て!」彼女は光った目と共に叫んだ。「彼らが逃げているわ!彼らが道筋を手配しているわ!あなたは今何といいましたか、ロードレルさん?私たちは国民議会以外の他の手段は持たないと?」

「お願いですから、陛下、私の後についてきていただけませんか?」ロードレルが答えた。

「見て!見て!」彼女は続けた。「スイス兵が突撃して、彼らを追っているわ。広場は空よ!勝利よ!勝利よ!」

「あなた自身に免じて、私についてきてください。」ロードレルは懇願した。

王妃は落ち着きを取り戻し、彼の後に従った。

「国王はどこです?」彼は最初に出会った従僕に尋ねた。

「ルーヴルギャラリーの中です。」

「それは正確に私が陛下をお連れしたいところですね。」ロードレルは言った。

王妃は彼女の案内人の意図について何の考えも持たずに後を追った。

ルーヴルの広大なギャラリーはその半分の長さをバリケードで覆われて、3つの区分に分けられていた。200~300名の男たちがそれを守るためにそこにいた。そして彼らは一種の揺れ階段によってテュイルリーの中に退却することができた。それは最後の逃亡者の一蹴りで建物の地層階にまっさかさまに落とされて送られる仕組みになっていた。

国王はシェスネとマイヤルドと5~6名の紳士たちと窓にいた。彼の手には小型望遠鏡があった。王妃はバルコニーに走った。しかし彼女は何が起こっているのかを見るのに小型望遠鏡を必要とはしなかった。

反乱軍が近づいていた。それは見渡す限り、遠く、長く、幅広く、河岸全体を覆っていた。ポン・ヌフを通って、サン・マルソー地区と群衆がサン・タントワーヌからの男たちとの合流点をもたらしていた。パリのすべての鐘が半狂乱で警鐘をじゃんじゃん鳴らした。ノートルダム大聖堂の大きな鐘がその他全てのよく鳴り響く鐘銅を圧倒していた。

熱い太陽が銃身と槍の穂先に無数の火花を注いでいた。遠くの嵐のように、大砲の重いとどろきが聞こえてきた。

「それで、マダム?」ロードレルは言った。

国王の側に50名の人々が集まっていた。王妃は彼女自身を取り囲んでいたの友人たちをじっと見つめた。この視線は彼女の最も深い心から生じたように見えた。そしてどれだけ多くの献身が彼女への奉仕の中に本当に残っているのかを訪ねているように見えた。哀れな女性は話しかける人も知らず、どんな請願をしたらいいのかも知らず、無言のまま立っていた。彼女は息子を連れてきた。そしてそこにいたスイス兵と国民衛兵の将校と紳士階級に息子を見せた。彼女の相続遺産のために王位を要求しているのはもはや王妃ではなかった。反乱の突発の中で、「私の子供!誰が私の子供を救ってくれるの?」と尋ねながら、苦悩する母親だった。

この間、国王は静かに自治体の理事に静かに意見を交していた。いや、むしろロードレルが彼がすでに王妃に言ったことを国王に繰り返していた。

2つの区域のグループは2人の畏れ多い人たちの周りに形作られていた。国王の周りのグループは冷静で、厳粛な相談相手―それは明らかにロードレルによってなされた助言を承認する人だった―で構成されていた。王妃の周りの最も大きなグループは熱心で、熱狂的な若い将校で作られており、彼らは帽子を揺らし、剣を抜き、王太子に向けて手を差し伸べ、王妃のガウンの縁にキスをし、彼女と彼女の息子のために死ぬことを誓った。彼らの熱狂の中で、王妃は一瞬の望みを見つけた。

この時、国王の随行団に王妃の随行団が混じった。いつもの不動な雰囲気で、国王は両方のグループが合体した中心に立っていた。多分この静けさは勇気から生じた。

王妃はスイス兵の司令官であるマイヤルドのベルトから2丁のピストルを掴んだ。

「来てください、陛下!」彼女は言った。「今が勇敢に現れるか、私たちの友人の中で死ぬか選ぶときです。」

王妃の行動は彼女の友人たちの熱狂を端まで引き起こした。口を開けて、息を止めて、全員が国王の返答を待った。

若く、美しく、そして勇敢な国王ならきらりと光る目と震える唇を持って、それぞれの手にピストルを持ち、戦闘の真っただ中に身を投げ、自分側に幸運を呼び起こす努力をしたかもしれない!彼らは待った。彼らは望んだ。

国王は王妃の手からピストルを受け取り、マイヤルドに返した。それから彼はロードレルに振り返って、言った。「あなたは言ったね。私は自分自身を国民議会に行かせるべきだと?」

「陛下、それは私の助言です。」ロードレルはお辞儀をしながら言った。

「行きましょう、紳士諸君。」国王は言った。「というのはここでなされることは何もないのだ。」

王妃はため息を漏らし、王太子を腕に抱き、ランバル公爵夫人とトゥルーゼル夫人に申し入れた。「来なさい、ご婦人方、国王がそう決めたのですから!」

これは他の全ての者に対して「私たちはあなた方を見捨てます!」と言ったようなものだった。

カンパン夫人が通り過ぎなければならない回廊で王妃を待っていた。王妃は彼女を見て、囁いた。「私の部屋で待っていなさい。私はそこで再びあなたに加わります。さもなければ私はあなたをどこからか呼び寄せるでしょう。―神だけがどこか知っています。」それからカンパンの方にもたれて、つぶやいた。「ああ、海に飛び込むために!」

彼女が後に残した紳士たちはお互いを見つめ合った。あたかも「我々が死に近づいていたのはこの国王のためなのか?」と言っているかのように。

シェスネはこの無言の質問を理解し、それに答えた。「違うよ、紳士諸君、王家のためだ!人は死を免れない。しかし原理は不滅だ。」

不幸な女性たちに関して言えば―彼女らの多くだった。数名は宮殿を不在にしていたけれども、再入場するという効果的でない努力をした。―女性たちに関して言えば彼女らは完全に恐れていた。ある者は彼女らが階段の角や廊下に沿って立っているとてもたくさんの大理石の像と信じたかもしれない。

ついに国王は彼が見捨てた者たちについてへりくだって考えた。階段の下で彼は立ち止まり、尋ねた。「私がむこうに残してきた者たちすべてはどうなるのだろうか?」

「陛下、」ロードレルは答えた。「彼らにとって私たちについてくることより容易なことはないのです。彼らに市民のような服装をさせ、庭園を通り、抜け出すことができます。」

「本当だ。」国王は言った。「では先に進もう!」

「ああ、シャルニー伯爵。」王妃は剣を抜き、庭園の門で彼らを待っていた伯爵に気付いた。「どうして私たちは一昨日あなたが逃亡を薦めた時にあなたに耳を傾けなかったのでしょう?」

伯爵は彼女に答えなかった。しかし、国王に近づき、言った。「陛下、私の帽子を持つのが最良と思われます。そして私に帽子をください。国王の帽子は国王の発見につながるかもしれないからです。」

「あなたは正しいよ。」国王が言った。「その白い羽毛のために―ありがとう、ムッシュー!」そして彼はシャルニーの帽子を受け取り、自分のものと交換をした。

「ムッシュー、」王妃が言った。「この短い道のりの間にも国王に危険が走るかもしれないのですか?」

「ご承知の通り、小道の中にどんな危険があろうとも、私は彼を脅かす危険を脇にそらせるためにできるすべてのことをするつもりです。」

「陛下、」庭園を通っていく途中に国王を守ることが課されたスイス兵の大尉が言った。「準備はよろしいですか?」

「ああ」国王はシャルニーの帽子を顔の上に引っ張りながら、答えた。

「それでは出発しましょう!」大尉が言った。

国王はスイス兵の2つのグループの間を歩いた。彼らは国王と歩調を合わせた。

突然右手で叫び声が聞こえた。カフェ・ド・フロールの近くの、宮殿庭園に開かれている門が無理矢理開けられた。人々の塊が国王が国民議会に行く途中だと気づき、庭に突進してきた。侵入の指導者のように見えた男は槍の穂先に頭をつけた旗を宙に持っていた。スイス兵の大尉は停止を命じ、発射の準備をした。

「シャルニー伯爵、」王妃が言った。「もし私がこれらのならず者の手に落ちそうになるのを見たら、私を殺してくれるわね?」

「そのようなお約束はできません。」

「なぜ?」王妃は叫んだ。

「あなたにたった一つでも手が届く前に私は死んでいるからです!」

「待て!」国王が言った。「あれはかわいそうなマンダの頭だ!私はわかった!」

殺人を犯した一群はあえてあまり近くに来なかったが、国王と王妃に侮辱を積み上げた。5~6丁のマスケット銃が発射された。あるスイス兵は傷ついて倒れ、ある者は死んだ。大尉は部下に狙うように命令した。そして彼らは従った。

「発射してはいけません!」シャルニーが言った。「さもないと私たちの誰一人も生きて国民議会にたどり着けませんよ。」

「その通りです。」大尉が言った。「担え銃!」

兵士たちは再び従った。そして一行は庭園を対角線上に進み続けた。

その年の熱は栗の木を黄色にしていた。まだ8月の真ん中でもなかったけれども、葉っぱはすでに枯れ、地面にまき散らされていた。小さな王太子は足の下で葉っぱを転がしたり、蹴飛ばして彼の姉の靴の上に載せることを楽しんでいた。

「今年は葉が落ちるのが早いな。」国王が言った。

「狂暴な連中が私たちの君主制は葉が落ちるまでしか続かないだろうと言っていないかしら?」王妃が尋ねた。

「はい、マダム。」シャルニーが答えた。

「その腕の良い予言者は何という名前です?」

「マヌエル。」

今、新しい邪魔者が国王一家の進行の前に姿を現した。彼らの上には登って渡るために―宮殿の庭園からまだ議論中の国民議会がある乗馬学校まで行くために―必要なテラスの上に男女の大群が待っていて、威嚇するように武器を振り回していた。

この危険は最も大きなものの全てだった。というのはスイス兵はもはや整列することができなかったからだ。にもかかわず、大尉は群衆を押し分けて進んでいこうと努力した。しかしこれが無秩序な群衆を激怒させた。そのためロードレルが彼に声を掛けた。「注意してください!あなたは国王を殺されてしまいますよ!」

少し止め、国民議会に国王が避難所を要求していることを知らせに使者が送られた。国民議会はすぐに代表団を送った。しかし、この代表団を見ただけで暴徒の怒りはさらに強まり、起こった叫びが聞こえてきた。「打倒、古い拒否権氏!打倒、あのオートリアのあばずれ女!退位か死か!」

母親が殊更脅されているのを見ていた子供たちは彼女のより近くに体を押し付けた。小さな王太子は尋ねた。「シャルニー伯爵、どうしてこれら全ての人たちは僕のお母様を殺したいの?」

槍で武装した、非常に大きな身長のある男が他よりも大きな声でわめいた。「打倒、古い拒否権氏!死ね、オーストリア女!」そして王妃か国王かを傷つけるほど強く彼らの中に彼の武器を強く押し付けようとした。

スイス兵の随員は一人ずつ消えて行った。国王一家は彼らと共にテュイルリーを出てきた6人の紳士と一緒に来たシャルニー伯爵と国民議会からの代表団だけによって取り囲まれた。きっしり詰まった塊の中を行くにはまだ30歩分の距離があった。無秩序な群衆は国王に、とりわけ王妃に多くの日を与えたいと思っていないことが明らかだった。足元で取っ組み合いが始まった。

「ムッシュー、」ロードレルがシャルニーに言った。「剣を納めてください。さもないと私は結果に応えることができませんよ!」シャルニーは言葉もなく従った。

王家の一行は船が嵐の中波によって持ち上げられるかのように、民衆によって持ち上げられた。そして彼らは国民議会の建物の側に運ばれた。国王は王家の顔にかなり拳を振ってきた男を追い払うのを余儀なくされた。小さな王太子はほとんど窒息しており、金切り声を挙げ、助けを求めて両手を差し出した。

一人の男が前に飛びかかってきて、不意に子供を掴み、母親の腕から子供をもぎ取った。「シャルニー伯爵!私の子供を!」彼女は叫んだ。「お願いですから、私の息子を助けてください!」

シャルニーは王太子を掴んでいる男の方に数歩近づいた。しかしこれは王妃をとても危険にさらし、2~3本の腕が彼女に伸びてきて、一つの手が彼女の胸を覆っていたレースをぎゅっと掴んだ。

王妃は金切り声を挙げた。シャルニーはロードレルの忠告を忘れた。そして彼の剣が敢えて王妃の上に彼の手を置いていた男の体から消えた。群衆は彼ら自身の男の一人が倒れるのを見て、激怒で唸った。そして王家のグループに大急ぎで突進した。

女たちはわめいた。「彼女を殺せ、オーストリアのでしゃばり女!私たちが彼女を食べ尽くすまで、私たちに彼女を与えろ!死ね!死ね!」

20のむき出しの腕が彼女を掴む準備をしていた。しかし王妃は深い苦悩で気が狂っていたので、自分自身の個人的な危険については考えず、絶えず叫び続けた。「私の息子、ああ、私の息子!」

小さな一行がほとんど国民議会の敷居に到達しかけた時に、無秩序な群衆はえじきが彼らの掴みをかわそうとしていることに気付き、最後の努力をした。

シャルニーはとても包囲されていたので、彼の剣の柄頭を使うだけだった。先端を打ち曲げ、威嚇してくる拳の中、彼はある手がピストルを握り、王妃を狙っているのを見た。彼は剣を落とし、両手で持ち上げられたピストルを掴み、男が握っていた手からピストルをもぎ取り、最も近い攻撃者の胸に十分に発射した。傷ついた男は気絶し、地面に倒れた。

シャルニーはそれから剣を拾おうとして屈んだ。剣はすでにならず者の手の中にあり、王妃をそれで突き刺そうとしていた。シャルニーは暗殺者の前に身を投げた。その短時間の間隔の間に王妃は国王の後に引っ張られ、国民議会の建物の入口の間に入った。彼女は救われた。

確かにドアは彼女の後ろで閉められた。そしてシャルニーは戸口の踏み段に倒れ、頭に加えられた鉄棒の一撃で打ち倒され、槍が彼の胸を突き刺した。

「私の愛する弟たちのように!」彼は倒れる時に呟いた。「かわいそうなアンドレ!」

彼の弟たちであるジョルジュとイシドールのように、オリヴィエ・ド・シャルニーは彼の運命を終えた。王妃の死はこれからやって来る。

その瞬間大砲の恐ろしい発射が反乱者が正式に宮殿を攻撃していることを知らせた。

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15章、全文翻訳です。読み終えて、「ぎゃ~っsweat01!オリヴィエの死の章だったcoldsweats02!!」って愕然としました。それで急遽全訳にしました。彼が死ぬことは分かっていたのですが、そして弟たちと同じように王妃のために死んでいくことを運命づけられていることもわかっていたのですが、いきなり最後にやってきて、茫然としました・・・死の瞬間に彼が口にした言葉は最愛の弟たちとそして最愛の妻アンドレの名前でしたcrying。彼がようやく手にした幸せの中で、運命に立ち向かわなければならない時が来たことを覚悟してやってきたことを思うと、本当に気の毒です。前の方の章で彼が王妃に「義務」と答える場面がありましたが、本当に貴族としての義務であり、シャルニー3兄弟に課せられた運命に抗えなかった結果としかいいようがありません。それは彼が最後に口にした言葉からもわかる気がします。王家への忠誠が何よりも勝ったら、それを口にしたでしょう。そうではなく彼が口にしたのは弟たちと妻の名前でした。この3人がオリヴィエが愛した人達という証拠でもあります。この後に大変劇的な場面があることを知ってしまったのですが、オリヴィエが死ぬ間際に一番愛していた女性はアンドレです!と言いたいです。

2013年1月29日 (火)

『シャルニー伯爵夫人』英訳版4巻読了\(≧▽≦)/:その1<ネタバレ注意>

*以下、『ジョゼフ・バルサモ』及び『王妃の首飾り』を未読の方はネタバレご注意ください。あと全文翻訳している章が正しく翻訳されているかどうかは保証しません。あくまで私の理解なので・・・sweat02

1章『反応』

6月20日の民衆のテュイルリー侵入の際にルイ16世が見せた威厳は革命家たちをひるませ、結果何もできていないことを悔やんだ。

国民議会では立憲論者、王党派、フィヤン派が合同して戒厳令の宣言を要求した。パリ市長であるペティヨンは国民議会に急ぎ、陰謀は存在せず、パリは平穏であることを訴え、戒厳令は宣言されなかった。

王家は6月20日の事件で地に落ちていたかのように見えたが、支援者たちは勢い付き始めていた。ペティヨン達がカルーゼルの中庭を横切った時に、自治体の役人を示すスカーフをしていたにもかかわらず、そこにいたサン・ルイ勲章の騎士、立憲守備隊、国民衛兵たちに襲撃を受けた。

国王は国民議会に王家に対する冒瀆に関する不平を手紙に書いた。そして国民に自分は2つの国民―6月20日に騒動を起こした人々と彼がこの騒動に関する不平を言った人々を持っていると宣言した。6月24日、国王夫妻は国民衛兵と会見を行い、熱狂的に迎えられた。

ラファイエットが1人の将校を伴って、敵地から6月27日にパリに到着した。そして国民議会に姿を現した。ラファイエットは国王を守るための演説を打った。しかし、敵地から離れてパリにやってきたことで激しい非難にあう。

ラファイエットは最後の望みを持って、国王の逃亡計画を立てる。しかしそれは未然に防がれた。ラファイエットと国王を裏切ったのは誰か?それは王妃だった。彼女はペティヨンを通して、ラファイエットによって救われるくらいならむしろ死んだ方がましだと宣言していたのだった。会見が行われる時間にラファイエットはパリを去り、敵地に戻った。しかしながら彼は国王を救い出すというすべての望みをあきらめたわけではなかった。

2章『ヴェルニオーが話すだろうこと』

宮廷は反革命運動を再び始めようとしたが、うまくいかなかった。

ロラン夫人は国民議会に大きな動乱の発展を望んでいた。誰がそのような動乱を持ってこれるのか?誰がそのような一撃を加えさせられるのか?―ヴェルニオーだった!

ヴェルニオーは美しい女優で、詩人で、音楽家のキャンデイユ夫人を愛していた。彼はいつも彼女の側で見つかった。

ある晩、二人の代表―グランジュヌーヴとシャボー―が自暴自棄になって国民議会を去った。ヴェルニオーの怠惰はフランスのために彼らに警告を与えた。グランジュヌーヴは言った。「これらの無為に過ごすことすべては国家の力を弱め、革命を殺してしまう。もし国民が王家にもっと多くの時間を与えたら、国民は破滅してしまうだろう。革命のために唯一確実な時間がある。私は確信を持っている。人々はこの最後の抑制によって元気づけられる。そして彼らは力強いてこなしに、ある流血の刺激なしに敗北から立ち上がれないだろう。彼らは恐ろしいエネルギーをがぶ飲みするための怒りまたは恐怖の盃を必要としているのだ。」

「どうやって彼らはこの激怒の恐怖の発作を得ることができるだ?」シャボーが尋ねた。

「それは私が思案していることだ。そして私はその秘密を見つけたと信じている。」とグランジュヌーヴは言った。「しかし、私は十分に有能で、計画を実行するための十分な決意を持つ男を見つけることができるだろうか?」

「率直に話せ。私は何でもする能力がある。私が憎んでいる人々を破壊するために。私は国王と聖職者を憎んでいる。」シャボーが言った。

「私たちの一人に必要なのは王党派の一撃の下に倒れることだ。倒れる男は国民議会の議員でなければならない。そして国民議会は自分の手で仕返しをするだろう。犠牲者は私自身でなければならない!」

王党派はグランジュヌーヴを傷つけることはできないというシャボーに対し、グランジュヌーヴはシャボーにそれをやって欲しいと頼んだ。シャボーはひるんだが、グランジュヌーヴの熱意に負けた。そしてその夜に計画を実行することを約束し、別れた。

シャボーは夕食を摂った後刃物屋でナイフを買い、キャンディユ夫人が出演している劇場のポスターを見て、コメディ・フランセーズに向かった。彼女の化粧室にはヴェルニオーなど彼女の崇拝者がいた。終演後、ヴェルニオーは彼女をリシュリュー通りの家に連れて行こうとして、立ち上がった。その時、シャボーもヴェルニオーの後に付いていき、馬車に乗り込んだ。

「きみは何か私に言いたいことがあるんだね、シャボー?」ヴェルニオーが尋ねた。

「そうだ、でも簡単だ。長くはかからない。」

すぐに話せと言うヴェルニオーに対し、シャボーはまだ時間じゃないので、真夜中まで待って欲しいと言った。二人の不思議な会話にキャンディユ夫人が身震いしたので、シャボーは彼女を安心させ、「ヴェルニオーは何も恐れるものはありません。ただ彼の国が彼を必要としているだけです。」と言った。

キャンディユ夫人の家に到着すると、シャボーは15分で彼は戻ってくると約束して、ルーヴルの淋しい壁に向かった。そしてそこにグランジュヌーヴがいるのを認めた。彼はそこで何をしているのかとシャボーに尋ねるとシャボーは誰かが彼を殺すのを待っていると答えた。そして誰がという問いに対して「私が」と答えたシャボーをヴェルニオーは狂人を見ていたかのように見た。

「スパルタを思い出せ、ローマを思い出せ、そしてそれから聞くんだ!」シャボーはヴェルニオーにすべてを話した。

「わかった。私は正式な演説を準備するために3日間欲しい。」

「3日で―?」

「残りは簡単だ!3日間で私は偶像に対して傷つけられることもなく、私がそれを倒すこともないだろう!」

「約束だね、ヴェルニオー?」

「ああ!」

「男の誓約だね?」

「共和主義者のだ!」

「それならよし!私はもうきみを今必要としないよ。きみの女主人のところに行って、慰めて来い。」

ヴェルニオーはリシュリュー通りに向かった。シャボーはグランジュヌーヴに近づいた。

「どうした、何がきみを遅らせたんだ?撃て!」

「無駄だよ!私たちのヴェルニオーが話すことになった。」

3章『ヴェルニオーが話すこと』

それはヴェルニオーの決断の時だった。危険は国内でも国外でも増加していた。

イギリスは大きな軍事力を招集していた。ドイツ帝国の王子たちは中立状態でいたが、密かに敵が彼らの領土に入ってくることを許していた。フランドルではデュムーリエのすべての計画が妨害されていた。ラファイエットは国民議会にフランスは彼に依存できないことを示した。

国内では武器を取るように叫ばれていたが、宮廷派の軍事大臣は要求されたものを送る注意を払わなかった。南では王子派の准将が地方の貴族の権利を認めた。西の町ではアラン・ルドレという名の男によって王家の友人の武装した集会が隣の教会で開かれると知らされた。こうしてヴァンデーとブルターニュにふくろう党が配置された。彼らはただ成長するための時間を必要とした。

王国のほとんどの地域から反革命演説が来た。危険は差し迫っており、とても大きかったので、もはや個人だけの危険ではなく、国の危険だった。

国民議会は待っていた。シャボーとグランジュヌーヴが3日以内にヴェルニオーが話すと言っていたからだ。3日目にヴェルニオーは国民議会に姿を現した。欠席している議員はいなかった。ギャラリーはいっぱいだった。全員に戦慄が走った。

ヴェルニオーは一見普通の男だった。しかし、この正式な演説で彼の天才が具現化された。国民を奮い立たせる大演説だった。徐々に力を増し、ハリケーンのようになった。国民議会にいた全員がこの力強い竜巻に圧倒され、掴まれ、運び去られた。全員が熱狂と共に大きな叫び声を挙げた。

同じ日の夜バルバルーが彼の友人でマルセイユに留まっていたルベッキに手紙を書いた。「死に方を知っている500人の男を私に送ってくれ!」

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ヴェルニオーの演説は実に7ページにもわたる大演説でした。もう読むのがつらくて大変でした・・・sweat01というのもこういう部分は文字が小さくなっているからなんです。そして7ページもある・・・sweat02まあ、内容は憲法を理由に言い逃れをしている国王批判ですね。ただ一方的に国王を責めている訳ではなく、国王の周りにいる人々への批判でもありました。という訳で、内容はカットさせていただきますcoldsweats01。私は革命的な内容だとあんまり興味がなくなってしまう傾向大です・・・sweat01

4章『3回目のバスティー占領記念日』

7月11日、国民議会は国が危険な状態にあることを宣言した。この宣言の公布のためには憲法に従って国王の承認が不可欠だったが、国王は21日の夕方まで与えなかった。実際国が危険であると宣言することは国王の無能を認めることでもあった。従って11日~21日までの間、宮殿はとても恐怖で動揺していた。

14日、宮廷は国王の命に対する陰謀の発展を期待していた。ジャコバン派からの掲示がこの期待を確証した。それはロベスピエールによって準備された。彼の両刃の刃は簡単に認識された。この回覧は7月14日のお祭りのためにパリに来ていた連邦主義者たちに送られた。辛辣で、精巧なロベスピエールは穏やかな声で言った。「私の友よ、私を信じてくれ、国王を殺すことが最善だ!」

テュイルリーにいた全員が、とりわけ国王が狼狽するほど驚いた。宮廷派の人々は6月20日の暴動は暗殺を対象にしたものだったと肯定していた。彼らは国王に鎖帷子を着るように十分に説得をした。

ある朝、国王が王妃の部屋に入ってきて、上着を脱ぎ、鎖帷子を着け、カンパン夫人に言った。「私がこうすることが王妃を満足させるだろう。彼らは私を暗殺しないとあなたは確信できるよ、カンパン。彼らの計画は変わった。そして私は違った種類の死を予期しなくてはならない。とにかく私の部屋に来てくれ。あなたが王妃の部屋を去ったら、私はあなたに打ち明けたいことがある。」

国王は部屋を出た。王妃はこの会見を見ていたが、何も聞いていなかった。彼女は国王の後ろのドアが閉まるまで落ち着かない視線で彼を追って、それから尋ねた。

「カンパン、今国王はあなたに何と言ったのです?」

カンパン夫人は王妃のベッドの側に跪き、国王が囁いたことを伝えた。王妃は悲しげに頭を振って、言った。「そう、それが国王の意見です。そして私は国王がしたように考え始めなければならないわ。国王はフランスで起きていることは前世紀の間にイギリスで起こったことと重複していると信じています。彼は絶えず不幸なチャールズ1世の歴史を読んでいます。イギリスの国王よりもよい行動をするために!そう、そうです!私は国王が裁判にかけられるかもしれないと考え始めなければなりません。私に関して言えば、私は外国人ですので、暗殺されるでしょう。でも私たちのかわいそうな子供たちはどうなるのでしょう?」

王妃はその先を続けることができなかった。カンパン夫人は王妃に鎖帷子を着けるように懇願したが、彼女の献身を受け止めながらも、拒否した。

カンパン夫人は王妃の部屋を去った後、廊下で国王に会った。国王は王太子の部屋に通じる入口の間にあった隠し壁の中から大きな書類入れを取り出し、それをカンパン夫人の部屋に運んだ。カンパン夫人はその対応を国王に尋ねると王妃に聞けと言われる。カンパン夫人は自分のベッドのマットレスの間にその書類入れを隠し、王妃の元に行く。そして王妃からその書類は国王の閣議の議事録であり、国王が宣戦布告に対して反対の忠告をしたことが書かれており、全閣僚によって署名させられていた。裁判になった時にこれは役に立つかもしれないということでカンパン夫人に預けられた。そして王妃はカンパン夫人に自分から例え非番の時でも決して離れないように命じた。

7月14日のお祭りは革命に関してのもので、国王の暗殺に関してではなかったが、ペティヨンの国王に対する勝利の気持ちがあった。6月12日、ペティヨンは国王の承認のもと停職命令を受けたが、7月13日に国民議会はそれを解いた。

7月14日午前11時、国王一家は現れた。人々はペティヨンへの歓声を聞き、人々の帽子に「ペティヨンよ、永遠なれ!」という国王一家の敗北とペティヨンの勝利を知らせる文字を見て、王妃は青ざめ、身震いがした。国王の命が狙われる計画があることを確信した。子供たちと一緒に彼らのために用意されたバルコニーに上るためには国王と離れなければならなかった。しかし彼女は夫が安全な場所に行くまで階段を上るのを拒否した。そして心配そうに目で彼を追った。

愛国者の祭壇の下で群衆がしばしば起こす、急な動きがあった。それによって国王があたかも覆い隠されたかのように姿を消した。王妃は悲鳴を挙げた。しかし国王は再び姿を現し、愛国者の祭壇の階段を歩いていた。

厳粛なお祭りを象徴するありふれた象徴―正義、力、自由のような―の中にクレープのヴェールの下で謎めいて恐ろしくきらりと輝いたものがあった。この象徴は黒い服を着て、糸杉の冠を被った人によって表されていた。そしてそれは特に王妃の注目を引きつけた。

彼女は自分が立っている場所から離れることができなかった。国王の安全を確信したけれども、彼女はこの薄暗い突然現れし者から目が離せなかった。ついに彼女は舌の鎖を緩める努力をし、特に誰にということもなく言った。「あの黒い服を着た糸杉の冠を被った男は誰かしら?」

「首切り役人だ!」彼女を身震いさせる声の答えがあった。

「彼がクレープのヴェールの下に手で運んでいる物は何?」

「チャールズ1世の斧だ!」

王妃は一層青ざめ、辺りを見回した。あたかもその声を以前聞いたことがあったかのように思えた。彼女は間違っていなかった。話していた男は彼女がタヴェルネの城で、セヴレ橋で、ヴァレンヌからの帰還の際に会った男だった。つまりカリオストロだった。叫び声を挙げ、彼女はエリザベート王妹の腕の中に気絶して倒れこんだ。

5章『危険の中にある国』

7月22日、ポン・ヌフの上から大砲が発射され、パリ中が震えていた。大砲は一日中、人々を驚かせていた。国民衛兵によって構成された6つの軍隊が夜明け前に市役所に集まっていた。2つの行列が組織され、パリ及び郊外の通り中に国家の非常事態宣言を運んだ。これを思いついたのはダントンだった。彼はセルジャンにプログラムを準備するように頼んだ。セルジャンは本業の彫刻師としては中くらいでも、人目を引くような見世物を作る腕前には大変優れていた。

行列は朝6時に開始した。最初の軽騎兵の分隊の後ろには6機の大砲が続いていた。その後から来た馬に乗った4人の将校たちはたくさんの旗を持っており、その旗には「自由―平等―憲法―国」の4つの文字が書かれていた。その後に馬に乗った国民衛兵が続いた。彼らもまた「市民たちよ、私たちの国は危機にある」という文字が書かれた大きな三色旗を持っていた。その後をまた6機の大砲が、そして国民衛兵の二団目がしんがりを務めた。行列は広場、橋、交差点ごとに止まった。ドラムの音で沈黙が命令された。1万人の観客は固唾を飲んで、市の役人が大声で読み上げる標語を聞いた。

―国は危機にあるー

この最後のぎょっとする叫びはあらゆる心の中で揺れた。それは国家の、フランスの、生まれ故郷の叫びだった。苦悶の母親の言葉、「助けて、私の子供たち!」という叫びだった。

市のすべての大きな広場では志願兵入隊のための台が建設された。これらの台にはテントがあり、上に三色旗を置き、オークの葉の冠で飾られていた。テーブルには自治体の役人がその印であるスカーフをつけて座り、入隊者に彼らの名前を登録すると同時に素早く証明書を渡していた。台には愛国心に燃えた志願者が名前を登録するために殺到した。中には年齢を詐称するものさえいた。志願兵に登録できなかったものは恥ずかしさで、顔を手で覆って隠していた。

興奮はあまりにも大きく、人々はあまりにも熱狂していたので、国民議会はその影響に驚いた。4人の議員がパリを越えて、あらゆる方向に派遣された。彼らの仕事は次の言葉をいうことだった。「兄弟たちよ、私たちの国の名前において、暴徒はいない。宮廷は国王を邪魔にならないようにする言い訳を挙げるために、持ちたいと思っている。宮廷に口実を与えてはいけない。彼は私達と共にいなければならない。」その時、恐ろしい言葉を撒く人が人をだます囁きで、付け加えた。「彼にとって罰は必要である。彼は処罰されなければならない!」彼とは誰か明らかにされていなかったが、その代名詞に当てはめる人をみんな十分よく知っていた。

テュイルリーの国王の部屋にルイ、マリー・アントワネット、王家の子供たち、ランバル公爵夫人が集まっていた。彼らは一日中出掛けなかった。彼らは自分たちの運命がその大きな厳粛な時に巻き込まれているのを感じていた。国王一家は最後の銃が発射されたのを知った真夜中過ぎまで離れなかった。郊外への招集以来、王妃は古い棟で眠ることができなかった。彼女の友人たちは国王の部屋と王太子の部屋の間の部屋を取るように説き伏せた。

ある晩廊下で二人の男が争っているような音が聞こえた。カンパン夫人が様子を確認しに行くと、王妃を殺そうとした男が侍従に捕えられていた。男は国王の化粧室の使用人だった。そこで国王は王妃を説得し、誰かと部屋を共有させることにした。そして王妃はカンパン夫人を選んだ。

非常事態宣言がなされた翌日の夜10時頃、カンパン夫人は目を覚ました。そして王妃が痛みで眠れていないことに気付いた。

「私はいつも苦しんでいます。でもこの苦しみは長く続かないことを望みます。1ケ月以内にこの月光は私たちを自由にし、鎖から解放してくれるでしょう。」

「ではラファイエットの救助をお受けになったのですね?そして逃亡するのですね?」

「いいえ、1ケ月以内に私の甥のフランツ皇帝がパリにいるでしょう。」

「それは確かですか?」

「ええ、すべては決まりました。オーストリアとプロシアは同盟関係にあります。合体した2つの力がパリを行進するでしょう。私たちは確かにそのような日が来ると言うことができます。私たちの救援者がヴァレンシエンヌにいる日を、ヴェルダンにいる日を、パリにいる日を!」

「あなたは恐れていないのですか―?」カンパン夫人は話のを止めた。

「―暗殺されるのを?」王妃は文を完結させて、言った。「そうかもしれない!私はそれを知っています!でもどれがどうだというの、カンパン?危険を冒さない人は誰であれ、何も手に入れることはできないわ!」

「同盟者たちがパリに到着したい日はいつなのですか?」

「8月15日から20日の間」

「神がそれを与えてくださいますように!」カンパン夫人が言った。

幸運にも神はそれを与えなかった!いや、むしろ彼は願いを聞き届け、フランスに予期せぬ援助を送った―マルセイユの人々だ!

6章『ラ・マルセイエーズ』

ストラスブールはオーストリアの属国からかろうじてのがれており、フランスの最も固い土塁の1つとなっている町だった。戦争に関する問題が起こってから半年、若く熱心な志願兵で構成された愛国的な大隊がストラスブールに集まっていた。

町長のディートリッヒが自分の家に勇敢な若者たちを招待した。町長の二人の娘と12~15名の仲間たちが迎えた。お客の中にしばしばディートリッヒ家を訪れていたフランシェ・コンテ出身の高貴な若い紳士がいた。名前をルジェ・ド・リスルと言った。彼は20歳で技術将校としてストラスブール守備隊に属していた。

人々は自分について語らず、皆フランスについて語っていた。人々は歌を歌いたくなったが、「何とかなるさ」は昔の市民戦争の歌なので、今の愛国的で友愛の精神を表す、そして外国の敵を威嚇するような歌が欲しいと思った。そこでリスルがそれに合った歌を作った。

それが現在のフランス国家となった「ラ・マルセイエーズ」だった。

この時この歌はストラスブールで生まれたので、「ラインの歌」と命名された。

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この章のタイトルは正しくは「THE MARSEILLES HYMN」(=マルセイユの賛歌)なのですが、結局は「ラ・マルセイエーズ」のことだったので、多分原題はそうなっているだろうと思い、そのままずばり書きました。それにしても「ラ・マルセイエーズ」がストラスブールで作られた歌だったとはびっくりです!!それが何で「マルセイユの歌」になったのかは次章で明らかになります。

7章『バルバルーの500名の男たち』

1792年7月28日コブレンツ宣言がパリに到着した。この宣言書にはすべてのフランス人は非難に値し、あらゆる村が破壊され、燃やされるに値すると書かれていた。すべての人が驚き、すぐにけんかの準備をした。

その中の一人のバルバルーはマルセイユ生まれのとてもハンサムな若者だった。彼は若かったが雄弁の技術の練習をし、薬の研究に没頭しながら、ソシュールとマラーと文通をしている愛国者だった。

ある時彼はアヴィニオンで起きた問題の説明のためにパリに行った。そして彼が説明をしていた時にジロンド派が到着した。彼らはバルバルーをすぐにロラン夫人の元に連れて行った。バルバルーは長い間ロラン氏と文通をしていた。しかしロラン夫人は彼を少なくとも40代と思っていただけに彼に若さに驚いた。そしてあまりにも美形過ぎたことで、彼女の信用を失くした。

嵐の気配があった。取り乱した雲が北から南へ、日の出から日の入りまで突進してきた。バルバルーはこれらの雲に運命を与え、テュイルリーの瓦葺された屋根の上に集めた。

バルバルーがルベッキに「死に方を知っている500名の男を送ってくれ」という手紙を書いた時、ルベッキは自分自身でその男たちを選び、アヴィニオンで入隊させた。彼らは2年間戦っていた。実戦の経験に慣れていた。彼らは疲労について語らなかった。鍛え抜かれた男たちは約束の日に簡単な旅行のように出発した。

彼らはオルゴンを越えて休憩をしていた間にバルバルーが送ったルジェ・ド・リスルの歌詞と音楽を受け取った。彼らの一人がそれを解読し、歌った。彼らはこの恐ろしい歌を全員で繰り返した。そしてルジェ自身が想像したよりもずっと恐ろしい物になった。マルセイユの息子たちの口を通して、歌はその性格を変え、歌詞はアクセントを変えた。もはや友愛や外国の侵入者への抵抗の歌ではなく、根絶、市民戦争、そして死の賛歌になった。それが「ラ・マルセイエーズ」だった。このマルセイユ人たちの小さな一群が村から村へ行進して、彼らがこの新しい歌を歌い、その熱意でフランスをぞっとさせた。

バルバルーは彼らがモントルーに到着したことを知るとサンテールに報告に行った。サンテールは彼に4万人の人々と共にシャラントンでマルセイユ人たちに会うことを約束した。バルバルーはその数を計算し、マルセイユの人々が先頭に立って、国民議会や市役所を一挙に移動することを想像した。バルバルーとルベッキはシャラントンに行き、サンテールを待った。サンテールは約束に反しフォーブルからの200名の男たちと一緒にやってきた。多分彼は部外者であるマルセイユの人々にそのような偉業の栄光を与えたくなかったのだろう。彼らはパリに入って、王家の庭園からシャンゼリゼまでラ・マルセイエーズを歌っていた。彼らはシャンゼリゼで野営をした。翌日宴会が開かれた。シャンゼリゼから数ロッズ(1ロッド≒5.03m)離れたところにあった旋開橋の間に「聖トマスの娘」と呼ばれる地区があり、そこに近衛兵の分隊が配属されていた。マルセイユの人々はこのパリの近衛兵たちとけんかを始め、近衛兵たちは王宮に避難した。

連邦主義者、マルセイユの人々、ブルターニュの人々、ドフィネの人々、すべては5万人もの数に上った。これらの5万人の人たちは数によってではなく、信頼によって力を持っていた。革命の精神は彼らの中で具体化していた。

7月17日、彼らは国民議会に次のように送った。「あなた方は国が危険な状態にあると宣言した。しかし、あなたがたは裏切り者の生涯を延長することによってあなた方自身を危険にさらしていないではないか?ラファイエットの後を追わせろ!行政の力を保留にしろ!各部門の住所氏名録を廃止しろ!裁判の力を復活させろ!」

8月3日、ペティヨンはこの要求に対し、自治体の名において、武装の懇願を要求した。そこに彼を駆り立てる2匹の犬―ダントンとセルジャンもいた。ペティヨンは憲法が国王の一時的な停職を禁止しているので、国王の退位を求めるだけでなく、権威を持ってそれを要求すると宣言した。市役所の王がテュイルリーの王に対して戦争を宣言した。国民議会はその提案を即決することにひるみ、王家喪失の問題は8月9日まで延期された。

8月8日、国民議会はラファイエットに対する訴訟は根拠がないという投票を行った。国民議会は明らかに後退していた。

少し戻って、8月3日、ペティヨンが国王の廃位を求めた日にサン・マルソー地区の人々が飢え死にしかかっていた。それに応じて代表がクインズ・ヴァン地区に送られ、サン・タントワーヌ地区の同志に言った。「もし私たちがテュイルリーに対して行進したら、私たちと一緒に行進するか?」「するさ!」それが答えだった。

8月4日、国民議会はモーソンセイユ地区によって公布された反乱宣言を非難した。

8月5日、自治体は国民議会の法案の出版を拒否した。パリの王はフランスの国王に対して戦争を宣言するだけでは不十分だった。自治体は国民議会と反対にその位置を置いた。

これらすべての動きについての報告がマルセイユの人々の元に届いた。バルバルーの男たちは武装していたが、弾薬筒を持っていなかった。そこで彼らはそれをやまかしく要求した。

8月4日、国民議会がモーソンセイユ地区の暴動の動きを非難したことが国外に広がった1時間後、2人の若いマルセイユ人が市長室を訪れた。そこには二人の役人―ダントンの部下であるセルジャンとロベスピエールにしがみついているパニ―しかいなかった。弾薬筒を要求する二人に対し、二人の役人はそれは絶対に禁じられている旨を伝えた。しかし彼らは引き下がらなかった。一人のマルセイユの若者がピストルを取り出し、自分の額に押し付け、「火薬と弾薬筒を与えてください!さもなければ、マルセイユ人の言葉の通り、私は頭を撃って自殺します!」

セルジャンは芸術的な想像力と、真のフランス人の心を持つ人だった。彼は若者の懇願はフランス自身の懇願であると感じた。セルジャンは自分たちの頭を危険にさらす時が来たと言い、自分の頭は危険に置くと言って、マルセイユ人たちに弾薬を配達するための書類を書き、署名した。結局パニもその命令に署名した。

8月6日、国民議会はマルセイユの人々が送った好戦的な請願書を歓迎した。それだけでなく、請願者たちは議会に入る名誉も許された。議会はぎょっとした。議員たちは地方に隠遁した方がいいのではないかという議論までしたほどだった。

ヴェルニオーが言った。「私たちが自由の勝利を守らなくてはならないのは、または女神と共に死ななければならないのはパリでだ。私たちの後には灰だけを残し、私たちの敵が墓を掘らせるのに間に合う時だけ、敵の前から逃げるのだ。」

みんなが疑っていた。みんなが躊躇していた。みんなが地面が震えているのを感じ、自分の足元の下で大きな穴が開かないように願った。

8月4日、カミーユ・デムーランは彼自身とダントンのためにテンプル大通りでの集会に参加していた。ガラが羽ペンを持ち、反乱の計画を書きあげた。この計画は練り上げられ、陰謀者は前の立憲国民議会の議員であり、サン・トノレ通りの聖母被昇天教会の向かい側の大工デュプレの家に下宿していたロベスピエールに会いに行った。

カラの計画は真夜中に2つの地区の指導者であるサンテールとアレクサンドルの元に送られた。アレクサンドルはすぐに行進できたが、サンテールの地区はその準備ができていないと言った。サンテールは6月20日の王妃との約束を守った。反乱は延期された。

マルセイユの人々はポン・ヌフの入口にある古いコルドリエ修道院に移り住んだ。これは彼らとダントンとのつきあいをもたらした。反乱の場合、これらの恐ろしいマルセイユの人々はダントンの機動力と共に出発しただろう。もし動きが成功すれば、ダントンはすべての名誉を得るだろう。

ほとんど絶望していたバルバルーはパリを離れ、マルセイユに戻る準備をしていた。しかしここでバルバルーはロベスピエールの存在を思い出した。バルバルーはロベスピエールに会見を求めた。ロベスピエールはバルバルーとルベッキに彼の下宿に会いに来るように伝えてよこした。二人はデュプレの家に向かい、ロベスピエールが下宿している屋根裏部屋に入った。ロベスピエールは巧妙な手腕で話を進め、賢明な慎重について話した。ルベッキはロベスピエールをこれ以上遠くに行かせなかった。「ロベスピエール、私はあなたがどんな立場かわかりましたよ。」ロベルピエールは顔に爬虫類のとさかが立ったように椅子から飛び上がった。ルベッキも立ち上がり、言った。「来い、バルバルー!私たちはもう国王より独裁者を望まない!」二人は急いで立ち去った。

パニは二人と共にやってきて、彼らを通りまで追った。「ああ、きみたちは物事を間違った終わりで掴んだよ!きみたちはロベスピエールの考えを理解していない。彼は単に一時的な権威を望んでいるだけだ。もし誰かがきみたちが考えているような考えを最後までやり通すとしたら、きっとロベスピエールよりおいて他はない―。」

バルバルーはパニを遮った。そしてすでに彼の仲間によって話された言葉を繰り返した。「国王より独裁者はもういらないんだ!」それから彼はルベッキと共に急いで去った。

8章『王妃を逃亡させたがらなかったもの』

テュイルリーは防戦の状態に置かれていたが、今や効果的な守備隊と共に要塞になっていた。8月5日の前の晩、スイス傭兵の大隊がクールブヴォワからテュイルリーに連れてこられた。彼らの一部は国王が避難場所として求めていたガーヨンに送られた。

3人の信頼できる男たち、3人の経験豊かな司令官が王妃の近くに配置された。マイヤルドと彼のスイス兵、デルヴィリィと彼のサン・ルイ騎士と立憲守備隊、そしてマンダと国民衛兵であった。

8月8日の夕方、ジルベールが王妃の部屋を訪れた。王妃は興奮した口調でジルベールの来訪を喜び、うれしそうで満足そうなその様子にジルベールは身震いがした。

「私は来るのがあまりにも遅すぎて、悪い時に来てしまったのではないかと恐れています。」

「まあ、逆よ、先生!」彼女は微笑―彼女の口からほとんど忘れられていた表情だった―と共に答えた。「あなたはまもなく私が長い間あなたに見せたかったものを見るわ。―国王よ、真の国王よ!」

「あなたはご自分をだましておられるのではないでしょうか。そして私に国王ではなく、単に地方の司令官を見せるだけではないでしょうか。」

「ジルベールさん、私の心の中では国王は単に『私は望まない!』と言う人ではなく、『私は望むだろう』と言える人なのよ。」

王妃は有名な拒否権を暗にほのめかしていた。それは彼女が今自分自身を見つける極度に屈辱的な状況に導いたものだった。

「ええ、そしてとりわけあなたの目の中では国王は自分自身に報復する人なのですね。」

「誰が彼自身を守るのです、ジルベールさん!あなたは私たちが公然と脅かされていることを知っているはずですよ。私たちは強い武力で攻撃されそうです。そう、私たちは断言します。マルセイユから来た500人の男たちがいることを。バスティーユの廃墟に宣誓したバルバルーとかいう男に導かれて。そして彼らはテュイルリーの廃墟で野営するまではマルセイユに戻らないでしょう。」

「私はその効果について聞いています。」

「それはあなたを微笑ませなかったの?」

「それは私を不安にさせました、あなたと国王のために。!」

「あなたはここに来て私たちが退位し、バルバルーさんと彼のマルセイユの人々の手に慎重に委ねられることを提案しにくるほどですか?」

「ああ、マダム、もし国王が退位することが出来たら、それはあなたとあなたたちの子供たちと同様に彼の王冠、彼自身の命の生贄によって守られるのです!」

「あなたはその助言を彼に与えに来たのですね、ジルベールさん?」

「はい、私は彼の足元に跪き、それに従うように懇願します。」

「ジルベールさん、あなたの意見はとても安定していないと言うことを許して頂戴。」

「私の考えはいつも同じです。私の国王と私の国に献身的で、私はいつも憲法と調和した国王を見たいと願っています。この望みから連続する言い逃れや私が陛下に提案する名誉をいただいた様々な助言が生じたのです。」

「この瞬間にあなたは私たちにどんな助言を与えてくれるの、ジルベールさん?」

「この瞬間にそれに従うよりよい状況はないと思います。」

「聞かせなさい!」

「私はあなたに逃げることを忠告します。」

「逃げる?」

「ああ、マダム、あなたはそれが可能であること、そしてあなたには成功をもたらすような設備がないことを十分ご存じのはずです。」

「それで?」

「あなたはすでに宮殿内に3000名近くの兵士をお持ちです。」

「5000名近くよ。」王妃は満足の微笑と共に言った。「そして最初の合図で2倍に増やすことができるわ。」

「多分盗み見されるような合図をする必要はありません。あなたの5000名の兵士たちで全く十分です。」

「ではジルベールさん、あなたの考えでは私たちはこれらの5000名の兵士たちをどう扱うべきなの?」

「彼らの真ん中にあなた自身を国王とあなたの尊い子供たちを置いてください。そのような動きがわずかでも予期された時にテュイルリーを去るのです。2リーグ遠いので、馬に乗って、ガーヨンとノルマンディに入るのです。そこはあなたが期待されている場所です。」

「それはラファイエットに私自身を任せるということですか?」

「彼は少なくともあなたに献身を示しています。」

「いいえ!これらの5000人の兵士と最初の命令で駆けつける更なる5000名とともに他のことを試すことを望みます。」

「あなたは何を試みるつもりなのです?」

「この反乱をすぐに永遠に鎮圧することです!」

「ああ、マダム、彼が私にあなたが運命づけられたと言ったのは正しかった。」

「何と言いました?」

「私は敢えてその男の名前を繰り返しません、マダム。―あなたに3度話しかけた男です。」

「お黙りなさい!」王妃は青ざめて、言った。「彼はうそつきで、偽の予言者であることが証明されます!」

「あなたが致命的に自分自身に目隠ししていることを私はとても恐れています。」

「ではあなたは彼らが敢えて私たちを攻撃してくると思っているのですか?」

「大衆の心はその方向に傾いています。」

「そして民衆はここに再び入ることができると思っているの、6月20日のように?」

「宮殿は十分強化された場所ではありません。」

「いいえ、もしあなたが私と一緒に来れるのなら、私はあなたに私たちがしばらく抵抗できるかもしれないことを見せてあげましょう。」

「あなたに従うのは私の義務です。」ジルベールはお辞儀をして、言った。

「それではいらっしゃい!」王妃は言った。そしてジルベールに先行して、真ん中の窓に向かい、彼女は彼にカルーゼルの中庭を注意して見るように言った。そこで彼らは宮殿の全体の前に延びている非常に大きな広場ではなく、壁によって閉じられている3つの小さな中庭を見ることができた。―中庭は花の別館に付属しており、王子たちの中庭と呼ばれていた。中央の中庭は宮殿の名を取ってつけられた。そしてもう1つは今ではリヴォリ通りによって閉ざされたものでスイス中庭と呼ばれていた。

「そこを見なさい!」

ジルベールは壁に狭い銃眼が開けられていたことに気付いた。それはもし暴徒に向けて発射し始めることが必要になった時に守備隊に優位をもたらすだろう。もし最初の前哨部隊が押し進められたら、守備隊は中庭に開いているあらゆるドアから宮殿の中にだけでなく、側面の建物にも退却できることができた。そのため危険を冒して中庭に入ってきた愛国者たちは二つの発射の間にいることに気付くだろう。

「あなたはそれをどう思って?」王妃が尋ねた。「あなたはまだバルバルーさんと彼の500名の男たちに彼らの活動の目的を貫くように忠告していただける?」

「もし私の忠告がそのような狂信者たちに聞き入れてもらえるのであれば、私は彼に私があなたに薦めたものと似た方向を薦めるでしょう。私はあなたに攻撃を待たないように頼みに来たのです。私は彼らにそのような攻撃をしないように頼むでしょう。」

「それで彼らがあなたの助言を無視したら?」

「あなたがそれを無視したようにですか?決して従われない助言を絶えず求めることは人間性の不幸です。」

「ジルベールさん、王妃は微笑みながら言った。「あなたが私たちに与えた助言は求められていないものであることをお忘れのようね。!」

「そうですね。」ジルベールは一歩後ろに下がった。

「でもこれが」王妃は彼女の手を医師に差し出しながら言った。「それに対して私たちにとても感謝させたとだけ言っておきましょう。」

ジルベールの唇にかすかな疑いの微笑が浮かんだ。

その瞬間何台かの荷車がオーク材を積んで、カルーゼル中庭に運ばれていった。そこにいた彼らは簡素な服を着ていたにも関わらず明らかに兵士と認識できた何人かの人々に明らかに期待されていた。これらの男たちはこれらの厚板をのこぎりで切って、6フィートの長さで、3インチの厚さにしていった。

「あなたはあれらの人たちが誰か知っているかしら?」王妃が尋ねた。

「技師のように見えますが・・・」

「そうです。彼らは窓をふさぎ、発射のための銃眼だけ開いておく準備をしているのです。」

ジルベールは悲しげに王妃を見た。

「あなたは何か言いたいの?」彼女は尋ねた。

「私は心からあなたをお気の毒に思います。あなたの記憶にこれらの言葉を持ち続けさせ、あなたの舌にそれらを離させることを。」

「なぜそう思うの?女性にとって男性を準備させておくことが必要な状況なのですよ、そしてその時彼らは―」

彼女は話すのを止めた。しかしまもなく付け加え、彼女の分と言うよりむしろ彼女の考えを完結させた。「しかし国王が決意したのがこの時なのです。」

「あなたがあなたの安全なドアとみなしたことを私に理解させたこれらの恐ろしい極端な状態をあなたが決意されたように、私は宮殿に。―例えばルーヴル・ギャラリーの側から、隣接している宮殿から―近づくすべてのものに対し防御する準備をすることを望みます。」

「ああ、あなたは私を考えさせる。私と一緒に来て頂戴。私は私が与えた命令が実行されているか確信したいわ。」

彼女は彼女の部屋の棟を通ってジルベールに先行し、美術館に連結している花の別館に続いているドアまで行った。

ドアは開かれており、ジルベールは作業員たちがギャラリーを20フィートの長さの空間に分けているのを見ることができた。

「分かったでしょう!」彼女は言った。それから仕事を管理している将校に挨拶して、加えた。「それで、デルヴィリイさん?」

「はい、マダム、もし反逆者が24時間だけ長く私たちを残してくれたら、終わるでしょう。」

「あなたは彼らが私たちに24時間を与えてくれると思う、ジルベールさん?」彼女は医師に尋ねた。

「もし何かが進行中なら、8月10日前ではないでしょう。」

「10日?金曜日?暴動にとっては悪い日だわ!反逆者たちは日曜日を選んでくれるくらい頭がいいだろうと仮定したいわ。」

彼女は歩き続け、ジルベールはその間後を追った。彼らが美術館を去ろうとしていた時に制服を着た将官に出会った。

「マンダさん」王妃は言った。「あなたの準備はすべて整って?」

「はい、マダム。」将校はジルベールを疑わしそうに見ながら答えた。

「ああ、あなたはこの紳士の前では話すことができますよ!」王妃が言った。「彼は私たちの友人です。そうでしょう、先生?」彼女はジルベールに振り返って、付け加えた。

「はい、マダム。」ジルベールは答えた。「最も献身的な友人の一人です。」

「その場合は」マンダが言った。「別な問題があります。市役所に配置している国民衛兵の分隊と、ポン・ヌフに配置しているもう1つの分隊は反逆者たちを通過させます。デルヴィリイ氏と彼の紳士たち、そしてマイヤールド氏と彼のスイス兵が反逆者の前で偶然出会う時、彼らの退却は止められ、彼らは完全に鎮圧されるでしょう。」

「わかったかしら。―あなたの8月10日は6月20日にならないことを」

「ああ、マダム、私はだから恐れているのです!」

「私たちのために?―私たちのために?」王妃はしつこく繰り返した。

「マダム、あなたは私が陛下にお伝えしたことをご存知です。私はヴァレンヌをとても遺憾に思うので―」

「ええ、―そんなにまじめにあなたは今ガイヨンを薦めるのですね!あなたは私と一緒に地下に行く時間はあるかしら、ジルベールさん?」

「もちろんです。」

「では、いらっしゃい!」

小さな螺旋階段を通って彼女は下層階に導いた。それはスイス隊によって強化され、防御されていた本当の野営地だった。窓はすでに王妃が表現したように目隠しされていた。彼女は大佐のところに行き、尋ねた。「マイヤールドさん、あなたはあなたの兵士たちに何と言うの?」

「彼らは私のように陛下のために死ぬ準備ができています!」

「彼らはその時私たちを最後の極限まで守ってくれるかしら?」

「彼らが一度発射し始めたら、彼らが止めるのは国王によって書かれた命令によってだけです。」

「聞きましたか、ジルベールさん?宮殿の外側はすべてが悪意だけれども、内側はすべてが忠誠なのです。」

「それは慰めです。保証がありません。」

「あなたはとても希望を失わせていることがわかっているの、先生?」

「王后陛下は私を彼女が行きたいところに案内しました。彼女は私が再び彼女を彼女自身の部屋に案内することを許してくださいますか?」

「喜んで。でも私は疲れているので、あなたの腕を貸して頂戴!」

ジルベールはこの傲慢な願いの印にお辞儀をした。それは数人の懇意な友人以外には王妃が滅多に与えないものだった。―とりわけ彼女の不幸な日々が始まってからは。

彼は彼女を彼女の部屋に再び案内した。マリー・アントワネットは肘掛け椅子の中に身を沈めた。

ジルベールは彼女の前に片膝を落とし、言った。

「マダム、あなたの畏れ多い配偶者の名において、あなたの親愛なる子供たちの名において、あなた自身の個人的な安全に為にもう一度私はあなたにあなたが持っている軍事力を戦闘のためではなく、逃亡のために使うことを懇願します。」

「7月14日以来、私は国王が恨みを晴らすのを見たいと望み続けてきました。その時が来たのです―少なくとも私たちはそう思っています。私たちは私たちの王家を救うこともテュイルリーの廃墟の中に埋めることもしないでしょう!」

「何もあなたをこの致命的な決意を捨てさせることができないのですか?」

「何も!」王妃は話しながらジルベールに手を差し出した。一部分は彼に立ち上がるようにという合図をするために、そして一部は彼がキスをするために。

ジルベールはうやうやしく彼女の手にキスをした。そして立ち上がった。

「陛下は私に数行書くためのペンを与えてくださいますか?私にはとても急を要すると思われるので、それは一瞬たりとも遅れてはなりません。」

「そうなさい。」王妃は彼にテーブルを指して言った。

ジルベールは座って、これらの3行を書いた。

「来てください!王妃を説得して逃亡させることができる友人がいないのなら、彼女は死を免れない危険の中にいます。そして私はあなたは彼女に何らかの影響をもたらすことができる唯一の友人だと信じています。」

彼は署名した後、その手紙を王妃に向けた。王妃は言った。「あまりにも知りたがることなく、誰に書かれたかを知ることを私は喜ぶべきなのかしら?」

「シャルニー伯爵宛です!」

「シャルニー伯爵?」王妃は叫び、青ざめ、震えた。「なぜあなたは彼に手紙を書いたの?」

「彼は陛下を説得して、私があなたを説得してできかなったことをすることができるかもしれないと思ったからです。」

「シャルニー伯爵はあまりにも幸せすぎて、彼の不幸な友人たちを思い出していません!」

ドアが開き、案内人が入ってきて、言った。「シャルニー伯爵が到着したばかりです。そして陛下に拝謁する許可を求めています。」

王妃はもはや青白くなく、死んだように青ざめた。彼女は理解できない言葉を口ごもった。

「彼を入らせなさい!彼を入らせなさい!」ジルベールが言った。「天が彼を送ってくれたのです!」

シャルニー伯爵が海軍の制服を着て、ドアに姿を現した。

「ああ、入ってください、伯爵!」ジルベールが彼に言った。「私はあなたに手紙を書いていたところだったんですよ!」そして彼は伯爵に手紙を手渡した。

「私は陛下の危険について聞きました。そして参りました。」シャルニーは低くお辞儀をして言った。

「マダム、天の名において、シャルニー伯爵の言うことをお聞きください。彼の声はフランスの声のようになるでしょう!」

王妃と伯爵に恭しくかがみ、ジルベールは立ち去った。最後の希望を持ちながら。

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この章、ほぼ訳しています。オリヴィエ再登場だからです。王妃が呼んだわけではなく、オリヴィエ自らが死ににやってきたんです。ああ、アンドレの心の中はいかに?です。彼女はオリヴィエの王家の忠誠を理解しているので、彼を止めなかったのでしょう。ここから破滅への歯車が回り始めます。

9章『8月9日と10日の間の夜:ダントン宅にて』

8月9日の夜カミーユ・デムーラン、フレロン、ブルーヌ、そしてバルバルーとルベッキはカミーユ・デムーランの家で夕食を共にした。夕食にはデムーランの妻リュシールも同席していた。反乱についての話になったが、それぞれが自分の思いを胸にしていた。夕食後、ダントンの家に行くことが提案されたが、バルバルーとルベッキはマルセイユの人々と会うと言って拒否し、フレロンは市役所で約束があると言い、ブルーヌはサンテールと約束があると言って別れた。これらの人々はそれぞれが自身の独特の糸によって来たるべき出来事と結びついていた。

カミーユとリュシールだけがダントンの家を訪れた。デムーラン夫婦とダントン夫婦はお互いがとても強く結びついていた。二つの家は近くにあった。デムーラン夫妻がダントンの家に到着すると、ダントン夫人が涙に暮れ、ダントンは固く決心している雰囲気で、彼女を慰めようとしていた。女性はすぐに女性の元に行き、男性は男性の元に行った。女性たちは抱き締め合い、男性たちは握手し合った。

「何かあったのか?」カミーユが尋ねた。

「そうありたいね!」ダントンが答えた。「サンテールはなまぬるい。私が思うに幸い明日の出来事は単なる個人的な関心や個人的な指導力の1つではない。いらだちが長い苦しみによって生み出されだされている。一般的な憤り、感情は外国人が接近してくることによって刺激され、フランスは裏切られたということを確信する。―それらは我々が数えなければならない要素だ。48地区のうち47地区で国王の免職に対し賛成票が投じられた。それぞれの地区は3名の代表を送り、地方自治体を結びつけ、国を救うのだ。」

「国を救う?それはかなり曖昧だな!」カミーユは頭を振りながら言った。

「ああ!しかしそれなりに完璧に理解されているよ。」

「それでマラーとロベスピエールは?」

「自然に誰も彼らのどちらとも会っていないよ。1人は屋根裏部屋に、もう一人は地下室に隠れている。仕事がすべてなされたら、きみは彼らが現れるのを見るだろうよ。一人はイタチのように、もう一人はふくろうのように。」

「それでペティヨンは?」

「彼がどこに立っているのかを言うのは鋭い男が必要だろう。4日に彼は宮殿に対して戦争を宣言した。8日に彼は部門の権威に彼はもはや国王に対する責任は持たないと通告した。今朝、彼は国民衛兵をカルーゼル広場に配置するように提案した。今日の夕方、彼は部門に私たちのマルセイユ人を再び国元に返すために2万フランを求めた。」

「彼は宮廷をだまして眠らせたいんだな。」カミーユが言った。

「私もそう思うよ。」ダントンが答えた。

ちょうどその時ロベール夫妻がやってきた。ロベールはサン・タントワーヌ地区を通ってきたが、そこは奇妙に見えたと言った。その様子を語り終わった時にコルドリエクラブからの警鐘が聞こえた。

「よし!私は私たちのマルセイユ人たちを聞いた!私は彼らの合図であることを疑わないよ。」

女性たちはお互い恐怖で見つめ合った。

「合図ですって?宮殿は夜の間に攻撃されるの?」と才気煥発なド・ケラリオ嬢だったロベール夫人が言った。

誰も答えなかった。しかしデムーランは最初の鐘の音で隣の部屋に行き、手にマスケット銃を持って、戻ってきた。リュシールは叫び声を挙げ、彼女が愛する男を意気消沈させる権利はない極めて重大な時間であることを感じ、彼女はダントン夫人の寝室に身を投げ、跪いて、ベッドの上に頭をもたれて、泣き始めた。カミーユが彼女の元にやってきた。「落ち着け!私はダントンの側から離れないよ!」

ダントン夫人は死にかけている女性のように見えた。ロベール夫人は彼女の夫の首にくっついて離れず、一緒に行くことを望んだ。男たちは出かけ、3人の女だけが残された。ダントン夫人は座っていたが、気絶している状態だった。リュシールは跪き、泣いていた。ロベール夫人は部屋を素早くあちこち歩き、あらゆる言葉がダントン夫人の心臓への一撃になることに気付かず、言った。「これはすべてダントンのせいよ。もし私の夫が殺されたら、私は彼と共に死ぬわ、でも私は死ぬ前にダントンを突き刺すわ!」

1時間が過ぎ、ダントンが戻ってきた。「落ち着いて。明日まで何も起こらないよ。二人はコルドリエクラブにいて、軍への招集の準備をしている。私はあなたがたにこの知らせを持ってきた。今夜は何も起こらないよ。その証拠に私は寝るつもりだ。」そして着替えもせずにベッドに身を投げ、5分後には眠っているかのように見えた。

1時にカミーユが戻ってきた。「ロベールは地方自治体に私達の宣言書を運びに行った。不安がらないで。それらは明日だけだ。そしてまだ―」カミーユは疑うように頭を振った。彼はリュシールの肩の上に頭を載せ、眠った。

カミーユが眠ってから1時間半後にロベールが戻ってきた。彼は自治体の役人の代わりにダントンを呼びに来た。彼はダントンを起こした。

「立ち去れ!私を寝させてくれ。明日で時間は十分だ」

ロベール夫妻は自分たちの家に戻った。

まもなくドアのベルが再び鳴った。ダントン夫人がドアを開けると国民衛兵の大尉のような制服を着た20歳の大きな若者が手に銃を持って入ってくるのを許した。

「ダントンさん?」彼は尋ねた。

「あなた!」ダントン夫人は夫を起こそうとして、言った。

「どうした、今何があった?」

「ダントンさん、あなたはそこの下で待たれていますよ。」

「そこの下ってどこだ?」

「自治体の区域です。」

「誰が私を待っているんだ?」

「地区からの委員たちと、とりわけビヨさんです。」

「あの狂人か!よし、ビヨに伝えてくれ、私は行くとな。」

それから若いにもかかわらず上位の階級の記章をつけているその見知らぬ若者の顔を見ながら、ダントンが言った。「すまんが、私の大尉さん、きみは誰だい?」

「僕はアンジュ・ピトゥです。アラモン国民衛兵の大尉です。」

「ああ、これは!」

「バスティーユの征服者の一人です!」

「よし!」

「私は昨日ビヨさんからの手紙を受け取りました。多分ここで騒動が起きるだろうということとすべての善良な愛国者たちが必要とされていることを私に伝えていました。」

「それから?」

「それでそれから出発してきたのです。私に従いたいという部下と一緒に。でも彼らは私のようなよい歩行者じゃないので、ダマルタンに留まっています。彼らは明日いい時間にここに来るでしょう。」

「ダマルタン?なぜ、8リーグも離れているじゃないか!」

「そうです、ダントンさん」

「それでアラモンはパリからどれだけ遠いんだい?」

「約19リーグです。私たちはそこを今朝5時に出発しました。」

「ああ、はあ!それできみは今日19リーグを歩いてきたってわけだな?」

「そうです、ダントンさん!」

「で、きみは到着した―?」

「今日の夕方6時に。私はビヨさんを必要としていたのです。彼は確実にサン・タントワーヌ地区のサンテールさんの家にいるだろうと言われ、行ったのですが、彼はおらず、多分サン・トノレ通りのジャコバンクラブにいるだろうと言われました。それからジャコバンクラブは私をコルドリエクラブに送り、そこで彼は市役所に行ったことを聞かされたのです。」

「で、きみは市役所で彼を見つけたのかい?」

「はい、ダントンさん。それから彼は私にあなたの住所をくれ、言いました。『お前は疲れていないか、ピトゥ?』―『いいえ、ビヨさん』―『ではダントンのところに言って伝えて来い。彼は怠け者で、私たちは彼を待っているとな!』―それで私がここにいるんですよ。」

「畜生!」ダントンはベッドから飛び上がって、言った。「ここに私を恥ずかしくさせる坊やがいる!行くぞ、私の友よ、行くぞ!」

彼は妻にキスをして、それからピトゥと一緒に出掛けた。ダントン夫人はかすかなため息をつき、頭を肘掛け椅子の背中にもたれさせた。リュシールはダントン夫人が泣いているのだと思った。そして彼女の嘆きを尊重した。1時間が終わろうとした時、ダントン夫人は動かないように見えたので、リュシールはカミーユを起こした。それから彼女はダントン夫人のところへ行った。哀れな女性は深い気絶状態にあった。

最初の朝の光がこっそりと窓から入ってきた。その日はよい日が約束されていた。しかし痛ましい前兆であるかのように、空は血のように赤かった。

10章『8月9日と10日の間の夜の間:テュイルリーにて』

テュイルリーでは女性たちが泣き、祈っていた。彼らはいつもの時間に全員で夕食を摂った。彼らがテーブルを去った時にエリザベート王妹とランバル公爵夫人が閣議室に戻っていった。そこで国王一家はあらゆる報告を聞くために夜を過ごした。しかし王妃は国王を自分の部屋に連れて行こうとした。王妃は国王が鎖帷子をつけていないことを指摘した。しかし国王は今の戦争状態でみんなが自分のために身を危険にさらしている時に臆病であってはいけないと思い、彼ら同様に身を危険にさらすことにした旨を伝え、自分の私室に聴罪司祭と一緒に入っていった。王妃は再び閣議室に加わった。

「陛下は何をなさっているのですか?」ランバル公爵夫人が尋ねた。

「彼は告解をしているのです!」王妃がはっきりと言い表せない調子で答えた。

その時ドアが開き、シャルニーが現れた。彼は青ざめていたが、完全に落ち着いていた。

「国王とお話しできますか?」彼は王妃にお辞儀をしながら、尋ねた。

「たった今、国王は私自身です!」彼女は答えた。

シャルニーはその他の誰よりもよいことを知っていた。それにもかかわらず彼は強く主張した。

「あなたは国王の部屋に行って来れますよ。但し、私はあなたが彼をものすごく混乱させることを保証します。」

「私は理解しています。国王はペティヨン氏と一緒ですね。彼は到着したばかりです。」

「国王は聴罪司祭と一緒にいるのですよ。」

「それではあなたに宮殿の総大将として私は報告しなければなりません。」

「ええ、もしあなたがご親切にそうしてくださるなら。」

「私は陛下に私の戦力について説明するのを光栄に思います。馬上の憲兵600名がリュリエール氏とド・ヴェルディエール氏によって指揮され、ルーヴルの大広場に戦列を準備しています。徒歩のパリ憲兵が壁の中で厩舎に配置されます。150名の分隊トゥールーズ邸宅の守備隊を作るために派遣されています。もし必要ならば、金庫、勘定書の記録、そして特別金庫を守るためです。徒歩のパリ憲兵は壁の外側に30名だけで構成されていますが、王子たちの中庭に通じる小さな王家の階段に配置されます。200名の将校と古い歩兵または騎兵の兵士たち、50名の若い王党派、同じくらいの数の紳士たち―350または400名の戦士たち―が雄牛の間と近くの通路に集められています。200または300名の国民衛兵が中庭と庭園にまき散らされています。最後に宮殿の本当の戦力を構成する400名のスイス兵は異なる持ち場―大玄関の間の下と階段の下部―を割り当てられています。そこを彼らは守ることを明示されています。」

「それで、これらすべての方策がとても勇気づけられるのもではないのでしょう?」

「陛下の戦争状態が危機に瀕している時、何も私を満足させません。」シャルニーは答えた。

「それで、あなたの意見はまだ逃亡なのですか?」

「私の助言はあなたのためにあなた自身を、国王を、そしてあなたの尊い子供たちをあなたの兵士たちのまさに真ん中に置くことです。」

王妃は急に動いた。

「あなたはラファイエットを嫌っておられます!それからあなたはリアンクール公爵を信じています。彼はルーアンにいます。彼はカンニングという名前のイギリスの紳士から大邸宅を借りています。その地方の将軍は彼の軍に国王への忠誠を誓わせています。私たちが頼りにしているサリ・サマンドのスイス大隊は道沿いに分配されています。今のところはすべてが落ち着いています。「旋開橋」を通って、シャン・ゼリゼの端の「星の柵」を通って宮殿を離れるのです。解散した立憲守備隊の300名の騎士たちがそこで私たちを待っています。ヴェルサイユで私たちは容易に500名の紳士たちを私たちの軍の構成員に加えることができます。4000名の男たちと共に私は陛下が行きたいと望むところのどこにでもお連れする責任を持つことができます。」

「ありがとう、シャルニー伯爵。あなたを最も親しい友人と離れ、そして別な奉仕を申し出ることに導いている献身を私は十分に理解しています。」

「王妃は理にかなっていません。」シャルニーが遮った。「私の君主の命はいつも私の目の中のあらゆるものの中で最も大切なものです。義務はいつも全ての美徳の中で最も大切であるように。」

「義務―そうですね。」王妃は口ごもった。「しかし、みんなが義務を果たそうと決心しているように見えるように、私もまた私の義務を理解していると思います。私の義務は貴族と王家の偉大さの保持です。そしてもし王家が殴り倒されても、それが立派に名誉の柱で倒れるのを見ることです。―古代の剣闘士たちがいかに優雅に死ぬかを研究していたかのように。」

「これは陛下の最後のお言葉ですか?」

「とりわけ私の最後の願いです。」

シャルニーは挨拶をして、退出しようとした。ドアで内親王たちに再び加わる途中だったカンパン夫人に会い、彼は彼女に言った。「姫様方に頼みなさい。彼女らが持っている貴重なものは何であれポケットの中に入れておくようにと。私たちは多分いつ何時宮殿を離れることを強いられるかわからないので。」

カンパン夫人がこの忠告をランバル公爵夫人とエリザベート王妹に伝えている間、シャルニーは再び王妃に近づいた。

「マダム、」彼は言った。「あなたはある外側からの援助が私たちの重要な手段に加わるかもしれないという望みの中におられるに違いない。もしこれがそうなら、それを私に知らせてください。明日のこの時間までに私は神または兵士たちに今何が起こっているかを説明しなければならないことを覚えておいてください。」

「わかりました!」彼女は答えた。「20万フランがペティヨンに、5万フランがダントンに送られています。この25万フランという金額を通して、ダントンから家に留まっていることを、ペティヨンから宮殿に来ることの約束を手に入れたのです。」

「しかし、この取引においてあなたの代理人たちが信頼できる者だということをあなたは確信しているのですか?」

「ペティヨンはたった今到着しました、―あなたが私に言ったように。」

「そうです!」

「それはあなたもわかっているように重要なことです。」

「それは十分ではない。私は彼が来る前に彼が3度も呼びにやられたことを聞かされています。」

「もし彼が私たちの味方なら、彼は国王と話をしている間、彼の右目に人差し指を置くことになっています。」

「しかしもし私たちの味方でなければ―?」

「もし彼が私たちの味方につかなかったら、彼は私たちの囚人になるでしょう。そして私は彼を宮殿から離れることを許さない最も絶対的な命令を出すでしょう。」

その瞬間彼らは鐘の音を聞いた。

「あれは何です?」王妃が尋ねた。

「警報です。」シャルニーが答えた。

内親王たちは驚いて立ち上がった。

「何が起こったのです?」王妃は言った。「警報は反逆者のトランペットだけですよ。」

「マダム、」シャルニーはこの縁起の悪い音によって王妃よりもかき乱されているように見えた。「私はあの鐘がいかなる重大な動くを予言しているかどうか確かめなければなりません。」

「そして私たちはそれから再びあなたに会えるのですか?」王妃が元気に言った。

「私は陛下の命令で私自身を置いているのです。そして少なくとも危険の影がある限りは私は私の持ち場を離れないでしょう。」

シャルニーはお辞儀をして、出て行った。王妃はしばらく考えて、それから自分自身に言った。「もし国王が告解を終えていたなら、会いに行かなければ!」そして部屋を去るのは彼女の番だった。

その間エリザベート王妹はカンパン夫人にカーネリアンに彫刻されたブローチを見せていた。そこには「犯罪を忘れろ!侮辱を許せ!」という格言が書かれていた。「私はその格言が私たちの敵に少しでも影響を及ぼすのではないかととても不安に感じています。それにもかかわらず私にとっては大切なものです。」彼女がそういうと中庭で一撃が鳴り響き、女性たちは金切り声を挙げた。

テュイルリーに到着したペティヨンは王妃に知らされた。パリ市長の入場はこのような状況下だった。彼は10時半に到着した。国王は彼を待っていた。国王のところに辿り着くためにはスイス傭兵、国民衛兵、そしてポシャールの騎士たちの間を通って行かなければならなかった。彼らは国王がペティヨンを呼びにやったことを知っていた。そして通行を許されたが、階段を上る時にユダや裏切り者と言った通り名が彼の顔に浴びせられた。

ルイ16世はペティヨンを2ケ月近く前の6月21日に彼をとても無礼に扱った同じ部屋で待っていた。ペティヨンはドアを認め、微笑んだ。運命はすでに彼のために恐ろしい報復を準備していた。

入口で市長は国民衛兵の司令官であるマンダによって止められた。

「おや、あなたは市長さんではありませんか?何しにここに来たのです?」

「私はあなたが私に質問する権利を認めないので、その質問に答えることを拒否させていただく。そして私は急いでいるので、目下の者と議論するために立ち止まることができない。」

「目下の者?」

「あなたは私を妨げている。私は急いでいると言った、マンダさん。私は国王に3度呼ばれたからここに来たのだ。自発的に来たのではない。」

「ふう~ん、それならあなたに会ったことを光栄に思って、あなたに何故市警察の委員がマルセイユの人々に夥しい数の弾薬筒を配給し、私は私の部下それぞれに対してたったの3つしか受け取らなかったのかを尋ねたい。」

「何よりも、」ペティヨンは自制心を失うことなく言った。「テュイルリーからもっと弾薬筒をくれるようにという要求がない。国民衛兵それぞれのための3つとスイス兵それぞれのための40の弾薬筒は注文だ。国王が求めたのと同じ数だけ与えられたのだ。」

「この数の相違はなぜだ?」

「国王のために言いますよ。多分彼は国民衛兵を信頼していないのでしょう。」

「しかし、私はあなたに火薬を要求したのです。」

「それは事実です。しかし不幸にもあなたにとってそれを受け取ることは適切なことではなかった。」

「お見事な答えだ!あなたのために適切なことにされたんだろう。注文はあなたから生じるのだから!」

議論は今ペティヨンにとって持ちこたえるのが難しいところにやってきた。幸運にもドアが開き、自治体の理事であるロードレルが「国王があなたを待っています」というメッセージを持って、市長の援助にやってきた。

国王は本当にペティヨンをいらいらしながら、待っていた。国王はペティヨンにパリの様子を聞き、ペティヨンはそれに正しく答えた。

「あなたは私にもっと言うことはないのかね?」国王は言った。

「ありません、陛下!」ペティヨンが答えた。

国王は意味ありげに彼を見て言った。「何も、全く何もないんだね?」国王はペティヨンの目に指が置かれるのを待っていた。」しかしペティヨンは耳を掻いたが、目の近くに指は置かなかった。国王は騙されていた。詐欺師が20万フランを着服していたのだ。

国王がペティヨンに次に何を尋ねたらいいか途方に暮れていたちょうどその時、王妃が入ってきた。

「彼は私たちの友でしたか?」王妃は囁いた。

「いや、少なくとも彼は合図をしていない。」国王は言った。

「それでは彼は私たちの囚人ですね!」

「退出させていただいてもよろしいですか?」ペティヨンは国王に尋ねた。

「お願いですから彼を立ち去らせないでください!」マリー・アントワネットは言った。

「だめだよ。まもなくあなたは自由になるでしょう。しかし私はあなたにもっと言いたいことがある。」国王は声を大きく挙げて言った。「私の私室へ来なさい!」

国王の私室にいた者の耳にとってこれが意味するところは「私はペティヨンをあなた方の世話に任す。彼を注意して見守れ、そして立ち去らせるな。」ということだった。私室にいた男たちは完全に十分理解した。彼らはペティヨンを取り囲み、ペティヨンは自分が囚人になったことを感じた。幸運なことにそこにマンダはいなかった。彼は彼に支給された注文に抗議するのに没頭しており、市役所に行っていた。一斉射撃があった。マンダは市役所で、ペティヨンはチュイルリーで手配されていた。マンダはこの命令を受け取ることを強く抗議し、すぐに行くことを決めなかった。ペティヨンは4人でそれなりの小部屋の30番目の人だった。

「皆さん、呼吸困難なしにここに長くいるのは不可能です。」

これは全員の意見だった。それゆえ誰もペティヨンの退出を反対しなかった。しかし全員が彼の後を追った。彼らは敢えて明らかに彼を引き留めようとはしなかったけれども。

ペティヨンは彼らがやってきた最初の階段を降りた。これらの階段は庭園に開いている地下室につながっていた。彼はすぐに庭園のドアに鍵がかかっているのかもしれないと不安に思ったが、鍵はかかっていなかった。ペティヨンは今やより大きなより空気のような囚人になっていることに気が付いた。しかし、私室と同じくらい安全な囚人だった。それにもかかわらず、より快適には程遠かった。彼の後を追っていた男の一人が彼らが庭園に入った後ペティヨンに腕を貸した。これは法務長官のロードレルだった。二人は宮殿の周りにあるレラスをあちこち歩いた。テラスはランプの列で照らされていたが、国民衛兵がやってきて、二人に最も近いものを消した。ペティヨンは危害に感づいた。ペティヨンはサリ・リザールという名のスイス兵将校に「彼らは私に危害を加える計画をしているのですか?」と尋ねた。「心配しないで、ペティヨンさん!」強いドイツ語口調でこの将校が言った。「国王は私にあなたを見張るように依頼しているのです。そして私はあなたにもし誰かがあなたを殺そうとしたら、彼は私自身の手によってすぐに死ぬことを約束します。」似たような状況下でトリブルはフランソワ1世に言った。「もしそれがあなたにとってどうでもいいことなら、それを瞬間の前になさい、陛下。」

ペティヨンは何も答えなかったが、満月の光が広がるフイヤンテラスまで歩いた。テラスは8フィートの高さの塀に取り囲まれ、2つの小さな門と1つの大きな門があった。これら門は勤王派でよく知られたブット・デ・ムラン地区とフィーユ・ド・サン・トマ地区の兵によって守られていた。ペティヨンは時々小石を壁の上に投げた。彼は国王から2度話がしたいと言われたが、小部屋の暑さを理由に拒絶していた。そしてフイヤンテラスで誰かと会う約束があると言った。「誰との約束ですか?」とロードレルが尋ねた時、国民議会の建物のドアが開いた。「まさに私が待っていたことだと思うよ。」ペティヨンが言った。

「ペティヨン氏の入場許可の命令です。国民議会はパリの状況を説明してもらうために彼を呼び出しています。」

「全くその通り!」ペティヨンは自分自身に言った。それから彼は大声で付け加えた。「私はここにいるよ。私の敵の質問に答える準備ができている。」

国民衛兵はこれはペティヨンの不利になると想像し、彼を通らせた。

今や午前3時近くになっていた。日は明けようとしていた。ただいくらか稀に見ることは、空が血の色だったことだった。

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前章でダントンがデムーランにペティヨンが2万フランを要求したと言っているのに対し、王家は20万フランと言っているのに注目です。18万フランがちょろまかされたってことですね。そして王妃はシャルニー伯爵に「最も親しい友人と離れる」って言っていましたが、最も親しい友人じゃなくって最も愛する妻だろうがannoy!!って思ってしまいました。ラファイエットをとことん嫌うように、アンドレをオリヴィエの妻として認めたくない理不尽な王妃です。

2013年1月24日 (木)

本日予定通り3巻を読了しました\(≧▽≦)/!!

本日予定通り、『シャルニー伯爵夫人』英訳版3巻を無事読了できましたhappy02!!

3巻は他の巻に比べて短かったということもあり、何とか今月中に読了にこぎつけました。最終巻の4巻がまた45章485ページと長いので、2月は28日しかないことを考え、出来る限り早く1月中から4巻に着手したいと思っていたんです。予定通り進んでよかったですhappy01!(スケジュール管理ばっちり?)

いよいよ最終巻です。twitterにちょっと書いてしまいましたが、実はアンドレとオリヴィエが再登場するのは一体いつなのか気になってしまい、ちょっとぱらぱらっと4巻を見てしまったんです。辞書なしで斜め読みでしたが、それでももう号泣ものだったんです。実際ちゃんと意味を把握しながら読んだら、もう涙で先に進めない状態、そうまさしく『ダルタニャン物語』の『ブラジュロンヌ子爵』のポルトスの最期から陥った状態になってしまう!!と感じてしまいましたcrying。ああ、もうそこに関しては全編翻訳のつもりです。

但し、この小説がどういう結末で終わるのかまでは知りません。ただ、結末に関するところで、うっかりネタバレされてしまったことがあるんです!それは4巻の目次を見ていたら、「何??これ、まさにネタバレなんですが・・・sweat02」ってタイトルがあって、ちょっとだけわかっています。でもその件はそうなるんじゃないかなあって予測していたことなので、全然驚かなかったです。それよりアンドレとオリヴィエの件の方が私には余程衝撃的でしたcrying。まあ、この二人に思い入れがあって、この小説を読むって暴挙に出たのですから当然ですけどね。

そういえば、『シャルニー伯爵夫人』には『王妃の首飾り』でオリヴィエが王妃の寵愛を巡って戦ったライバルであるアンドレの兄のフィリップが出てこないんです。前作の『アンジュ・ピトゥ』で死んじゃったんだろうなあ・・・(殺された?)まあその辺りは東様が翻訳中の『アンジュ・ピトゥ』を読むことで知ろうと思います。

という訳で、ブログのあらすじもUP完了しました。明日から心置きなく4巻に着手できます!いや、もう今日から着手しちゃうかも?

『シャルニー伯爵夫人』英訳版3巻読了\(≧▽≦)/:その4<ネタバレ注意>

*以下、『ジョゼフ・バルサモ』及び『王妃の首飾り』を未読の方はネタバレご注意ください。あと全文翻訳している章が正しく翻訳されているかどうかは保証しません。あくまで私の理解なので・・・sweat02

31章:新しい議会

新しい立法議会は1791年10月1日に召集されることになっていたが、ビヨや他の代表のほとんどすべてが9月の後半にはパリに到着していた。

新しい議会は745名の議員で構成されていた。その内400名は弁護士や事務弁護士、72名が作家、新聞記者、詩人、70名が護憲派聖職者、残りの203名が地主、農場主、機会の仕事に従事している人だった。

これらの新しい代表の最も注目に値する特徴は若いことであり、彼らのほとんどが26歳を超えていなかった。またほとんどすべてが教育された人たちだったが、十分なエネルギーと情熱と信念への勇気はあっても国についての出来事をほとんど、または全く知らない人達でもあった。

国内では市民戦争への強い共感があった。また外では外国との戦争も噂されていた。若い男たちは単に議員であるだけでなく、戦士でもあった。

ジロンド派は戦争の場合には20~50歳の男たちを国境に派遣することを議会に申し入れていた。

議会にはもう貴族はいなかった。議会全体が2つの敵―貴族と聖職者―に対して配置されていた。国王に関しては代表たちは適合性があるものとみなして扱った。彼は一般的に哀れみの対象であり、人々は国王が悪い影響を与える王妃、貴族、聖職者から逃れられることを望んだ。も国王が彼らを支持したら、国王は彼らと共に押しつぶされるべきである。彼はもはや国王と呼ばれることも、ルイ16世と呼ばれることも、陛下と呼ばれることもなく、単に行政長と呼ばれていた。

新しい議会の最初の行動はテュイルリーに代表団を送ることだった。国王は代表団を代理人が受け入れるという大失態を犯した。更に都合が悪いので3時に出直すようにと命じた。

議会に戻ってきた代表団に詳細報告を受けた代表たちは驚いたが、クートンは待っている時間を有効に使おうと動議の時間にあてた。

1つめは国王の陛下という尊称をやめること。これは熱狂的に承認された。代わりに何と呼ぶかという議論になった時に、「フランスの国王カペー氏」と提案したのはビヨだった。

2つめは国王が入った来た時は立っているが、彼が座った時は再び帽子を被って座ること。

3つめは国王の肘掛椅子は議長の左側に置かれること。

いずれも承認され、代表団は再度3時にテュイルリーに向かった。今度は国王自らが受け入れたが、ここでも彼は致命的な間違いを犯した。3日間議会に行けないという。「それでは10月4日に」となったが、国王は結局7日まで議会には行かなかった。

国王の不在の下、議会が招集されるのは大きな問題ではなかった。12人の旧議会の議員によって構成された随行が出席した。それから誓いの儀式が始められた。すべての議員は黙り込んで冷たい態度を取った。彼らの多くがこれら全体の不適切な条項は1年続かないだろうと予感していた。しかし、それを支持すると宣誓した。それが彼らに課された形式だったからだ。少なくとも34名の議員はそれを守る意図なく宣誓した。

議会の最初の行動はすぐに市中に知らされた。「敬称はいらない、王冠はいらない、国王のための肘掛け椅子は議長の左側に」これらのすべては「国王はいらない」と言っているの途同じことだった。

いつものように金融関係者が最初に警鐘を鳴らした。政府の公債は価値を大きく下げた。銀行は震え上がった。

10月9日にもう1つの重要な変化があった。新しい法律の条項によって国民衛兵総司令官もいらないということになり、ラファイエットは辞職し、6つの軍隊の長が交替でその任務に当たることになった。

全員が明らかに反対していたにもかかわらず、王家からの議会への訪問は名誉なことと見なされていたので、国王が入ってきた時に代表者たちは立ち上がり、帽子を取っただけではなく、大喝采と共に国王に敬意を表し「国王よ、永遠なれ!」が反響した。しかし同時に前議会メンバーのために確保されていたギャラリーから新しい議員の決定を無視するかのような「陛下よ、永遠なれ」という声が挙がり、クートンが「明日を注意していろ!」と唸った。

国王が演説を始めた。全員が注意を払って聞いた。演説はデュポールによって作られたとても優れたものであり、主に秩序を保持することと最愛の国の防衛のために人々を招集する必要性を論じたものだった。これは優れた効果を発揮した。王党派のパストレルが議長をしていた。国王が演説の中で「愛されたい」と言ったのを聞いて、「私たちも愛されたいです。あなたによって。」と答えた。この返答は大喝采を生んだ。

国王は演説の中で革命は終わったことを当然のことと思っているように見えた。その時の議会は明らかに同意見だった。議会に与えられた印象は市中にも広がった。その夜国王は子供たちと激情に出掛けた。そして雷のような大喝采と共に敬意を表された。多くが泣いた。国王も泣いた。簡単に感動させられなかったけれども、涙を流した。

その夜国王は全ヨーロッパの君主に1791年の憲法を承認したことを通知する手紙を書いた。

翌日クートンは新たな動議を提出した。新しい議会ではあらゆる特権が廃止され、あらゆるギャラリーが一般に公開されるというものだった。この動議は満場一致で可決された。翌日市民が全議員のために確保されていた演壇になだれ込み、立憲議会の影は永遠に消え去った。

32章:『国内と国外』

フランス国内はアヴィニヨンがローマ教皇のアヴィニヨン捕囚によって聖職者の地域と商業地に分かれていたように、複雑な様相を取っていた。ヴァンデでは古い社会制度を支持する献身的な支持者によって革命政府に対して武器が取られていた。ヨーロッパの君主たちもルイ16世からの手紙を受け取らなかったり、様々な対応が取られていた。大西洋の島々でも暴動が起きていた。フランスは哀れなサマダンダーとなり、火に取り囲まれていた。

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この章はフィリップ4世時代のローマ教皇アヴィニヨン捕囚に関する歴史的背景が語られていて、あんまり本筋と関係ないので、かなり省略しました。フランス国王が聖職者とどういう関係性を持っていたのかってところが語られています。クレメンス5世をローマ教皇にするためにした6つの約束とか。その1つがテンプル騎士団の廃止です。

33章:『戦争』

ヨーロッパの君主たちの動向や亡命者に対し、ブリッソーは君主制ヨーロッパの挑戦を受けるだけでなく、自分たちで攻撃しようと演説した。議会ではブリッソーとヴェルニオーが目立った代表になっていた。

11月8日、貴族に対して次の法令が可決された。「1792年までに戻らない亡命者は陰謀の罪を宣告され、逮捕され、死刑宣告を受けなければならない。」

11月29日には聖職者に対して次の法案が可決された。「8日以内に市民の宣誓をしなくてはならない。」「この宣誓を拒否したものは反体制派の嫌疑をかけられ、権威による監視を受けさせられる。」「もし宗教的不和の支配下の自治体に住んでいる場合には、県の人名録は彼らの引っ越しを発生させるかもしれない。もし彼らが従うことを拒否したら、2年間の投獄を受けるだろう。」「どんな自治体においても秩序の保持のために武装が必要とされる場合は、自治体はその出費を負担しなければならない。」「教会は国によって認可された礼拝の形式としてのみ使われる。この目的のために必要とされない教会はその他の宗教的な目的を認められるが、憲法への忠誠の宣誓を拒否した人間以外にである。」

この声明に対しての抗議がフイヤン派で準備され、タレーランによって署名され、ルイ16世は急を要して聖職者に関する法令に拒否権を要求した。国王の拒否権が通知されるとコルドリエクラブのカミーユ・デムーランが抗議書を準備するように強く主張をした。彼はどもるので、フォーシェが代読し、最初から最後まで大喝采を受けた。

その夜フイヤン派では大きな騒動が起こっていた。多くのメンバーが議員だったが、法令が可決された時に出席していなかった。

議会は議会とフイヤン派の間の戦いになっていた。そして議会はロベスピエールに代表される新しいジャコバンクラブとダントンに代表されるコルドリエクラブに依存していた。ダントンはどんどん人気者になっていた。

奇妙なことに王妃は突然ジャコバン派と共にフイヤン派に対して同盟した。王妃はラファイエットを憎んでいたからだ。ラファイエットがバイイをパリ市長としたいと思っていた時に王党派にペティヨンに投票するように強く訴えた。

12月19日国王は議会を訪問し、聖職者に対する法令に対する拒否権を通知した。

スイスのルーシャテル出身のヴィルショーが自由の敵に対して勝利を勝ち取るための最初の将軍として現れた。そして戦争が国内、海外ともに宣言された。

ヌーシャテルの共和主義者の剣は最初にフランスの国王を、それからその他の国の国王を打ち倒した。

34章『スタール夫人の心にかなった大臣』

ジルベールはウィーンからブルトゥイユがもたらした政治的助言を聞きに王妃が出掛けた間、王妃の私室に待たされていた時以来、王妃には会っていなかった。

6ケ月が過ぎたが、自由は忘れられていなかった。そして外国の君主たちは明らかに彼らの約束を果たすために戦争の準備をしていた。

ジルベールはある朝王家の従者と会い、とても驚いた。最初彼は国王が病気で、それで呼ばれたのかと思った。しかしそうではないことが告げられた。

ジルベールがその呼び出しに従い、すぐに地階の部屋に行くと、明らかに彼を待っていた女性が入口で立ち上がった。女性はエリザベート王妹だった。ジルベールはお辞儀をし、状況をすぐに理解した。国王夫妻は自分たちの名前を使わず、呼び出したかったので、彼女が道具にされたのだ。

エリザベート王妹はジルベールを呼び出したのは国王ではなく、自分だと嘘をついた。そして、嘘を見抜いたジルベールは「あなたが?あなたは健康に関して少しも心配する必要がないと保証しますよ。顔色の悪さは病気ではなく、心配と疲労からです。」と答えた。

エリザベート王妹はジルベールが正しいことと自分が心配しているのは自分自身ではなく、国王についてであることを伝えた。そして国王は病気ではないが、元気がなく、落胆しており、10日間エリザベート王妹以外の人とは口もきいていない状態だと言う。

ジルベールは11日前に国王が拒否権を発動したことを言及した。そして戦争支持のジロンド派の勢いが増していることに触れた。

エリザベート王妹はジルベールに毒に対する解毒剤があるかと尋ねた。ジルベールは詳細を説明する。エリザベート王妹は国王に毒がもられることを警戒して、食事も独自に手配していることを告げる。ジルベールは国王の望むようにしようと申し出る。

その時別な声がした。それは王妃の声だった。

「私は全て聞いています。私はあなたの私達への感情の状態を確かめたいと思っています。」

「陛下は私の忠誠をお疑いなのですか?」

「あまりにも多くの頭と心が私たちが受けた反対によって遠ざけられたので、誰を信頼してよいのかわからないのです。」

「それが王妃がスタール夫人によって考案された内閣をフイヤン派から受け入れたことの理由ですか?」

「あなたはそれを知っているのですか?」王妃は激しく動いて、叫んだ。

「陛下はナルボンヌ氏と交渉したと聞いています。」

「あなたはそれに対して私を猛烈に非難するでしょうね。」

「全然そんなことはありません。あなたは他の多くの物同様にこの経験をなさったかもしれない。国王がその他のあらゆることを試して、失敗した時、多分彼が最初に始めるべきだっただろう場所での始まりで終わるでしょう。

「あなたはスタール夫人と知り合いですか?」

「はい。私がバスティーユを去った時に彼女の父のネッケル氏によって紹介されました。そして私の逮捕が王妃の扇動によるものと知りました。」

王妃は恥じた。ジルベールは王妃の質問に答えただけだと言った。

王妃はネッケル氏について尋ねた。ジルベールは彼は価値のある人物であり、正しいか間違っているかはわからないが、王国の中で最も人気がある人物のひとりであり、自分もその人気によって国王を手に入れたいと思っていると語った。

王妃はスタール夫人についても尋ねた。ジルベールは彼女の才能を認めている一方でその政治的洞察力は過大視されていること、彼女は本質的に中産階級に属しており、英国人を崇拝しているが、イギリス政府の政治機構に通じてはおらず、最近下層階級から生じた人々と十字軍の時代から称号を持っている貴族との間の見分けもつかないことを告げた。

王妃はナルボンヌについてもジルベールに尋ねた。ジルベールは彼は勇敢で、利口で、ふしだらであるという噂と出生が明らかにされていないことを告げた。

「それではあなたはナルボンヌを軍事大臣に受け入れることは間違いだと思っているのね?」

「彼の後継者を受け入れるために失う時間を持たない方がよろしいかと。」

「では、もし誰ならそれができると?」

「デュムーリエです。」

「デュムーリエ?幸運な兵士の?」

「それは間違って解釈された偉大な称号ですよ。」

「彼はかつて一般兵士ではなかったと?」

「彼は地方の紳士ですよ。大佐の地位を買うことなしに、個人として軽騎兵軍隊に入隊し、20歳の時に降伏よりもばらばらに切られることを許したのです。この彼の武勇と注目に値する知性にもかかわらず、彼はその地位で無為に暮らすことを与えられたのです。」

王妃は彼をスパイ行為でルイ15世につかえたこと、ショワズールがデュムーリエがコルシカ人に対して2つの計画を提案したことを告げ、反駁した。しかし、ジルベールはデュムーリエを擁護した。

「もし私たちがデュムーリエを軍事大臣として承認したら、全ヨーロッパに対しての戦争を宣言したことと同じになるでしょう。」

「戦争のその宣言はすでにあらゆる心の中でなされています。あなたは志願兵として名前を登録した人々の人数を知っていますか?60万人です。女性はすべての男性に行けと「いうでしょう。もし女性たちが槍を与えられたら、彼女らは家を自分自身で守るでしょう。」

槍は王妃にとって忌まわしい物だった。「ジャコバン派を説得させ、赤い帽子を採用させたのも妻や母親だと?」

「それではまた私は陛下は間違っていると思います。平等の概念の象徴として必要とされたのです。すべてのフランス国民が同じ服装をさせることは不可能なので、同じ品物が選ばれることに決まったのです。すぐに農民の帽子と。赤は血の色ではなく、陽気で人目を引く色として、いつも一般大衆が好む色として選ばれたのです。」

「ああ、先生、あなたはそのような新しい発明の賛美者なので、あなたが国王の脈拍を槍を持った手で、頭に赤い帽子をかぶって確認するのを見るのにまだ絶望することができません。」王妃は半分苦々しく、半分冗談で、部屋を去ろうとして振り返って、言った。

エリザベート王妹が王妃の後に続いて去ろうとした時にジルベールがほとんど嘆願するような調子で叫んだ。

「あなたは兄上を愛しておられますね?」

「私が兄に感じているのは愛ではなく崇拝です。」

「ではあなたはもし友人から彼宛のちょっとした助言が来たら、喜んで渡すことができますね?」

「もちろんですわ。もし助言が本当によいものでしたら。」

「私の意見では、それは最も優れたものです。」

「ではお話しください。」

「フイヤン派内閣が粉々になる時、それは本当にとても短い期間です。―王妃がとても嫌っている赤い帽子をかぶった人々で全く構成されている内閣を選ぶように彼に助言してください。」

低くお辞儀をし、ジルベールは部屋を去り、宮殿を去った。

35章『デュムーリエ』

ナルボンヌの内閣は3ケ月続いた。そしてヴェルギニョーの演説の1つによってそれが打ち倒された。ジルベールが王妃とエリザべート王妹と会見してから3ヶ月後だった。

国王はデュムーリエと会見した。そして彼を外務大臣にしたいという意向を示した。デュムーリエは国王に奉仕するのが義務とは思っているが自分が適任とは思っていないので、それを固辞する。しかし国王は固い意志を持って彼を説得にあたる。

デュムーリエはもし自分が外務大臣になったら4つの公文書を提案するつもりであること、それが国王の気に入れば目的を貫き、気に入らなければ国境で命令に従う準備があると言った。

退出しようとしたデュムーリエを国王は引き留め、他のメンバーを選出するように言う。しかしデュムーリエはパリに知り合いがいないので、ジロンド派の友人たちに相談したいと言う。更にデュムーリエは4つの提案の件を確認すると、国王は今夜デュムーリエを含めた自分の協議会で決めると言った。

そしてまた去ろうとしたデュムーリエに国王は「いや、ちょっと待って。私はあなたを取り返しのつかない立場に追い込むことを望んでいるのだ。」と言った。この言葉は王妃とエリザベート王妹が入ってくる前に国王の口からほとんど発せられた。

国王は王妃にデュムーリエを紹介した。王妃はフランスの運命に影響を及ぼすことになる男を明らかに興味を持って見回した。そしてジルベールと知り合いかと尋ねた。デュムーリエは違うと答えると、王妃は「彼と知り合いになった方がいいわ。私は彼をあなたの最も優れた予言者として推薦します。彼は3ケ月前にあなたがナルボンヌの後継者になることを予言したのよ。」と言った。

36章『タペストリーの後ろで』

予告通り、その夜指定された時間に閣僚を決定するための国王の協議会が開かれた。デュムーリエは国王が入ってきたドアが半開きになっており、またそこにかかっているタペストリーのカーテンが動いたことに気付き、後ろに誰かがいるのではないかと思った。

デュムーリエが準備してきた4つの公文書は憲法の精神に則った国王の名において書かれたものだった。内容は承認され、スペイン、オーストリア、プロシア、イギリスに送るための急使に手渡され、すぐに出発して行った。

それから閣僚選びが始まった。軍務大臣にセルヴァン、金融大臣にクラヴィエール、内務大臣にはロランが選ばれた。この内閣は「サンキュロット内閣」と呼ばれた。

協議会が終わった後、退出しようとした時に国王の従僕がデュムーリエを引き留めた。国王が少し話があるからということだったが、デュムーリエはすぐに王妃に呼ばれたのだと察する。そして従僕に従って王妃の棟に行くと、そこには怒りを露わにした王妃が待ち構えていた。デュムーリエは王妃を冷静になだめようとするが、効果がなく、却って火に油を注ぐ状態になってしまった。しかしデュムーリエは年の功で狡猾だった。王妃に騙されることなく、それどころか王妃に騙されたふりをして話を進め、何とか王妃を落ち着かせることに成功した。

しかし王妃は絶望しながら窓の外を見ていた。窓からは日々王妃の心を痛める光景が繰り広げられていた。王妃は国民を理解がないと罵倒し、デュムーリエにも自分が女性だということをほとんど信じることができなくなっている時に王妃であることを信じさせようとしたと非難した。

デュムーリエはソファーに身を沈めた王妃のドレスの裾に恭しくキスをして、「私は確実にこの戦いを引き受けます。そしてあなたはもう一度幸せで、力強い君主になることでしょう。さもなければ私はあなたがそういった試みの中で死ぬでしょう。」と言って、部屋から急いで去っていった。王妃は絶望しながら彼が去っていくのを見ていた。「力強い君主!それがまだ可能なら、剣に感謝ね!で幸せな女性なんて、決して、決して、決してなれないわ!」そして王妃は彼女にとって毎日どんどん親愛なる、そして悲しいものになっている名前―シャルニー伯爵の名前だった―をつぶやき、ソファのクッションに顔を埋めた。

37章『赤い帽子』

デュムーリエはブリッソーと共にジャコバンクラブを訪れた。国王の大臣の一人がジャコバンクラブを訪問することは大胆なことであったが、メンバーの対応は冷ややかだった。ジャコバンクラブは赤い帽子を採用していたので、デュムーリエは自分の帽子を放り投げ、彼の近くの席においてあった愛国者の赤い帽子をひったくり、それを被って演台に登った。集まっていた人たちからは大きな歓声が挙がった。しかしロベスピエールはシーシーと声を出し、すぐに静まり返った。

デュムーリエは部屋全体に届く大きな声で自分は国民の意志を実行すること、そして立憲君主の国王の信頼に献身すること、そして外国との交渉は自由な国民の力によって支持され、平和もしくは決定的な戦争が続くために素早く終わらせなければならないことを演説した。そして戦争にあたっては協力と助言を求めた。

デュムーリエの演説は大喝采を受けて終えた。ロベスピエール派は非難を隠さなかった。そしてロベスピエールは演台に上り、演説をした。彼は国だけが偉大であり、尊敬の価値があるとし、彼の要求通り有益な助言を与えることを約束するし、デュムーリエが彼の言葉と行動通りに本当の愛国者及び国民の権利と関心の忠実な保護者であり続ける限り、ジャコバンクラブは彼を支持するが、もし彼が他のどんな正直な市民より上位者として取り扱われたら、そのような区別は許されないので、彼の追放を要求する旨を告げた。

これを受けてデュムーリエはロベスピエールに腕を広げて待っていて、抵抗するロベスピエールを無理やり抱きしめ、その高潔さをたたえた。

夜の11時、デュムーリエはブリッソーと共にロラン氏の家を訪れた。ロラン夫妻はデュムーリエを冷静な目で判断していた。デュムーリエはこの夫婦をもっと観察したいと思ったが、先方から時間だと言われ、退出させられた。

次の朝新閣僚が国民議会で宣誓を行った。それからテュイルリーに向かった。その際にロラン氏のみ服装を理由に入場を拒絶された。デュムーリエが耳にして、仲裁に入り、彼を部屋に入れた。

38章『外国と国内の関係』

1792年3月1日、オーストリア皇帝レオポルド2世が死んだ。後継者は息子のフランツ2世になった。ウィーンにいるフランス大使は彼の宮殿の囚人となり、ベルリンにいる大使はプロシア国王の計画を発見しにくるという噂をたてられていた。プロシアはトルコの反乱とポーランドの革命をけしかける一方、ポーランドとポメラニアとヌーシャテルを少しずつひっかけていた。フランスの公然の敵はオーストリア皇帝フランツ2世とプロシア国王フレデリック・ヴィルヘルムであり、秘密の敵はイギリスとロシアとスペインだった。この連携の長はロシアのエカテリーナ2世のいいなりになっていたスウェーデンのグスタフ3世だった。

フランツ2世の皇帝位継承にあたり、フランスに屈辱を与える目的の外交上の情報がもたらされた。オーストリアの要求は1つめに王国内に所有権を持つ王子たちに満足すること、2つめにアヴィニヨンの返還、3つめに王政を1789年7月23日の体制に再確立するということだった。これらの要求が国王と王妃の秘密の願いと合致していたことはあまりにも明白過ぎた。3年間眠っていたとしか思えないオーストリアの要求にデュムーリエは肩をすくめた。

1792年3月16日にスウェーデン国王グスタフ3世が暗殺された。暗殺の2日後にそのニュースがデュムーリエの元に届き、国王に提出された。マリー・アントワネットは戦争を望んでいた。それが王家の救済になると確信していた。しかし、国王は戦争を嫌がった。もし戦争が宣言されたら、フランスは勝利を証明され、国王は成功した将軍のいいなりになってしまうだろう。敗戦の場合は国民はその責任は国王にあるとみなし、反逆の叫びを挙げ、テュイルリーを攻撃するだろう。もし敵がフランスに侵入し、パリに到達することに成功したら、彼らは王国の摂政である国王の弟を連れてくるだろう。亡命者が戻ってきたら、国王一家への告発がありえた。国王はオーストリア人とドイツ人とプロシア人を信頼していたが、亡命者を信頼していなかった。

オーストリアの公文書が読まれた時、フランスに対して剣を抜く時が来たことが明らかになった。1792年4月20日、国王とデュムーリエは国民議会に出席し、オーストリアへの戦争を宣言した。この宣誓布告は最も激しい熱狂を駆り立てた。

この危機的な瞬間、フランスははっきりと4つの党派に分かれていた。王妃側についていた過激王党派、表向きは国王に属していた立憲王党派、共和主義者、そして無政府主義者だった。過激王党派は海外にいる貴族に代表されていたので、指導者はいなかった。立憲王党派はラファイエット、バイイ、バルナーヴ、デュポールなどのフイヤン派の人々だった。共和主義者はブリッソー、ヴェルギニョー、ペティヨン、ロラン、イスナール、コンドルセ、クートン、無政府主義者はマラー、ダントン、サンテール、カミーユ・デムーラン、ルジェンドル、エベール、ファブル・デグランティーヌ、コロー・デルボワだった。

デュムーリエは彼の関心と名声を高めようとした。ロベスピエールは陰に隠れ、時間を稼いでいた。

最初は順調に見えた進軍も2つの壊滅的な敗走が出て、その長たる貴族は責任を取らせれ、殺された。ジロンド派は戦争を望んでいた。しかし、二重に傷ついていた彼らは宮廷、つまり王妃を告発した。王妃は徐々に憲法によって権威づけされた有名な護衛を組織していた。その数は今や十分に6000人はあった。ジロンド派は国王と王妃を打ち倒す計画の前にこの防衛手段を取り除くことを始めなければならなかった。

突然、白旗が古い軍人学校で見つけられ、それはいつも国王からの贈り物として飾られているという噂が急激に流れた。そのすべてが10月5日と6日の白い帽章の出来事を思い出させた。

同じ頃、バジルが議会に国王の護衛はトゥルネとキエヴランでの敗戦を聞き、喜びの叫びを挙げ、ヴァレンシエンヌが3日以内に占拠され、外国軍が2週間以内にパリ市壁の内側にいるだろうという希望を示していたことを報告した。

5月22日、トゥルネとキエヴランでの敗戦から正確に3週間後、新しくパリ市長に選出されていたペティヨンは国民衛兵の司令官に情報を送り、国王の出発の可能性の恐れと護衛軍を駆り立て、鋭い警戒をさせ、二重の見張りを置かせた。もはや実質の王はペティヨンだった。

バジレは報告の中で国王の立憲護衛隊の解散とその司令官であるブリザック氏の逮捕の許可の公布を薦めた。鉄は熱かった。ジロンド派は蹄鉄工のようにそれを槌で打ちつけた。同じ日、投票が行われ、立憲護衛隊は解散し、ブリザック氏の逮捕が命令された。そしてテュイルリーの保護は再び国民衛兵によって委ねられた。

ああ、シャルニー、シャルニー、あなたはどこにいるの?ヴァレンヌで1年前、300人の軽騎兵の力で王妃を救出しようとしたあなたの試みは失敗した。しかし6000名と男たちと共にテュイルリーであなたは何かを成し遂げられることができないだろうか?

しかしシャルニーは至福の生活を送っていた。アンドレの腕の中であらゆることを忘れながら。

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最後の5行を敢えて書いたのは、アンドレとオリヴィエのラブラブ生活heart04は1年は続いていたんだhappy02!ということがこれで分かったからです。よかった、数ケ月じゃなくって・・・って思ったものでhappy02。この章の主な内容とは全くかけ離れたところに重点を置いている私ですcoldsweats01

39章『グエネゴー通りとテュイルリー』

新しく軍務大臣になったセルヴァンはロラン夫人のサロンでいつも見かけられ、ロラン夫人は彼の女主人であると断言できる状態だった。彼女は夫とセルヴァンを通して、大同盟の祝日及びバスティーユ襲撃記念日の7月14日が近づいているので、パリの近くに2万人の志願兵の野営地の設立を促す内容と反逆者としてみなされている非宣誓聖職者の追放を含んだ手紙を書かせた。

動議は翌日議会で読まれた。ロランとクラヴィエールは承認し、デュムーリエとラコスト、デュラントンは否認した。デュムーリエは国王の大臣であるセルヴァンが軍務大臣の署名でこの動議をしたことを反対していた。議会はこの動議を議論し、通過させた。

国王はこのセルヴァンの動きを全く知らなかったので、この知らせを聞いて驚愕した。そして拒否権を発動するという国王に対し、デュムーリエは暴動を避けるためにもこの法令に承認するよう説得をする。

カーテンの後ろで二人の話を立ち聞きしていた王妃は憤慨する。

40章『拒否権』

法務大臣が聖職者に関する法案が議会を通過したことを報告しに来た。その内容を読んで国王は政治的な問題なら躊躇するが、宗教的問題に関しては絶対に法案を認めないと言う。デュムーリエはまた説得に入る。

そこに王妃が現れ、ロラン、セルヴァン、クラヴィエールに対しての非難と共に口をはさんだ。

デュムーリエは内閣全員を解任することを国王に求めるが、国王はデュムーリエ、ラコスト、デュラントンには残ってほしい旨を告げる。しかしデュムーリエはその3人を残すのなら議会で通過したこの2つの法案に対して承認をする必要があること、そうしなければ国王は民衆から憲法の敵だと見なされてしまい、解任された3人は殉教者を気取り、国王の王冠も命も直ちに切迫した危険の中に置かれるだろうことを告げた。

立ち去ろうとするデュムーリエに王妃が声を掛けた。「あなたは国王にとって私たちを殺すかもしれない2万人の男たちをパリに連れてくる法案を承認することがどれだけつらいことか気付かないのですか?」

デュムーリエはわかっているが、それを過大視し過ぎていると言い、法案が議会に正式に野営地の選定することを正式に許可したら、軍務大臣は将校を任命し、組織形態を決定することを告げた。そして軍務大臣にはセルヴァンの辞任後、自分がなることも告げ、国王夫妻を驚かせた。デュムーリエは自分の野営地に関する考えを述べ、納得させた。

しかし国王は聖職者に関する法案についてはどうしても承認しないと言う。2つの法案の承認は絶対に必要であるというデュムーリエに対し、国王は前述の3人の罷免を条件に同意する旨を伝えた。

デュムーリエが退出した後、国王夫妻は語り合った。

「あなたは彼の提案に同意するように合図をしたね。それに関して何と言わなければなりませんか?」

「最初に軍事手段を認可する。ソワッソンに野営地を確執させる。それからデュムーリエに彼が提案したように兵士たちをまき散らさせる。その後で、私たちは他の法案について最善を尽くすことが何なのかを見るでしょう。」

「しかし彼は私と約束をした。」

「しばらくの間彼は自分の信用を落とすことになるでしょう。そしてあなたはあなたの力の及ぶところで完全に彼を持つことができるでしょう。」

「逆に彼の力の及ぶところで完全に私を持つのが彼になるよ。私は彼に約束を与えてしまったのだ。」

「ばかばかしい!人がド・ラ・ヴォーギュヨン氏によって育てられた時、そのための改善策があるのです!」

国王の腕を取って、王妃は隣接する部屋に国王を連れて行った。

41章『機会』

本当の戦争は今やグエネゴー通りのロラン夫人とテュイルリーの王妃の間で起こっていた。彼女らが旅した道は全く反対だったけれども、二人の女性はどちらも夫に影響を及ぼし、夫婦を死に至らしめた。

6月10日の夜、セルヴァンがロラン夫人のサロンにやってきて、自分が軍務大臣を解任されたことを告げた。ロラン夫人はセルヴァンに夫とクラヴィエールを連れてくるように言い、自分はその間手紙を書いていると告げた。

ロラン夫人の手紙は憲法に則った法案の承認を遅らせていることを非難する国王宛のものだった。ロラン夫人が手紙を書き終えるとセルヴァン、クラヴィエール、ロランが入ってきた。彼女は自分の計画を明かした。

この手紙は翌日その他の3人の大臣にも読まれることになっていた。手紙の内容は3人の友を大いに満足させた。彼らが変更したいと思う言葉は1つもなかった。しかし、翌日他の3人に提出された時、内容には同意するが、表現の仕方が違うと宣言された。ついに彼らは国王自らにその内容を知らせることがよりよいことだろうという口実のもと、手紙に署名することを拒否した。

同じ日の夕方、ロランは自分だけが署名した手紙を国王に送り、ほとんどすぐにラコストがロランとクラヴィエールの免職を伝えた。

デュムーリエが予言した通り、望まれる機会が存在していることは長くなかった。そして国王はそれを利用することを遅くしてはいなかった。

翌日ロランの手紙が議会で読まれた時に彼と彼の仲間であるセルヴァンとクラヴィエールの罷免も同時に伝えられた。議会は圧倒的な大多数によって3人の大臣は彼らの地方の人々の心からの官舎に値すると宣言した。

そして戦争はフランスの国境の内側でも外側でも宣言された。議会は開始の一撃を与える前に2つの法案に関する国王の意図に気付くことを待っているだけだった。

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この章のほとんどがロラン夫人による手紙で埋まっています。でもこの手紙が正直「うざ~っ!!」って感じで、もういいからってしか思えなかったので、詳細をカットしています。どうも彼女に対してあまりいい印象が持てません。それも理由の一つかも?

42章『ド・ラ・ヴォギュヨン氏の生徒』

議会は退任した3人の大臣のおかげで拒否権を受け流し、ロランの手紙を印刷し、王国のあらゆる部署に配布する命令を出そうとしていた。

そこにデュムーリエが入ってきた。彼は軍事力の状況に関する報告をすることを口実に議会にやってきた。彼はグヴィヨンの死を告げ、議員たちの注目を考慮中の議題からそらした。グヴィヨンの家にお悔やみの手紙が送られることが決まった。

デュムーリエは再び報告を始めた。ジロンド派とジャコバン派がやじでその文書を読み終えさせないようにしたが、彼が最初の節をはっきりと力強く明確な調子で読んだので、聴衆はこの導入部が政党の不和を力強く非難し、閣僚に対して当然払われるべき尊敬について詳細に語られていることを発見せざるを得なかった。彼側のそのような断言は聴衆をひどく憤慨させることを十分計算していた。彼の大胆さは敵を降伏させた。報告は明確で、徹底的で、有能だった。大臣への偏見にも関わらず、彼は二度大喝采を受けた。

報告を終え、デュムーリエが報告書を再び彼のポケットの中にいれようとしたのをジロンド派が見逃さなかった。「裏切り者を見ろ!彼はポケットに報告書を入れようとしている。それを盗み去るつもりだ。それを妨げろ。文書はやがて彼を論駁するのに役立つだろう。」

これらの声を聞いて、デュムーリエは報告書を取り出し、案内係手渡した。事務官がそれを受け取り、署名を探して、最後のページを見た。「諸君、この報告書には署名がない。」「署名しろ!署名しろ!」すべての方向から反響した。

デュムーリエはこれは確実に自分の意図であり、とても注意深く書かれたので、自分の名前を署名することに躊躇を感じたことを告げ、ペンとインクを持ってこさせ、報告書に署名して、議長をしていた役人の机の上に自分自身で置いた。彼の入場はやじとわめきが挙がったが、退場は息もつけないほどの沈黙が伴った。ギャラリーにいた傍観者たちは敢えて議会を無視した男をもう一度見ようと急いで外に出た。何人かの王党派の代表もデュムーリエの後を追って出た。彼らはデュムーリエが彼らの党に転向することについてほんの少しの疑いも持つことができなかった。そしてこれは正確にデュムーリエが予期していたものであり、彼が国王と2つの声明に署名をすると約束した時、敵から守ることを決意したのだった。

新しい国王の協議会がすでに始まっており、閣僚人事が進められていた。4人の大臣たちは彼ら自身の間で、もしロラン、セルヴァン、クラヴィエールの罷免の後、国王がこの罷免の代価である約束を守らなかったら、辞職することを同意していた。

国王は軍の野営地に関する声明にはすぐに署名をしたが、聖職者に関する声明に対しては翌日まで許可を延期する旨を伝えてきた。4人の大臣はこの延期の意味するところを察していた。そして予想通り、翌日国王はこの声明に対し拒否権を発動してきた。大臣たちは抗議したが、国王の決心は固く、すでに国民議会にその知らせを送ったと告げた。これは古い制度の命令であり、憲法によってあらゆる行動に責任を持ってきた大臣たちの好みとはかけ離れていた。大臣たちはすぐに会議を開き、翌日正式会見を求めるとともに彼らの総辞職を決めた。

デュムーリエが家に帰った時にフォーブル・サン・タントワーヌで危険な集まりやサンテールの家で秘密の会議があることを知らせるメモを見つけた。彼はすぐに国王に警告を送った。しかし国王は「脅威には怖気づかない。私は決めた」という返事を寄越した。デュムーリエはそれに対して大臣の総辞職を伝える手紙を書いた。

宮殿において反革命は明らかに速く進行していた。王家はいくつかの頼りになる支持をもっていることを感じていた。1つめが解散された立憲護衛隊、2つめがサン・ルイ勲章の騎士とスイス傭兵、そしてラファイエットからの手紙だった。

その夜、宮殿では熱い議論がなされていた。宮廷は防御の手段も攻撃の手段も持っていたが、それを指示し、準備する強く、有能な手がなかった。

もし、そこにシャルニーがいてさえくれれば!しかし誰もシャルニーがどこにいるのか知らなかった。またはもし知っていたとしても、彼を呼びにやることは女性に対して、それが王妃でなくとも、あまりにも屈辱をあたえることと思われたので、結局それは流された。

6月16日の朝10時、国王は大臣たちを受け入れた。デュラントンが代弁者を務め、全員の総辞職を伝えた。

「わかった。それは責任の問題だね。」と国王が言った。

「そうです、陛下、王家の責任です。」とラコストが答えた。「私たちが陛下のために喜んで死ぬ準備ができていたことをあなたは疑うことができないはずです。しかし、人の仲を裂こうとする聖職者一味のために死ぬことによって、私たちは王家の破滅を単に急がせるだけでしょう。」

「あなたは手紙の中で述べていた同じ意見をまだ考えているのかね?」と国王がデュムーリエに振り向いて、言った。

「はい、陛下」

「それなら、よい。」国王は憂鬱そうに言った。「もしあなたの心が十分に決まっているのなら、私にとってあなたがたの辞職を受け入れること以外することはないよ。」

控えの間で待っていた廷臣たちは大臣たちが出て行った時の表情を見て、彼らの支配が終わったことを知った。喜ぶこももいれば、恐れるものもいた。雰囲気は重く、みんな荒々しい嵐が差し迫っていることを感じた。

6月18日の朝、デュムーリエは彼の省の秘密の経費についての説明を提出するためにテュルリーに向かった。国王は寝室で彼に会うと知らせてきた。国王はいつもの静けさを取り戻しているように見えた。デュムーリエが説明を終え、立ち上がった時に国王が言った。「あなたはリュックネに加わるつもりなのかね?」

「はい、陛下、私はこの憎むべき街に背中を向けることを本当にうれしく思っています。ただ1つだけ残念に思うことはそのような危険の中にあなたを置き去りにしていくことです。」

「私はいつも多かれ少なかれ危険の中にいると思うよ」国王は無関心に答えた。

「陛下、あなたは私が今あなたに言っていることは私欲によって行動するができないということであると理解していただかなくてはなりません。一度あなたの内閣から出たのですから、私は永遠にあなたから引き離されました。あなた自身への深い敬意と愛情の感情から、国への偽りのない愛から、―手短に言えばあなたの王冠、あなたの妻、あなたの子供のため―その男の心にとってそれら親愛なる、そして神聖なるすべての名において、私は陛下にこの法案に拒否することに固執しないように懇願します。あなたの側のそのような強情はよくありません。逆にあなたの破滅を証明するでしょう。」

「もうそれ以上は言わなくてよい。私は決めたのだ。」国王はいらいらして言った。

「陛下、あなたはまさにこの部屋で、王妃の面前で、まさに同じことを言ったのです。あなたが二つの法案を許可すると約束した時に。」

「私がそのような約束をしたのはとても間違っていた。そしてそれを悔やんでいる。」

「陛下、繰り返しますが、これが私があなたにお目にかかる最後です。私の率直さをどうぞお許しください。―あなたがこれらの法案を許可すると約束した時にあなたは間違っていなかった。そして今日、あなたが約束を守ることを拒否した時、あなたは間違っています。あなたの助言者はあなたの良心のとがめを利用しているのです。そしてあなたを市民戦争に駆り立てているのです。しかし、あなたは十分強くない。あなたはまもなく屈服せざるを得ないでしょう。そして歴史はあなたを哀れと思っている間は私たちの国に不幸をもたらした原因同様にあなたもまた非難するでしょう。」

「私たちの国の不幸!」国王は繰り返した。

「あなたは私がそれらに責任があるということを意味しているのですか?」

「そうです、陛下。」

「まだ神は私の人生における重要な望みはフランスの幸せであるということの目撃者だよ。」

「私はそれを少しも疑っておりません、陛下。しかしあなたは神に対して責任を負わなければなりません。あなたの意図の清らかさだけでなく、賢明さに対しても。あなたは宗教的奉仕をしたと思っているのかもしれませんが、逆です。あなたはそれを破壊しているのです。あなたの聖職者たちは虐殺されるでしょう。あなたの壊れた王冠はあなた自身の、そして王妃の、多分あなたの子供たちの血でずぶぬれになるでしょう。」

デュムーリエは感情に圧倒され、国王が彼に伸ばした手を掴み、情熱的に彼の唇を押し付けた。

「あなたは正しいよ。私は暴力的な死で死ぬだろう。私は予め私の殺人者を許す。あなたに関して言えば、あなたは私に忠実に、十分に奉仕してくれた。私はあなたを高く評価している。そしてあなたが示してくれた親切な感情と同情に本当に感謝している。さようなら。」

急いで立ち上がり、国王は朝顔口の窓に退出した。デュムーリエはゆっくりと書類を集めていた。彼の落ち着きを取り戻す時間を稼ぐために。それから彼はいやいやながらドアに向かって歩いた。国王からかすかな暗示を受けて、戻ろうとしたが、誰も来なかった。

「さようなら。幸せがあなたにもたらされますように!」国王は叫んだ。

これらの言葉の後、もはや滞在する理由がなかったので、デュムーリエは退出した。

王家は唯一残っていた頼りになる人を捨てた。国王は仮面を落とし、覆われていない顔と共に人々の前に立った。

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デュムーリエの献身も無駄に終わったという感じの章で、デュムーリエが頑張っていただけに、かわいそうで、ちょっと記述が長くなりました。ミラボー→バルナーヴ→デュムーリエと王妃によって破滅させられた人がまた一人ってところでしょうか?本当にこういう忠誠心の高い人を切ってしまうから、破滅にどんどんひた走りなんだよって思います。そして王妃がシャルニー伯爵を待っていることがこの章にも暗示されているのですが、もう破滅に突っ走っている中、彼を呼ぼうとすること自体、高慢以外の何物でもないという気がします。いや、もちろん彼は王の臣下として忠誠を尽くすために戻ってくるのですが、彼が予感している通り、王妃のために死ぬためなんです。それを王妃もわかっているのです。自分のために死なせることがわかっていて、呼ぶのか?その愛はあまりにも自己中心的としか思えません。

43章『シャラントンでの会議』

将軍の制服を着て馬に乗っていたサンテールは同じように馬に乗っていた額に傷跡があり、むっつりとした威嚇するような表情をした地方出身の愛国者と共にいた。サンテールは裏切り者たちは国家への反逆を目論んでいるというが、具体的なことはわかっておらず、この男が裏切り者はどこにいるのかと尋ねても、うやむやに流した。この男はある合図をかわし、ある人々に「6月20日」とささやいた。それは口々に伝わり、男たちは去っていった。

革命に登場する様々な人がその姿を露わにしていた。

6月19日の夜、シャンゼリゼでは愛国者たちの大宴会が開かれていた。その様子はチュルリーからも窺えた。

バルバローに導かれたマルセイユ同盟が前日の夕方にパリに到着していた。「8月10日」は6月18日に入っていた。

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この章には本当に色々な革命家の名前が出てきますが、羅列と言う感じだったので、割愛しています。サンテールと一緒にいた男はビヨですね。間違いなく。

44章『6月20日』

6月20日、朝5時までに大隊が集まっていた。サンテールは馬に乗って、彼の地区の主要な市民の多くと共に参加していた。ビヨはサンテールの側から片時も離れなかった。

集まりは3つに分かれた。1つめはサンテールを、2つめはサン・テュルージュを、3つめはテロワーニュ・ド・メリクールをそれぞれ指揮官にしていた。

11時頃、見知らぬ男によってもたらされた命令に従って、群衆が列を作って行進をし始めた。バスティーユを出発した時、その人数は約2万人を数えた。

サンテールに率いられた人たちは制服を着て、マスケット銃や銃剣を武器として持っていたが、その他の2つについては4年間の窮乏と飢饉で衰弱した人々の軍隊であり、制服も、銃もなく、彼らが怒りと共に最初に掴むことができた武器―錆びついた槍、三又、柄をもたない剣、ナイフの刃、斧、石工の槌などであった。

サン・タントワーヌ通りの角に来た時に行進は分かれた。サンテールは大通りを行進した。サン・テュルージュはある見知らぬ男が持ってきた馬飾りのついた馬に乗っていた。メリクールはむき出しの腕の男たちによって引っ張られている大砲の上にもたれていた。これら2つの分隊はサン・タントワーヌ通りを上り、ヴァンドーム広場を通り抜け、フイヤンテラスに進んだ。

この行進に3時間近くかかった。最初は沈黙していた人々も時折聞こえる大きな叫び声や有名な「どうにかなるさ」の歌で騒がしくなっていった。そしてそれから「国家よ、永遠なれ!サン・キュロットよ、永遠なれ!拒否権夫妻を打倒せよ!」という叫びが挙がった。

サンテール分隊はフイヤンテラスにポプラの木を植えようとしていたが、ヴァンドーム広場に到着した時に、そこで道をふさいでいた国民衛兵に出会った。数の多さでは国民衛兵を圧倒するのは容易だったが、人々は楽しみ、拒否権夫妻を怖がらせ、誰も殺したくないと思っていたので、代わりに古いカプチン会修道院の中庭に植樹することにした。

群衆の国民議会の前を閲兵することを許してもらいたいという要求を持った使者が到着した時、国民議会は1時間近くこの騒々しい音を聞いていた。ヴェルニヨーはその要求に応じると同時に宮殿を守るために60名の代表を送ることも求めた。ジロンド派でさえ国王夫妻を傷つけたくないと思っていた。

ついに許可が与えられ、武装した人々はホールを1列になって進んだ。行進は12時に始まって、3時近くまで続いた。行進には3万人の人がいた。

今や群衆は自分たちが求めていたものの一部を手入れた。彼らは国民議会に許され、彼らの請願が読まれた。国民議会はそれを受け入れた。

国王は20名の代表の手を通して、その請願を喜んで受け取ることを表した。その時群衆は宮殿に入るという意図は持っていなかった。彼らは行進が続いている間、委員会が中に入り、国王と王妃は彼らの旗印と標語を宮殿の窓から見ることができると思っていた。

宮殿につながるすべての通路が閉鎖されていた。3つの正規軍と国民衛兵のいくつかの大隊が中庭とテュイルリー庭園の中に、4つの大砲と一緒に配置されていた。

群衆はフイヤンテラスから自分たちを引き離している鉄格子を開けさせるように求めた。しかし、警備に当たっていた将校たちは国王の命令なしに応じることはできないと拒否をした。そこで3人の自治体役人が国王に入れてもらうことと、その命令を求めた。国王は役人たちを認め、国民議会の地面を一掃する必要があるのなら、フイヤンテラスに通じる門を開けさせ、群衆がフイヤンテラスと馬小屋の中庭を通り抜けできるようにすると言った。但しこれは国民衛兵の司令官と共に準備し、公共の平和が乱されることがないように見守るようにと加えた。

門は鍵がかかっておらず、みんなすぐに押し通そうとした。熱が呼吸困難にさせていた。しかし不注意で、馬小屋近くの門が開いていなかった。群衆は向きを変えて、宮殿の前に配置されている国民衛兵の長い列を戻って、河岸の門を抜けなければならなくなった。彼らが家に戻りたかったなら、カルーゼル広場を再度横切らなければならなかった。

カルーゼル広場に開いているくぐり戸は閉鎖され、警護されていた。人々は怒り、大声で不平を言い出したので、くぐり門を開いて、人々を広場にまき散らした方が得策と考えた。そして彼らはその日の重要な任務である国王への請願を表すことをしていないことに気付き、家に帰らず、そのままカルーゼル広場に残った。1時間が経過した。人々はだんだんむっつりしてきた。男たちがグループからグループに動いて、囁いた。「地面に立て!国王がお前たちの求めることをしなくてはならない!国王がこれらの法案を承認するまで家に帰るな!」これはよい助言のように見えたが、人々は国王の承認には時間がかかると思い始めた。人々はお腹がすき、熱で喉が渇いていた。飢饉が終わったのに、仕事とお金の両方が不足していた。そして人々は宮殿の鉄の門を槌で打ち始めた。

自治体の役人がやってきて、熱弁を奮った。「市民たちよ、ここは王家の住まいである。そして力ずくの侵入は市民の権利の違反である。国王は喜んで請願を受け取った。しかし、20名の代表の手を通してだけだ。」しかし代表たちはまだ国王の面前に入ることを許されていなかった。

突然川の隣側から大きな唸り声が聞こえた。そこにサンテールとサン・テュルージュがいた。テロワーニュは大砲の上に載っていた。

「そこで何をしている?どうして入らないんだ?」サン・テュルージュが群衆に叫んだ。

「門が締まっているんだ!」

テロワーニュが大砲から飛び降りて、叫んだ。「弾が装填されているわ。大砲の弾で門を開けましょう!」

「待て、待て、暴力はいかん!」二人の自治体役人が叫んだ。「門は開かれるべきだ!」

彼らが門を開き、群衆は大砲を運びながら、荒々しく突進し、中庭を横切り、宮殿の外の階段さえも登ろうとした。

何人かの市の役人が入口の通路に立っていた。「あなたがたはこの大砲と共に何をするつもりなのです?国王の宮殿に大砲!暴力を示すことによって何が得られるのか想像していますか?」侵入者たちは自分たちが持ち込んだ大砲がそこにあることに気付き、向きを変えようとして、階段を降りた。しかし車軸が幾分ドアの枠に対して押し寄せていた。そこで民衆に銃口を向けられた。後から来た人々はテロワーニュが持ち込んだことを知らなかったので、国王が大砲を民衆に向けるように命令したと信じた。

約200名の紳士たちが宮殿に急いだ。そこを防御する望みを持たずに。ただ国王の終りの時がやってきたと思い、自分たちは彼と一緒に死ぬつもりで。

その中に黒い服を着て、暗殺者の弾丸の前に自分を危険にさらしていた男がいた。男の助言はいつもはねつけられていた。しかし、彼が避けようと努力していた危険の日にやってきた最初の人であり、国王を守るための城塁として自分自身を差し出したその男はジルベールだった。

国王と王妃はだんだん外の騒ぎ声に慣れていた。そして一日の終わりは始まり同様事件がないことを望んだ。斧の音が遠くの大嵐のうなりを思い出させる大きな叫びの上で起きた時、国王一家が全員、国王の部屋に集まっていた。そして一人の男が突進してきて、叫んだ。―「陛下、私から離れないでください、そして私はあなたの安全に責任があるのです!」

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ジルベール、どうしてここまでして国王を助けようとするのか?そのあたりは『シャルニー伯爵夫人』では明らかにされていないので、東様が翻訳中の『アンジュ・ピトゥ』で読むしかありません。

45章『男がジャコバン派ではないのに赤い帽子を被るかもしれないことを国王が発見すること』

この男はジルベールだった。

「ああ、先生、あなたでしたか?何が起こっているのです?」国王と王妃が同時に叫んだ。

「宮殿が侵入されています、陛下。そして今あなたがお聞きの音はあなたを一目見ることをやかましく要求している民衆が起こしているものです。」

「私たちはあなたの元を離れません、陛下」王妃とエリザベート王妹がほとんど同時に叫んだ。

「国王は私に大嵐の際に船長が船で行使するのと同じ権威を認め、1時間を与えてくださいませんか?」ジルベールは熱心に頼んだ。

「そうしよう。」国王は答えた。

その時国民衛兵の将校が死人のように青ざめて、ドアに姿を現した。しかし、最後まで国王を守ることを決心していた。

「国王はここです。」ジルベールが叫んだ。「彼はあなたの後に従う準備ができています。私は彼をあなたの保護にゆだねます。」それから国王に「行って、陛下、行ってください!」と付け加えた。

「しかし私は?」王妃が叫んだ。「私は夫と一緒にいなければなりません。」

「私も兄と」エリザベート王妹が叫んだ。

「あなたは兄上の後を追ってください。」ジルベールはエリザベート王妹に言った。「しかし、あなたはここに残らなくてはなりません。」と王妃に振り返って、言った。

「しかし―」

「陛下、陛下、天の名において、王妃に私によって導かれるように懇願してください。さもなければ私は結果に応えることができません。」

「ジルベール氏の言うことを聞き、彼の命令に従いなさい。」国王はそう言って、ジルベールに振り返り、尋ねた。「あなたは王妃と王太子の安全に対して責任があるのだろうね?」

「はい、陛下。さもなければ彼らと共に死にます。それがこのような大嵐の中で船長が約束できるすべてです。」

王妃はもう一度夫の後を追おうと努力をしたが、ジルベールは腕を伸ばして、彼女を遮った。

「王妃様、本当に危険なのは国王ではなく、あなたなのですよ。正しいか正しくないかわかりませんが、あなたは国王の反対のせいで非難されているのです。だからあなたの存在は単に彼をより一層危険にさらすことになるのです。あなた自身が避雷針になる任務を引き受けてください。そして可能な限り彼から雷電を脇にそらしてください。」

「稲妻を私だけに落ちさせるように!それから私の子供たちに危害を加えさせないように!」

「私は国王とあなたとあなたの子供たちの両方を守ることを約束しました。私についてきてください。」

ジルベールは宮殿の内部に精通していた。そして彼の計画はすぐに作られた。彼が望んだのは誰もが見聞きできる広い部屋だった。彼は協議会室を思いつき、そこの朝顔口の窓に王妃と子供たちとランバル夫人を押し込めた。そして窓の前に大きな協議会のテーブルを引きずってきて、城塁にした。マリー・テレーズ王女はテーブルの上にいる弟の側に立っていた。王妃は彼らの真後ろに立っていた。無実は不人気の防御になる。マリー・アントワネットは子供たちの前に身を置きたかったが、ジルベールに阻止された。

「あらゆることは正確でなければなりません。」彼は命令的に言った。「動かないでください。」

それからドアが激しく揺れ、外側にいる群衆の中の夥しい女性たちの声が聞こえてきて、ジルベールはさし錠を引き戻し、叫んだ。「お入りください、女性市民たち。王妃と彼女の子供たちがあなた方を期待していますよ。」

あたかも堤防が開かれたように洪水が流れてきた。

「あのオーストリア女はどこだい?拒否権夫人はどこだい?」500人の声が叫んだ。

それは恐ろしい瞬間だった。ジルベールは力が男たちの手から女たちに滑るように動いていたのを見た。

「落ち着いてください。」彼は王妃に囁いた。「私はあなたに優しくなれとも助言する必要はほとんどないと思います。」

かなり前方にいた女性が髪を振り乱し、サーベルを振り回して、金切り声を挙げた。「あのオーストリア女はどこだい?彼女は私の手より他では死なないよ!」

ジルベールは彼女を腕に取って、まっすぐ王妃の前に連れて行った。

「彼女はここです。」彼は静かに言った。

「私は今まであなたを個人的に傷つけるようなことをしましたか、私の娘よ?」王妃が優しく尋ねた。

「いえ。」女性はマリー・アントワネットの威厳と優しさに驚き、当惑して、口ごもった。

「それならどうしてあなたは私を殺したいのです?」

「みんが言っているよ、あんたが国を地獄に引っ張っているって。」女性は口ごもった。

「では、あなたは恥ずかしいことに騙されていたのです。私はフランスの国王の妻です。そして王太子―あなたがここに見ているこの少年の母です。それでもあなたは私がフランスの女性であることを理解できませんか?そして私が私自身の国を二度と見ない時、私はフランスにおいてだけその結果幸せもしくは不幸せであることができるとを理解できませんか?ああ、あなたが私を愛した時、私は幸せでした!」王妃は重くため息をついた。その女性はサーベルを落とし、泣き始めた。

「ああ、お許しください。私はあなたを知らなかったのです。」彼女はむせび泣いた。

「このようにしてそのまま続けてください。」ジルベールが囁いた。「そしてあなたは救われるだけでなく、15分間これらの人々全員を足元に置くことができるでしょう。」

王妃を国民衛兵と軍務大臣の将校に委ね、ジルベールは国王の元に急いだ。国王はまさに似たような経験をしようとしていた。

国王はドアが壊される前にかろうじて「雄牛の目」と呼ばれる廊下に入った。国王は「ドアを開きなさい!」と叫んだ。「市民たちよ、ドアを開けるために壊す必要はない。国王が開くように命令されたのだ。」デ・ルヴィリイ氏が叫んだ。彼はそういうと、さし錠を引き戻し、鍵を回した。アクロク氏とムシー公爵は国王をくぼみに押し込め、その前にベンチや椅子を積み重ねる時間をかろうじて持った。群衆がとても狂暴なわめきと呪いを発しながら突進してきたので、国王は我知らず叫んだ。「助けてくれ、紳士たちよ、助けてくれ!」

4人の近衛兵が剣を引き抜いて、突進してきた。

「剣を鞘に納めなさい、紳士たちよ。」国王は言った。「私の側にいてくれ。それが私の頼みの全てだ。」

更に1分あったら、あまりにも遅すぎたであろう。というのは剣の閃光は挑戦のように見えていたからだ。

ぼろを身にまとい、腕をむき出しにして、怒りでかなり口を泡立てている男が国王に向かって突進してきた。

「私は最後にお前を持った、拒否権め!」彼は獰猛に叫び、棒の先に固定したナイフを国王に突きつけた。国王の命令にもかかわらず、まだ剣を鞘に納めていなかった近衛兵の一人が暗殺者の武器を打ち落とした。

その時までに国王は落ち着きを取り戻し、近衛兵をやさしく片側に押しやって、静かに言った。「私の側に立ってください。私の国民の中にいて、私は何を恐れることがあるだろう?」威厳と共に一歩前に踏み出し、ルイ16世は無防備な胸をそれに向けられている夥しい武器に表した。

「黙れ!私は言いたいことがある!」大きな声が叫んだ。それは肉屋のルジェンドルだった。彼は国王に触れるくらい近くに接近した。彼らの周りに円が作られた。ちょうどその時その円の外側の端から一人の男が出てきた。真後ろにダントンの厳しい二重の円があった。ルジェンドルが呼ばれた時、国王はジルベール医師の青ざめた、しかし穏やかな顔を見た。

国王は新しく来た者に疑問を示す一瞥を向けた。あたかも王妃はどうなったのか尋ねるかのように。そして医師の安心させる微笑みは王妃が無事であることを示した。

「ムッシュー。」ルジェンドルが国王に言い始めた。「ムッシュー。」という言葉を聞いて、国王は有毒な蛇によって緊張させられたかのように振り返った。

「そうです。拒否権氏、私が言っているのはあなたのことです。」ルジェンドルは続けた。「私が何を言おうとしているのか注意を払いなさい。というのは今は聞くのはあなたの番だからですよ。あなたは人を騙す男だ。あなたは私たちを何年も騙していた。そして今も私たちを騙そうとしている。しかし気を付けてください!私たちはもう十分です。人々はあなたのおもちゃや犠牲者にされるのに疲れている。」

「続けなさい。私は聞いているよ。」国王は言った。

「それならいいでしょう。あたなは何が私たちをここに連れて来たのか知っていると思います。私たちは聖職者と志願兵の野営地に関する法案に署名すること、あなたの前任の大臣たちを呼び戻すことを要求しにやってきたのです。私たちの請願はここにあります。」ポケットから折りたたまれた紙を取り出し、彼は大声で国民議会で明らかにされた同じ威嚇するような請願書を読み上げた。国王は読み手に目を据えて、聞いた。熟読が終わると、国王は明らかな感情を少しも表さずに言った。「私は法と憲法がこれらのことに対して私に行うように言うことを正しく行うつもりだよ。」

「ああ、それはあなたの大きな言い訳だ。憲法―1791年の憲法はあなたにすべての機械を詰まらせ、フランスを鞭打ち柱に結び付け、オーストリア人が私たちを急いで食べにやってくる時間を与えることを許した!」

国王はこの新しい話し手の方向を見た。というのは彼はその場所からもっとさらに重大な攻撃が差し迫っていることに気付いたからだ。ジルベールもまた突然動いた。そして彼の手を心安めるようにその男の肩の上に置いた。

「私は以前あなたと会ったことがあるね、私の友よ。あなたは誰かね?」国王が言った。

「はい、あなたは以前私と会ったことがあります、陛下。あなたは私と会うのは今で3回目です。最初は1789年7月16日のヴェルサイユからの帰還の際、次はヴァレンヌで、そして今です。私の名前を思い出せませんか?それはかなり厳しい意味を持つ1つなのですよ。私はビヨ(首切り台)と呼ばれています!」

混乱が大きくなった。槍を持った男が国王に一撃を食らわせようとしたが、ビヨがその武器を掴み、暗殺者の握りから槍をひねり、彼の膝の上でそれを壊した。

「それを止めろ!」ビヨが叫んだ。「このような場合に使われる武器は1つしかありません。―それは法です。かつて彼が裏切った国民によって頭を切り落とされたイギリスの国王がいました。あなたも彼の名前を知るべきでしょう、ルイ。それを心に留めなさい。」

「ビヨ!」ビルベールは警告的に呟いた。

「ああ、あなたとたくさんの他の方々は最善を尽くしたでしょう。私は知っていますよ。」ビヨが頭を振りながら言った。「しかし、その男はそれにもかかわらず裏切り者として裁判にかけられ、有罪判決を受けるでしょう。」

「そうだ、裏切り者として!裏切り者として!」何百もの声が叫んだ。

ジルベールは国王と彼の敵の間に飛んで行った。「恐れることはありません、陛下。」彼は叫んだ。「しかし可能ならこれらの人々にいくばくかの許可を与えるよう努めてください。」

国王はジルベールの手を取り、彼の胸の上に置いた。「あなたもわかるように私は恐れていないよ。」彼は答えた。「私は今朝秘跡を受けた。彼らに彼らが私にしたいことをさせなさい。あなたが私に与えただろう外側の合図に関していえば、これであなたを満足させるかな?」

そして国王は彼の近くにいたサン・キュロットの頭から赤い帽子をひったくって、自分自身の頭の上に置いた。群衆は騒々しく大歓声を挙げた。「国王よ、永遠なれ!国家よ、永遠なれ!」あらゆる方向から反響した。

一人の男がワインの瓶を手にして、群衆を力ずくで分け入って、進んできた。「もしあなたがあなたがいうように国民を愛しているのなら、彼らの健康のために飲むことによって証明してください。」

毒が入っているかもしれないから飲むなという叫びに対して、ジルバールは言った。「それを飲んでください、陛下。私はそれに応えます。」

国王は瓶を受け取り、「人々の健康のために!」と叫んで、飲んだ。国王のための大きな喝采が再び反響した。「陛下、あなたはもう何も恐れるものはありません。もしお許しいただけるのなら、王妃の元に戻りたいのですが。」ジルベールが囁いた。「行きなさい。」国王は医師の手を暖かく握って、言った。

ジルベールが王妃を残した部屋に再び入った時に、彼は急いで辺りを見回し、それから安堵の長い呼吸をした。

マリー・アントワネットは同じ場所にまだ立ったままだった。そして小さな王太子は彼の父親のように頭に赤い帽子を被っていた。

隣の部屋の騒音がジルベールの注意をドアに引きつけた。騒動はサンテールの接近によって起こっていた。彼が部屋に入ってきた時「は、は~ん、それでオーストリア女はここにいたわけだ!」と叫んだ。ジルベールは部屋を対角線上に歩くことによって、新しく来た者を遮った。

「サンテールさん!」

サンテールは振り返った。「おお、ジルベール先生!」彼は嬉しそうに叫んだ。

「あなたがかつて彼のためにバスティーユのドアを開くのを助けたことを誰が忘れるでしょうか。私があなたに王妃を紹介することを許してください、サンテールさん。」

「王妃に?王妃に私を紹介する?」醸造者はうなった。

「はい、王妃にです。あなたは断りますか?」

「いや、決して。私は自分自身を紹介するよ。しかしあなたがここにいるのは―」

「私はすでにサンテールさんと知り合いです。」王妃が言った。「私は飢饉の間、サン・タントワーヌ フォーブルの半分の人に彼が食料を与えていたことを知っています。」

サンテールは驚いて立ち止まった。それからかなり困惑した様子で王太子を見た。そして王太子の両頬に汗が流れ落ちているのを見て、彼はテーブルの周りに立っている人々に叫んだ。「少年の頭からその帽子を取り払いなさい。あなたたちは哀れな少年を窒息させているのを見ていないのですか?」

母親は彼に表情で感謝した。そしてテーブルにもたれて、価値のあるフラマン人は低い口調で言った。「あなたは何人かのとても無分別な友人をお持ちだ。私は誰があなたに十分よく仕えているか知っています。」

1時間後、群衆は消え去り、国王は妹と共に部屋に入ってきた。王妃は国王に会うために走り、足元に身を投げた。子供たちは彼の手を握った。難破から救出された家族のように彼らはお互い抱擁し合った。その時まで国王は自分の頭の上にまだ赤い帽子が載っていたことに気付かなかった。「私は忘れてしまっていたよ。」彼は叫び、それをむしり取り、投げた。

わずか22歳の若い砲兵隊の将校がこの全場面を見ていた。窓を通して彼は国王がさらされたすべての危険と彼に積み上げられたすべての辱めを見た。しかし、彼が赤い帽子の出来事を見た時、もはや自分を抑えていることができなかった。

「ああ、もし私に1200人の兵士と1組の大砲があったなら、私はすぐに哀れな国王からこれらのならず者たちを取り除けたのに。」彼は呟いた。しかし彼は兵士も大砲も持っていなかったので、もはやこの嫌悪を催す見世物に耐えることができず、歩き去った。この若い将校はナポレオン・ボナパルトだった。

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3巻最終章は緊迫の内容だったので、端折りもありますが、結構訳しました。何よりも驚いたのがビヨの名前についてです!固有名詞だとばかり思っていたので、今まで一度も調べたことがなかったのですが、この下りに来て、仏和辞典を引いたら「首切り台」とあって、もうびっくり仰天でしたcoldsweats02!!本当に意味があって、彼をビヨと名付けたのですね、デュマは!英語だと”the block”となっていて、これだと色々な意味があるんですよね。フランス語はもう直球でした!

あとこの章の最初の群衆の行列の辺りに「ある見知らぬ男」という記載が何度か出てきて、「バルサモ?」って思ったんですが、結局それらしき人は登場せずに終わりました。でも後からここにいたってことが判明するのかな?

いや~っ、ようやく3巻終わりましたhappy02!!2巻は2分割だったのに、3巻は4分割sweat01。もう最後の4巻はどうなる?って感じですなcoldsweats01

2013年1月20日 (日)

今年の舞妓始めは幸先良かったぞ(*^ω^*)ノ彡!

この週末、定例の外出してました。意外にも西の方も雪が降っていて、新幹線に遅れが出ていました。でも京都は雪降ってませんでしたけどね。

という訳で(?)、結局今年も舞妓始めしちゃいましたcoldsweats01

久々に京都国際ホテルさんに寄らせていただきました。そしたら、この日来た舞妓さんは宮川町の田ね文さんだったんです!「まあ、お姉さん!」と彼女も覚えていてくれました!

田ね文さん、もうおふく髷に変わっていて(去年の11月に変わったそうです。)、すっかりお姉さん舞妓さんって感じになっていました。

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稲穂の花簪は15日までで、それ以降は松竹梅の花簪になるそうです。

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最初の踊りは「梅にも春」。この田ね文さんの素敵なお着物にもご注目ください。彼女にとってもよく似合っていて、しかも見るからに立派なお着物です。

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ほら、この通りの柄です。

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2曲目は「祇園小唄」

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後ろ姿は下の通り。

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本当に華やかで、お正月にふさわしいお着物です。
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下のポーズはお姉さん舞妓さんになると色っぽいですよね~heart04
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席に来てくれた時に「お着物本当によくお似合いですね」って話したら、何とこのお着物は屋形のお母さんが田ね文さんに誂えてくれたおニューのお着物なんだそうです!道理でよくお似合いですよ~!!「汚さないようにしないと・・・」って言っていました。どう見ても値が張る代物ってわかります!!

この後金毘羅船船をやって、田ね文さんに勝ち、花名刺いただきました。それが中々斬新な花名刺でした。そして名刺入れがピンクのかわいいパンダ柄が入っているものだったんですけど、特注で作ったんだそうです。中々芸の細かいパンダ模様でした。

宮川町の舞妓さん、今25名しかいないんだそうです。中々大変ですね・・・

という訳で今年の舞妓始めは幸先の良いスタートとなりましたhappy02

京都国際ホテルさんには本当にいつも申し訳ない限りです・・・ありがとうございました。

『シャルニー伯爵夫人』英訳版3巻読了\(≧▽≦)/:その3<ネタバレ注意>

*以下、『ジョゼフ・バルサモ』及び『王妃の首飾り』を未読の方はネタバレご注意ください。あと全文翻訳している章が正しく翻訳されているかどうかは保証しません。あくまで私の理解なので・・・sweat02

21章『もう主人はいらない!もう女主人はいらない!』

国民議会はルイ16世の公職を保持するという憲法を受け入れた後、解散しようとしていた。ロベスピエールはデュプレのおかげで難を逃れていた。彼の友人たちは、とりわけロラン夫人は、彼を心配していた。その同じ夜国民議会はロベスピエールに対して告発を行う準備をしていたことを知り、ロラン夫人は彼に警告しに出掛けたが、彼は見つからず、帰り道でロラン夫人の最も献身的な友人の一人であるビュゾーに会い、ロベスピエールへの援助についてビュゾーの協力を要請した。しかしロベスピエールの姿はどこにも見つからなかった。

次の日国民議会はパリ市長と国民衛兵の司令官の報告を聞いていた。二人とも警告と彼らが鎮圧せざるを得なかった広範囲に広がっていた無秩序について詳述した。国民議会は二人に感謝し、二人が心から遺憾に思った勝利を祝った。革命は終わったように思われたかもしれないが、逆に革命はまさに始まったばかりだった。

ロベスピエールは彼がルイ16世の代わりに国王になるべきという提案にまだ震えていたが、ジャコバンクラブの現在の会員同様に前任者のために演説をしていた。

フイヤン派は彼らの対抗者であるロベスピエールの人間性を見て、勇気を取り戻した。しかしフイヤン派はジャコバンクラブから離れ、もう一つの集団になっただけであり、人々が望んでいるものではなかった。人々が望んでいるのは国民議会の同盟者ではなく、対抗者であり、王家の復権を助ける組織ではなく、破滅を助ける組織だった。

7月には約400もの大きな政治組織があった。8月には600になったが、そのうち100だけがフイヤン派と意見が一致していた。

フイヤン派の人気が衰えるのに比例してロベスピエールの指導力のもと、ジャコバンクラブの人気が増え、ロベスピエールはフランスで最も人気のある男に素早くなっていった。バルサモのアラスのいんちき弁護士に関する予言は実証された。

ついに国民議会は憲法の改訂版を完成した。そうこうしているうちに国王が憲法を支持することを宣誓する日が近づいてきた。イギリスと亡命者たちは宣誓に反対し、王妃の兄のオーストリアのレオポルド皇帝とバルナーヴは宣誓を支持した。

国王は憲法が立案された国民議会で宣誓を行うことを通知してきた。宣誓は9月13日に決まった。国民議会は熱狂的な大喝采でこの告知に敬意を表し、国王の手紙に対する感謝として60名の代表団を送った。

同じ朝、サン・プリ勲章が廃止され、それを見につけることを許されるのは国王だけになったが、国王はサン・ルイ勲章しかつけておらず、他の人々に廃止になったことは自分自身にとっても同じことと考えている旨を伝えた。

国王は王妃と子供たちを代表団に紹介した。代表団が退出した後王妃は冷たい手を国王の腕に載せて言った。

「これらの人々はこれ以上君主を望んでいません。彼らは石という石で王政を破壊しています。そして同じ石で私たちの墓を作っているのです。」

その時の国民議会の議長はド・マルエだった。彼は熱心な王党派だったが、国王が宣誓している間、議員は立っているべきか座っているべきかを採決しなければならないと感じていた。議論の中で、国王は帽子をかぶらず、立って宣誓すべきだが、議員は座って聞けという1つの声が力強く鳴り響いた。ド・マルエは「国民議会は国王が出席している場合は彼を長と認めざるを得ないので、国王が立って宣誓するのであれば、同じ姿勢で聞くことを求める」と言った。それに対し、前に挙がった同じ声が言った。「私はあらゆる人が同意していると確信している訂正を提案する。跪くという特権はド・マルエやその姿勢を好む人々に許されるべきだ。そして今、私たちは私たちの前に出された提案について行動を起こすことを進めよう。」しかし、提案は破棄された。

この翌日国王が宣誓をすることになっていた。ホールもギャラリーも溢れかえっていた。正午に国王の到着が通知され、国王は立って宣誓をした。国民議会も立ってそれを聞いた。演説が終わり、彼ら全員が署名をし、それから全員が座った。

その時の議長のトゥレは演説しようと立ち上がったが、2~3文話した後、国王が立ち上がっていないのを見て、再び座った。彼の行動はギャラリーからかなり大きな大喝采を引き起こした。国王はとても青ざめ、ポケットからハンカチを取り出し、額の汗を拭いた。

王妃は彼女のために取ってあった席に座って出席したが、これ以上我慢できず、立ち上がって、荒々しくドアを閉めて出て行った。宮殿に戻った後も部屋に閉じこもり、最も親しい友人たちにさえも話をしなかった。

30分後国王が戻ってきて、一人で王妃の部屋に姿を現した。国王はとても青ざめ、落胆しているように見えた。何があったのかと尋ねる王妃に対して、国王は肘掛け椅子に身を投げ、突然むせび泣き始めた。

「あなたはどうして議会に出席しなかったのです?あなたは私の辱めの目撃者となるべき必要はなかったのですか?私が王妃にすることを口実にあなたをパリに連れてきたのはこのためですか?」

ルイ16世がそのような痛ましい姿を見せるのはまれだったので、王妃は感情を抑えていることができず、国王に駆け寄り、彼の前に跪いた。

むせび泣きが止まり、二人が穏やかになったようにみえた30分後、王妃がカンパン夫人を呼び、マルデンに手紙を届けるように伝えた。手紙は王妃の兄であるオーストリア皇帝レオポルド宛だった。2時間後マルデンはウィーンに旅立った。

これらすべてにおいて最も悪いことは国王一家にとって笑い、うれしく、満足している雰囲気を持つ必要があったことだ。

その夜、国王と王妃はシャンゼリゼを馬車で走ることを求め、パリ国民軍の副官が随行した。彼らが到着すると「国王よ、永遠なれ!」「王妃よ、永遠なれ!」の声が挙がった。しかし、馬車が止まった瞬間に下層階級の恐ろしい顔をした男が馬車のドアの近くに腕を組んで立ち、「彼らを信じるな!国家よ、永遠なれ!」と叫んだ。その男は馬車が動き出した後も馬車の窓の縁を掴んで、人々が「国王よ、永遠なれ!」「王妃よ、永遠なれ!」と叫ぶと、「彼らを信じるな!国家よ、永遠なれ!」を繰り返した。

オペラ座とコメディ・フランセーズは予防措置が取られ、観客が厳選されていたので、国王と王妃は熱狂と共に敬意を表された。しかしイタリア劇場は平土間の観客席が季節労働者によって買い占められていた。ボックス席やバルコニー席の観客が喝采を送ろうとしたら、平土間の人々がしーしーとやじった。

王妃は恐怖と共に下を見下ろした。そして彼女はギャラリーを支える柱の1つの側に立っている男に視線を向けた。それは彼女がタヴェルネ城で会った男であり、セーヴル橋で見た男であり、ヴァレンヌから戻った時にテュイルリーの庭園で見た男であり、あらゆる言葉が脅威であり、あらゆる行動が恐ろしくて身の毛のよだつ謎めいたあの男だった。彼女の目は彼から動かせなくなっていた。彼女が視線を舞台に動かそうとしても、彼のいる方向に視線が戻ってしまい、そしていつでもその男は同じ場所に立って、同じ冷笑的な、ほとんどあざ笑う表情を顔に浮かべていた。

ついに危機がやってきた。女優がテナーとのデュエットで、「ああ、なんて私の愛する女主人よ!」という致命的な言葉を発するところで王妃に向けて目と手をうやうやしく挙げた。王妃はその言葉で大嵐を見た。そして我知らず彼女の目は柱の側に立っている男を探した。彼女は彼が平土間の観客たちに命令する合図を送っているように見えた。

「もはや主人はいらない!もはや女主人はいらない!自由だ!」

これらの叫びに対し、ボックスとギャラリーからは「国王よ、永遠なれ!王妃よ、永遠なれ!私達の高貴な主人と女主人よ、永遠なれ!」と叫び返した。

「もはや主人はいらない!もはや女主人はいらない!自由だ!自由だ!自由だ!」

平土間から二度目の大声の叫びが挙がった。

王妃は恐怖の叫びを挙げ、目を閉じた。国民軍が直ちに彼女の周りを取り囲んで、防御し、彼女は安全に劇場の外に出た。

「もはや主人はいらない!もはや女主人はいらない!もはや国王はいわない!もはや王妃はいらない!」が彼らの後を追った。これが王妃が劇場に出席した最後となった。

9月30日、国民議会はその義務を果たし、会期を終えたことを宣言した。その仕事の結果は簡潔に次のように述べられる。

・王政の崩壊の達成

・民主の政府の組織化

・あらゆる教会の特権の廃止

・12億のアッシニアフランの発行

・宗教上の自由の確立

・秘密の投獄の廃止

・内国税収入の中止

・国民衛兵の組織化

・憲法の採用とそれを国王によって承認されること

22章『バルナーヴの別れの挨拶』:

10月2日、バルナーヴは王妃の部屋を訪れた。王妃はバルナーヴの顔色の悪さと明らかな意気消沈ぶりに気が付いた。王妃は彼に国王が憲法を支持すると宣誓して満足をしているのではないかと尋ねるが、彼はオーストリアのレオポルド皇帝とカウニッツの助言と一致していなかったら、国王はもっと躊躇していただろうと返した。

そしてバルナーヴは議会が終わり、パリを去ることになったので、王妃に永遠の別れを死に来たといった。議会は再選がないと決定しており、もはや彼をパリに引き留めるものは何もなかった。バルナーヴの人気はほんの数ヶ月で衰えた。議会は解散し、ジャコバン派がフイヤン派に変わり、彼の人気も過去のものとなった。このような自分が残っていても王妃の役に立たないと彼は感じていた。そして彼は最後に今の現状について王妃に語って聞かせるのだった。

どの議員も新しい立法府の一部を担うべきではないという法案が通過して、これまで国王を支援してきた国民議会の誰も新しい議会に選出されないということでロベスピエールは立法府を変えるつもりだ。大規模な国外逃亡は社会を破滅させた。しかし例え貴族が残っていたとしても人々は彼らの代表を貴族から選ぶことはほとんどないだろう。人々が選ぶのは我々より下位の階級からであり、全体が激しく民主主義化する。議会には年寄りはいない。これから新しくやってくる政治家たちは貴族と聖職者に対し強力な戦争状態にする命令で武装してくる。彼らはまだ国王に関しては命令されていないが、まもなくされるだろう。新しく来るものは前任者たちが習慣的に行っていた偽善的慣例も知らない。国王は酷的な敵であり、国民の的になった。更に国王は不本意ながら必然的に反革命党派の長になる。王党派は間断なく国王の名を使う。新しい代表によって計画されているものがすでにいくつある。ラファイエットとバイイが座を奪われることは王妃にとって一層悪いことになる。

バルナーヴは今の王妃の状況はヴァレンヌの旅の避けられない結果であり、この逃亡が破滅を招いた結果だと見る時に、その失敗を遺憾に思うと言った。バルナーヴは国民議会の議員としてではなく個人的に後悔しており、自分はその命も捧げる覚悟があることを伝えた。しかし王妃はその生贄を拒絶した。

バルナーヴは続けた。

「あなたは外国からの援助を数えていますが、それは全く来ない、あるいは来ても遅すぎるでしょう。ジャコバン派はまもなく国民議会の内外に支配力を持ちます。あなたの友人たちは迫害を逃れるために国から逃げ出すことを強いられるでしょう。残った人々は逮捕され、投獄されるでしょう。私はこれらの最後の一人になりたいのです。私は逃げません。私は疑いなく裁判を受け、有罪判決を受けるでしょう。私の死はあなたにとって意味のない物であると証明します。あなたはそれを聞かないかもしれない。しかし例えそのニュースがあなたの耳に届いても、私がやり遂げることができたのはほんの少しだったので、あなたは私が本当にあなたのために何らかの役に立ちたいと思った時を忘れてしまうでしょう。」

「バルナーヴさん、私はどんな運命が国王と私自身い差し迫っているかもしれないことを知りません。でもこれはよく知っています。私たちを助けた全員の名前は私たちの記憶にけしすことができないものとして刻まれていることを。そして彼らに起こるかもしれない良運であれ、悪運であれ私達にとっては無関心な問題になることを。その時までに私たちはあなたに何ができるかしら?バルナーヴさん。」

「たくさんのことを。―少なくともあなたは個人的に可能です。マダム、あなたは私に私はあなたの目の中で全く価値のない人間ではなかったと証明することができます。」

「どのような方法でそれができるの?」

バルナーヴは王妃の前で片膝を落とした。「あなたの手をキスのために与えることによって」

涙が王妃の乾いたまぶたに上がってきた。彼女は若者に冷たく白い手を差し出した。わずか1年の間隔で、その手は議会で最も雄弁な唇によって触れられた。―ミラボーとバルナーヴ。

バルナーヴはわずかに彼の唇で触れただけだった。もし彼が一度その美しい大理石のような冷たい手に唇を押し付けたら、彼は明らかに二度とそれを離す力を持てなかっただろうから。

「私は『王政は救われる』という保証と誇りが欠けていました。しかし私は言います。『王政は失われるべきだ。しかし、王妃が与えた非常に貴重な恩恵を決して忘れない人間がそれと共に死ぬでしょう』」そして低くお辞儀をし、彼は急いで部屋を立ち去った。

マリー・アントワネットは彼が悲しげに退出していくのを見守っていた。そして彼の退出でドアが閉められた時につぶやいた。

「かわいそうな圧搾されたレモンよ!あなたを空の外皮に変えるのに長くかからなかった!」

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王妃に献身し続けていたバルナーヴの最後の別れはかわいそうすぎて、じ~んときました・・・weep。こうしてまた一人王妃の元から信頼できる人がいなくなったのでした。

23章:『戦場』:

シャン・ドマルスは死体と怪我人で埋まっていた。市に命令されて死体をセーヌ川に投げ込む作業をしている人たちがいた。

ピトゥはビヨを探しにシャン・ドマルスにやってきた。ランタンを近づけながら、横たわっている人を調べ、ビヨの名前を叫んだが、返事はなかった。ピトゥはビヨが死んだに違いないと思った。

丁度その時川の方に死体を運んできた二人が通り過ぎた時に、「この男から音が聞こえたぞ」と叫んだ。ピトゥはすぐに顔を確かめようとランタンを近づけた。それはまさにビヨだった。しかし彼は死んでいるのか生きているのかわからなかった。頭はサーベルで2つに割られ、血まみれになっていた。

ピトゥは男に金貨渡し、川から水を汲んでこさせ、ビヨの顔に水をまき散らした。ビヨは動き、生きていることが確認できた。

ピトゥはビヨをジルベールの家には運ぶように言うが、彼らは怪我人はグロ・カユーの病院に連れて行くことしか命令されていないという。そこでピトゥはもう1枚金貨を取り出し、担架を探させ、ビヨをグロ・カユーの病院に運ばせた。

24章『グロ・カユーの病院』:

病院はベッドが不足しており、近隣の家からマットレスを借り、床や中庭に置かれた。そして外科医の不足も問題だった。

ピトゥはビヨのためにマットレスを手に入れ、病院の中庭にビヨを静かに置いた。更にピトゥは最初の手術を奪えるように出来る限り入口の近くに置いた。

1時間後ピトゥは2~3人の外科医が通り過ぎた中に、黒い服を着て、明かりを手にした2~3人の病院の世話人を従えた男を見た。ピトゥはその男がジルベールだとわかると、「ここです、ジルベール先生!こっちです!僕はここにいます!ここです!こっちです!」と叫んだ。

ジルベールは聞き覚えのある声の方向に急ぎ、ピトゥにビヨのことを尋ねた。ピトゥはビヨが死にかけていることを伝え、ジルベールはビヨの容態を確認した。そしてビヨが重態だとわかると、病院の世話人に個室を準備するように命じ、唯一空いていた洗濯場にビヨを運ばせた。

ジルベールはビヨを注意深く診察し、包帯を巻いた。そして賞賛すべき技術を持って、ビヨの手術に当たった。水の冷たさと手術の痛みでビヨが目を開け、言葉にならない声を挙げた。

「脳の衝撃があるんだ。」

「でも彼は死んでいません。あなたは彼を救うことができますよね、ジルベール先生?」

「私は最善を尽くすよ、ピトゥ。しかしきみは1つ学ばねばならないことがある。自然は私たちの誰よりもよりよい医者なのだよ。」

ビヨの手当てを済ませたジルベールはピトゥにどうして彼がパリにいて、ビヨを救出するのに間に合ったのかを尋ねた。

理由は簡単だった。カトリーヌの不可解な失踪と夫のパリへの出発の後、ビヨ夫人は無感覚状態になり、床に就いていた。レナル医師は彼女を救えるのは娘のカトリーヌに会わせるしかないと言い、ピトゥがパリにやってきたという次第だった。

ピトゥがパリに来る時にはいつも身近で大きな事件が起こっていた。そして今回は彼が到着したまさにその日がシャン・ド・マルスの虐殺の日だった。パリに入った時に何が起こったのかを聞いて、ピトゥはジルベールの家に急いだ。ジルベールは戻っていたが、ビヨの姿はなかった。そして召使からシャン・ド・マルスには死者と怪我人がまき散らされていることを聞かされ、ビヨはそこにいるのではないかと思い、行ってきたという次第だった。

この日見たシャン・ド・マルスの光景をピトゥは自分が今まで見てきた同じ場所だと信じることができなかった。

一方ジルベールはバルサモの手紙で病院にやって来た。聞き慣れたピトゥの声をを聞き、手紙に書かれていた死にかけている男とはビヨのことだと気が付いた。

25章『カトリーヌ』:

ビヨ夫人はまさに死の床に就いていた。レナル医師はビヨとカトリーヌに伝えたいと思っていた。しかしカトリーヌの居場所はわからなかった。

それを確かめることができる唯一の方法はシャルニー伯爵に問い合わせることだった。ピトゥはコ・ケロン通りの家にセバスチャンを連れて行った時に伯爵夫人からとても親切に受け入れられたので、躊躇せず、真夜中近かったが、再びそこに行き、カトリーヌの所在を尋ねに行った。

ビヨの世話を病院の世話人に任せ、ピトゥとジルベールはジルベールの馬車でアンドレの家に行った。家には明かりがなく、人けもないように見えた。10分ベルを鳴らした後、ピトゥはドアのノッカーを叩こうとした時に、門番小屋のドアが開いた。ピトゥは自分は国民軍の隊長であるアンジュ・ピトゥであることを告げた。

「どういうご用件ですか?」

「私は伯爵にお目にかかりたいのです。」

「伯爵はここにはおられません。」

「それでは伯爵夫人は?」

「伯爵夫人もここにはおられません。」

「お二人はどちらへ?」

「お二方は今朝ブルソンヌへ旅立たれました。」

「畜生!彼らは僕がダンマルタン近くで通りすぎた四輪馬車の中にいた人たちだったに違いない!」

ジルベールはこの重大事に口をはさんだ。「きみの主人たちの不在中にきみが私たちに少し情報を与えてくれることはできないだろうか?」

ジルベールのやさしく、確固とした口調に門番はナイトキャップを手にして、馬車のドアまでやってきて、その紳士の命令を受けた。

「そんな情報をお望みですか?」

「きみは伯爵と伯爵夫人が大変関心を示している若い女性を知っているかい?」

「カトリーヌ嬢のことですか?」

「その通り」

「はい、伯爵と伯爵夫人は二度彼女に会いに行かれています。そしてしばしば私を彼女が必要なものはないかを尋ねてくるようにそこに送っています。」

「その哀れな少女の父親が今日シャン・ド・マルスで怪我をしたのだよ。そしてヴィレル・コトレにいる彼女の母親は死の床に瀕している。私たちは彼女に知らせなければならない。彼女の住所を教えてもらえないだろうか?」

「かわいそうな人だ!神よ、彼女をお助けください!彼女はすでに十分不幸です。彼女はヴィル・ダヴレの主要路に住んでいます。番地は教えることができませんが、噴水の向かい側です。」

ジルベールは門番にお礼を言い、6フラン硬貨を手渡した。

ピトゥはすぐに旅立つというが、ジルベールはビヨの容態は重態だが、予期せぬことが起こらない限り死ぬことはないし、ビヨ夫人も10日か2週間は生きているだろうから、ピトゥにまずは睡眠を取れといった。ジルベールに説得され、ピトゥはジルベールの家で休んだ。

翌日ピトゥは5時に起き、6時に馬車の準備がされ、7時にはカトリーヌの家のドアを叩いていた。

カトリーヌはピトゥに気づいて、母が死んだと思い、青ざめて、壁にもたれかかった。

「そうじゃない。でもあなたは彼女が死ぬ前に彼女に会いたいのなら、急がなければならない、カトリーヌさん。」

この短いやり取りが前置きを省かせ、カトリーヌはすぐに問題と向き合った。そしてピトゥはビヨが昨日シャン・ド・マルスで怪我をしたことを告げ、ピトゥもジルベールもカトリーヌにはヴィレル・コトレに行く前に病院でビヨに会ってもらいたいと思っている旨を伝える。

「ピトゥ、あなたは?」

「僕?あなたがお母さんに会いに行く時、僕はここに留まって、ビヨさんが回復するよう助けなければならないと思っているよ。あなたも知っての通り、僕にはいつも一緒にいる人はいないからね、カトリーヌさん」

カトリーヌはピトゥに手を差し出し、「あなたは気高い心を持っているわ、ピトゥ。私のかわいそうな小さなイシドールを見に来て頂戴。」と言った。

カトリーヌは以前よりも美しく、そして喪服を着ていた。この事実がピトゥに二度目のため息をつかせた。

カトリーヌはベッドとゆりかごが置いてある部屋にピトゥを案内した。ピトゥはゆりかごの中の小さなイシドールを見て、「何て美しい小さな天使だ!」と手を握り締め、跪き、まるでその子供が本当に天使であるかのようにその手にキスをした。

ピトゥは素早く報酬を与えられた。カトリーヌの髪が彼の顔に流れて行き、二つの柔らかい唇が彼の額に押し付けられるのを感じた。

「ありがとう、私の善良なピトゥ。父親から最後のキスを受けて以来、誰もこのあわれな子にキスをしてくれなかったのよ。」

26章『父と娘』:

10分後、カトリーヌとピトゥと小さなイシドールはジルベールの馬車でパリに向かっていた。病院に着くと、カトリーヌは子供を腕に抱き、馬車を降りた。そしてピトゥが後を追った。

洗濯場のドアで彼女は立ち止まった。

「ジルベール先生が父と一緒にいるといったわね?先生に私が父をとても興奮させることなく入っていけると思うかどうかを聞いてきて頂戴。」

ピトゥは中に入ったが、すぐに戻ってきた。

「先生は衝撃が大きいので、あなたのお父さんは誰も認めることができないと言っていますよ。」

カトリーヌは小さなイシドールを抱いたまま部屋に入ろうとしたが、ピトゥが子供を預かると言った。カトリーヌは少し躊躇したが、ピトゥは言った。

「そう、彼を僕に預けて。まるであなたはあなたのお父さんから決して離れられないように見えるから。」

カトリーヌはピトゥに息子を預け、部屋に入り、まっすぐ父のベッドに歩いて行った。ジルベールはビヨの近くに立っていた。ビヨの容態は前の晩からほとんど変化していなかった。ジルベールは怪我の部分を支える包帯を濡れたスポンジで湿らせていた。そしてその涼しい感覚でビヨは不明瞭な声を出し、目をぎょろつかせたが、再び昏睡状態に陥った。

カトリーヌは父のベッドの側に着いた。彼女は跪き、握り締めた手を天に挙げ、叫んだ。

「おお、神よ、私はあれを見てくださいとあなたを呼びます。心から懇願します。私の父の命を助けてください。」

これは恋人を殺そうとした父親のために娘ができたことのすべてだった。

彼女の声が聞こえて、ビヨの身体に震えが走ったように見えた。彼の呼吸は速くなり、再び目を開け、声を発した人を探すようにしばらく目をさまよわせ、カトリーヌの顔に視線を注いだ。その時彼は手でかすかな動きを取った。あたかも何か恐ろしい突然現れし者を追い払うかの如く。

カトリーヌの目は彼の目と合った。そしてある種の恐怖と共にジルベールは二人の光り輝く一瞥の出会い―それは愛情ではなく憎悪だった―を見ていた。

カトリーヌは立ち上がり、入ってきたときよりも故意に静かに出て行った。そして彼女の赤子を見ると、女性というよりむしろ雌ライオンのような情熱的な愛情で彼女の胸に抱きしめて、叫んだ。「私の子!ああ、私の子!」

ピトゥはカトリーヌと一緒に駅について行きたがったか、彼女は彼の申し出を次の言葉で断った。「いいえ、あなたが気高く言ったように、あなたの場所は一人で残されている人の側よ。だからここにいて、ピトゥ。」

ピトゥはカトリーヌにそう言われると従うしかなかった。

ピトゥがビヨのベッドの側に戻るとビヨは再び目を開けた。この時の親切な表情は娘を見た時に大嵐の雲のように彼の顔に広がっていた表情を追い払っていた。

カトリーヌは10時にパリを出発した。8時間後の夕方6時頃にヴィレル・コトレのソワッソン通りに馬車が止まった。

もしイシドールが生きていて、カトリーヌの母が健康だったら、恥辱の感情はカトリーヌをその前の舞台から去らせなかっただろう。カトリーヌは村に入ると、あたかも注目から逃れるかのように、家に向かって遠回りな道を取った。彼女は未亡人の母親として彼女がからかいにさらされるかもしれないとは思っていなかった。そして駅馬車を静かに恐れずに去った。彼女の喪服と子供は侮辱や軽蔑から彼女を十分に保護するように思えた。その上、彼女の親友たちはカトリーヌをほとんど認めなかった。彼女はとても青ざめていて、とても変化していた。彼女はほとんど同じ女性には見えなかった。しかし、結局大きな変化は彼女がイシドールのように育ちの良い紳士と親しく付き合うことによって無意識に手に入れた名誉の雰囲気だった。

アンジェリク伯母がカトリーヌを見つけた。「彼女を見て!あの細道をこそこそ歩いているわ。誰にも見られないように。」彼女は間違っていた。カトリーヌは注目を避けようとしたのではなく、急いで母の許に到着しようと、速く歩き、ピッスルーへの最短の道を選んでいただけだった。

アンジェリク伯母の声で子供たちが本当にカトリーヌかどうか確かめに彼女の後を追い始めた。彼女はいつも子供たちから好かれていた。

「ああ、カトリーヌさん、ごきげんいかが?こんにちは、カトリーヌさん」

「こんにちは、子供たち。私の母はまだ生きているかしら?」

「はい、レナル先生があと8日か10日は大丈夫と言っています。」

「ありがとう。」と言ってカトリーヌは子供たちに小銭を与えて、先を急いだ。

アンジェリク伯母は容姿の面で劣っていたことで、美しく、スタイルの良いカトリーヌをとりわけ憎んでいた。アンジェリク伯母がピトゥを追いだした時の避難場所はビヨの農場でもあった。ビヨについてフォルチエ神父に愛国者の祭壇でミサを行うことを強要したことで憎んでいた。そのため彼女はフォルティエ神父の姪のアデレード嬢のもとにそのニュースを持って行った。二人が話しているのを聞いた時、フォルチエ神父が現れた。そしてカトリーヌが子供を連れて帰ってきたことを告げた。

フォルチエ神父はビヨへの恨みを忘れていなかった。そしてビヨ夫人の埋葬される時が来たら彼女の恨みを晴らそうという不穏な言葉を口にした。

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アンジェリク伯母さんってフォルティエ神父なみのひどいイケずな人ですよ。先が思いやられる・・・sweat01

27章『母と娘』:

その間にカトリーヌは家路を進んでいた。小道を離れ、彼女は森を抜けて、主要道路につながっている狭い歩道を左に曲がった。

この道路沿いのほとんど全ての物がカトリーヌの心の中に悲しみに沈んだ記憶を呼び起こした。ここにある小さな木の橋でイシドールはあの日彼女に別れを告げ、ピトゥが道路脇で意識を失って倒れている彼女を見つけた。農場の境界近くに立っている空ろな木にはイシドールが彼の手紙をこっそり隠していた。

彼女が家に近づくにつれ、イシドールがいつも彼女の部屋に入ってきた小窓を見つけることができた。そして、もし農夫の銃が発射し損ねなかったら、そこで彼の生涯は突然の終わりをもたらされていただろう。

ついに彼女はブルソンヌにつながる道を見つけた。そこを彼女はよく横切った。そしてイシドールが農場に来るのに慣れている道だった。

どれだけの夜、窓にもたれかかって、主要道路を見据えて、彼女の恋人が息を切らしてやってくるのを期待して待ち、そして彼女が暗闇の中で近づいてくる彼―いつも約束の時間に遅れず、いつも誠実だった!―を見た時に彼女の心からとても重い荷物が持ち上げられるのを感じただろう。

今や彼は死んでいた。しかし彼女は彼女の胸に赤子を抱くことができた。人々は彼女の恥辱と不名誉についてぺちゃぺちゃしゃべることによって何を意味していたのか?このように美しい子供がどんな母親にとっても不面目の原因あるいは辱めの原因となりえたのか?

素早く、そして恐れず、彼女は家に近づいた。大きな犬が吠え始めた。しかし、突然若い女主人を認め、鎖の長さが許す限り、前に飛び上がった。そして後ろ足で立ち、前足を宙に浮かせ、うれしそうに吠えた。

犬がとても騒々しく吠えるのを聞いて、一人の男がドアに来て、何が起こったのかを知った。

「カトリーヌさん!」彼は驚いて叫んだ。

「クルイ父さん!」カトリーヌが叫んだ。

「よく帰ってきた。わしの親愛なるお嬢さん。」年老いた猟場管理人は言った。

「家はお前さんの存在を悲しげに必要としているよ。」

「それで私のかわいそうな母は?」

「同じ状況だ。良くなっているというよりむしろ悪くなっている。かわいそうな人は衰弱していると私は思っているよ。」

「母はどこですか?」

「彼女の部屋だ。」

「一人で?」

「ああ、でもだめだ。わしの親愛なるお嬢さん。わしはそれを許さんよ!お前さんはわしを許さなければならんよ、お嬢さん。もしお前さんの留守中に私が少し自由に指導管理していたとしても。お前さんがわしのつつましい小さな家で過ごした時間はわしにほとんどわしがあたかも家族の一員であるように感じさせてくれた。わしはお前さんをとても愛している。お前さんとかわいそうなムッシュー・イシドールを」

「あなたは聞いているのですか?」

「ああ、ああ。―王妃をかばって殺されたって。かわいそうなムッシュー・ジョルジュのように。なおかつ、お嬢さん、彼はお前さんにこの美しい少年を残していった。そしてお前さんはその父親のために泣くだろうが、子供には微笑みかけなければならんよ。」

「ありがとう、クルイ父さん。」カトリーヌは年老いた猟場管理人に手を差し出した。

「でも私の母は―」

「彼女の部屋にいるよ、わしが言ったようにね。クレマン夫人と一緒だ。お前さんの世話をしたのと同じ看護婦だよ。」

「母はまだ意識があるんでしょうか?」

「時々ね、そう思うよ。しかしそれは大抵誰かがお前さんの名前を挙げた時だ。わしたちは一昨日彼女を起こした。しかしそれ以来彼女は意識があるという合図を示さなくなっている。彼女に会いに行きなさい、お嬢さん。」と加えて、猟場管理人はビヨ夫人の部屋に通じるドアを開いた。

カトリーヌは部屋の中を見やった。母は緑のサージの壁掛けのある高い寝台の骨組みの上に横たわっていた。部屋は3つの管がついた流行遅れのランプ―そのようなものは時々時代遅れの農家の家で見られたものだった―の1つで照らされていた。哀れなビヨ夫人は彼女の肌が象牙のように顔色が悪くなっていたこと以外は少しも変化していないように思えた。彼女は眠っているように見えた。

「お母さん!お母さん!」カトリーヌが看護婦に子供を預けながら、叫び、母のベッドに身を投げた。

病人は目を開けた。そしてカトリーヌの方に顔を向けた。知力の輝きが彼女の目を輝かせた。そして彼女は話すということの威厳を達成することができない言葉にならない声を挙げた。それからあたかも触感によって彼女の衰えている視覚と聴覚の証拠を裏付けるかのように手を差し出した。しかし、彼女の努力は無駄に終わった。動きは失敗した。彼女の目は再び閉じられ、腕はまだベッドの脇に跪いていたままだったカトリーヌの頭の上に死人のような重さで置かれた。そして彼女はあたかも電気の衝撃によって、娘の声を聞いたことによって、瞬間的に起こされた無感覚の状態に再び陥った。

カトリーヌが見たものは彼女の心の中に父と母が全く正反対であったという感情を誘発した。父は知覚麻痺から目覚め、彼からカトリーヌを追い払った。母は麻痺状態から現れ、カトリーヌを彼女の側に引き寄せた。

カトリーヌの到着は農場の物事に革命をもたらした。ビヨは期待されていたが、娘はそうではなかった。カトリーヌはビヨに起こった出来事を話し、ピッスルーにいる彼女の母同様に父もまたパリでほとんど死に近い状態であることを話した。彼女は過ぎ去った日々の中で父が彼女に与えた権威を再び引き受けた。そして老クルイに彼の貴重な奉仕に対し気前よく報酬を与え、彼は隠れ場と呼んでいる森の中の小屋に戻っていった。

次の日レナル医師が農場にやってきた。というのは彼はそこを訪れるのが習慣になっていたからだ。よいことをするという期待からというよりむしろ義務感からだった。彼は今や人間の努力ではビヨ夫人の命を救う、または延長することはできないと知っていた。

彼は娘がそこにいるのを知って、喜んだ。そして直ちに彼が敢えてビヨに言及しなかった話を切り出した。―それは教会での聖体祭儀についてだった。

ビヨはヴォルテールの熱烈な弟子として知られていた。レナル医師は特に敬虔な人物ではなかったし、逆に彼はその時代の懐疑的な精神を深くしみこませていただけでなく、」科学的な男だった。年齢は疑惑の段階に到達していたが、化学はすでに積極的な否定の段階に到達していた。尚更このような状況下で医師はその問題について家族に話すのは彼の義務であると感じた。

信心深い親戚はいつも聖職者を呼びにやるこの警告を利用していた。宗教的でない人達は、もし聖職者がいるべきだろうという命令を与えても、ドアは彼の面前で閉められるだろう。

カトリーヌは生まれつき敬虔だった。彼女は父と神父の間の不一致の原因を知らなかったし、むしろ彼女はそれらをとても重要性があることとは考えていなかったので、クレマン夫人をフォルチエ神父の家に送り、彼女の母に臨終の秘跡を与えに来てくれるように頼んだ。ピッスルーはあまりにも小さな村なので、個々の教会、助任司祭はヴィレル・コトレに頼っていた。事実、ヴィレル・コトレの埋葬地にはピッスルーの死者が埋葬されていた。

1時間後、臨終の聖餐のベルが農場の家のドアでチリンチリンと鳴っているのが聞こえ、神聖なホスチアは跪いたカトリーヌによって歓迎された。しかしフォルチエ神父がかろうじて病人の部屋に入り、彼が呼びだされた人は口が利けず、目も見えず、声も出ないことに気付き、彼は告解することが可能な人にだけ罪の許しを与えることを宣言した。そして最も真剣な懇願にもかかわらず、彼は断固として拒否を貫き、聖体容器を持って、去っていった。

フォルチエ神父は最も偏狭で狂信的なタイプの聖職者だった。スペインでは聖ドメニコ、メキシコではヴァルヴェルドであっただろう。他のどんな聖職者に懇願しても無駄だった。ピッスルーは彼の小教区であり、彼の権利を敢えて侵害する他の聖職者はいなかった。

カトリーヌはとても敬虔で繊細な心の持ち主であったが、とても分別もあった。それゆえ彼女は神父の拒絶は彼女が耐えなければならないもう一つの悲しみであると見做し、神は聖職者よりも死にかけている女性に対してより寛大であるだろうという考えで自分を慰めた。そして彼女は母に対する娘の義務と子供に対する母親の義務を行うことを続けた。彼女の全ての時間は人生に入ってきたばかりの子供とそこから立ち去ろうとしている疲れ切った魂の間で分配された。

丸8日間、彼女は子供の揺りかごに行く時だけ母のベッドの側から離れた。

8日目の夜、彼女が病人のベッドの脇で見守っている間、ドアが開いた。そしてピトゥが入ってきた。

カトリーヌは彼を見た時に震えた。すぐに父が死んだと確信したからだ。しかしもう一つの一瞥がピトゥはそのような情報を運んでくることができない人であることを納得させた。彼の表情は決して陽気ではなかったが、それにはあまりにも元気がよかった。

彼はビヨがよくなってきていることを報告した。数日間医師は患者の回復を確信していた。そしてピトゥの出発のまさにその朝にビヨは病院からジルベールの家に移動させられた。ビヨが危機から脱するや否や、ピトゥはピッスルーに戻るつもりだと伝えた。というのは彼はもはやビヨのために心配する必要はなかったが、カトリーヌのために心配する必要があったからだ。更に、ピトゥは医師が農夫に自分同様弱っている妻の容態を知らせるのに心配ないと思うや否やビヨは家に戻ることを強く主張するだろうと確信していたからだ。そして彼がそこでカトリーヌを見つけたらどうなるだろう?

カトリーヌの病院への訪問の不幸な影響はまだはっきりと見えていた。というのはその記憶がまだ怪我をした男に絶えず浮かんでいるように見えた。そして彼の感覚がゆっくり戻った時、彼は彼の周りに心配そうな黙り込んだ一瞥を投げた。あたかも憎むべき姿が再び現れるのを見るのを期待しているかのように。

彼はその問題について一度もそれとなく言わなかったし、またカトリーヌの名前さえも言わなかった。しかしジルベール医師はあまりにも近くにいた観察者だったので、真実に気づかないわけにいかなかった。そこでビヨが回復期になるや否や、彼はカトリーヌを連れ去る命令と共にピトゥを農場に送った。医師がその時の死の前に痛ましい暴露をするという危険を冒すことを賢明であると考えなければ、ピトゥはこれを成し遂げるのに2~3日かかっていただろう。

ピトゥはカトリーヌにこの全てを話した。しかしカトリーヌはきっぱりと母が生きている間は、例えもし父が死にかけている母のベッドの側で彼女を殺そうとも、母から離れないと宣言した。

ピトゥはこの決心を深く遺憾に思った。しかし敢えてそれに反対しなかった。それによって彼はすることがなくなったが、必要とあらば父の娘の間に介入する準備のために自分自身を留めていた。

丸2日が過ぎ、その間ビヨ夫人の命が呼吸毎に衰えているように見えた。10日間彼女は何も食べ物を摂っていなかった。そして命は時々彼女の口に差し込まれるスプーン1杯のブランデーによってだけ支えられていた。10日目の夜、彼女の呼吸が明らかに彼女を見捨てようとしていた丁度その時、彼女は突然生き返った。

「お母さん!お母さん!」カトリーヌは叫んだ。そして彼女は赤子を連れてくるためにドアに突進した。

人はカトリーヌが彼女の母の魂を受け取ったと思うかもしれない。というのは彼女が小さなイシドールを腕に抱いて戻ってきた時、病気の女性は頭をその方向に向けようと努力し、そして彼女の目には娘を歓迎している表情があった。彼女は娘に腕さえ伸ばし、かすかなうめきを挙げた。

カトリーヌはまだ子供を腕の中に抱いたまま、ベッドの脇に膝を落とした。

その時奇蹟が起こった。ビヨ夫人は枕から起き上がり、片方の手をカトリーヌの頭の上に、もう片方の手を彼女の赤子の頭の上に置いた。それからクロッソスの息子が恐ろしい危険の瞬間に言語能力の喪失という足かせを破った時に持ったような超人的な努力で、死にかけている母は叫んだ。「私はお前を祝福しますよ。私の子供よ。」それから彼女は自力で動かせない腕と共に枕の上に沈み、声は永遠に沈黙させた。

彼女は死んだ。しかし彼女の目は開いたままだった。あたかも哀れな母親が生きている間に彼女の娘を十分見なかったので、墓の側からもまだ娘を見つめていたいと切望しているかのように。

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この章、全文翻訳です。カトリーヌとお母さんがあまりにもかわいそうすぎて・・・crying。それにしてもフォルチエ神父のこの嫌がらせはもう聖職者にあるまじき行動としか思えません。絶対にビヨから報復されると思います・・・あまりにもひどすぎる・・・

28章『フォルチエ神父が脅迫を実行すること』

カトリーヌはうやうやしく母の目を閉じた。最初は指で、それから彼女の唇で。

クレマン夫人はこの最高の瞬間が来ることを長い間予感していた。そして蝋燭を与えた。そして、カトリーヌが泣いている子供を彼女自身の部屋に連れて行き、彼女の胸で寝かしつけようとなだめていた間、クレマン夫人はベッドの先頭部に2つの蝋燭を置き、死んだ女性の手を胸の上に組み合わせ、死んだ指の間に十字架を置き、そして椅子の上に最後のしゅろの日曜日で確保した小枝の箱と共に聖水のボールを置いた。

カトリーヌが戻ってきた時、彼女がすることは何もなかったが、手に祈祷書を持って死者のベッドの側に座った。

その間ピトゥは葬式の準備のすべての世話を引き受けていた。とても仲の良い間柄になっていないフォルティエ神父のところへ敢えて行くことはせずに、彼は寺男のところへ死者のためのミサを行うことを依頼しに、墓堀り人には墓を掘ることを言いに出かけた。それから彼はアラモンに急ぎ、副長と31名のアラモン国民軍の兵士たちに埋葬は翌日の11時に行われることを知らせた。

ビヨ夫人は彼女の人生において公式な地位に就いたことはなかったが、彼女の夫の革命的な目標への献身がよく知られていた。彼が自由の神聖な理想の中で受けた怪我のために寝椅子の上で苦しんで横たわっていることも知られていた。そのため、ピトゥの葬式に出席するようにとの招待は命令と同等だった。そして、兵士たちはそれぞれ長であるピトゥと約束の時間を厳守して出席することを約束した。

その晩ピトゥが農場に戻って来た時、彼は肩に棺を載せている請負人とドアで会った。今や直観力がある思いやりの感情を持つピトゥは農民たちと、またはもっと高い地位の人々にさえとても上手に会うことができた。そこで彼は請負人と棺を車庫に入れ、そして一人で家に入っていき、可能な限りカトリーヌに悲しげな光景から免れさせることを決意した。

カトリーヌは母のベッドの足元で祈っていた。そしてピトゥは彼女に彼が何をしてきたかを話した後に彼女に少し空気を吸いに出掛けるように駆り立てた。しかし彼女は拒絶した。

「あなたがでかけないならあなたの小さなイシドールにとってとても悪いことになると思うよ。」ピトゥは強く主張した。

「それじゃああなたがあの子を連れて行って、あの子に少し新鮮な空気を吸わせてきて頂戴、ピトゥさん。」彼女は答えた。

そしてカトリーヌはピトゥに大きな信頼を持っていたに違いない。さもなければ彼女が5分間でさえ彼女の子供を彼に預けることはしなかったろうから。

ピトゥはあたかもこれらの命令に従うかの如く出掛けて行った。しかし、ほとんどすぐに再び戻ってきて、言った。―

「彼は僕とは行ってくれないよ。彼は泣いているんだ。」

そして事実開かれたドアからカトリーヌは彼女の子供が元気よく泣き叫んでいるのを聞くことができた。そこで彼女は彼女の死んだ母親の額にキスをして、彼女の坊やのところに行くために離れた。腕に子供を抱き、彼女はピトゥの後に従って外の空気を吸いに行った。そして彼女の背中が向けられるや否や請負人が荷物を持って家に入っていった。

ピトゥは30分ほどカトリーヌの邪魔にならないようにしたがった。そこであたかもほんのわずかな機会によってのごとく、彼は彼女をブルソンヌ道路へ連れて行った。そしてこの主要路はとても多くの思い出がつまっていたので、彼女はピトゥに一言も話しかけることもなく、長い距離を歩いた。そして彼女は自分自身の心と語り合うことにとても夢中になっていた。

ピトゥは請負人の仕事が完了する頃合いだろうと思った時に、「もう農場に戻りませんか?カトリーヌさん」と言った。

彼女はあたかも夢からのように突然彼女自身を起こした。

「ええ、そうね。」彼女は答えた。「あなたはなんて親切なの、ピトゥ。」

そして彼女はすぐに向きを変え、再び道を引き返した。

彼らが家に到着した時、クレマン夫人がピトゥに合図をして、請負人の仕事は満足が行くように終了したことを示した。カトリーヌは小さなイシドールをベッドに置くために自分の部屋に行った。そして義務を終えると、彼女は再び母の体を見守ろうとした。その時ピトゥが彼女を次の言葉で遮った。

「それはもう必要ありませんよ、カトリーヌさん。というのは私たちがいない間にあらゆることが世話されていたのです。その―」

「ではそれがあなたが私の外出を強く主張した理由なのね。分かったわ、私の親切なお友達。」

そしてカトリーヌは彼に感謝する一瞥で返礼し、付け加えた。

「もう一回最後の祈りを、そうしたら私は離れるわ。」

彼女は母の部屋に真っ直ぐ歩いて行った。ピトゥは入口までただ後を追った。部屋の真ん中に棺があった。それを見守りながら、カトリーヌは立ち止まり、突然泣き始めた。それから彼女は跪き、オーク材でできた棺に彼女の青白い額を深い悲しみと疲労と共に押し付けた。

カトリーヌは長々と祈った。彼女は棺から自分自身を引き離すことができるようには見えなかった。哀れな少女はイシドールの死の後、彼女にはこの世に二人しか友人がいないことを知っていた。―彼女の母とピトゥだった。

彼女の母は彼女を祝福し、彼女に永遠の別れを言った。彼女は今棺の中に横たわっている。そして明日墓が彼女を閉じ込めるだろう。ピトゥはその結果今や彼女の唯一の頼りになる人になった。そして一人を除いて、とりわけその友人が彼女の母だった時に彼女の最期の友人と離れることはつらいことだった。

ピトゥはカトリーヌを助けに行かなければならないと感じた。そこで彼は部屋に入り、そして言葉は役に立たないことを知っていたので、カトリーヌの両腕の下に彼の両手を置いて、彼女を膝から立ち上がらせようとした。

「もう一度、ピトゥ、もう一度だけ!」彼女は懇願した。

「あなたは自分自身を病気にしてしまうよ、カトリーヌさん。」

「それが何なの?」

「その場合、僕は小さなイシドールのために看護婦を探しに行かなけれなばらないだろう。」

「あなたは正しいわ、ピトゥ、あなたは正しい」少女は答えた。「あなたは何ていい人なの、そして私がどれだけあなたを愛しているか!」

ピトゥはふらついた。そしてほとんど後ろに倒れそうになった。喜びの涙が彼の頬を流れ落ちた。というのは今までカトリーヌが彼を愛していると言ったことがあっただろうか?ピトゥはカトリーヌが彼に対して感じていた愛の本質に関して自分自身をだましてはいなかったが、とにかく彼女が彼を愛しているという単なる事実は彼にとって最も大切なことだった。

祈りを終え、カトリーヌは立ち上がり、部屋を去ることで約束を守った。ピトゥは彼女を支えるために彼の腕を彼女のウェストに回した。そして彼女は彼の肩にもたれながら、ゆっくりとドアに向かって歩いた。敷居の上で彼女は立ち止まり、そして二つの蝋燭で薄暗く照らされていた棺に最後の一瞥を投げ、叫んだ。「さようなら、お母さん!最後にもう一度、さようなら!」

彼女自身のの部屋のドアでピトゥは彼女を止めた。そして彼女は彼を十分理解していることに気付いていたので、彼が彼女に何かを言おうとしていることを確信した。

「何?」彼女は尋ねた。

「あなたは農場を去る時が来たとは思わないかい?」ピトゥは口ごもり、とても困惑していた。

「私は母が去るまで農場を離れないわ。」

カトリーヌはとても断固として言葉を発したので、ピトゥは彼女の決心は取り消せないとわかった。

「ではあなたはいつ去るのです?」ピトゥは言った。「あなたには心からの歓迎を確信している場所がここから数マイルの範囲内に2つあることを知っている。―クルイ父さんの小屋とピトゥの小さな家だ。」

「ありがとう、ピトゥ」カトリーヌは答えた。それから彼女はピトゥについてこれ以上自分自身を悩ませることなく、彼女の部屋に入っていった。ピトゥはどこかに自分の居場所を見つけることを確信していた。

翌朝10時頃、故人の友人や近所の人達が葬式のために集まり始めた。ブルソンヌ、ヌー、コヨール、ラルニー、アラモン、そしてヴィヴィエールからの全農場主がそこにいた。そしてヴィレル・コトレの市長で、心優しいド・ロンプレ氏も最初に到着した人の一人だった。

10時半にアラモンの国民軍がドラムを叩き、軍旗を垂れ下げて、到着した。欠席した者は一人もいなかった。

カトリーヌは喪服を着て、同じように黒い服を着た赤子を腕に抱き、それぞれの人たちを受け入れた。そして二重の死別により沈んだ様子のこの母親と赤子に対する配慮以外は誰も何もはっきり示さなかった。

11時までに農場の家には300人以上の人が集まっていた。しかし聖職者も運搬人もそして他の教会の職員たちも到着していなかった。

彼らは15分待ったが、誰も来なかった。ピトゥは物置小屋の天辺に上り、そこからヴィレル・コトレにつながっている道路を長く見渡せたが、彼の優秀な目をもってしても誰も近づいてくる人を見ることができなかった。

彼は降りて、そしてド・ロンプレ氏に彼の観察の結果だけではなく、彼の結論を知らせた。

ピトゥは彼の伯母がフォルティエ神父を訪れていたこととその高位の聖職者がビヨ夫人に臨終の秘跡を与えることを拒否したことも聞いていた。そして聖職者の性格を理解していたので、彼はフォルティエ神父が、本当の理由ではなく、故人側からの懺悔の無視という口実で、ビヨ夫人の葬儀に聖職者の出席の許可を与えないと決心したことを納得していた。

これらの推測はピトゥによって市長に伝えられ、その結果、市長によって他の人々に伝えられ、最も意気消沈させる効果を生んだ。最初あらゆるひとが沈黙した。しかしついに誰かが言った。「よかろう、もしフォルティエ神父がミサを行わないのなら、私たちは容易にそれなしで執り行うことができる。」

この声はデジレ・マニケのものだった。そしてデジレ・マニケの無神論の意見はとても知られていた。

死んだような沈黙が後に続いた。死者のための葬式を省略するという提案は明らかに度胸のいることだった。―事実、ヴォルテールとルソーの原理の支持者の指示だった。

「皆さん、ヴィレル・コトレに進みましょう。」と市長が言った。「そこでたぶんあらゆることが説明されるでしょう。」

「ヴィレル・コトレへ!」全員が叫んだ。

ピトゥは彼の4人の兵士に合図をした。彼らは棺の下に彼らの銃の銃身を置き、そのような方法で、ドアの近くに跪いていたカトリーヌの側を、そして彼女の側に置かれ、跪いていた小さなイシドールの側を通り過ぎて、棺を運び出した。

棺が持ち出された後、カトリーヌは身をかがめ、敷居にキスをした。というのは彼女は再び農場の家に入ることを決して期待されていなかったからだ。それからピトゥに振り向いて、立ち上がり、言った―。

「あなたはクルイ岩の小さな家の中に私たちを見つけるわ」そして庭を横切り、彼女は素早くヌーの方向に歩いて行った。

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この章は全文翻訳です。カトリーヌがあまりにもかわいそうなのと、ピトゥの献身が心温まったので。もうフォルチエ神父、聖職者としてありえない人物ですannoy!!

29章『フォルチエ神父が約束を守ることはいつも容易ではないことを発見すること』

長い行列はゆっくりと礼儀正しく進んでいた。後ろにいた人たちは大きな叫び声が聞こえたので、何が起こったのかと振り返った。

1人の男が彼らの後を全速力で馬に乗ってきた。彼はイヴォールから来た。つまりパリからの道だった。顔の一部分は包帯で覆われ、彼は人々に彼を待ってくれるように帽子を振った。

ピトゥが振り返って、叫んだ。「何で?ビヨさんだ!ひゃあ!僕はフォルチエ神父と同じ立場にいたくないな!」

ビヨの名前が聞こえ、全員が止まった。彼が行列の先頭に到着するや否や、馬から飛び下り、手綱を馬の首に投げ、全員に聞こえるはっきりとした口調で言った。「こんにちは、そしてありがとう、市民の仲間たちよ!」それから彼は、夫が不在のため喪主を務めていたピトゥに代わって、棺の真後ろに場所を取った。

みんながビヨを大きな関心を寄せて見つめた。彼は以前よりも痩せており、額と左目の周りの肉がまだ黒と青になっていた。彼のかみ合わせた歯としかめたまゆはどの瞬間にも突然現れそうになっている黙り込んだ激怒を示していた。

「あなたは何が起こったのか知っているのですか?」ピトゥが尋ねた。

「私は全てを知っている。」ビヨがむっつりと答えた。

ジルベールがビヨに彼の妻の容態を知らせるや否や彼はパリを旅立ち、馬車と馬を乗り継ぎ、葬式の行列が去ってまもなく農場の家に到着し、クレマン夫人から事の経緯を聞き、再び馬に乗り、行列に間に合った次第だった。

ビヨはしかめた眉、不穏に引き締められた唇、胸の上に腕を組んで、葬列の先頭を歩いた。この小さな集まりは前より一層悲しく、憂鬱になった。

ヴィレル・コトレの村のはずれでかなり多くの人達が集まって、彼らを待っていた。行列が公共の広場に着くまでには十分に500人を数えていた。そしてピトゥが予期していた通り、教会は閉まっていた。

教会の前で行列は止まった。ビヨの顔色は鉛色になり、彼の表情はどんどん威嚇するようになっていった。教会は市役所の隣にあり、教会の礼拝中にホルンを吹いている男は市役所の管理人もしていた。そこで市長が彼に質問をした。

彼はフォルチエ神父がはっきりと教会に関係しているあらゆる人に埋葬をするためのあらゆることを禁じたことを報告した。市長は教会の鍵のありかを尋ね、堂守の家にあることがわかり、ビヨはピトゥに取りに行かせる。しかし、ピトゥはすぐに戻ってきた。鍵は教会を開かせないようにするために神父が自分の家に持って行っていたのだ。

神父の家に取りに行こうという声が挙がったが、時間がかかり過ぎるとビヨがそれを止めた。ビヨは教会の向かい側に建築中の家を見つけ、そこから木材を借りてきて、その木材を使って教会のドアを打ち壊し始めた。そして3度目の打撃でドアの錠や蝶番が飛び去り、ドアが開いた。

「さあ、市長さん、生きている魂を決して傷つけなかった私の哀れな妻の棺を内陣の前に置かせてください。ピトゥ、教会区典礼部役員、寺男、聖歌隊員、そしてミサの侍者を行って取ってこい。私は自分自身で聖職者の世話をする。」

数人の男たちがビヨと一緒に行くことを希望したが、ビヨは重大な結果を生み出しかねないので、自分一人でやらせてくれと拒絶した。

そのため革命家と王党派が向かい合ってお互いを確認するのは二度目となった。全員が最初の起こったことを思い出していた。彼らのほとんどが似たような光景を予想した。人々はビヨの命令に従って、その場から動かなかった。

聖職者の家のドアは教会のドア同様、しっかりと閉められていた。ビヨは石でできている柱を見つけ、それを地面からもぎとり、弩砲のように花崗岩の塊をドアに投げつけ、ドアは粉々に壊れた。

ほとんど同時に二階の窓が開き、フォルチエ神父が姿を現し、力いっぱい叫んで彼の小教区民に助けを求めた。しかし教会員は彼らの羊飼いの声を認めたようには見えなかった。あるいは彼らは狼と羊飼いを彼ら自身の間で戦わせることを好んでいた。10分が経過し、ビヨはドアを3つか4つ壊していた。フォルチエ神父の懇願はどんどん取り乱し、彼の身振りもどんどん興奮していった。この増加していた動揺は危険がますます近づいてきているためだったことは明らかだった。

突然ビヨの青白い顔が聖職者の後ろに見えた。そして手が彼の肩に重くのしかかった。神父は二重窓で分けられていた木製の十字架に向かってふんばっていた。彼もまた力においては際立っていた。しかしビヨは聖職者のウェストに腕を回し、脚をしっかり踏ん張った。それからオークの木を立ち退かせただろう急なひねりで彼は敵を窓から引っ張り去った。そして農場主と聖職者の両方が視界から消えた。しかし神父の叫びがどんどん遠くに薄れていくのが聞こえた。

その間ピトゥはビヨに指示された人々を集め、ミサのための黒い法衣を着せ、祭壇を蝋燭で照らすように強制した。彼らが準備を進めている時、ビヨが聖書者を彼の後ろから引きずり、通りから降りてくるのが見えた。

ビヨは人間以上だった。彼は自然の不屈の、抵抗できない力を持った人々の一人に変わっていた。

教会に近づいてくると聖職者はもがくのを止めた。そして彼は完全に怯えているように見えた。みんなが二人が通り過ぎるために脇にそれた。神父は粉々にされたドア、自分の所有物が散乱しているのを見て、抵抗できない力が聖職者そのもの同様宗教そのものの上にも感じさせられていることに気付き、礼拝を始めようとした。

しかしビヨが命令する身振りで手を伸ばし、叫んだ。

「十分だ。お前は神のしもべに値しない。私はお前の高慢を抑制したいと思った。それだけのことだった。私は私の妻のような善良な女性はおまえのような狂信的で卑しむべき奴の祈りなしで十分済ますことができることを人々に理解してもらいたい。」ビヨは付け加えた。「もしこれが神聖なものを汚すことなら、刑罰を私の上に降り落せ。」

それから教会だけでなく裁判所の隣の地面にもいっぱいになっていた群衆の方を振り向き、言った。

「埋葬地へ!」

「埋葬地へ!」群衆が繰り返した。

4人の運搬人が再びマスケット銃の銃身を棺の下に置き、ビヨを先頭に埋葬地への行列が再び始められた。

埋葬地へ行く道の途中にアンジェリク伯母の家があった。教会同様、門がしっかり閉められていた。

ビヨの合図を受けて、ピトゥは墓堀人の家に埋葬地の鍵を取りに走った。5分後ピトゥは鍵だけではなく、2本のシャベルも持って戻ってきた。というのはフォルチエ神父は死んだ女性が教会に入ることだけではなく、同様に神聖な土地に入ることの許可も拒絶していた。墓堀人は彼女のために墓を掘ってはならないと命じられていた。この聖職者の悪意のこの新しい証明で威嚇するようなつぶやきが群衆から生じた。

彼の意図を理解したピトゥに感謝の身振りをして、ビヨは鍵を受け取り、門を開け、棺を通過させた。それから彼自身がその後を追い、順番に葬列に参加していた人たちが後に従った。会葬者は今や近隣に住む居住者のほとんど全員になっていた。そこに参加していなかったのは過激な王党派か頑固者だった。アンジェリク伯母がいなかったのは言うまでもなく、彼女は甥に対して天罰が下るように呪っていた。

しかし優しい心と正義に対する強い感覚を与えられた人はすべて、慈悲と思いやりに対する悪意と強い嫌悪感の代理人とは反対である人はすべて、つまり、34の町の人口が宗教でも神にでもなく、聖職者の狂信的行為に抗議していた。

墓堀人によって印がつけられていた墓を掘る場所に到着すると、ビヨは手を差し出し、ピトゥは鋤の1つを渡した。それから二人は帽子を取り、仲間たちの群衆に囲まれ、敬虔で辛抱強い女性のために墓を掘り始めた。1時間かかる骨の折れる仕事だったが、二人とも墓が完成するまで一瞬たりとも手を抜かなかった。そして墓が完成した時にロープが与えられ、二人は棺を下に降ろした。ビヨとピトゥはこの最後の悲しい義務をとても静かにそして自然に行っていたので、誰も彼らを援助すると申し出なかった。本当に彼らは邪魔することは神聖なものを汚すことになると思っていただろう。

最初の土の塊がオーク材でできた棺の上に落とされると、ビヨは目に手をさっと動かし、ピトゥは上着の袖で涙を拭った。それから彼らは勇敢に墓を土で満たす仕事を続けた。

仕事が終わった後、ビヨはシャベルを脇に投げ、ピトゥに腕を差し出し、ピトゥはビヨの胸に飛び込んだ。

「神は私の目撃者だ。私は人間の美徳の最も偉大で最も純粋なもの―慈善、献身、擬古犠牲、友愛ーのすべででお前を抱きしめる。そしてそれゆえ私の人生はこれらの美徳の勝利のために捧げられたのだ。」

それから彼の手を墓の上に伸ばして、付け加えた。

「私は私を殺そうとした国王に対して、私の娘に不名誉をもたらした貴族に対して、私の妻の埋葬を拒絶した聖職者に対して、永遠の憎悪を誓うことについても神は私の目撃者である!」

それからビヨの3重の呪いに明らかに十分に共感している人々に振り返り、自分を新しい議会の代表に選んで欲しいと言った。このビヨからの提案を満場一致の承認が歓迎した。

ビヨが感謝をした後、全ての人々はそれぞれがその心に革命的な宣伝の強い精神を持って、家路についた。聖職者、貴族、国王は彼らの盲目の中で彼ら自身の破滅のための最も勢力のある兵器を与えた。

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この章もほとんど翻訳しています。またしてもビヨVSフォルチエ神父の戦い。ビヨが怒るのは全く無理からぬ話なのですが、10日前まで瀕死の状態だったビヨがこんな立ち回りをしているのがもう信じられないという感じですcoldsweats02。本当に超人的です。バルサモからその超人的な力を与えられたのでしょうか?そしてビヨはカトリーヌを愛するがゆえにイシドールをとても憎んでいますが、イシドール自身は全然悪い人ではなかったと思うんですけどね。カトリーヌを妻にしたいと思っていたわけで、遊びじゃなくって本気だったんですもの。なので、こうビヨに宣言されてしまうとイシドールがかわいそうなのでした・・・weep

30章『代表者ビヨ』:

ビヨは人々から心のこもった握手を受けた後、かなり落ち着いた心持で農場に戻った。ビヨは国王と貴族が自分に対して行った間違ったことに対する報復を最も効果的なやり方でしたことに初めて気づいた。

ビヨはカトリーヌのことを言及することなしに農場に戻った。事実彼は彼女が農場に滞在していたことを聞いていたことさえ少しも示さなかった。彼が娘の名前を口にしなくなって1年以上が経過していた。彼にとって娘はあたかももう存在していないかのようだった。

心優しいピトゥは違った。彼はカトリーヌが彼を愛することができないということを心の奥底から遺憾に思った。そして彼女が愛した美しく、教養のある若者と自分自身を比較した時に彼自身の求婚が失敗したのは不思議なことと思うことはできなかった。そのためピトゥはイシドールを羨んだ。しかしカトリーヌに対して反感は感じなかった。逆に彼は今まで同様献身的に彼女を愛していた。

イシドールがヴァレンヌで殺された時、ピトゥはカトリーヌのためにとても深い哀れみの情を感じただけだった。彼の感情はビヨとは逆だった。というのは彼は善良で気高く、そして自分の恋敵に対してさえ寛大だったことの全てを思い出し、その若い貴族を十分に正しく評価していたからだ。この全ての結果はカトリーヌがうれしく、陽気だった時よりもずっと苦悩の中にいるカトリーヌをピトゥが愛しているだけではなく、彼がカトリーヌを愛しているのとほとんど同じくらい彼女の哀れな小さな父なしっ子を愛している自分自身にも気付いた。

ピトゥはビヨの許しを得た後、農場には戻らず、アラモンに向けて進んだ。彼の近所の人たちは彼がしばしばいなくなったり、また現れたりすることに慣れていて、彼が帰ってくるといつもどんなことが進行中なのか尋ねた。ピトゥはジルベールから最新の信頼できる情報を得ていて、彼の話はいつも実現されたので、人々はピトゥを軍事指導者同様、預言者として最大の信頼を寄せていた。

ジルベールはピトゥの信頼できる性格を完全に理解し、評価していた。もし危機的な瞬間が起きた時、彼は彼自身の命、またはセバスチャンの命をこの誠実で正直な男の忠誠に委ねることができると知っていた。ピトゥがパリに来た時にジルベールはいつも何か必要なものはないかと尋ねたが、いつもピトゥは否定の言葉を返していた。しかし、ジルベールはいつもピトゥのポケットに数ルイ金貨を手渡していた。これらのルイ金貨がピトゥに幸運を与えていた。特別な出費やオルレアン公の森から出ている何とかしていた10分の1税が加えられても、ジルベールが再びピトゥの蓄えを補充してくれる前に彼のお金が無くなることは稀だった。

ピトゥのカトリーヌとイシドールへの感情を思えば、若い母親と彼女の子供がどうしているかを確認するために、彼ができる限る早くビヨの元を去ったのは驚くことではなかった。ピトゥがクルイ老の小さな家を通り過ぎた時に狩猟から帰ってきたクルイに出会い、カトリーヌは以前の部屋に戻ったこと、そして彼女は母となり、イシドールが彼女に熱烈な愛情の力強い証拠を与えた小さな部屋に再び入って、激しく泣いたことを知らされた。

ピトゥはその小さな家に入った時、カトリーヌが腕に子供を抱き、頬はまだ涙で濡れていたことに気付いた。カトリーヌの前に片膝を落として、そして子供の小さな手にキスをして、ピトゥは叫んだ。「ああ、カトリーヌさん、心配しないで!僕は金持ちだ。そして小さなイシドール氏に決して事欠くようなことはさせないよ。」

15ルイをポケットに持っていたピトゥは自分自身を金持ちだと思っていた。いつも優しく、寛大なカトリーヌはすぐに他者に対して気高く寛大であることのすべてを評価した。

「ありがとう、ピトゥ」彼女は答えた。「私はあなたを信じているわ。そして私をとても幸せにしているわ。というのはあなたは今や私のただ一人の友達なのよ。もしあなたが私たちを見捨てたら、私たちはこの世で全く一人っきりになってしまうわ。だから、あなたは決して私たちを見捨てないわよね?」

「ああ、カトリーヌさん、僕にそんなことを言わないでください!」ピトゥはすっかりむせび泣きながら、叫んだ。

「私は間違ったことを言ったわね、とても間違ったことを。許して。」カトリーヌは深く心を動かされて、叫んだ。

「違います。逆です。あなたは全く正しい。僕がこんな風に泣いているのはバカです。」

「私は自分が少し新鮮な空気を吸う必要があると感じているわ。」カトリーヌが言った。「森を少し散歩しましょう。私にはそれがいいと思うわ。」

「僕もだ。というのは僕はまるで呼吸困難になっているかのようだから。」

カトリーヌは彼女の眠っている子供をベッドに置き、5分後二人は森の中を歩いていた。

カトリーヌがピトゥの腕にもたれながらの散歩はピトゥに2年半前の散歩を思い出させた。彼がカトリーヌを舞踏会に送り届けた時、そこで彼が非常に驚いたのはイシドールが彼女と繰り返し踊っていたことだった。

この比較的短い期間にどれだけ多くの重要な出来事がどっと浮かんだことか!ピトゥはヴォルテールやルソーのように偉大な哲学者ではなかったが、彼とカトリーヌは大きな渦の中で回っている原子にすぎないと完全に気づいていた。しかし、これらの重要でない原子もまた気高い貴族や王子、有名な国王や王妃とも同様の喜びと悲しみの全てを持っているかもしれない。

運命の手によって向きを変えられ、カトリーヌのようなつつましい個人の幸せを潰したのと同様に、ひどく厳格に王位と王冠が粉々にくだかれる。革命の特徴はすでにピトゥの状況にも影響を及ぼしていたことを観察しろ。2年半前、彼は友達のいない単なる少年だった。そしてアンジェリク伯母によって世の中に追い出され、ビヨによって保護され、カトリーヌによって友達にされ、そしてイシドールへのいけにえとされた。

しかし今やピトゥは土地に力を持っていた。彼は脇に剣を持ち、肩には肩章をつけ、大尉と呼ばれていた。イシドールが彼の墓の中に横たわっている間、ピトゥはカトリーヌと彼女の子供の保護者となっていた。

カトリーヌの親切への正しい評価は彼女が受けた苦痛や悲しみによって大いに高まった。彼女が順調だった日々、ピトゥは彼女が見るところでは単なる親切な少年であり、少しも重要性を感じない存在だった。しかし、今彼女は彼の多くの美徳を十分に正しく評価し、彼の中に彼女が必要としているまさに友達を見ていた。そして彼女は今やいつも彼を両手を広げ、唇に微笑みを浮かべて彼を歓迎した。ピトゥは彼が以前心に抱いていたものを、彼の最も幸せな夢さえも持たない生活を送り始めた。

その間ビヨはまだ娘に関して沈黙したままであったが、彼の収穫に関してだけでなく、代表の地位に選ばれるための準備にも忙しく従事していた。成功の可能性を持って彼に対する戦場に入って来れただろう男がたった1人だけいた。しかし、シャルニー伯爵はブルソンヌの城でアンドレと隠遁生活を送っていた。彼の愛そして予期せぬ幸せに夢中になって、伯爵は世界に全く気付かなくなっていたので、彼はほとんど世界を信じていた、彼を忘れてしまっていた世界を。

シャルニー伯爵には候補者になるという考えは決して一度も思い浮かばなかったため、ヴィレル・コトレの小群の中でビヨへの反対はほとんど、あるいは全然なかったので、農場主は大多数によって選出された。

選出されるとすぐにビヨはできる限りのお金を集めることに着手した。その年は順調な年だったので、彼は小作人と合意を取って、彼が必要とするべき量の穀物の種と彼の牛たちが必要とするだろう干し草、オート麦、穀物を蓄えた。彼は労働者への支払いに必要となるお金もまた蓄えた。それから彼はピトゥを呼びにやった。ビヨは今やいつもふさぎこんで、不機嫌だった。彼の娘が彼の元を去って以来、彼の唇には微笑みが浮かんでいるのを見たものは誰もいなかった。しかし今日彼の顔はいつもより厳粛でさえあった。

ビヨはピトゥに手を差し出した。しかし、ピトゥがお返しにビヨに差し出した手はビヨの両手の中に持たれたままだった。「お前は正直な男だ、ピトゥ。」ビヨは真面目に言った。

「おやまあ!僕もそう願いたいです、本当に、ビヨさん!」ピトゥは驚いて答えた。

「私はそれを確信している。」

「あなたはきっととても親切にそういってくださるのですね。」

「私がここを去る前に私はお前に農場の管理を委ねることに決めた。」

「僕が?できません!」

「何でできないんだ?」

「だって、このような農場には女性の監督を必要とすることがたくさんあるからですよ。」

「私もそれは知っている。だからお前と責任を共有できるだろう女性を選び出せ。私は彼女の名前を尋ねることはしない。私が農場に帰ってくるつもりの時は予め1週間前にお前に知らせる。だからもしその女性が私と会いたくない、あるいは私がその女性と会わない方がよいなら、彼女は邪魔にならないように自分を連れ出すことができる。お前は穀倉に種を撒くために必要なすべての穀物を見つけるだろう。お前が馬や牛のために必要とするだろうすべてのわら、干し草、飼い葉、そしてオート麦は物置の中にある。そしてこの引き出しの中には賃金や所帯を維持するために必要なすべての金が蓄えてある。」

そういうとビヨはお金がいっぱい詰まった引き出しを取り出した。

「ちょっと待ってください、ビヨさん。」ピトゥは叫んだ。「その引き出しにはいくらお金が入っているんですか?」

「わからん。」農場主は引き出しを閉めながら答えた。それから彼は引き出しの鍵を閉め、ピトゥに鍵を手渡して、付け加えた。

「お前がもっと必要になった時には私にそう言うんだぞ。」

ピトゥはこれが何と大きな信頼を含んでいるかを理解した。そして彼はビヨを抱きしめようと前に飛び出した。しかし、突然そのような行為は彼の人生の中でたった一度現れたあまりにも大胆なものだったことに気付き、叫んだ。「大変申し訳ありません、ビヨさん」

「何で謝る、私の友よ?」ビヨはその謙遜に心を動かされ、尋ねた。「正直な男は他の正直な男を抱きしめるために腕を広げるからだろう?来い、ピトゥ、私を抱きしめに来い。」

ピトゥは農場主の腕の中に身を投げた。

「しかし、もしあなたが偶然そこに私を必要とするべきだったのなら―」彼は言い始めた。「私はあなたを忘れません。あなたはそれについて悩む必要はありません。」

「今2時だ。5時に私はパリに旅立つ。6時にお前はお前を支えるために選んだ女性とここにいなくてはならない。」

「それでは僕には時間がありません。さようなら、親愛なるビヨさん」

「さようなら、ピトゥ。」

ピトゥは急いで出発した。ビヨは窓のところに立ち、ピトゥが視界から消えるまで見守っていた。

「どうして私の娘のカトリーヌはあいつのような奴に恋しなかったんだろう。結婚することもなく未亡人にし、妻にすることもなく母にした貴族の悪党なんかじゃなく。」

言うまでもなく6時までにピトゥ、カトリーヌ、そして小さなイシドールは農場の家に再び腰を据えた。

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この章もほとんど訳しています。頑固なビヨ父さんもようやく譲歩しました!本当にビヨが思う通り、ピトゥはいい奴過ぎます。でもピトゥには最後幸せが待っているようなので・・・そしてオリヴィエとアンドレはラブラブ生活を送っている様子が垣間見れたので、ちょっとうれしかったです。アンドレとカトリーヌってちょっと不幸な境遇が似ているかも・・・でもアンドレの方がかわいそうだけどね。カトリーヌにはこのとおりピトゥがついているから。

2013年1月15日 (火)

『シャルニー伯爵夫人』英訳版3巻読了\(≧▽≦)/:その2<ネタバレ注意>

*以下、『ジョゼフ・バルサモ』及び『王妃の首飾り』を未読の方はネタバレご注意ください。あと全文翻訳している章が正しく翻訳されているかどうかは保証しません。あくまで私の理解なので・・・sweat02

11章『槍の一撃』:

従僕が「シャルニー伯爵です。」と通知した後、その紳士が日没の光の黄金の反射によって照らされながら、入口に現われた。

彼は宮殿に戻ってから、王妃のように長い旅行とまさにやり過ごしたばかりの恐ろしい苦闘の名残りを取り去りながら時間を過ごしていた。

彼は古い制服を着ていた。つまり、赤い縁取りがされ、レースのフリルのシャツを身に着けた海軍大尉の制服であった。彼がパレ・ロワイヤル広場で王妃とアンドレ・ド・タヴェルネに会い、続いて彼が彼女らをヴェルサイユまで随行した時に着ていた、まさにその服装だった。

伯爵は決して目立つ外観の雰囲気は持っていなかったが、とても穏やかで、美しく見えた。王妃が彼を見た時にこれが1時間前に暴徒たちにばらばらに引き裂かれることからかろうじて逃げてきた男とはほとんど信じることができなかった。

「まあ、ムッシュー」彼女は叫んだ。「彼女らはあなたに私がどれだけあなたのために心配に思っていたか、そして私がどんなにあなたに関する情報を得るためにあらゆるところに人を送ったかを言わなければなりませんでしたね。」

「そうですね、マダム。」シャルニーはお辞儀をしながら答えた。「しかし、私があなたの侍女たちからあなたがご無事でお元気であることを知らされるまで、私が部屋から出て行かなかったことをあなたは相変わらず断言できたと思いますが。」

「私はあなたの命がペティヨンとバルナーヴの恩恵を被ったと聞かされています。これは本当ですか?そして私はまだバルナーヴの更に大きな恩義を被っているということですか?」

「それは本当です、マダム。そして私は二重にバルナーヴ氏の恩義を被っています。というのは、彼は私が自分の部屋に行って無事であることを確かめるまで私の元から離れるのを拒否した後に、あなたが私たちのパリに戻る旅行中に私に対して最も親切な言葉をそれとなくいってくださっていたということをとても親切に私に教えてくれたのです。」

「本当に、伯爵?」

「はい。あなたが国王の注意をあなたの旧友のアンドレが私の延長された不在のために感じている心配に向けてくださったと。私は彼女が心配するという行動に関しては決してあなたに同意しませんが、まだ―」

彼は止まった。と言うのは王妃の顔が彼が話し始めた時からすでに青白かったのに、今や完全に青ざめてしまったからだ。

「まだ―?」王妃が答えた。

「まだ、あなたが私に提案してくださった休暇のお許しを遠慮なく受け取ることなく、今、私は国王と、あなたご自身と国王ご一家全員の無事を確信いたしましたので、自らシャルニー伯爵夫人に私の幸せを報告することを大変うれしく思います。」

王妃は彼女の胸に手を押し付けた。あたかもその鼓動が今まさに受けた一撃によって静めさせられなかったことに満足したかのように。それから乾いた耳障りな声で言った。

「本当にただ一つの正しい、そしてふさわしいことですね、ムッシュー。私は一つだけ自分自身に尋ねますわ。なぜあなたがそんなにも長くこの重要な義務を無視していたかを。」

「王妃は私が王家の許可なく二度と伯爵夫人には会わないと誓ったことをお忘れのようですね。」

「それであなたはその許しを求めに来たのですか?」

「そうです、マダム。私は陛下にそれを与えてくださることを懇願いたします。」

「あなたは今ひどくまたシャルニー夫人に会いたがっているようだけれど、あなたはこの許可なしで済まそうとしているのではなくて?私は正しくないかしら?」

「王妃は私に対して不当だと思います。」シャルニーは答えた。「私がパリを離れた時、私は永遠でなくとも何年も離れることになるだろうと思っていました。旅行の間ずっと私は力の及ぶ限り計画を成功に導くためのあらゆることをしました。陛下も思い出すでしょう。私がヴァレンヌで弟のように命を犠牲にしなかったのも、ダンピエール氏のように、そして道の途中やチュイルリーの庭でばらばらに引き裂かれなかったのも私の過ちです。もし私が陛下たちを無事に国境を越えさせることができるくらい幸運でしたら、私は国外追放になり、多分二度と伯爵夫人に会うことはなかったでしょう。しかし、私は陛下に繰り返して言いますが、もし私がパリに戻った時、私自身に関するどんな情報も私の名前を持つ女性―どれだけ気高く彼女がそれを持っているか、そしてどれだけ多くの栄誉が彼女にもたらされるかを陛下はご存知です。―に与えることが許されないのなら、それは本当に許しがたい無関心のしるしでしょう。とりわけ私に代わって行動したためにもはやここにはいない私の弟のイシドールにとって。もし私がとても大きな誤りをしていないのなら、これは2日前の陛下の意見でもあるのですよ。」

王妃は長椅子の後ろに腕を滑るように動かすことを許した。そしてその後を追うように彼女の身体全体を傾けて、自分をシャルニーにもっと近づけて、言った。

「あなたはこの女性をとても愛さなければなりません。冷淡に私にこんな苦悩をもたらしたのですから。」

「マダム、あれから6年近く経っているのですよ。あなたを、あなた自身を―私はその頃も決してそのようなことを思いませんでした。その時私にとってこの世にただ一人の女性が存在していました。そして彼女は私の上のはるか遠くに位置する方だったので、私は彼女を得たいという望みを持つことはできませんでした―繰り返しますが、それが6年近く前です。あなたが私にアンドレ・ド・タヴェルネ嬢を夫として負わせ、彼女に私を妻として負わせてからです。この6年の間、私の手は彼女の手に二度しか触れていません。私は全く必要がなければ彼女に10の言葉さえも掛けませんでした。そして私達は10の一瞥さえも交わし合っていません。私の人生は十分に専心していました―他の情熱、1000の世話、1000の仕事に専心していました。私は宮廷で生活していました。多くの旅行にも行きました。それが何日か何ケ月か何年か、過ぎ去ったその時間を数えることもできません。時間は私がお話した私の不幸な情熱、そしてたくさんの世話、関心、苦闘のためにすべてがあまりにも速く飛ぶように過ぎ去りました。シャルニー夫人とは違います。彼女は不幸にもあなたの元を去ることを余儀なくされて以来、それは多分彼女が故意にではなくあなたを不快にさせたからなのでしょうが、彼女はコ・ケロン通りの彼女の慎ましい家に一人で住んでいます。この孤立と孤独を彼女は一言の不平も言わずに耐えています。というのも彼女はたいていの女性が求める愛情を必要と感じていないように見えるからです。しかし、彼女は私がとても控えめな世話に対して無視をし、無作法をしていたことを甘受する気がなかったかもしれないと思っています。」

「まあ、ムッシュー。あなたは伯爵夫人があなたについてどう思っているかに関してとても心配しているように見えるわ。あなたが彼女に会おうが、会うまいが、そんなに心配を露わにする前に、とにかくあなたが出掛ける時に彼女がもったいなくもあなたについて考えているかどうかを、またはあなたが戻ってきて今同じくらいたくさんあなたのことを考えているかどうか確かめてみるのがよかったのよ。」

「彼女が今私について同じくらいたくさん考えていてくれるかどうか、そうでないかは私にはわかりません。しかし、私が出掛けた時に彼女はそうだったと確信しています。」

「それではあなたはパリを去る前に彼女と会ったのね?」

「私はすでに名誉にかけて私が陛下に彼女に会わないという言葉をお伝えしてからシャルニー夫人には会っていないとお話したはずです。」

「それでは彼女はあなたに手紙を書いてきたのね?」シャルニーは黙った。

「そう、彼女は手紙を書いたわけね、ムッシュー?」王妃は叫んだ。「白状なさい!」

「彼女は私の弟のイシドールに私宛の手紙を預けたのです。」

「それであなたはそれを読んだの?彼女は何て言ってきたの?彼女はあなたに何て言うことができたの?私に約束したにもかかわらず―とにかく話しなさい!今すぐ答えなさい!彼女は手紙で何て言ってきたの?話しなさい!私がイライラしているのがわかっているでしょう?」

「私は陛下に伯爵夫人が彼女の手紙の中で何と言ったかお伝えすることができません。私はそれを読んでいないのです。」

「あなたはそれを破り捨てた?」王妃はうれしそうに叫んだ。「あなたはそれを読まずに火の中に投げ込んだ?シャルニー、もしあなたがそうしたなら、あなたは誰よりも忠実な人よ。そして私が不平を言うのは本当に間違っていたわ。というのは私には理由がないからよ。」

そして王妃は彼女の両腕をあたかも彼を彼女に引き寄せるかの如く差し出した。しかしシャルニーは彼がいた場所から動かないままだった。

「私はそれを破っても火の中に投げ込んでもいません」彼は冷淡に言った。

「それではあなたはそれを読まずにどうしたというのです?」王妃は椅子座り込みながら叫んだ。

「私の弟は私が致命的な怪我をしていなければ、その手紙を私に与えてはならないと言われたのです。ああ!死が犠牲者として選んだのは私ではなく、イシドールでした。彼の死後、ある人が私に彼の書類を持ってきました。その中に伯爵夫人からのこの手紙があったのです。それにこのメモが添えられて。これです、マダム。」と話すと、シャルニーはイシドールによって書かれたメモとそれに続いて添付されたアンドレの手紙を差し出した。

マリー・アントワネットは震える手でそれを受け取り、ベルに触った。

「すぐに明かりを」

彼女は横柄に言った。というのもこの謁見が始まってから部屋は全く暗くなっていた。従僕が退出して、一瞬沈黙が続き、王妃は彼女の心臓の鼓動が大きく鳴っているのが聞こえているかのように見えた。

従僕はすぐに2つの枝付き燭台を手にして戻ってきて、炉棚の上に置いた。王妃は従僕が退出するのを待っていられず、彼がドアに辿り着く前にメモを手にして炉棚に近づいていた。

彼女はそれを読むことさえできずに、二度ちらっと見た。

「紙じゃない。炎よ!」彼女はつぶやいた。

あたかも失っていた視覚を取り戻すかのように目の上に手を動かし、いらいらしながら足踏みをして、叫んだ。

「どうしたらいいの!どうしたらいいの!」

ついに完全な意志の力で彼女は手の震えを止めさせた。そして視界の明るさを取り戻した。しかし、彼女が大声でその命令を読み始めたのは彼女のいつもの声とは全く違って、かすれた口調だった。

「この手紙は私のものではない。しかし私の兄のオリヴィエ・ド・シャルニー伯爵のものである。それは彼の妻である伯爵夫人によって書かれた。」

王妃は数秒止まって、それから再び読み始めた。

「もし私に何か事故が起こった場合はこの手紙を見つけた人にそれを私の兄に送るかそうでなければ伯爵夫人に戻すことをお願いしたい。」

再び止まり、彼女の頭を振った。そしてそれから続けた。

「私は彼女からそれを次の命令と共に受け取った。伯爵が今やりとげようとしている請け負った仕事に成功して、不幸が彼にふりかかってこなかった場合は手紙は伯爵夫人に戻すこと。」

王妃の声は先に進むにつれ、だんだん震えてきた。しかし彼女は読み通した。「もし彼がひどく怪我をしていて、しかし死に至るものではない場合は彼女の妻に彼の元に来る特権を与えるように彼に求めること。もし彼が致命的な怪我をしている場合は、この手紙は彼に与えられること。そしてもし彼が彼自身でそれを読むことができない場合は彼が死ぬ前にそこに含まれている秘密を知ってもらうために彼に読んで聞かせること。」

「それで、あなたはまだそれを否定する気なの?」マリー・アントワネットは伯爵に向かい合って、燃えるような目で尋ねた。

「否定?何を?」

「何を否定ですって?おやまあ!彼女があなたを愛しているということをです!」

「伯爵夫人が私を愛しているですって?あなたは何をおっしゃっているのですか、マダム?」激しくなるのはシャルニーの番だった。

「不幸な女は私と言うことよ。私は真実を言っているわ。」

「伯爵夫人が私を愛しているですって?私を?ありえない!」

「どうして?私はあなたを愛しているわ。」

「しかし、この6年間、もし伯爵夫人が私を愛していたのなら、彼女は私にそう言っていたでしょう―さもなければ彼女は少なくとも私がそれを知ることを許したでしょう。」

哀れな王妃は苦しんでいたので、それは彼女にとって短剣が更に深く彼女の心臓に突き刺さることからの解放のように思えた。

「いいえ。」彼女は叫んだ。「いいえ!彼女はあなたに何も気付かせなかった。いいえ、彼女はあなたに何も言わなかった。もし彼女があなたに何も気づかせず、何も言わなかったとしたら、それが彼女があなたの妻になれないことを十分知っているということなのです」

「シャルニー伯爵夫人が私の妻になれないとは?」オリヴィエが繰り返した。

「それは」ますます自分自身の苦痛に取り巻かれた王妃が続けた。「それはあなた方の愛を滅ぼすだろう秘密があなた方の間にあるということを彼女が十分知っていることなのです」

「私たちの愛を滅ぼす秘密ですって?」

「それは彼女が十分知っているということなのです。彼女が話した瞬間、あなたが彼女を軽蔑しただろうということを!」

「私が!伯爵夫人を軽蔑するですって・・・?」

「結婚もしないで妻になり、夫も持たずに母になった少女を軽蔑しない人がいますか?」

今、死人のようになり、そして彼のすぐ近くにあった肘掛椅子を支えにしたのはシャルニーの番だった。

「マダム、マダム、あなたはあまりにも多く言い過ぎたか、あまりにも少なく言い過ぎました。私は説明していただく権利があります。」

「私から―王妃から説明ですって、ムッシュー?」

「そうです。私はそれを求めます。」

その瞬間ドアが開いた。

「何の用です?」王妃は腹立たしげに言った。

「陛下が私に少し前にジルベール医師の訪問をいつでも受ける状態にあるとおっしゃいました。」

「それで?」

「医師があなたにお目にかかりたいとお許しを願っています。」

「ジルベール医師ですって?」王妃は言った。

「本当にジルベール医師なの?」

「はい、マダム。」

「それなら彼を入らせなさい。彼を入らせなさい!」

王妃は興奮して叫んだ。そしてシャルニーに振り返って、言った。

「あなたはシャルニー夫人に関しての説明を望んでいたわね。いいでしょう。それをジルベール医師に尋ねなさい。彼は私が知っている誰よりもよくそれを与えることができます。」

しばらくして、ジルベールが入口に姿を現した。しかしマリー・アントワネットの言葉が聞こえていたので、彼は少し敷居から動かず立っていた。

王妃に関して言えば、シャルニーに彼の弟のメモを投げつけ、彼女の化粧室に向かって動いていた。しかし伯爵はより速い足取りで彼女の行く手を阻み、手首を掴んで、叫んだ。

「失礼します、マダム。しかしこの説明はあなたの前でしていただかなくてはなりません。」

「ムッシュー、あなたは私が王妃であることをお忘れのようね。」

彼女は歯をかみ合わせて、燃えるような目で非難した。

「あなたは卑劣に親友を中傷する恩知らずな女性です。あなたは他の女性の名誉を傷つける嫉妬深い女性です。そしてその女性は、あなたのためにこの3日間で何度も命を危険にさらした男の妻です。シャルニー伯爵の妻です。ここで、そんなにも彼女を侮辱し、中傷する人の前で彼女を正当に扱うべきです。そこに座ってください、そして待ってください」

「しかたないわね、ムッシュー。」王妃が答えた。

「あなたは伯爵が何を望んでいるか聞いているわね、ムッシュー・ジルベール」

彼女は無理に作った笑いと共に付け加えた。

「ムッシュー・ジルベール、あなたは王妃の命令を聞きましたね。」

シャルニーは全く礼儀正しく、威厳のある態度で言った。ジルベールは前に進み、マリー・アントワネットを悲しげに見つめた。

「ああ、マダム、マダム」彼が呟いた。

それからシャルニーに振り返った。

「ムッシュー、私が言うことは女性の名誉を高め、男に最も悪質な不名誉を投げます。一人の不幸な人間が、農民が、みみずがタヴェルネ嬢を愛していました。ある日彼は偶然彼女が一人で、意識を失っている状態でいることに気が付きました。そして彼女の若さ、美しさ、純潔を無視して、その卑しむべき男が彼女を強姦したのです。そしてこうしてこの若い少女は結婚せずに妻となり、夫もなしに母となったのです。タヴェルネ嬢は天使です!シャルニー夫人は殉教者です!」

シャルニーは彼の額から滴り落ちている汗を拭い去った。

「ありがとうございます、ムッシュー・ジルベール。」

彼は言葉では言い表せない安堵のため息をついて、言った。それから王妃に振り返って、付け加えた。

「マダム、私はタヴェルネ嬢がそんなにも不幸だっただなんて知りませんでした。私はシャルニー夫人がそんなにも尊敬すべき人だったと知りませんでした。さもないと私はあなたにそれを信じるように懇願します。私が彼女の足元にひれ伏し、彼女が受けるに足るように彼女を深く敬愛するのに6年もかけるべきではなかったと。」

そして麻痺している王妃に低くお辞儀をして、彼は部屋を去った。不幸な女性はあえて彼を引き止める動きを起こさなかったが、彼女が彼らの間のドアが閉まったのを見た時に彼は彼女が発した絶望の叫びを聞いた。というのは彼女はこのドアの上に、地獄の門のような上に嫉妬の手でまさに書かれた非常に恐ろしい言葉があったのに気付いたからだ。

―『全ての望みを捨てろ!』

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この章は全文翻訳です。もうあんたがそれを言うかannoy!って状態ですよ。マリー・アントワネットの嫉妬はもう手に負えません。本当にジルベールが言った通りアンドレは殉教者です。王妃のせいでいけにえにされたのです。それをわかっているくせに何なんだ?って感じです。この章を全文翻訳したのはオリヴィエのアンドレへの愛がひしひしと伝わり、次章へつながるからです。彼の愛は本物です。ジルベールの告白に対して安堵しているのです。オリヴィエが恐れていたことはアンドレが彼を愛していないということだけだったってことがよくわかります。というわけで次章は私が待ちに待った章になります。(もちろん全文翻訳で行きます。)

12章『私に百合を与える』:

これからは前章の場面がシャルニーと王妃の間に起こっていた間にアンドレに起こっていたことを見ることにしよう。

彼女の感情の状態について十分精通しているので、私たちにとってイシドールが出発した後アンドレがどれだけ恐ろしく苦しんでいたかを想像するのは容易なことである。

二人の兄弟が携わろうとしていた困難な仕事は国王の逃亡だったということを正しく推測すると、その成功も失敗も彼女の幸せを望むことにとって同じように致命的であることが証明されているように思えた。もし計画が成功したなら、彼女はシャルニーの国王一家に対する献身をよく知っていたので、彼は彼らの亡命の中で彼らを見捨てることはないと確信していた。もし失敗したなら、彼女はオリヴィエの勇気をよく知っていたので、彼は微かな望みがあるまで、そして結局すべての望みが消えるまで戦い続けるだろうことを確信していた。

イシドールがアンドレの元を去ってから、彼女の眼はどんな微かなちらちらする光さえもつかまえるように、彼女の耳はどんな微かな噂でもとらえるように油断なく見張っていた。

次の日、他のすべてのパリ市民同様に、彼女は国王と彼の家族が逃亡したことを知った。彼女はシャルニーが彼らと共にいることを知った。そして続いて彼が彼女からどんどん遠くに離れて行っていることを確信した。

それから2日間、パリは無言で困惑した状態だった。ついに3日目の朝、驚くべき噂が街中に広がった。国王がヴァレンヌで逮捕された。それ以外の詳細は与えられなかった。国王はヴァレンヌで逮捕された。それがすべてだった。アンドレはヴァレンヌがどこにあるのかさえも知らなかった。この小さな町はその時以来とても広く有名になり、その名前は王家にとって恐怖となる運命にあり、それから同じように重要でないそして同じように有名でないフランスの町や村を1万個隠していた、そしてまだ隠している辺鄙な土地を共有した。

アンドレは地理辞典を開いて、読んだ。―「ヴァレンヌ―アルゴンヌ―地方の中心地―人口1607人」

それから彼女は地図の上でその場所をくまなく探した。そしてステネ、ヴェルダン、シャロンの間のある種の三角形の真ん中にあり、アルゴンヌの森の縁の近くに、小さな川の土手のあるところに、それを見つけた。今や全フランス人の注目が集められているのがこの辺鄙な土地の上だった。それ以上の情報が入り始めた。とても遅かったけれども、それぞれの詳細はアンドレにとって最も大きな関心事だった。

ブイエ将軍が国王の援助に急ぎ、随行を攻撃したが、絶望的な戦いの後、彼は退却を余儀なくされ、国王一家は愛国者の手に委ねられたことが報告された。もちろんシャルニーはこの戦いに参加し、もちろんそのけんかから退却した最後の人になった。―つまり、もし彼が戦場で倒れていなければだが。

その後まもなく国王に随行していた3人の護衛の1人が殺されたことが報告された。それからその名前が明らかにされた。―人々だけがそれが伯爵か子爵か、イシドールかオリヴィエかを知らなかった。―それはシャルニーだった。―その名前についてすべての人々が知っていた。後に続いた不安の2日間はアンドレにとって耐えがたい苦痛の日々だった。

ついに国王と国王の家族の帰還が26日になることが告知された。

畏れ多い囚人はムオーで眠っていた。そのため国王は正午前にパリに到着することはほとんど難しかった。そしてもし彼が最短の道をとってテュイルリーに戻ってくるなら、彼はフォーブル・サン・マルタンから市に再入場するだろう。

11時にシャルニー夫人は最も地味なドレスを着て、ぴったりとヴェールを被り、市壁にいた。彼女はそこで午後3時まで待った。それから彼女は行列は外側の通りから市を巡回して、パリに入るのにふさわしいシャンゼリゼを通ることを知った。

そこで彼女は街全体を徒歩で横切ることにした。というのは密集した群衆でいっぱになっている通りを抜けて馬車を走らせる試みを考える人はだれもいなかったからだ。2年前のバスティーユ襲撃以来、旅行はそんなに妨害されることはけっしてなかった。

しかしアンドレはためらわなかった。彼女はシャンゼリゼに向けて出発した。そしてそこに最初に到着した人々の一人になった。

ここで彼女はさらに3時間―死を免れない3時間―を待たねばならなかった。

ついに行列が現れた。そしてアンドレは馬車が通り過ぎた時に喜びの叫び声を挙げた。というのは彼女は外側の席にシャルニーが座っているのを見たからだ。

彼女の叫びはもう一つによって答えられた。それは激しい苦痛の叫びではなく、彼女の叫びのこだまのように思えた。アンドレは振り返った。そして3~4人の親切な人たちの腕の中で荒々しくもがいている若い少女を見た。彼らは彼女を静め、慰めているように見えた。

たぶんアンドレは馬車の外側の席にいる3人の男たちにあらゆる種類の威嚇やのろいが浴びせられているのを聞かなかったら、彼女自身は哀れな少女にもっと注意を与えたかっただろう。民衆の激しい怒りが主に向けられていたのは彼らに対してであった。ほとんど確かな事実なのだが、彼らは王家の犯罪の身代わりになり、馬車が止まった瞬間ばらばらに引き裂かれてしまうように見えた。

そしてシャルニーはこれら3人の男の1人だった。アンドレは試みられていない手段を残さないことを決め、チュイルリーの庭園の入口に入り込むことにした。それをするためには彼女は群衆の巡回に入り、そしてそれから川の土手に従い、もし可能ならチュイルリー河岸から庭園に入らなければならない。彼女はシャイヨー通りを力ずくで押し進め、川の土手に、最後にはチュイルリー河岸辿り着くことに成功した。

繰り返された努力の後、何度も圧死しそうな危険に遭いながら、ついに彼女は通路に到着した。しかし馬車の周りには大変な人込みができていたので、彼女は一番前の列に場所を得られるとは夢にも思えなかった。

アンドレの心に浮かんだのは最も近い川のテラスからなら群衆の頭の上を見ることができるかもしれないということだった。確かに距離は彼女にとってあまりにも大きすぎ、とてもはっきり見聞きすることはできなかった。しかし全く何も見聞きしないよりは少しでも見聞きできたほうがましだった。

そこで彼女は急いで川の上のテラスの上によじ登った。そこから彼女は馬車の上の席を見ることができた。その席にはシャルニーと2人の護衛が座っていた。―シャルニー、彼は100ヤード離れたところで心臓が彼のために激しく鼓動していることを少しも気づかなかった。シャルニー、彼は王妃のことだけを考えており、彼女の安全のための心配で、彼自身の危険について全く忘れていた。おお、彼がまさにその瞬間彼の胸に彼女の手紙を押し当てていたことを、そして思考の中で彼女に最後のため息を与えていたことを彼女が知っていてさえいれば!―というのは彼は本当にその瞬間が彼の最期になる運命にあると信じていたからだ。

ついに馬車は、考えられる最も恐ろしいやじと叫び声の中で止まった。狂気じみた混乱の場面が続いた。銃剣、槍、剣が猛烈に振り回された。強風の猛威の下で鉄の穀物が曲がっている畑を見ているようだった。

3人の男たちは瞬間的に消えた。あたかも泡立つ渦巻きの中に飲み込まれてしまったかのように。それから群衆の中にそのように強い渦巻きがあったので、外側の列の人たちがテラスを支えていた石壁に荒々しく押し付けられた。

アンドレは苦痛の中にいた。彼女は何も聞くことも見ることもできなかった。絶望の中、彼女は腕を振り上げ、抗議と懇願の言葉を発しようとした。しかしあらゆることがぐるぐる回っているように見えた。空は鮮やかな緋色に変わっていた。彼女の耳には海のような轟が聞こえた。そして彼女は地面に落ち、単に生きていることに気付いた。なぜなら彼女はとても恐ろしく苦しんでいたからだ。

涼しさの感覚が彼女に意識を取り戻させた。ある女性が川の水で濡らしたハンカチをアンドレの額に押し当てていた。そして別の女性がアンドレの鼻孔に気付け薬の瓶を運んでいた。アンドレはこの最後の女性が市壁で深い悲しみに押しつぶされていた人であったことに気が付いた。彼女らの状態がとても似てることも、彼女らを結びつける相互の悲しみの絆を知ることもなしに。

意識を取り戻して、アンドレが最初に言った質問は「彼らは殺されましたか?」だった。

真の思いやりは機転が利くことであった。そしてアンドレの周りの人たちはすぐに彼女が3人の男たちの命にそのように差し迫った危険に関して心配していることを理解した。

「いいえ、彼らは救われましたよ。」と答えがあった。

「3人全員ですか?」

「はい。3人全員です。」

「神よ、感謝します!彼らは今どこにいますか?」

「宮殿の中です。」

「宮殿の中?ありがとうございます。」

起き上がって、アンドレは急いで川の隣側の門から庭を離れた。ルーヴル―そこはチュイルリーに隣接していた―につながるアーチ形の通路からもう一度入るために。というのは彼女はそこにはあまり多くの群衆がいないと正しく推測していたからだ。事実、彼女はオルティ通りにはほとんど人けがないことに気付いた。

カルーゼル広場の角を横切り、彼女は王子たちの中庭に入った。そして門番小屋に飛び込んだ。門番は伯爵夫人を見知っていた。そしてとても喜んで更なる情報を探し求めに行くことに同意した。内部の廊下から彼はすぐに本館に到着した。そこで彼は3人の将校が無事であること、シャルニー伯爵は宮殿に到着した後すぐに自分の部屋に行ったこと、しかし15分後、海軍の制服を着て、明らかに王妃に報告に行く意図を持って、部屋を去ったので、今彼は王妃の部屋にいることを知った。

アンドレはこの十分な情報をもたらした人に彼女の財布を与えた。

シャルニーは無事だった。

彼女は親切な男に何度も何度も感謝して、それからコ・ケロン通りの家に向かって進んだ。防護壁の中に入るとすぐに彼女は肘掛け椅子の中ではなく、祈祷台の上に身を投げた。

しかしながらそれは彼女の口で祈るためではなかった。私達が神に感謝する瞬間はとても崇高なので、言葉は私達から消えてしまう―その時は手で、耳で、体全体で、心と魂全体で、神に祈るのだ。

彼女がドアが開いたのを聞いた時、まだこの恍惚状態の中に身を沈めていた。彼女はゆっくり振り返り、彼女の空想から彼女を目覚めさせた何かが聞こえたことに気付いた。

彼女の侍女が、暗闇の中にいた女主人を見失い、探しながら、立っていた。侍女の後ろに影が立っていた。しかし、ぼんやりして見分けがつかない姿は彼女の本能にすぐに輪郭と名前を与えた。

「シャルニー伯爵様です」侍女が言った。

彼女は立ち上がろうとした。しかし彼女の力は彼女から失われていた。そしてクッションに再び身を沈めた。彼女は祈祷台の傾斜している上部の上に腕を置き、それを支えにして、半分振り返った。

「伯爵!」彼女は呟いた。「伯爵!」というのは彼はそこに彼女の前に立っていたのだけれども、彼女は自分の目をほとんど信じることができなかったからだ。

侍女が脇にそれ、シャルニーが部屋に入るのを許した。それから退出し、彼女の後ろのドアを閉めた。シャルニーと伯爵夫人は二人だけになった。

「きみが帰ってきたばかりと聞いたよ、マダム。」シャルニーが言った。「私はそんなにもぴったりときみの後を追うような無分別ではなかったかい?」

「いいえ。」彼女は落ち着かせようと努力していたにもかかわらず、激しく震える声で答えた。「いいえ、本当によくおいでくださいました、ムッシュー。私はとても不安に感じていたので、何が起こっているのか確かめるために出掛けていたのです。」

「きみが通りに出かけていたなんて!ずっと前からかい・・・?」

「朝からですわ。私は最初にサン・マルタン市壁に行き、その後でシャンゼリゼに行きました。そこで私は見ました。―私は見ました。―」彼女はためらった。「国王と国王ご一家を、そして―そしてあなたを―そして私は安心しました。少なくともその瞬間は。しかしみんながあなたが馬車を離れた時の危険を予言していました。だから私はチュイルリーに急いだのです。そこは―そこは―私は死ぬべきだと思いました。」

「そうだね。」シャルニーが言った。「群衆は恐ろしかった。きみはほとんど呼吸困難だったね。私は理解できるよ。―」

「いいえ、いいえ!そんなことはありませんでした。最後に私は情報を求めました。そしてあなたが無事だったことを知ったのです。そして私は家に戻ってきました。そしてあなたがご覧になっているように、私は跪いて神の偉大なるお慈悲に感謝していたところだったのです。」

「あなたは跪いて神と語り合っていたのだね。立ち上がらなくていいよ。お願いだ。私のかわいそうな弟への祈りも忘れないでやって欲しい。」

「ムッシュー・イシドール?ああ!」アンドレが叫んだ。「それでは彼でしたのね!・・・かわいそうな若者!」

そして彼女は両手で顔を覆った。

シャルニーは数歩前に進み、悲しげにそして優しく、この純粋な人が祈っているのを見つめていた。彼の視線の中にはとても大きな思いやりと同情と悲しみがあった。そして何か抑制された欲望もまたあった。

王妃が彼に言わなかったら、正確に言えば彼女にアンドレが彼を愛しているという驚くべき暴露を無意識に言わせなかったら?

彼女の祈りは終わった。伯爵夫人は再びシャルニーに振り返った。

「それで彼は亡くなったんですの?」彼女は言った。

「ああ、マダム、死んだよ。彼はかわいそうなジョルジュと同じように同じ理由で、同じ義務を果たして死んだんだ。」

「この大きな悲しみの中であなたは私のことを考える時間を見つけてくださったのね。」アンドレは呟いた。その声はとても低かったので、彼女の言葉はほとんど聞こえなかった。

しかし幸運にもシャルニーは心と耳の両方で聞いていた。

「きみは私の弟に私のための任務を託さなかったかい、マダム?」

「ムッシュー!」アンドレは口ごもり、不安そうに伯爵を見つめた。

「きみは彼に私宛の手紙を与えなかったかい?」

「ムッシュー?」アンドレは弱々しく繰り返した。

「哀れなイシドールの死後、彼の書類が私の元に届いた。そしてこの手紙はその書類の中にあったんだ。」

「それであなたはそれを読みましたの?」アンドレは叫び、両手に顔を埋めた。「ああ!」

「私は、致命的な怪我を負った時だけ、この手紙の内容を知ることになっていた。そして私は無事で元気だ。きみが見ているように。」

「では手紙は―。」

「ここにあるよ。そのままで、きみがイシドールにそれを渡した時と全く同じ状態で。」

「おお」アンドレは手紙を受け取りながら呟いた。「あなたがなさったことはとても気高く、でも残酷なことですわ!」

シャルニーはアンドレの手を彼の両手で握った。彼女はそれをすぐに引っ込めようとした。しかしシャルニーは断固として握り続け、優しく呟いた。

「お願いだ。私にこれを与えてくれ、マダム。」

彼女は重いため息をついた。それはほとんど恐怖のため息だった。しかし彼女の心の中に起こっているものに抵抗することができず、彼女は震える手を彼の手の中に残した。

とても困惑して、どこを向いていいのかもわからず、シャルニーの情熱的な目から逃れることもできず、彼女がもたれていた祈祷台によろめいた。

「ええ、私は理解しました、ムッシュー。あなたは手紙を戻しに来られたのですね。」

「そう、そのためだ。マダム。しかしその他のためでもあるんだ。私はきみに許しを請いに来たのだよ、伯爵夫人。」

アンドレの心に狂喜の戦慄が走った。シャルニー伯爵が儀礼的につける『マダム』ではなく、この称号で彼女を呼びかけるのはこれが初めてだった。その上、この言葉は測り知れないほど大きな優しさがこもって発せられた。

「許しですって!私の許しですって!何のことです?」

「私がこの6年間きみに対して振る舞っていた態度についてだ。」

彼女は心から驚いて彼をじっと見た。

「私はあなたに今まで不平を言いましたか?」彼女は尋ねた。

「いいや、だからきみは天使なのだ。」

自分自身のことにもかかわらず、アンドレは目がかすんできたことを感じた。彼女の視界を見えなくしたのは涙だった。

「きみは泣いているのだね、アンドレ!」シャルニーは叫んだ。

「ああ、許して、ムッシュー。」アンドレは急に泣き出して叫んだ。「でも私はあなたが私にこのようなことを言うのを聞くのに慣れていないのです。ああ、神様!神様!」

そして立ち上がり、彼女は肘掛け椅子に身を投げ、両手で顔を覆った。しかしその瞬間、彼女の感情に打ち勝ち、再び頭を上げ、そして叫んだ。

「何てばかなんでしょう、私は!私は―。」

しかし突然彼女は止まった。彼女の目が隠されていた間にシャルニーは彼女の前にやってきて、跪いていた。

「どうして!あなたが私の足元に跪くなんて!」彼女は叫んだ。

「私はきみに言わなかったかい?アンドレ、私はきみに許しを請いに来たと。」

「あなたが私に跪くなんて?」自分の目が信じられないかのように、彼女は繰り返した。

「アンドレ、きみは私から手を放した。」シャルニーは言った。

そして彼は再び彼の若い妻に手を広げた。しかし、彼女は後ずさりして、恐怖とほとんど同種の感情で叫んだ。

「これはどういう意味ですの?」

「私はきみを愛しているということだよ、アンドレ。」

シャルニーは測り知れないほどの優しい口調で言った。

彼女は胸に手を押し当てて、叫び声を挙げた。それから彼女は立ち上がり、両手を脈打つこめかみの上に押し当て、繰り返した。

「彼が私を愛している?彼が私を愛している?どうして、ありえない!」

「きみにとって私を愛することはありえないと言ってくれ、アンドレ。しかし私にとってきみを愛することはありえないとは言わないでくれ。」

彼女はシャルニーの顔を鋭く見下ろした。あたかも彼が真実を話していることに満足しているかのように。そして伯爵の大きな黒い眼はどんな言葉よりもとても雄弁に語っていた。アンドレは彼の言葉を疑ったかもしれないが、その表情を疑うことはできなかった。

「ああ、神様!」彼女は呻いた。「この世に私ほど不幸な人間がありましょうか?」

「アンドレ、」シャルニーは懇願した。「きみが私を愛していると私に言ってくれ。もしきみが私を愛していると言えないのなら、少なくとも私を憎んでいないと言ってくれ。」

「あなたを憎むですって!」彼女は叫んだ。彼女のいつも静かで澄んだ目の中には目もくらまんばかりのきらきらした輝きがあった。

「ああ、ムッシュー、もしあなたが私の中に強い嫌悪感を呼び起こしている感情を言っているのなら、あなたは大きな間違いをしています。」

「もしそれが強い嫌悪感ではなく、愛でもなかったら、それは何なの、アンドレ?」

「愛ではありません。私は愛される資格を持っていないだけです。あなたは私がこの世で最も不幸な女であると今まさに神に叫んだのを聞いていなかったのですか?」

「なぜきみは私を愛する資格を持っていないんだい?私が私の命のすべての力をもってきみを愛している時に、アンドレ?」

「私にはあなたに言えない、敢えて言わないことがあるのです。」アンドレは両手を固く握りしめて、口ごもった。

「しかしきみが私に言えない、そして敢えて言わない、そして言わないだろうこの秘密が何であるか他の誰かによって私に明らかにされていたらどうする?」シャルニーは尋ねた。彼の声は言葉と共にどんどん柔らかく優しくなっていた。「もし私がすべてを知っていたらどうする?」

アンドレは両手を重そうにシャルニーの肩の上に置いた。

「ああ、神様!」彼女は唸った。

「そして私がこの最も不幸なことのためにきみのすべてを高貴なものと考えていたらどうする?この恐ろしい秘密の発見こそが私に勇気を与え、きみに私がきみを愛していると伝えにやってきたとしたらどうする?」

「もしこれが本当でしたら、ムッシュー、あなたは最も気高く、最も寛大な方です」

「私はきみを愛しているよ、アンドレ。」シャルニーは情熱的に繰り返した。「きみを愛している!きみを愛しているんだ!」

「ああ、神様!」アンドレは天に感謝して目を上げて、叫んだ。「私はこの世にこんな幸せがあっただなんて知りませんでした!」

「さあ、今度は返事としてきみが私を愛していることを教えてくれ、アンドレ。」

「いいえ、いいえ、私は言いません!」アンドレが叫んだ。「でもこの手紙をお読みください。これはあなたの死の床であなたに与えられるはずのものでした。」

そして彼女は伯爵に彼が彼女に戻した手紙を手渡した。

伯爵が熱心に封印を破っていた時に彼女は両手に顔を埋めていた。彼は最初の数行を読んだ。それから喜びの叫びを挙げた。彼はアンドレの顔から手を動かし、愛情をこめて彼の胸に抱きしめた。そして情熱的に叫んだ。

「それではきみは6年前私たちが最初に出会った日からずっと私を愛していたんだ?ああ、私の神聖なる愛する人よ、私はきみが苦しんだすべてを忘れさせるようにきみを愛することができるよ!」

「ああ、神様」アンドレは、あまりに多くの幸せの重さで葦のように体を曲げて、呟いた。「これが夢だったら、私をそこから決して目覚めさせないで。目覚めさせることは私を殺すことになるから!」

そして、今は幸せな彼らを忘れよう。苦しみ、もがき、あるいは憎む彼らに、そして多分我々が忘れているような彼らの凶運に戻るために。

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12章、全文翻訳です。もうラブロマンス全開の章です!!もう私、この章を読むために英文読書をするという暴挙に出たと言っても過言ではありませんhappy02!!このあまりにも不幸なアンドレがオリヴィエと心を通わせることをずっと待っていたのです~happy02!!いや、もう本当に私は嬉しいhappy02!!つかの間でもこの後しばらくはアンドレとオリヴィエに愛する時間が与えられたので。ついでに子供も授かるといいのにねって感じです。多分そうはならないみたいですが・・・sweat02とにかくやっとやっと妻として、女として幸せになれたアンドレを祝いたいです。何て言うのかアンドレは昔の日本の献身的な軍人の妻を思わせるんですよね。ほら、映画の「八甲田山」とかに出てくる栗原小巻が演じていたような(←こういうことを言うあたりで年がばれる?)。いや、オリヴィエは確かに海軍将校だから軍人なんだけど、このつつましいな献身が日本人の心を揺さぶるっていうんでしょうか?とっても泣かせるのです。とにかくほっとしたって感じです。おかげでちょっと読書欲が衰えてしまいました。次の章からちょっと革命的な話ばかりになるので、ちょっと盛り上がりに欠けるんですよね。ちなみにこの章のタイトルは『DATE LILIA』となっていて、なんのこっちゃ?って感じなのですが、色々な翻訳機で検索を掛けてみたら、ラテン語で「私に百合を与える」と出たので、そう訳しました。ガブリエルが百合を持ってくることにかけているのか?

13章『日差しの後の小さな影』:

1791年7月16日、グエネゴー通りのオテル・ブリタニックの4階にある小さな応接間で、二人の男女が同じテーブルで書き物をしていた。男はリヨンの近くのヴィルフランシュで生まれたジャン・マリ・ロラン・ド・ラ・プラティエール、女はパリで生まれたマノン・ジャンヌ・フィリポン。20歳以上歳の差があるこの二人は1780年に結婚をした。夫は妻を父親のような愛情を持って愛し、才能あふれる妻は夫に貞淑に尽くした。二人は愛国者精神に目覚め、仲間と共に活動を始める。妻はその才能をいかんなくその文筆力に発揮した。彼女はあくまで貞淑で、この時代の他の女性が異性に対して持っていたような情熱的な愛情を持ってはいなかった。

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今までものすごく長い記述をしていたくせに、興味がない内容になるとこれですから・・・coldsweats01。一応この章、8ページはあるんですsweat01。ジロンド派の女王と言われたロラン夫人とその夫が登場した章です。二人のそれまでの人生が簡単に語られています。ここでロラン夫人の才能と貞淑ぶりが書かれているのですが、彼女は処刑台に向かう前に「私はいつも私の情熱を制御してきた。そして私自身より官能から自由に生きていた人は誰もいないだろう。」と書いたそうです。でもその頃にはビュゾーがいたはずなので、このセリフはどうなんでしょう?

14章『最初の共和主義者』:

国王の逃亡が知られた6月21日、コルドリエクラブはルジェンドルの署名による声明文が出された。声明文はヴォルテールからの引用が見出しについていた。マラーは自分の新聞で独裁者の提案をしていた。プルドンムは何も提案しなかったが、古い制度を忌み嫌っていた。カミーユ・デムーランはパレ・ロワイヤルの椅子で「諸君、この不誠実な男を私達に取り戻したら、それは大きな不幸になるだろう。」と演説していた。

「共和国」という言葉を言及したのはボンヌヴィルだった。ブリッソーも、ダントンも、ロベスピエールもペティヨンでさえも発しなかった言葉だった。

7月13日にロベスピエールは円台で「私は共和主義者でも王党派でもない」と言っていた。みんな同じ状況下にいたが、ボンヌヴィルとロラン夫人のみこの言葉を使っていた。6月22日に彼女は「ルイ16世への憤り、一般に国王への強い嫌悪感と『共和主義』の意見はあらゆるところで聞かれる。」と書いた。共和主義の意見はあらゆるところで聞かれたが、その言葉は表されなかった。

国民議会は特にそれに反対した。国王の逃亡が判明した時点でラファイエットは国王が誘拐されたとして、国王をフランスに戻す必要があるという命令を出した。国王の逃亡で最も苦しんだ人の内の一人がロベスピエールだった。彼はペティヨンの家に急ぎ、ラファイエットが宮廷と結託して、大虐殺を始めたら、自分は殺されるだろうと言った。そこにブリッソーがやってきて、もう新聞が動き始めていることを伝える。

「何という名だ?」

「共和主義者」ロベスピエールはしかめっ面をして、軽蔑してやり返した。

「共和主義者!私はきみが私に共和国とは何かを説明してくれるくらい十分親切であることを望むのだが。」

ロベスピエールは国民議会に戻り、友愛を説き、ジャコバンクラブの演台に立ち、国王、内閣、バイイ、ラファイエット、国民議会全体を非難した。

ダントンがホールに入ってきた。彼の人気は増加して、人気が衰えてきたラファイエットを攻撃するにふさわしい人物とみなされていた。天敵のラメットとラファイエットが腕を組んで入ってきて、友愛の見本を示し、ダントンへの賛辞を叫んだ。ロベスピエールはダントンに場所を譲り渡した。しかし、それを受け取ることはダントンにとって難しい問題だった。彼はあらゆる点でミラボーだった。ダントンは売り手、モンモランが買い手、ラファイエットが仲介人という関係が成り立っていた。そこでダントンはラファイエットの国王逃亡の共犯を告発するも、ラメット、シエイエ、バルナーヴが友愛を説き、ダントンの影響に打ち勝った。宮廷はラファイエットを勝利者としたが、国民議会ではジャコバンクラブのロベスピエールとコルドリエクラブのダントンの2大勢力が出来ていた。

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フランス革命の有名人が勢揃い(?)の章でした。

15章『重要な会見』:

1791年7月15日、テュイルリーの地階の部屋で不安そうに体を動かしながら女性がいた。それはマリー・アントワネットだった。彼女はバルナーヴを待っていた。

シャルニー伯爵がテュイルリーを去って、二度と戻らなかった波乱に富んだ夕べの後、しばらくの間、王妃はあらゆることに関して全く無関心になっていた。しかし彼女は彼女の2つの特徴である力強い性格―高慢と憎悪―がまだ生きていることに次第に気づき始めた。

彼女はシャルニー伯爵に復讐したいとも、アンドレを憎みたいとも思わなかった。彼女が彼らについて考える時、自分のために最高の軽蔑の感情を持った。というのも彼女はあまりにも正直で嘘がつけないので、間違ったことがなされたのはすべて彼女側で、すべての献身は彼ら側だったことを認めないことができなかった。

彼女の心の底から憎んだのは民衆だった。彼女に中傷を投げつけ、不名誉で覆い、嫌悪感で満たした民衆、彼女を「赤字夫人」「拒否夫人」」今では「オーストリア女」と呼ぶ暴徒たちを激しく憎悪した。

状況は非常に批判的だった。ラファイエットと国民議会のおかげで最初は首尾よく受け流され、国王は逃亡ではなく、誘拐されたことになっていた。しかし人々の間では共和主義的な考えが広がっていた。国民議会では国王の処分について議論が重ねられた。裁判を受けさせるか、受けさせないか。王家擁護派と反対派が意見を戦わせた。

デュポールは国王の側近だけに責任があると演説したが、聴衆の賛成は得られなかった。ロベスピエールは人間性点から弱い物だけを攻撃するのは残酷で不公平に見える。従って国民議会が宣言しているように国王には嫌疑をかける余地がないので、国王を攻撃しない。しかし、身分が下位で従属的なために国王に従うことを余儀なくされたブイエ、シャルニー、トゥルーゼル夫人は守りたいと言った。国民議会はこの演説の間かなりやきもきしていた。聴衆は注意深く聞き、最後にこれが王家を攻撃し、廷臣を守っているふりをしていることに気付き、喝采を送った。プリウーはすべての逃げ口上と矛盾を議論から取り除こうとした。デムーニエは国王をだしにして議会を持ちこたえさせる答えをしているように見えた。議会がデムーニエの提案をまさに理解しようとした時にロベスピエールが遮った。タリアンによって「人民」と署名されたミノーの友愛結社の代表によって騒ぎが起こされた時に国民議会はその報復として、彼らの演説を翌日に延期すると発表した。

国民議会は明らかに君主制に再び絶対的な力を与えるつもりでいた。もし人々が危険を冒して諌めたり、懇願したりしたら、扇動的な感情の表れと見なし、法の信号を持ち上げる国民議会を正しいものとし、赤旗を広げ、戒厳令を発布することは多かれ少なかれ何も意味しないとした。

決着の日となった7月15日、国民議会は恐るべき外観を表した。とても大きな危険をはらんでいるにもかかわらず、誰も国民議会の平和と安全を脅かすものはいなかった。ラファイエットは5000人の武装した国民衛兵を送った。バルナーヴが確信したように法の信号を示すことは支援をもたらすために必要であっただけでなく、国民衛兵の指揮官であるラファイエット、パリ市長であるバイイ、そして国民議会が問題を危機に追い込むことを決断させた。議論の重要な出来事は議論に終わりに延期され、そこで持ち出された。3~4名が質疑をし、議論は限界に達し、最大の静けさの中で投票が行われた。聴衆は厳選されており、テュイルリー庭園は閉められ、議長命令で警察が配置され、反抗は武力によって抑えられる準備ができていた。人々はそのような状況に同意できなかったので、シャン・ド・マルスの祭壇に行き、国民議会への異議申し立てを書き、送った。人々が戻ってくると議会は一層強く防御しているように見えた。群衆は議論し、代表はペティヨンとロベスピエールに与えられるべきだと決め、彼らが議会に急いで駆け付けた時にはすでに時が遅すぎて、議会で投票が行われていた。人々は試合に負けた。幸運は国の手の中に置かれるという最も良いカードによって。人々は激怒し、すべての劇場を閉めさせた。

王妃はこれらの出来事の進捗について十分な情報を得ていた。しかし、今突然報告が来なくなった。何か起きたのではないかと疑った。バルナーヴがその日起きたことを教えに来ることになっていた。誰もが危険がすぐ近くに迫っているのを感じていた。9時半に国民衛兵の中尉の制服を着た男がやってきた。バルナーヴだった。バルナーヴが部屋に入ってきたあとすぐにドアが閉められ、鍵がかけられた。

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王家側の支援に回っていた人たちの人気が衰え、新勢力が力を伸ばしている状態になっています。

16章『波乱に富んだ日』:

バルナーヴが部屋に入ると国王はおらず、王妃だけだった。2時間待ったという王妃の非難に対し、バルナーヴは7時に来ようとしたが、まだ日が高かったので、テラスでマラーと話をしていたこと、マラーが自分の動きに対して鋭い目を向けていたこと、「サン・プリ」と名乗る俳優兼新聞記者に会い、今日のテュイルリーの見張りの登板が彼と言うことを知り、持ち場を劇場チケット2枚で買収し、彼が見張りをしている9時から11時までの間の時間を工面してきたこと、「サン・プリ」から国民衛兵の制服を着て行くように助言を受けたことを伝える。

ジャコバンクラブには立憲主義者が広がっていた。国民議会は国王一家を非難から解放する法案を通過させた。ジャコバンとラメットとデュポールは国王の味方ではないのかという王妃に対し、バルナーヴは事態が変化していることを告げる。今日通過した法案は誓いを破った国王を守る代わりに攻撃すべきか、退位してもらい、一個人として退位後に犯した罪の責任を負うべきかということだという。国民議会は国王について十分な決定をしていないという。事前の措置は国王の二度目の逃亡を妨げるためにとられたものであり、オルレアン公爵の手先であるラクロは国王の辞職に関しての請願がパリ及び全国から集められ、その署名の数は少なくとも10万人を確認していると言っていた。王妃はその数に驚いた。その提案は多くの議論をもたらし、ダントンはそれを支持した。それを聞いた王妃はダントンは自分たちの味方であるとモンモランシーに保証されたと言うが、バルナーヴはダントンは国王派ではなくオルレアン派だと言った。ロベスピエールは動議を支持していないことを知ると王妃はロベスピエールを味方にできないかと言うが、バルナーヴはロベスピエールは理想家なので、買収もされないし、地位でも動かされる人物ではなく、新しい政治的称号を夢見ていると話す。

ジャコバンクラブの人々は明日午前11時に請願が読まれるのを聞きに集まること、それからシャン・ド・マルスに持っていき、愛国者の祭壇で人々によって署名され、その写しが地方にも送られることが決まっていた。請願を書くメンバーはダントン、ラクロ、ブリッソーの3人だった。国王に近い立憲主義者たちはジャコバンクラブを離れ、フイヤンクラブを設立する予定だという。そしてこのフイヤンクラブにはラファイエットやバイイが名を連ねていた。バルナーヴが王妃に与えた情報は以上のような内容だった。

自分自身を危険にさらしながらも情報を持ってきたバルナーヴに対して王妃は深く感謝した。王妃は次にいつ会えるか尋ねると日曜日の夕方以降にシャン・ド・マルスで起こったことについて報告しにくると言って、立ち去った。

王妃は深く考え込みながら階段を上り、同じように深く考え込んでいる国王の元に行った。国王はジルベールと話をし終えたばかりだった。国王はオーストリア帝国とプロシア帝国の介入を求める手紙を書いた。王妃もペンを取り、国王の署名の脇に自分の署名を加えた。

17章『ついに我々が達したロラン夫人が写し取った抗議書』:

ダントン、ラクロ、ブリッソーは請願を書くために集まっていた。しかしダントンはこのような仕事に向かないので、席を立ち、ラクロもブリッソーの好きにするようにとブリッソーに任せた。ブリッソーはこのような仕事に最も適した人物だったので、その仕事を請け負った。

ブリッソーが条項を書き終えると大声で読み上げた。

第一に、国民議会の臆病または偽善的な沈黙は国王に関して行動を起こさない、または敢えて起こさない。

第二に、ルイ16世の逃亡時の実質的職務放棄またはそれに続く廃位について、国民議会は国王を追跡、逮捕させた時に国王の職務の一時的停止を決議した。君主は決して追跡、逮捕されないと認められる時、ルイ16世が追跡・逮捕されたなら、最終的にもはや彼は国王ではないと証明される。

第三に、国王の代理人を規定することを緊急の必要性とする。

ラクロはこの第三の内容に更に効果的な言葉を加えることを提案した。それは「あらゆる憲法上の手段によって」だった。国王の代理人としてあらゆる憲法上の手段を表現する言葉は「摂政」であり、ルイ16世の弟であり、未成年の王太子の叔父にあたるプロヴァンス伯爵、アルトワ伯爵が国外逃亡して不在の場合、その義務を委ねられる存在はオルレアン公爵だった。ブリッソーはその挿入に反対をしなかった。

次の日、ペティヨン、ブリッソー、ダントン、カミーユ・デムーラン、そしてラクロは請願書を持ってジャコバンクラブに行くが、集会場は空だった。みんなフイヤンクラブに移ってしまっていた。ペティヨンはフイヤンクラブに急いだ。そこで彼はバルナーヴ、デュポール、ラメットが地方のジャコバンクラブへの演説を準備し、ジャコバンクラブはもはや存在せず、フイヤンクラブに変わったことを通知しているのを見た。

ダントンはロランの家に急ぎ、ロラン夫妻に状況を説明し、リヨンの人々に請願を贈るように送ること、そしてロラン自身も請願を準備するように頼んだ。ロラン夫人がそれを写した。更にダントンはシャン・ド・マルスに急ぎ、そこに到着した時にラクロによって挿入された言葉が多くの議論を呼んでいることに気付いた。

摂政を置くことは王家の再樹立につながった。人々はもう国王はいらないと叫び始めた。しかし、共和国になるには機を熟していないという声に対して、反対の声が挙がり、「ルイ16世または他の王の力をもはや認めないと思うものは手を挙げろ」という声に大多数の手が挙がった。同じ男が叫んだ。「明日パリ中の人がシャン・ド・マルスに来て、この解決に署名することができる。私、ビヨは正当な注目が与えられるのを見るだろう。」

こうして民衆の男によって、民衆の本質によって、コルドリエとジャコバンは遠く凌駕されてしまった。デムーラン、ダントン、ブリッソー、ペティヨンは騒動なしにそのようなことがなされるとは思っていなかった。そして翌日、自治体の権威の許可を得ることが得策と考え、デムーランとブリッソーがその問題に注意を払うことを委任された。バイイは市役所にいなかった。第一理事は許可を引き受けも拒否もせず、反対しているようには見えなかった。デムーランとブリッソーは問題を進めることが正式に認められなければならないことを感じて立ち去った。彼らが立ち去った後、理事は国民議会に彼らが出し抜かれたことを警告するための使者を送った。

国民議会はわなにかかった。彼らは逃亡者の高い地位について明らかな決議に達していなかった。デュムーニエは主要な執行部によって与えられた権力の停止は憲法が国王に提出され、国王によって憲法が受け入れられるまで続くという解決策を提案した。これが7月16日夜7時に提出され、8時に大多数によって採決された。

国民議会の行動によって人々の請願は無益にさせられた。国王の移動を望む人は政府に対する公然の反逆とみなされ、訴追の罪を受けなければならないことになった。

その夜市役所では市の評議会の会議が行われた。9時半に始まり、10時に翌朝8時までに国民議会の最新の法令の印刷物を市内中に通りや角に貼り、武装された随行を伴った触れ役によってそれが宣言されることが決まった。

この決定が古いジャコバンクラブの会員の耳に入ったのは1時間後だった。彼らは大多数がフイヤンクラブに逃亡した今、効果がないことを感じ、その決定に屈した。バスティーユ地区のビール醸造者のサンテールは社会のためにシャン・ド・マルスに請願を書きに行くことに同意した。

コルドリエクラブはより賢明だった。ダントンはフォンテネ・スー・ボワにある彼の義父であるレストラン経営者が持っている邸宅で過ごすことを宣言した。ルジェンドルもデムーランとフレロンと共にそこに加わることを約束した。

ロランはそれらを知らせる短いメモを受け取った。そこにはあらゆることが失敗し、延期されること、そしてリヨンに請願に行くことは無益であることが書かれていた。真夜中近く、ロラン夫人が写しの仕事を終えた時にその最も不満足なメモが届いた。

丁度その頃、2人の男がグロ・カユーにある酒屋の裏部屋で3本目のワイン瓶を開けて、奇妙な計画を思いついていた。一人は理髪師、一人は傷病兵だった。二人は夜明け前にシャン・ド・マルスに行き、愛国者の祭壇の側面から厚板をはぎとり、そこに穴をあけ、翌朝若くかわいい女性市民たちが請願に署名をするために台に上るのをのぞくことを考えていた。彼らは酔っ払って、ワインの樽を抱えて、シャン・ド・マルスに大得意で向かい、壇の下の柔らかい土の上に寝そべり、眠りに落ちた。

18章『請願』:

7月16日の夜は薄暗く、扇動され、抑制された興奮で満たされていた。古いジャコバンやコルドリエの指導者たちは彼らの敵の計画に関してある暗示に気付き、見えないところで深く注意をしていた。この進歩的な政党の善意ある人々は再び同盟すること、そしてすでに始められた仕事にと共に進んでいくことを決心していた。

その他の人たちは正直や情け深い感情がない状態で動かされ、油断なく警戒していた。その最たる人物がマラーだった。彼は影のねぐらに住み、「人民の友」と名付けた新聞に燃えるような赤く血の色合いを知らせる縁起悪い予言を毎朝その影から出していた。国王の帰還以来、新聞はそれだけが人民の権利を守る効果的な手段のように大虐殺と独裁政治の樹立を支持していた。

ヴェリエールはヨハネ黙示録の予見のように、7月16日に再び現れて、死の白馬に乗り、不幸を先触れする人のように通りや角に立ち止まり、翌日シャン・ド・マルスにいることを警告した。

フルニエは国民議会に対して報復する決心をしていた。

国王と王妃はテュイルリーで心配してバルナーヴを待っていた。

国民議会は立法府と明らかな大多数に満足し、全く冷静に結果を待っていた。事前の対策は取られていた。法律は彼らの味方だった。

ラファイエットも不安を感じていなかった。彼には彼にまだ献身を示している9000人の古い兵士たちで構成されている国民衛兵がいた。

バイイと自治体の権威たちは不安の状態にいた。

17日朝4時半、150人くらいの人がシャン・ド・マルスにいた。突然一人の女性が金きり声を挙げた。彼女の靴に螺旋きりが突き刺さったからだ。彼女を助けるために人々が集まった。そして台の下に人がいることに気付いた。警察を呼びに行ったが、相手にされず、群衆は激怒した。その数は300人に達していた。そして台の下の厚板をはがしたところ、二人の男が姿を現した。彼らは警察に突き出されたが、くだらない犯罪として釈放された。その時、グロ・カユー地区の洗濯女たちが彼らを見つけ、セクハラに敏感な女たちは洗濯棒で彼らを叩きのめした。彼らが潜んでいた台の下からは樽が見つかり、ワインか火薬かと騒ぎになった。新しく来た人がこの二人をつかみ、頭をたたき切り、槍先にその頭をつけて、街中に見せびらかして歩いた。

9時頃触れ役がパレ・ロワイヤル広場で国民議会の最新の法令を宣言した。そしてその法令の後に違反が続いた。法律に反する行進の警告が思いもよらず短時間の間に国民議会に達した。ダンジェリは演壇の上に飛び乗り、戒厳令を求め、個人であろうが団体であろうが、法の認めた権威に反抗するものは国家への反逆罪とみなすことを要求し、国民議会はそれを宣言した。

ロベスピエールはその決議がなされたのを見て、急いでジャコバンクラブに報告した。集会場にはほとんど人けがなかったが、サンテールがいた。彼はすぐにシャン・ド・マルスに派遣され、請願者たちに差し迫る危険を警告した。彼は台の上に200~300人の人がブリッソーによって書かれた請願に署名しているのを見た。しかし、その請願からはラクロによって挿入された条項は取り除かれていた。

第一主導者は前日の英雄のビヨだった。サンテールが台に上り、国民議会が国王の辞職を要求する者はすべて反逆者・裏切者と宣言したことを告げた。そして彼はブリッソーによって立案された請願を取り消すためにジャコバンクラブから派遣されたことも付け加えた。

ビヨは階段を数段降りたところでサンテールと向かい合った。

「ジャコバンクラブは再び彼らの請願を書くことができる。そして私たちは別なものを立案するつもりだ。」とビヨが言った。

「そして、きみはフォーブル・サン・タントワーヌの私の元にその請願を持ってくる必要があるだけだ。私は自分自身でそれに署名をするだろう。そしてあらゆる私の仲間たちによって署名されるだろう。」とサンテールが言った。

二人は心からの握手を交わし、市と地方の力強いこの同盟を見て、大喝采が挙がった。ビヨはサンテールに請願を戻し、サンテールはそれを持ってすぐに出発した。

ジャコバンクラブは請願を引っ込めることを恐れているように見えると言及したビヨに対し、明日同じ場所にまたあるだろうという声が挙がったが、なぜ今日でないのか?明日までのことを誰が分かるとビヨは反論し、今すぐに請願を立案しようという声が挙がった。これらは主にジャコバンやコルドリエから構成されてたが、彼らの指導者の明快な命令に反対して、シャン・ド・マルスにやってきた人々だった。ロベール、ド・ケラリオ嬢、ロラン、ブリュヌ、エベール、ショーメット、セルジャンなどである。

ロベール、ド・ゲラリオ嬢、ロラン夫妻が交替で口述し、請願を書いた。この請願ではルイ16世を裁判にかけること、7月16日に国民議会で議決された法案はルイ16世の犯罪を立証することを全フランス人の名において正当化されることを要求し、ルイ16世の退位後、新しく組織される立法府によって憲法が作られることを要求したものだった。

請願が書き終えられた時にすぐに沈黙が訪れ、全員が帽子を取った。ロベールが文書を大声で読み上げた。すべての望みを満たしていた。反対はなかった。満場一致の大喝采が結語を祝った。

シャン・ド・マルスにいる2000~3000人の人々は今や1万人になり、1~2時間のうちに5万人になるだろう。

請願は一人が署名したら、隣の人にペンが渡され、署名されていった。一瞬のうちに署名でいっぱいになり、白紙の紙が渡され、署名はそこに続けられ、正しく番号がつけられ、請願ともに添付された。

ラファイエットは国民議会の命令に従い、軍隊がすでにシャン・ド・マルスに到着していた。しかし人々は署名に没頭していて、兵士たちの存在をほとんど意識していなかった。

19章『赤旗』:

丘の上のラファイエットの援助軍から若者に1発の射撃があった。けがはかすかなものだった。

フルニエはラファイエット目がけてマスケット銃を発砲したが、失敗した。

ラファイエットがシャン・ド・マルスに到着した。人々は請願に署名をしていて、完璧な冷静さが支配していた。秩序は完璧だった。ラファイエットは愛国者の祭壇に近づき、何が行われているか尋ねた。人々は彼に請願を見せ、署名されるや否や静かに広まられることを約束した。ラファイエットは反対すべきものを何も見なかったので、兵士と共に退却した。

しかし、ラファイエットの援助軍からの発砲とラファイエット自身への発砲があったことは、シャン・ド・マルスでは少しも動揺がなかったが、国民議会では大興奮が生じていた。

市役所はジャック、アルディ、ルノーの3人の役人を調査のために派遣した。彼らは無秩序状態見る代わりに、静かで行儀のよい市民たちが散歩をしたり、請願に署名したり、踊っていたり、歌っていたりしているのを見た。群衆は秩序を守っていた。しかし、請願はその性格から非難されるべきものだった。役人たちはそれを読むように要求し、応じられた。しかし、役人たちはそれを不法なものとは見なさず、それどころか彼ら自身が署名さえもした。

このような状況下でよくあるように民衆と国民衛兵の間で起こったばかばかしいつまらないことの中で二人の男が逮捕された。二人の男は全くの無実で、晴眼者たちの間で主要な人々は彼らの釈放を求めた。役人たちは責任を負うことはできないが、彼らと共に市役所に行く委員を12名任命した。その中にビヨも選ばれた。

彼らが市役所前のグレーヴ広場に到着した時に広場にはたくさんの兵士がいるのを見て驚いた。

評議会のドアで3人の役人は12名の委員たちに待っているように言って去った。1時間待った。ビヨはいらいらして、足踏みをし、まゆをしかめた。

突然ドアが開き、全評議会議員とバイイが姿を現した。バイイは正義と不正に敏感だったので、自分が誤った行動の方向に強制されていることを感じていた。しかし、国民議会の命令は明快だったので、バイイはそれを手紙で果たすつもりだった。

ビヨはバイイの元にまっすぐ進み、1時間も持たされたことに文句を言った。バイイは「きみは誰かね?きみの仕事と私に何の関係がある?」と言った。ビヨはバイイからそのような質問を受けるとは心外と言わんばかりに自分はビヨだと名乗った。バイイはその名前を聞いてぎょっとした。その名前はバスティーユに真っ先に入って行った人物であり、フロンとベルティエが暗殺された時に市役所を守るのを助けた人物であり、国王の最初のヴェルサイユからの行進時に馬車の側を歩いた人物であり、恐ろしい10月の夜にラファイエットを起こした人物であり、ヴァレンヌから国王を連れ戻した人物であることを思い出した。ビヨはバイイに二人の男の釈放を求めた。しかしバイイは彼らが扇動的な人物であると言い、釈放を拒否し、自分はシャン・ド・マルスの秩序を回復しに行く途中だと言った。ビヨは肩をすくめ、威嚇のような笑みを浮かべ、シャン・ド・マルスはラファイエットと3人の役人が確認しているように市役所よりもずっと静かで秩序が守られていると言い返した。

その時、ボンヌ・ヌーヴェル大隊の大尉が駆け込んできて、戦闘準備を伝えた。そしてシャン・ド・マルスで争いがあり、5万人の人々が国民議会を攻撃するつもりであると言った。ビヨはこの男に誰がそのようなことを言ったか尋ねた。男は国民議会がそう言ったと言うと、ビヨは国民議会はうそをついていると言い返した。

バイイは剣を抜き取った大尉を止め、ビヨに自分自身でシャン・ド・マルスを見に行くことを伝え、彼らを追い払うのを説得してくれるように頼んだ。ビヨは請願の権利は法によって保障されていて、誰もその権利は妨げることができないと言い、自分がシャン・ド・マルスに先導しようと言った。

市役所の窓からは大きな赤旗が下がっていた。

ビヨと仲間たちがシャン・ド・マルスに到着するまでに人々は6万人にまで達していた。ビヨ達の帰還で大きな興奮が生じた。二人の男たちはまだ釈放されていない旨が伝えられると、人々は再び会話、散歩、あらゆる仕事を再開した。

請願への署名はどんどん続いていた。その数は夜までに5万に達していた。国民議会はそのような圧力に屈せざるを得ないことを感じしていた。

突然一人の男が息を切らして駆け込んできた。彼は市役所に赤旗が掲げられているのを見ただけでなく、国民衛兵がシャン・ド・マルスへの行進と銃への装填の命令が下されたことを告げた。平和と秩序が広がっている中で憲法に認められた権利を行使している人々は危険な状態にあるということを信じられなかった。

ドラムの音が聞こえてきた。請願者たちは驚いた。異なる政治団体のメンバーは相談し合い、その多くがすぐに離れるように助言した。しかしビヨが叫んだ。

「兄弟たちよ。私たちは何も悪いことはしていない。なぜ恐ろしく感じるべきか?私たちがそうするように命令されるときには逃げるに十分な時間がある。」

法に違反していないという声があらゆるところから挙がり、全員がそこに留まった。

国民衛兵はシャン・ド・マルスの3つの入口から分かれて姿を現した。シャイヨーの丘の向かい側の門の軍隊にはバイイもいた。

しかしここで見たものは非常に大きな平原が静かで無害な散歩者でいっぱいになっていて、その真ん中に愛国者の祭壇があり、祭壇に達するまでの4段の広い階段があることだけだった。

グロ・ケヨーの門から入った騎兵隊が群衆を愛国者の愛国者の祭壇の下に追いやった。河岸から一発発射され、空に向けて一斉射撃がなされた。弾丸はバイイの頭の側を通り、竜騎兵が怪我をした。バイイは彼の兵士に群衆への威嚇のために空へ向けて一斉射撃をするように命じた。次の一斉射撃が行われた時にこだまは消えなかった。傭兵軍から民衆に向けて発射された。恐怖の金きり声と共に群衆はあらゆる方向に逃げた。動かない死体と怪我人だけが残された。

シャン・ド・マルスは恐るべき様相を示した。あらゆるところに怪我をした女性たちや子供たちが横たわっていた。そのような状況下ではいつものように虐殺が繰り広げられた。大砲が置かれ、ラファイエットはその砲口の前に馬で駆け寄った。煙が消えると、地面は血で汚され、死体が散乱していたのが見えた。非常に大きな平原は空となった。少なくともそこに残ったのは傭兵軍の一斉射撃か竜騎兵の馬の下敷きになり殺されたか傷ついた人々の体だった。

大虐殺の熱がまだ残っている中、数人の愛国者たちが請願への署名をサンテールの家に持って行った。

誰がこの不幸な発射を命令したのかはわからない。最も注意深く調査されたにもかかわらず、説明もされず残った謎の1つだった。

ラファイエットとハイイは流血をぞっとするほど嫌っており、この流血が彼らの人気を失わせた。

大虐殺の犠牲者数はわからない。ある人は市長と将軍の責任を少なくするために低く見積もり過ぎ、ある人は市民の激怒を高めるために高く見積もり過ぎた。

夜に多くの死体がセーヌ川に投げ込まれ、海に運ばれた。

バイイとラファイエットは虚しかった。罪から解放され、ただけではなく、公然と国民議会から祝われたにもかかわらず、勝利は恥辱を着せられたものだった。人々はこの偽の勝利を「シャン・ド・マルスの大虐殺」と呼んだ。

20章『虐殺の後』:

ロベスピエールは状況確認のために使者を送った。そして使者からバイイとラファ家とが民衆を虐殺しているという恐ろしい知らせを受けた。

フイヤン派の人々は時間単位、分単位で何が起こっているのか報告を受けていた。彼らは勝者となった。

ジャコバンクラブはもう一度憲法に忠誠を誓うことと国民議会の命令に従うことを通知した。しかし、周囲の騒ぎは収まらず、ジャコバンクラブは恐怖から脱走者が相次いだ。ロラン夫人は最後に立ち去った人の一人だった。ロベスピエールが出発する番になった時、彼はどこに行けばよいのか迷った。彼の住んでいるマレ地区は遠く、途中で傭兵軍に遭う可能性があったので、フォーブル・サン・トノレ通りに住むペティヨンの家に行くことに決めた。そして逃げ出そうとした時に2~3名の人々に発見され、「ロベスピエールよ、永遠なれ!我々が国王を持たなければならないなら、それがなぜロベスピエールでない?」という叫びが挙がった。彼の周りに群衆が集まってきた。彼が逃げ場を探していた時、大工のデュプレが彼を危機から救い出してくれた。

一方王妃はシャン・ド・マルスの様子を見に行かせたウェーバーを心配そうに待っていた。国王夫妻は国民からまた逃亡すると思われており、宮殿には見張りが置かれただけではなく、すべてのドアを開いたままにすることを余儀なくされた。

ヴァレンヌから戻り、シャルニー伯爵と王妃の間の出来事があった夜の間、王妃の髪はその悲しみからほとんど白くなってしまっていた。

シャン・ド・マルスの発射の音はテュイルリーでも聞こえた。王妃はヴァレンヌ事件によってつらく、かつ有効な訓戒を受けていたので、警戒していた。

ドアが開いた。そこに現れたのはウェーバーではなく、ジルベールだった。ジルベールは王妃に自分は虐殺が行われた場所にいたので、反対側にいるウェーバーよりも情報を与えることができるといって詳細を話し、射撃することではなく国王の誠実さで人々を納得させるべきだったと語った。

王妃は国王は誠実であると反論した。しかしジルベールは3日間自分は最も悪い敵は国王の弟たち、コンデ公爵、そして外国に亡命した人たちだと理解させようとし、彼らとの交渉を打ち切り、憲法を採用することを申し出るように跪いて懇願し、国王はジルベールと約束したにもかかわらず、オーストリアとプロシアの皇帝の介入を頼む手紙を書いたことを告げた。

王妃は誤りを見つけられた子供のように赤面したが、すぐに自分を取り戻した。

「それでは私たちの敵は国王の書斎の中さえも見張っているということですね。」王妃は軽蔑的に言った。

「そうです。これがそうした誤った段階を踏むことによって国王が大きな破滅をもたらすという事実です。」ジルベールが冷淡に答えた。

「しかし、手紙は国王自身の手で書かれたのです。私がそれに署名した後、国王によって折りたたまれ、封印され、それからそれを運ぶための急使に与えられたのです。」

「真実ですね。」

「その使者が逮捕されたのですか?」

「手紙は読まれました。」

「それでは私たちは裏切り者に囲まれているのですか?」

「すべての人々がシャルニー伯爵ではありません。」

「どういう意味ですか?」

「国王の今にも起こりそうな破滅の最も確実な前兆の一つが鉄の留め金で結びつけておくべき友人との疎遠だということです。」

「私はシャルニー伯爵を追い払ったわけではありませんよ。」王妃は苦々しく答えた。「彼が自発的に去っていったのです。人の運が傾いている時にその人の味方になって友好を保つほど強い結びつきはないのです。」

ジルベールは悲しげに王妃を見た。そして静かに頭を振った。

「シャルニー伯爵を中傷しないでください。さもなければ彼の弟たちの血がその墓からフランス王妃が恩知らずであることを叫ぶでしょう。あなたは私が真実を話していることをご存知です。本当の危険があなたを脅かす時にシャルニー伯爵は彼の職につくこと、そしてこの職が切迫した危険の1つになるだろうことをあなたは完全によくご存知です。」

王妃は頭を垂れた。「あたなは私に単にシャルニー伯爵について話に来たわけじゃないでしょう?」王妃はついにイライラしながら言った。

ジルベールは王妃にフランスとヨーロッパの状況について説明したいと言った。

「世界の幸せも不幸もあなた次第です。あなたは2年前のあの恐ろしい10月の夜に三番勝負の最初の勝負に負けました。そして今、少なくともあなたの廷臣たちの目には二番目の勝負は勝ったように見えているでしょう。三番目の勝負は始まったばかりです。もしあなたが負ければ、あなたは王位を自由を、そして多分命そのものも失うでしょう。」

王妃は自分たちは臆病者ではないと言った。そしてジルベールはそれを知っているし、今から話すことも国王夫妻に影響を与えられるかわからないと答える。王妃はなぜそんな無駄な努力をするのかと尋ねると、ジルベールはそれは自分の義務だからだと答える。

ジルベールは絶対王政に固執している王妃にそれを捨て、憲法に忠実な国王を長としたフランスになればヨーロッパを征服することができると話した。更にヨーロッパ各国の状況について詳細を語った。王妃はその内容を誰から聞いたのか尋ねると、ジルベールは手紙の内容を教えてくれた人と同一人物だと答える。

「私がすでにお話した通り、ヨーロッパの国王たちは自分自身を救い出すことができない目に見えない網で絡み合っています。抵抗するといったようなことを考えてはなりません。あなたが今退けようとしている進歩的な概念の長にになるのです。そしてあなたを憎んでいる人々はあなたの心温まる保護者になり、今あなたを脅かす人目につかない短剣はあなたの敵に向けられるでしょう。」

王妃は反論するが、ジルベールに専制君主たちの末路について語られ、破滅よりも世界的な帝国、普遍的な王政になることを選ぶように説得される。

「なぜあなたはこれらすべて国王に話していないのですか?」

「私は何度も何度もお話しました。しかしあなた自身もそうであるように彼は悪い影響を与える人をお持ちです。彼らが私がお話した全てを取り除くのです。」そして深く憂鬱そうな調子で加えた。「あなたはミラボーを使った。あなたはバルナーヴを使っている。そしてあなたは私を使うことになるでしょう。それがすべてです。」

王妃は国王に会ってくると言い、ジルベールを部屋に残して去った。しかしジルベールが30分待っても王妃は戻ってこなかった。そしてメーソンの合図をした召使がやってきて、彼に手紙を渡した。

「お前は時間を無駄にしているよ、ジルベール。まさにこの時間、国王と王妃はウィーンから到着したばかりのブルトゥイユの話を聞いている。そしてこの助言を持ってきた。『あなた方がミラボーにしたようにバルナーヴを扱いなさい。憲法を支持すると誓うことによって時間を稼ぎなさい。それからそれを手紙で実行し、何と実現不可能なことかを示すのです。フランスは落ち着き、戦いに飽きるようになるでしょう。フランス人は生まれつき激しやすい。彼らは何か新しい趣味をやめるでしょう。そして自由を知らぬこととして通り過ぎるでしょう。もし自由が忘れられないのなら、私たちは少なくとも1年を稼ぐことができるでしょう。そしてその1年であなた方は戦争の準備ができるでしょう。』;その完全な馬鹿者、まだ嘲笑的に国王と王妃と呼ばれているが、彼らの凶運は決定づけられた。彼らを運命に委ね、グロ・カユーの病院に急ぐのだ、ジルベール。そこでお前は死にかけている男を見つけるだろう。―彼の容態は、多分ルイとマリー・アントワネットのものほどとても絶望的ではないけれども。お前は彼を救うことができるかもしれない。しかし彼らは救われることができない。そして彼らはお前を彼らと共に破滅へと引きずっていくかもしれない。」

手紙には署名がなかったが、ジルベールはバルサモの筆跡であることを認めた。まさにその時王妃の侍女のカンパン夫人が入ってきて、ジルベールにメモを渡した。メモには国王がジルベールの提案を書いてもらいたいと希望していること、王妃は重要な仕事に引き留められているので、今晩再びジルベールに会うことはできないので、待っていたも無駄な旨が書いてあった。

ジルベールはメモを読み、少し考えてから疑わしく頭を振り、叫んだ。「馬鹿者たちめ!彼らの運命は本当に決定づけられた!」

「陛下たちにお返事を送られますか?」カンパン夫人が尋ねた。

ジルベールは彼が受け取ったばかりの匿名の手紙を彼女に手渡した。

「これが私の返事です」と言って、彼は部屋を去った。

2013年1月13日 (日)

地元で素敵バー発見\(≧▽≦)/!!

という訳で、食事を終えた後、どこかに場所移動をしようと歩いていたら、ちょっと気になるお店を見つけました。「何かバーっぽいよ。とりあえず入ってみようか?」って入って行ったら、そこは大阪の北新地にある素敵バーのBessoを彷彿させる素敵バーだったんです!!

こ、こんな素敵バーが地元にもあったんだ~happy02とものすごくうれしくなり、早速神戸と福岡の友人にメールをしてしまいました。

SALON LA DONNAというお店で、ショットバースペースとクラブスペースがあるお店で、クラブスペースの方にはグランドピアノがあり、時間になると生演奏、そして着物を着た女性&キーラ・コルピのような金髪の若いお姉ちゃんがいましたcoldsweats01

でも、バースペースはあくまでBessoみたいな感じで、空間全体としてとても上品な感じです。飲み屋街に多いあのベタな感じは一切なし!

そして色々なカクテルを作ってもらい、どんどん飲んでしまったのでした・・・coldsweats01。友人に「マトちゃんってお酒強いんだか弱いんだかわからない人だよね。」って言われました。確かにここに来る前の食事でカヴァのフルボトルを二人で1本開けています。

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最初に頼んだのはざくろを使ったカクテルです。おつまみは素敵バーにかかせないドライフルーツ!

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次は苺を使ったカクテル。バー・ダンドロ(ヴェネツィアのホテル・ダニエリのバー)を彷彿させたカクテル。

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これはグレープフルーツと洋ナシフレーバーのウォッカで作ったカクテル。なんと香りづけされたウォッカというものがあることを知りました!

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PRUCIAを使って作ってもらったカクテル。ライチリキュールの香りがきいていて、とてもおいしかった!

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最後に頼んだのが、アマレットを使って作ってもらったカクテル。ナッツのリキュールが混ざっていて、チョコレートケーキカクテルって感じでした。

こんな5杯も飲んでいるんだから、当然長居したわけで、その間色々な話をしていて、私が教授の話をしていた時にバーテンダーさんがそれに反応し、実は教授に捧げられたというカクテルがあると言ったんです。私にはちょっと無理なお酒だったので、友人が頼みました。

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これです。ちょっと飲ませてもらったけど、ものすごく強いお酒だった。「M-30Rain」という名前だそうです。つまり「ラストエンペラー」のあの「Rain」をイメージして作ったようです。

更にこのお店が面白かったのが、バーテンダーさんたちから名刺をいただいたのですが、若いバーテンダーさんの名刺に「マジシャン」って書いてあったんです。

「マジシャン」ってcoldsweats02???

「えっ、本当にマジシャンなんですか??」って聞いたら、「ええ」とさらりと返され、友人が何か見せてくれと頼み、フォーク曲げを見せてもらったんです!

はい、全くどうしてあんな風に曲げられたのかわかりませんでした。そしてその曲げられたフォークは記念にプレゼントされましたcoldsweats01

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これが証拠品です。すごい、マジシャン!!しかも独学でマスターしたとか??

こんなバー、他にない~!!そして会計時にもびっくり!すごく安かった!やっぱり田舎価格なのか?いや、飲み屋街の他のベタなお店の方がもっと高い気がするの。そういう意味でも素敵バーだった!!

という訳で、友人と「また来ようね~!!」と言って帰ってきましたhappy01

誕生会

昨日友人に1日遅れの誕生会をしてもらいましたbirthday

よく友人が使っているお店で、私は初めて行ったんですけど、何だかちょっと不思議な感じがするお店でした。異様に丁寧なんですけど、何か不思議な感じ・・・

誕生日祝いと言うことで、友人にごちになりましたhappy02

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席からはこんな坪庭?が見えます。

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先付は海老の卵蒸し。

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小さなお重に入ってきた八寸?

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じゃがいもの冷製スープ

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アマダイの貝柱と白菜ソース添え

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サラダ

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メインのステーキです。私はヒレ、友人はロースを頼み、二人で半分ずつシェアしました。

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お食事はガーリックライス。お吸い物はお雑煮ですか?って感じのしょうゆ汁でした。

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デザートは1月だからか、花びら餅でした。

そして食事中にお店の人が「新年会ですか?」と声を掛けてきて、友人が「いえ、こちらが誕生日なんです。そのお祝いで・・・」と言ったら、何と最後にお店からこのようなサプライズプレゼントがcoldsweats02

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こんな素敵なブーケをもらってしまいましたhappy02!いや~っ、あれからお店の人が買いに行ったというか、花屋に発注して持ってこさせたというか、すごいですよね~!!びっくりしました。でもお花もらうのってうれしいので、よかったですhappy01。しかもおめでたい赤のブーケがとてもかわいく見えました。

いやいや、H様、どうもありがとう!!来月は温泉だからね!

2013年1月11日 (金)

Bon Anniversaire♪(*^^)o∀*∀o(^^*)♪

今日は私の誕生日ですbirthday

いや、別におめでたい年でも何でもないんですが・・・coldsweats01

という訳で、今日は温泉に行ってきますpresent

でも体重のこれ以上の増加に困っています。ちょっと前からの激太りから全然回復してません・・・sweat01温泉に行くと食べてばっかりで太るから、かなりやばいです・・・sweat02

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ちょっとお祝いムードを高めるためにマトコレクションの一部を並べてみました。手前に置いてある小マト達は全部右端の青い小マトのように5つのマトになっています。

珍しいのは後列右から3番目の以前誕生日に妹のように思っていた後輩からもらった、とっても珍しいスプートニク号のマトリョーシカです。

普段は掃除が面倒くさいので(ほこりを取り掃うのが面倒)、全部閉まっています。ってか置く場所ないんですよ。もう・・・

ああ、今年はいいことありますように~!!

2013年1月 7日 (月)

【おまけ】『シャルニー伯爵夫人』3巻12章でアンドレが辿った道

ここ数日あらすじ書きに時間がかかって(2章分全文翻訳だったりするし。)、妙に遅くまで起きていて、ちょっと生活サイクルが崩れてきたので、今日はちょうどあらすじも書き終えたところだし、読書をお休みにして、明日からまた再開にしようかと思っています。

さて、3巻12章を読んでいた時にアンドレが国王一家の馬車を追うためにパリの街を横切ったとあったのですが、一体どのくらいの距離をどう歩いたのかが気になり始めましたcoldsweats01。ほら、気になり始めると止まらない性質なのでsweat01。(ある意味マニア?coldsweats01

という訳で、大昔の旅行の際に買って、とってあった『地球の歩き方:パリ』を取り出してきて、通りの名前を探してみました。

まずはアンドレが住んでいるコ・ケロン通りですが、これはパレ・ロワイヤルからちょっと北東に進んだところにあります。下の地図をまずクリックしてください。そうすると右端に通っているRue du Louvreから左にそれたところに〇で囲んだところがありますね。R.Coq-Héronの文字が見えると思います。ここがアンドレが住んでいた界隈になります。テュイルリーからそんなに遠く離れたところではないこともわかるかと思います。

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次にフォーブル・サン・マルタン通りについてです。

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東駅のすぐ下に薄く鉛筆で囲まれている通りがあるのがわかるかと思います。ここがフォーブル・サン・マルタン通りです。アンドレが待っていた柵というのがどこにあったのかはわかりません。ただ、この通りの突き当りはメトロの駅STALINGRADがあるBd.de la Chapellなんです(東駅のちょっと上を走っている太い通りです)。ここを越えると通りの名前が変わるんですね。なので、暫定的にこのBd.de la Chapellとの突き当りに柵があったと仮定します。ここからシャンゼリゼまで歩いたということなのです。ちなみにアンドレの家があるRue.Coq-Héronは上の地図では日本語で「パレ・ロワイヤル」と書かれているところに薄く鉛筆でしるしがつけてあるかと思いますが、この辺りですので、Rue.Coq-Héronからフォーブル・サン・マルタン通りの柵までとRue.Coq-Héronからシャンゼリゼ通りの起点となるエトワール広場までの距離は大体同じくらいに見えます。つまりフォーブル・サン・マルタン通りからシャンゼリゼ通りまでの道は倍あったということです。直線距離で測っても7km以上あるので、普通の道路を辿れは10km以上はあるかと。更にものすごい群衆の中を歩いていたのですから、とんでもない負荷です。

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次にシャンゼリゼ通りからテュイルリーへの道ですが、シャイヨー通りを押し進んだとあるので、シャンゼリゼから南下して、太いAv.Marceau通りに面した真ん中あたりに日本語で「アメリカン・カトリック教会」と書かれた文字がある下に薄く鉛筆で囲っているところがあるかと思います。ここがシャイヨー通りに当たります。この部分だけなんです。この道を通って、あとはどう進んだのかはわかりませんが、とりあえず川にぶち当たり、そのまま川に沿ってテュイルリー河岸まで進んだということになります。

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テュイルリー宮殿は消失してしまったので、現在は建物は残っていません。ただ、場所はわかっていて、ルーブルのコの字型に開いている部分(薄く〇囲みしている部分)にありました。国王一家を乗せた馬車はシャンゼリゼ通りからまっすぐ宮殿に進んで行ったと思います。テュイルリー河岸とは現在テュイルリー公園になっている部分の川に面している部分のことです。ここまで来たということです。そしてテュイルリー河岸の近くには公園内にTerrasse du Bord de l'eauというテラスがあったことにこの地図を見て気が付きました!つまりアンドレが上ったというテラスとはここのことではないでしょうか?

残念ながらオルティ通りというのがどこなのかは探せませんでした。ただ、その後アンドレはカルーゼル広場を横切って、門番小屋に入り込んでいます。カルーゼル広場は上の地図でもわかるようにルーヴルの真ん中の現在カルーゼル凱旋門がある広場のことです。(地図をクリックしていただくと全景がわかります。)ルーヴル河岸から潜入して行ったのではないかと思います。カルーゼル凱旋門は1800年代に作られているので、ここに出てくるアーチ形の門とはこれを指している訳ではなく、他の門と思われます。

そしてオリヴィエの無事を知って、またコ・ケロン通りの家に帰って行ったという訳です。多分歩いた距離の合計は30km以上あったのではないかと思います。それを大混乱の中一人で歩いて行ったわけです。愛の力は偉大です!アンドレ、妻の鑑crying!!

しっかし、ここまで辿る私も私ですね・・・coldsweats01。でもアンドレの苦難がよっくわかりましたよ!

これだから捨てられないのよ、昔の『地球の歩き方』sweat01。先日友人と再断捨離の話をしていた時に、「昔旅行に行く時に買った『地球の歩き方』を捨てたら、スペース空くんだけどね。」と言ったら、友人に「何で捨てないの?そんなの取っておいてどうするの?」と言われ、「いや、ほら、何か本とか読んでいて、場所が知りたいときに役立つかな~って思って・・・coldsweats01」と返したら、「はあannoy???」って怒られましたが、ほら、この通り、役に立ちましたcoldsweats01

【追記】

オルティ通り、京大図書館の資料で判明しました!今はない通りだったんです!下記の地図を見るとOrtiesという文字を右上に見つけますよね。ここがオルティ通りです。そしてアンドレが駆け込んだ門と門番小屋らしきものも多分この地図のCour de Tuileriesの部分にある門と門番小屋なのではないかと思われます。本当にこの地図素晴らしいです。Viva,京大happy02

http://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/f28/image/01/f28l0018/f28l0018_3_2.html

2013年1月 6日 (日)

『シャルニー伯爵夫人』英訳版3巻読了\(≧▽≦)/:その1<ネタバレ注意>

3巻から各章ごとのあらすじをtwitterにUPするのは止めて、随時ブログに記載していく方式に変えます。(あまりに長くなりすぎて、twitterが鬱陶しい状態になったのでcoldsweats01。)多分10章単位に記事切り替えをしていくくらいの分量になるかなという気がしています。『ジョゼフ・バルサモ』及び『王妃の首飾り』を未読の方はネタバレご注意ください。あと正しく翻訳されているかどうかは保証しません。あくまで私の理解なので・・・sweat02

1章『農民の強い嫌悪感』:

ビヨとシャルニーは向かい合って、お互いをまっすぐ見ていたが、ビヨはシャルニーにひるまず、自分から口火を切った。

「どうぞムッシュー、お話したいことをおっしゃってください。私は聞く準備ができています。」

「ビヨ、きみがここでこんな仇討の任務を果たしているなんてどういうことだ?私はきみが私たちの友人であり、同じように国王の良き信頼できる臣下であると信じていた。」

「私は国王の良き信頼できる臣下ではありましたが、あなたの友人ではありませんよ。あなたの卑しい使用人ではあっても。」

「どういうことだ?」

「私はもうそうではありません。」

「私はきみが理解できないよ、ビヨ。」

「なぜあなたが私を理解しようとするのです?私はあなたの国王への忠誠や王妃への献身の理由を尋ねましたか?いいえ、私はあなたがそうするのは当然のことと思っています。そしてあなたは正直で分別のあるお方だ、あなたの理由は分別がなければならないし、少なくともあなたの心の中ではそう見えなければならないでしょう。ムッシュー、私はあなたのように高い地位にはおりませんし、あなたのような知性も持ち合わせておりませんが、あなたは私も同じように正直で分別があることをご存知だ。だから私が私の意見に従い、同じように十分な理由を持っていることを当然のことと思ってくださるでしょう。」

伯爵はビヨの貴族に対する強い嫌悪感の本当の理由を全く知らなかった。

「ビヨ、今のきみは少し前のきみとは違うね。」

「ええ、確かに私はそれを否定しません。私に何があったかお話しましょう、ムッシュー。私は真の愛国者として2人の人物と1つのことに献身していました。国王とジルベール医師、そして私の国です。ある日国王の長官が私の農場にやってきて、半ば力ずくで、半ば私の知らぬところで、私がジルベール氏から預かっていた貴重品が入った小箱の所有権を手に入れました。私は逃げ出すや否やパリに向かって出発しました。私がパリに着いたのは7月12日の晩です。通りじゅうでネッケルとオルレアン公の半身像が掲げられ、声援が送られていました。これは国王に大きな危害は与えなかったはずでした。しかし突然国王の兵士たちが私たちに突進し、多分何も知らない、ただ声援を送ったという罪だけを犯した二人の哀れな男たちが私の周りに倒れ、頭を2つに切られ、胸を弾丸で穴だらけにされたのを見ました。私は国王の親友の一人であるランベス氏も見ました。彼はネッケルとオルレアン公に歓声を送っていた女・子供を狩るだけでなく、一人の哀れな70代の老人を馬の脚で踏みつけにしていました。次の日私はセバスチャン少年の学校に行き、彼から父親がバスティーユの中にいること、しかもそれが宮廷のご婦人の一人の嘆願によって国王が与えた命令だと知らされました。私は自分自身に言い聞かせました。人々が思っているように国王が本当に心優しい人ならば、彼は恐ろしい無視または忘却ししていると思わなければならない。彼側のこれらの過ちに償いをするために私はバスティーユを攻略するために力の及ぶ限りのあらゆることをしました。私たちは大きな問題なく、それに成功しました。そして地下牢の1つからジルベール氏を見つけました。ジルベール氏は国王は心から全く善良で、彼の名前においてたくさんの誤ったことがなされていることを知らないと言い、私が怒るのは彼に対してではなく、彼の大臣に対してであると言いました。あの頃ジルベール氏が私に言ったあらゆることが絶対の真実であり、私は彼を信じていました。破壊されたバスティーユ、自由になったジルベール氏、無事だったピトゥと私を見ながら、私はサン・トノレ通りで起きた一斉射撃を忘れていました。テュイルリーから来た150か200名の人々がザクセンの王子によって惨殺され、ジルベール氏の投獄も単に宮廷の一婦人の要求からなされたものであったことも。失礼、ムッシュー。」ビヨは突然話すのを止めた。「これらすべてはあなたには興味がないことですね。あなたは哀れで無知な農民のおしゃべりを聞いても何も尋ねられない。あなたは偉大なる貴族だ。更に偉大なる良識のあるお方だ。」

ビヨは国王がいる部屋のドアの方に動いたが、伯爵が2つの理由から彼を止めた。1つはビヨの悪意の原因は明らかなこと、そしてもう1つは時間を稼ぎたかったことから。

「いや、ビヨ、私にすべてを教えておくれ。きみは私たち―私のかわいそうな弟たちと私―がいつもきみをもてなしていた親しみのある感情を知っているだろう。きみの話は私にとっては非常に興味深いよ。」

『私のかわいそうな弟たち』という言葉を聞いて、ビヨは苦々しく笑った。そして冷たく言った。

「よろしいですよ。すべてをお話ししますよ、ムッシュー。私はあなたの二人の弟御、とりわけムッシュー・イシドールがここにいて話を聞くことができないのを残念に思いますよ。国王がパリに出発した時、私は彼の中に父親が子供の元に帰る姿を見ました。私はジルベール氏と共に国王の馬車の近くを行進していました。私の体を国王一家を守るための城壁にしながら。そして声がかれるまで「国王よ、永遠なれ!」と叫びながら。これは国王の最初のヴェルサイユからパリへの旅でした。私達が市役所に到着した時国王は白い帽章をつけていませんでしたが、三色帽章もつけておらず、群衆が叫びだしたので、私の帽子からそれをとりはずして国王に渡しました。国王は耳をつんざくような民衆の大喝采の中それを自分の帽子につけました。国王の帽子に私の帽章がついているのを見て、うれしさで興奮し、今まで以上に国王に喝采を送りました。私はこの偉大で善良な国王の熱狂的な勝利者になったので、パリに留まりました。私の作物は収穫の時期が来ており、私を必要としていました。しかしそれがどうしたというのです。私は1年分の作物を失っても十分たくわえがありました。この偉大で善良な国王のお役にたてるならと思い、パリに残ったのです。私の収穫物はカトリーヌの監督下に委ねました。しかし、それは破滅しました。カトリーヌは作物以外に注意を払っていたようでしたので。人々は国王は本当は革命の友ではない、強制されて同意しただけだ、三色帽章ではなく白い帽章をつけたいと言っていると言い始めました。私も再び疑い始めましたが、ジルベール氏が言いました。『国王ではなく、王妃なのだよ、ビヨ。しかし王妃は女性だ。私たちは女性には寛大でなければならない。』と私は彼を全く信用しきっていたので、暴徒がパリからヴェルサイユに向かい、宮殿を攻撃しに行った時に私は国王一家側にいたのです。事実最初にラファイエットのところに走って行って、彼を起こし、国王を救い出すのに間に合うように彼を連れてきたのは他ならない私です。その日私はエリザベート様がラファイエットを抱擁し、王妃がキスのために彼に手を差し出したのを見て、国王が彼に『親愛なる私の友よ』と呼びかけるのを聞きました。私はジルベール氏が正しいと思いました。もし彼らがラファイエットの感情を共有しなかったら、たとえ彼がこのような非常事態の時にどんなに有能だとしても、彼らはきっとこのようなだますようなことをしなかったでしょう。私は彼らと共にパリには戻りませんでした。ヴェルサイユで参加したことがあるので。それが何かはあなたはご存知ですね、シャルニー伯爵。」

伯爵は重いため息をついた。「人々は国王の2度目の旅が最初の旅のように陽気なものではないことを噂しました。私はヴェルサイユに留まっていましたので、何も知りません。私の農場は1789年同様1790年の収穫を失っても蓄えはありました。しかし、ある日ピトゥがやってきて、私に言いました。私が今までのような状態にはないことを。つまり私の娘についてです!」

伯爵は激しく体を動かした。ビヨは瞬間伯爵の顔を鋭く見つめ、続けた。

「私はあなたにお話しなければなりません。ムッシュー。私どもの家から数マイル先に、ある貴族のご一家がお住まいでした。強大な権力を持つ領主で、とてつもなくお金持ちでした。ご一家は3人兄弟でした。ご兄弟が子供の頃、下のお二人はブルソンヌからヴィレル・コトレの途中でほとんどいつも私どもにお立ち寄りくださりました。彼らは私の牛の牛乳を飲み、こんなおいしい牛乳は飲んだこともないし、私の妻が作ったパンを食べ、こんなおいしいパンを食べたこともないと言いました。更に時々彼らは付け加えました。愚かな馬鹿者の私はそれは私のもてなしに対するお返しだと思っていたのですが、私の娘のカトリーヌをこんなにかわいい子供を見たことがないと言ったのです。私は彼らの言葉に感謝しました。彼らを信頼していたからです。彼らの一番下の弟のムッシュー・ジョルジュは10月のあの恐ろしい晩、ヴェルサイユの王妃の部屋に通じる入口で殺されました。彼は紳士として勇敢にその義務を果たしました。私がどんなにそれを嘆き悲しんだか神のみがご存知です。ああ、ムッシュー、あなたの弟御は私を見たのですよ。決して私の家を訪れることのなかった彼の長兄ではなく。公平に言えば彼はあまりにもプライドが高く、ムッシュー・ジョルジュより先に家を離れてしまっていたからですが。私は死体の側に跪き、彼が流している血と同じように涙を流しました。ああ、私は今でも彼を思い浮かべることができます。あの小さな湿った中庭の縁に彼の体から手足が切り取られないように私が彼の体を運んだのです。ムッシュー、私は今のあなたのように服が血だらけになっていました。彼はかわいらしい少年でした。もし私が彼について考えることができるのなら、私はあなた同様に深く嘆き悲しむことと信じています。しかしもう一方の方は別です。私は彼には嘆かない。」

「もう一方だと?どういう意味だ?」伯爵が尋ねた。

「あなたはすぐにわかりますよ。ピトゥがやってきて、告げた言葉から私は作物だけでなく子供までも危機に瀕していると確信しました。私は国王がいるパリを離れました。ジルベール氏が言うように国王が本当に信頼に足る行動をしてくれるのなら、私がどこにいようとあらゆることがよい方向に向かう。それで農場に戻ったのです。私はそこでカトリーヌがひどい病気で、しばらくは死にそうだと感じたほどでした。医者からは娘の部屋に入ることを禁じられました。私は娘の部屋のドアから聴く権利はあると思い、そこで知ったのです。娘は恋人が去ってしまったので、ほとんど狂乱状態になっていたことを。娘は回復しましたが、何日経っても明るさは戻ってきませんでした。それがある朝私は娘が微笑んでいたのを見たのです。身震いがしました。娘の恋人が戻ってきたから、微笑んでいたのか?多分そうでしょう。翌日羊飼いがその朝に彼が通り過ぎていくのを見たと告げました。私は同じ日の夕方に彼が私の家に来るだろうと疑いませんでした。そして私の銃に弾丸を装填して彼を待ったのです。」

「それできみはどうしたんだ、ビヨ?」シャルニーは叫んだ。

「私から私の心の平和を盗んでいく男を、私の一人娘に不名誉をもたらす男を待って何が悪いのです?」

「しかし彼が来た時、きみの心は失望しなかったかい?」

「いいえ、私の心は。しかし私の目と手は失望しました。ここらそこらにあった血のしみから私は全く失敗しなかったことを確信しました。しかし、もちろん、あなたもすぐお分かりでしょう?」ビヨは辛辣さを増して続けた。「父と恋人が関わっていることに娘は躊躇しなかった。私が娘の部屋に入った時娘は逃げ出していました。」

「きみはそれ以来彼女に会っていないのか?」

「なぜ私が?娘がよく分かっています。もし私が娘と再びであったら、私が娘を殺すだろうことを。」

シャルニーは後ずさりして、恐怖と力強い気質を賞賛する気持ちが入り混じって彼を凝視した。

「私は再び農場に戻りました。フランスが幸せなら、私の個人的な嘆きが何だというのです?国王は正しい道を勇敢に歩いていなかったのでしょうか?同盟大会に参加しなかったのでしょうか?すべてのフランス国民がシャン・ド・マルスに集まって、1人の人間として共通の国家に対して忠誠を誓っているのを見て、彼の心はどうして喜ばなかったのか?私はそこにいました。その瞬間あらゆること、ええ、娘のことさえも忘れていました!しかしそれは間違いでした。父親は娘を決して忘れてはいけないのです。国王もまた彼の番になって誓いをしました。しかし何となく私には彼が本気ではない気がしました。単なるリップサービスのような気がしました。しかし、彼は誓いを立てたのです。それは本質的なものです。彼が彼の席であれ、国家の祭壇であれ、誓いは誓いなのです。国王が誓いを立てたのですから、守られると思っていました。私がヴィレル・コトレに戻った時にもはや娘はいなかったので、私の関心は政治的問題に払われていました。その時私は国王がファヴラ侯爵に誘拐されることを望み、その計画は未然に防がれたという噂を聞きました。その後も国王が叔母たちと共に国を離れる計画が失敗したことやサン・クルーに行って、そこからルーアンに行くという企てがあり、それも人々によって阻止されたことを聞きました。私はそれらを信じませんでした。私自身の目で彼がシャン・ド・マルスで手を上げ、誓いを立てたのを見たではないか?一昨日私はムオーの市場に行き、駅舎の駅長の家に泊めてもらいました。彼は私の特別な友人です。昨日の朝、国王と王妃と王太子が馬を取り換えるために止まっている馬車の中にいて、仰天しました。間違いではありませんでした。私は以前何度か彼らを見ていましたから。馬車の中でもです。7月16日にヴェルサイユからパリまでの間、私が彼らに同行したのではなかったか?その時彼らの使用人の一人がシャロンに向けて出発するように指示を出しているのが聞こえてきました。その声は聞き覚えがありました。私は振り返り、私から娘を盗んでいった男であることに気付きました。ええ、彼は今は従僕として、馬車の先導をして、彼の義務を果たしている貴族です!」

これらの言葉を発した時、ビヨはシャルニーをあたかも彼が理解しているかどうか見ているかのように鋭く注視した。しかし、伯爵は額にたまった汗をハンカチで拭き、何も言わなかった。

「私は彼について行きたかったが、私が驚いている間に彼との距離ができてしまった。彼は武装していたが、私はしていなかった。彼は馬だったが、私は徒歩だった。私は歯ぎしりするや否や国王がフランスから逃げようとしており、娘を誘惑した男が私の手から逃れたと思いました。その時私は自分自身に言いました。私も誓いを立てた。国王は破ったが、私は決して破らないと。朝の4時でしたが、パリまでは数リーグの距離でした。よい馬があれば2時間程でパリに着くだろうと思いました。そして正直者であるバイイ氏、私には誓いを守る人の立場に立っていて、誓いを破る人には反対の立場を示しているように見えた人に会いに行こうと思いました。私は友人に彼の制服と剣とピストルを貸して欲しいと頼みました。彼は国民軍に属していたからです。そして馬小屋から最も良い馬を頼み、全速力でパリに向けて出発しました。私が到着した時彼らは国王の逃亡を知ったところでした。そして誰も彼がどの道を通って行ったかわかりませんでした。ロムーフはラファイエットによってヴァランシエンヌ道路を調べるように送られました。彼は防壁で止められていました。しかし、彼は国民議会に連れ戻してくれるように説得しました。そして私が話したことをバイイが議員に話している丁度その時に彼はホールに入ってきたのです。ロムーフの道の変更が必要でした。ロムーフはシャロン道路に送られることになり、私は彼についていくように命令されました。あなたがご存じのように私が従った命令です。私は国王に追いつきました。彼は私を騙し、失望させた。そして彼は再び私手から逃げられない。そして今や私は私を父親としてとても激しく誤らせた男に追いつき、私の手から逃れられないようにするだけだ。」

「おお、ビヨ、きみは間違っている。」シャルニーはため息をついて言った。

「なぜです?」

「きみが言った不幸な男はもう君の手を逃れたからだ。」

「彼は逃げたのか!」ビヨは言葉に言い表せない怒りの表情を顔に浮かべて叫んだ。

「違う、彼は死んだんだ。」

「死んだ?」ビヨは身震いしながら言った。

「死んだのだ。きみが私の服の上に見ている血は彼のものだ。疑うなら、階段を降りていけ。きみは小さな中庭に横たわっている彼を見つけるだろう。そう、ヴェルサイユとまさに同じような、私たちの弟のジョルジュが彼の命を捧げたのと全く同じ原因の犠牲者となったのだ。」

ビヨは狂暴な目と恐怖に怯えた顔で、とても静かに話しているシャルニーを見た。しかし、伯爵の頬にはたくさんの涙が流れ落ちていた。

「ああ、結局いくばくかの正義は天にあるのですな!」と突然叫んだ。それから部屋を立ち去ろうとして言った。

「ムッシュー、私はあなたが言うことを信じます。それでも私自身のために正義がなされたことを見なければなりません。」

シャルニーはため息を抑えきれなくなっていた。そして目を拭き、階段を降りて行くビヨを見た。時間はないと思い、伯爵はすぐに隣の部屋に急いで、まっすぐ王妃の側に行き、尋ねた。

「ロムーフ氏はいかがです?」

「彼は私たちの味方です。」

「それならよかったです。もう一方の男には望みはありませんから。」

「私達は何をしたらよいのです?」

「できる限り時間を稼いでください。ブイエ侯爵が到着することを期待して。」

「彼は来るでしょうか?あなたはそう思うの?」

「はい、といいますのも私は彼の後を追うつもりです。」

「でも通りは封鎖されているし、家も監視されているわ。あなたにはそんなことできないわ。あなたは殺されてしまうわ!」

シャルニーは何も答えず、窓の方に歩いていき、窓を開け、国王には励ましの一瞥を、王妃にはお辞儀をし、15フィート下の地面に飛び降りた。

王妃は恐怖の叫びを上げ、手の中に顔を埋めたが、若者たちが窓に走って行って、王妃の恐怖の叫びに明るい叫びで応えた。というのはシャルニーはすでに庭の壁をよじ登っていた。そしてもう一方の側面に姿を消した。

それはまさにビヨが入口に再び姿を現した瞬間だった。

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もうこの章、ほとんど訳しています。だって、あまりにも「ええ~!!」って内容が多過ぎたからです。何とまあシャルニー家とビヨ家はそんな関係にあったとは!!そして先日東様に伺ったジョルジュの件ですが、実は3兄弟の一番下と判明しました!あれ?という訳で2巻のネタバレ、修正しておかないと。しかもそのジョルジュの最期を看取ったのがビヨ!何てこった~!!って感じです。でもビヨはジルベールの投獄を嘆願したのはアンドレだと知っているのでしょうか?「宮廷の一婦人」というのは王妃へのあてつけなのか、アンドレと知っているのか。もし知っていたのなら、オリヴィエへのあてつけなんですよね。「お前の妻だよ!」っていう。そのあたりがちょっとつかめません。とにかく色々な意味で、最初からどっひゃ~!!な章でした。

2章『ブイエ侯爵』:

この章ではこれまでの間ブイエ侯爵が何をしていたかが語られています。

ブイエ侯爵は国王一家がクレルモンに入った頃に息子のルイと共にダンに向けてステネーを出発した。

彼らはそこで夜明けまで国王一家を待ったが一家が来る気配は一向に見られない。そこに息子のジュールとレジュクールがやってきて、国王一家がヴァレンヌで捕まったことを知らされる。すでに時刻は朝の4時近くになっていた。

二人はその後の詳細を知らずに出てきたので、ブイエ侯爵は国王一家は残りの予定通りの兵士たちに護衛されていればヴァレンヌのような小さい町の暴動を鎮圧できるだろうと思っていた。

そこにジュールとレジュクールの後を任された20歳そこそこの少尉のロリが馬を全速力で走らせてやってきた。職務放棄と思ったブイエ侯爵はロリを詰問するが、彼はダマ大佐の命令でやってきたと反論し、ダマの竜騎兵もダンドワンの竜騎兵もショワズールの軽騎兵も全く役に立っていない現状について報告をする。そして国王一家が乗った馬車が町の法務官の家に止まり、通りは武装した人々であふれかえり、その中でダマから命令を受けてやってきたことを告げる。ダマはブイエ侯爵の到着が遅くならないように出来うる限りの努力をすることを告げていた旨も伝える。

ブイエ侯爵は自分の軍隊をヴァレンヌに向けて動かす命令を出す。しかしその命令にも関わらず各軍隊が中々動かない。指揮官に対して息子のルイが自ら何度も命令と状況確認のために馬を走らせる。時間は刻々と過ぎていくが、誰も来ない。

ブイエ侯爵は兵士たちに演説を打ち、国王救出のための士気を鼓舞させて、ヴァレンヌに向けて出発する。ダンでデスロンが川を守るための兵士20名を置いて、残りの30名の兵士と共に出発していたことを知る。ヴァレンヌへの道はまるで敵国に侵入したかのように村々のあちこちで警鐘が鳴り響いていて、一行を不安に陥らせた。

グランジュ・オ・ボアで道を開こうとしている無帽の男に出会った。それはシャルニーだった。彼はブイエ侯爵の兵士たちを見るや否や助けを求めた。そして将校たちに現状を報告する。

ヴァレンヌに向かう途中、彼らは明らかに王党派ではない聖職者から「行け、行け、幸いにもお前たちはそこに行くのにあまりにも遅すぎた」と言われる。

デスロンと彼の70名の軽騎兵は同じ数だけの国民軍と戦い、追い散らしていた。ルイ・ド・ブイエはデスロンから国王が8時にヴァレンヌを出発することを知らされる。時間は8:55だった。まだすべての望みが断たれたわけではなかった。

町を抜けて行くことはできないが、回り道をすれば国王一家に追いつくのではないかと考え、そうすることにしたが、そのためには川を渡らなければならない。シャルニーは浅瀬を渡ることが安全であると言い、彼らはそこから平原に出て、国王の護衛がいかに大きかろうがそこで攻撃し、国王を解放するか、攻撃で死ぬかだと決めた。川を何とか無事渡り、クレルモンに向けて急いだ。シャルニーは約20ヤード先を走っていたが、突然驚愕の叫びを挙げ、止まった。彼は運河が接している高く険しい土手の縁にいた。この運河を彼は自分の地図に書き込んでいたにもかかわらず全くその存在を失念していた。その距離はかなり長く、これまで進んできた行程と同じくらいの困難さがあった。シャルニーは馬を駆りたてて、運河を渡ろうとした。しかし、反対側の土手もとても険しく、かつ滑りやすく、馬が足場を築くことができない。何度も這い上がろうとしても無駄だった。

試みられた救助はすべて失敗した。運命は彼の前にあまりにも強すぎた。国王と王妃は破滅するだろう。もし彼が彼らを救うことが出来なければ、彼にとってするべきことはたった一つだけだった。彼らと共に死ぬことだ。彼は剣をつか先まで土手に突き刺した。そして馬から離れ、剣をつかんでそれで体を持ち上げて、土手をよじ登ろうとした。

ようやく土手の上の芝地に登った後、彼は後ろを振り返り、対岸にいるブイエ親子が怒りと無念で泣き、兵士たちが憂鬱になり、落胆しているのを見た。シャルニーの致命的な試みを見守り、彼ら全員が川を渡ったのは全く無駄な試みであったことに気が付いた。ブイエ侯爵は絶望して手を握りしめた。勇敢で大胆な指揮官はこれまで数々の軍功を上げ、「ブイエのような幸運」という言葉が軍の中で有名になっていたほどだった。「ああ、諸君、私はもう幸運と呼ばれることはないだろう!」と悲しげに言った。

「将軍、そんなにひどく気になさらないでください」シャルニーが対岸から叫んだ。「あなたは死を免れない人間ができうるすべてのことをなさったと私が彼らに言いましょう。そして彼らは私の言葉を信じるでしょう。さようなら。」

泥にまみれて、彼のピストルは今や使い物にならなかった。火薬も湿り、彼の服からは歩く度に水がしたたり落ちた。シャルニーは平原を横切り始めた。そしてまもなく囚人となった国王一家が通らなければならない道に到着した。彼らに追いつき、その後を追うことだけが彼がしなければならないことだった。そうする前に彼は最後に振り返り、ブイエ侯爵と彼の兵士たちがまだ運河の縁に立っているのを見た。前進することは全く不可能であるにも関わらず、彼らは退却を決めることもできなかった。シャルニーは彼らに別れの合図を送った。そして角を曲がり、彼らの視界から一緒に姿を消した。今、彼を案内するために彼は恐ろしいわめき声を挙げた。それは叫び、脅し、あざけり、そして1000名近い人間へののろいの言葉で構成されていた。

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あれだけ入念に準備を進めていたオリヴィエでさえももはやこのような失態を犯す非常事態でした。もう誰もがその判断力を失う状態にあったと言えます。そしてオリヴィエ、単身でどうやって馬車に立ちはだかるのか・・・??

3章『出発』:

シャルニーがソースの家の2階の国王一家がいた部屋の窓から飛び降りて、ビヨが来る前に逃げ去った後、ダマは窓を閉めた。

明らかにロムーフと王妃の間にはある種の協定―それはロムーフが中立でいることを誓ったこと―が結ばれているように、少なくともビヨには見えた。

ビヨがロムーフに国王一家が出発する決心がついたかを聞くと、「国王はもう少し時間をお望みです。みんな寝ておられませんし、陛下たちは恐ろしくお疲れです。」と答えが返ってきた。ビヨはブイエ将軍が来るまでの時間稼ぎであることを見抜き、自発的に出発をしなければ馬車まで引っぱられていくだけだと言い放つ。

ダマが「恥知らず!」と叫び、サーベルを振り上げ、ビヨに突進するが、ビヨは腕を組み、彼をじっと見ているだけだった。隣の部屋には武装している人々が詰めかけており、ダマはたくさんの種類の武器が彼に向けられていることに気が付いた。

国王はほんの一言や身振りが彼の周りにいる人間への虐殺につながると察し、馬車に馬がつながれたら出発しようと言う。王妃の侍女の一人が叫び声を挙げ、気絶した。その叫びで子供たちが起き、王太子が激しく泣き始めた。王妃はビヨに振り返り、「あなたには子供がいないのですか?母親にこんなにも残酷になれるなんて!」と言うが、ビヨは子供はいないと告げ、国王に馬車の準備はすでにできており、馬車は家のドアの前にあることを伝える。国王は窓に歩いて行って、それを見た。民衆は窓から国王の姿が見えたので、憤怒のうめきと強い嫌悪感の叫びを挙げ、それを見た国王は青ざめた。

ショワズールは王妃に近づき「陛下、ご命令は?私たちはこのようなことを見るよりいっそ死にたいです。」と言った。

「シャルニー伯爵は逃げたと思う?」と王妃は急に囁いた。

「たぶん。」

「それでは行きましょう。しかし天の名において。私達よりあなた方のために。どうか私たちを見捨てないで。」

国王は王妃の不安を理解し、ロムーフにショワズールとダマも一緒に行ってもらいたいので、彼らに馬を準備してくれるように言う。そして彼らの馬が準備できるまで出発しないと言う。

ロムーフが命令にし行こうとするとショワズールがそれを止め、「陛下たちの元を離れてはいけません。あなたの任務は暴徒たちに対し権威を与えている。そしてあなたは陛下たちの頭がほんの少しでも傷つけられないように見守る責務の名誉を与えられているのです。」と言った。

ロムーフは止まった。ビヨは肩をすくめた。「わかりました。私自身が付き添いましょう」とロムーフが言った。しかしドアのところで振り返り、眉をしかめて尋ねた。「私は安全に行けるのだろうね?」

「恐れる必要はないよ」とビヨは言った。

最初に国王、続いてショワズールに腕を貸された王妃、次にダマとエリザベート王妹、それからトゥルーゼル夫人と二人の子供たちが出て行った。

ロムーフは国王一家を守る特別な義務にあった。しかし彼は国民議会の命令を大変穏やかに遂行しただけでなく、国王一家の最も献身的な支持者の一人の逃亡を支持し、彼がブイエ将軍に直ちに国王一家の解放をしに来るように懇願しに行ったと噂されていたので、ビヨが人々から賛美されるのに対し、彼は「裏切り者!」「貴族め!」などあらゆる種類の脅威を投げつけられた。

国王一家が馬車に乗ろうとした時にヴァロリーが国王に近づき、自分とマルダンを使用人として随行させてくれるように懇願した。国王は涙を浮かべて彼らの願いを承諾し、「それでは残りなさい。そして決して私達から離れるのではないよ。」と言った。二人は馬車の外側の後ろの席に座った。

国王が御者に「モンメディヘ!」と出発命令を出すと耳をつんざくような声が「違う、パリだ!」と叫んだ。一瞬の沈黙の後ビヨが剣で道を示し、「クレルモンだ!」と叫んだ。馬車は最後の命令に従って動いた。

5分後後ろの方で大きな叫び声が挙がった。王妃が窓から顔を出すや否や引っ込めて、顔を手の中に埋めた。「おお、何てみじめなんでしょう!彼らはショワズールを殺そうとしています!」と叫んだ。国王は自分で見ようと動いたが、妻と妹に引き止められ、馬車も角を曲がったので、何が起こったのか見ることはできなかった。

ショワズールとダマが馬に乗った時になぜかロムーフの馬が消えていた。そこでロムーフ、フロワラック、フックは徒歩で従った。ショワズールが馬車のドアの側から15ヤードも進まないうちにロムーフ、フロワラックが今にも群衆の中で引き離され、飲み込まれ、窒息させられそうな危険にあることに気が付いた。

シャワズールは止まって、馬車を行かせた。そして彼に委ねられている任務からロムーフが彼の仲間たちより国王一家の役に立つと判断し、彼の使用人のジャム・ブリザックに「私のもう一方の馬をロムーフ氏に!」と叫んだ。

彼がこの言葉を口にするや否や暴徒が彼の周りに近づき「公爵だ!ショワズールだ!国王を運び去ろうとした仲間の一人だ!貴族をやっつけろ!裏切り者には死を!」と叫んだ。公爵は馬から引きずりおろされ、群衆の恐ろしい渦巻きのような大混乱に飲み込まれた。ダマ、フロワラック、ロムーフ、フック、ジャム・ブリザックが突進して公爵を助けた。ショワズールは殺されても怪我もしていなかった。

フックが竜騎兵たちを見つけ、助けを求めたが、彼らのかつての上官を支持することを恥じて、まさに彼らの目の前で殺されていくのを見た。

ロムーフは彼らの前に立ちはだかって叫んだ。「国民議会の名において、私は代理人になった。ラファイエット将軍の名において私はこの町に来ることを委任された。これらの紳士たちを町役場に案内しろ!」国民議会とラファイエットの名前は絶頂にあったので、この厳命は望まれる効果を生み出した。彼らは町役場に連れて行かれたが、そこに着くまで1時間半かかった。その間武器を持った人々に囲まれ、死が彼らを脅かしていた。

町役場には一人の役人しかいなかった。彼はショワズール、ダマ、フロワラックを国民軍の監視下に監禁する命令を出した。ロムーフは自分のために危険にさらしたショワズールの側を離れないと宣言し、この3人と一緒に監禁された。

ジャム・ブリザックは公爵の合図で消えていた。彼は優れた馬丁で、馬たちが宿にいることを知っていた。彼はカフェに入り、ショワズール夫人とグラモン夫人が彼女たちの息子と甥への心配を静めるための手紙を書いた。

23日にヴェルダンから国民軍が到着した。ロムーフと3人の囚人は彼らの管理下に置かれた。そしてロムーフは彼らがパリの最高裁判所に無事に監禁されるまで彼らから離れないと言った。

かわいそうなイシドール・ド・シャルニーに関して言えば、彼の体は織工の家に運ばれていた。そこで見知らぬしかし親切な手で彼のための悲しい葬儀が執り行われた。この点において彼は弟のジョルジュより不幸だった。ジョルジュは悲しい葬儀を少なくとも兄の伯爵と友人のジルベールとビヨの手から受け取ることができた。ビヨはその時は献身的な、尊敬に値する友人だった。しかし友情は憎悪に変わった。最初の献身が深かったのと同様に憎悪はなだめられるものではなかった。

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イシドールの遺体、放っておかれなくってよかったです(泣)。あとでカトリーヌが来るのかしら??

4章『悲しみの道』:

英訳版タイトルは"Via dolorosa"となっていて、「ドロロザ経由」って何?って思ったら、そうじゃなくって、これはキリストが十字架を背負ってゴルゴタの丘まで歩いた道のことを意味していて、現地では「悲しみの道」と呼ばれているそうです。4~8章までこの『悲しみの道』というタイトルになっています。国王一家が逃亡に失敗し、パリに戻るまでの旅程が語られる章なので、まさに罪の償いをするための道を行く国王一家の象徴ってところでしょうか?

馬車はゆっくり進んでいた。そして馬車の周りには武装した人々が随行していた。

突然周りの人々がある男を見て驚いた。男は帽子をかぶっておらず、武器も持たず、泥だらけの服を着ていて、群衆を押し分けて馬車まで押し進み、国王と王妃にうやうやしく挨拶をし、馬車の脇をつかみ、外側の席に飛び乗り、二人の護衛の間に座った。男はシャルニーだった。

王妃は恐怖と喜びと悲しみが入り混じった叫びを挙げた。恐怖は彼がそのような大胆な行動をしたことからだった。彼が傷一つも受けないでそのようなことを成し遂げたのは奇跡に思えた。喜びは彼が逃げたことによってこうむらなければならなかった多くの危険を逃れたことを知り、幸せに思ったから。そして悲しみは彼がそのような状態で一人で戻ってきたということは明らかにブイエ将軍からの救助の希望をすべて断念しなければならないことを知ったからだった。

ビヨはこの行進の先頭を馬で進んでいたが、馬車の周りで騒ぎが起きていることに気付いて、シャルニーに気付き、自分自身に言った。

「彼に何も起こらなかったことをうれしく思う。しかしそのような企てを起こした男には災いあれ!それはきっと彼の命を奪うことになる。」

サント・ムヌーに到着したのは午後2時頃だった。その頃王太子は熱を出して病気になっていた。国王は止まってくれるように懇願したが、サント・ムヌーへの道に沿ったあらゆる町は国王一家に激怒して、注意も払わなかった。

王太子が激しく泣き始めたので、王妃は泣いて身震いしている王太子を腕に抱き上げ、人々に見せ、叫んだ。

「止めて!このかわいそうな子供のために止めてください!」

しかし、ビヨも人々も「前進!」としか言わなかった。

王妃はビヨに再度「繰り返しますが、あなたには子供がいないのですか!」と言うのに対し、ビヨは「繰り返しますが、私は子供を一人持っていましたが、もういません。」と返した。

サント・ムヌーを通過することは最も苦しい経験だった。国王は完全に打ちひしがれているように見えた。屈辱と憤怒が王妃の額に大きな汗のしずくをしたたらせていた。エリザベート王妹は静かに全員のために祈った。

国王は多くの問題において道を踏み外したと思った。パリは彼にとって不満足と不従順だと思っていたが、地方の忠誠心を少しも疑っていなかった。しかし地方は彼を絶望させただけでなく、明らかに無慈悲に彼に反旗を翻していた。更に一層悪く思えたのは彼が捕まったというニュースが受け取られた時にそれぞれの町や村で起こったことを見ることができたことだった。

馬車には3人の天使がいた。王妃の膝の上で痛みに呻いている哀れな王太子と馬車の窓に立って、あらゆる出来事を驚いて、しかししっかり見ていた輝くばかりの美しさを持つマリー・テレーズ王女、そして27歳になってもその魂の清らかさがあるエリザベート王妹だった。

人々は病気の子供にやさしく屈んでいる王妃や全く打ちひしがれている国王を見て、その怒りを鎮めるか、あるいはその他の対象物にぶつけることにして、馬車の外側の後ろに座っていた献身的な護衛たちを「臆病者」「裏切り者」と呼んだ。

サント・ムヌーを100マイルを少し離れたところで年配の紳士が平原を馬を全速力で駆けてやってきた。彼はサン・ルイ勲章を身に着けた騎士だった。

人々は最初彼が好奇心からやってきたのだと思い、彼のために道を開けた。しかしこの年配の貴族は帽子を手にして馬車に近づき、国王と王妃に最も丁重な振る舞いで挨拶をし、彼らに尊称付きで話しかけた。民衆は囚人にこのような名誉が与えられることに対して激怒した。名誉は国家のためだけとみなされていた。そのため彼らは違反者に対し唸り、恐喝し始めた。

国王はヴァレンヌでこの唸りの意味を理解していた。

「王妃共々この公に献身を表してくれたことに感激しています。しかしお願いだから私達から去りなさい。あなたの命は危険にさらされている」と国王が年配の騎士に言った。

「私の命は私の国王の物です。そしてもし私が私の君主のために死ねるのなら、私の人生の最後の日は最も偉大で幸せでしょう。」と年配の騎士が答えた。

何人かの人々がこれを聞いていて、更に唸り声を高めた。

「行きなさい!行きなさい!皆さん、ダンピエール氏のために道を開けてください、お願いします!」と国王が叫んだ。

国王の嘆願を近くで聞いていたものはそれに従ったが、少し遠くにいたものはダンピエールと馬を取り囲んだ。彼は馬を駆りたてたが、群衆が密集して動きが取れなくなっていた。不屈の男は周りのすべての人々に鞭を振った。脅威は怒りに変わり、激怒は恐怖になった。ダンピエールはすでに森の遠くに到達し、馬に拍車をかけ水路を一飛びして、平原を全速力で走り始めた。そして振り返って、もう一度帽子を取って最大限の声を張り上げて叫んだ。

「神が国王をお守りくださいますように!」彼の君主への尊敬の最後のしるしだった。

しかしすでに民衆を激怒させているのに更に致命的な侮辱的行為でもあった。一撃が鳴り響いた。ダンピエールはピストルを取り出し、応戦した。その時マスケット銃を持っていた人々全員が欺いた男に一斉に射撃した。

群衆は雪崩のように彼と馬が崩れ落ちたところに突撃した。国王が乗っていた馬車から50ヤード離れたところだった。恐ろしい騒動が続いた後、白髪頭が辺りを取り囲んでいた無秩序の中から突然槍先の上に上がった。それは不幸なダンピエールの頭だった。王妃は金切り声を挙げ、ほとんど気絶して馬車の中で崩れ落ちた。

「怪物め!人食い人種!」とシャルニーが叫んだ。

「黙りなさい、ムッシュー、黙りなさい!さもないと私はあなたの安全に責任が持てませんよ」とビヨが言った。

「それならそれでよし。私は人生に疲れた。私のかわいそうな弟に起こったことよりも悪いことは私には起こらないだろう。」

「あなたの弟はその運命を受けるに値したのです。あなたは違う。」ビヨは残忍に返した。

シャルニーは突然動いた。あたかも椅子から飛び降りようとする意図があるように。しかし二人の護衛が彼を止めた。20の銃剣がすでに彼に向けられていた。

「仲間たちよ、」ビヨは最も深い感銘を与える調子で、シャルニーを指しながら言った。「この男が何をしようとも何を言おうとも、この男の髪の毛一本たりとも傷つけることを禁ずる。私は彼の妻に対して彼の責任を負わねばならぬのだ。」

「彼の妻に対して」王妃はシャルニーを脅かしている銃剣の一つが彼女の胸を突き刺したかのように身震いしして、口ごもった。

「妻に対して?なぜ?」

本当になぜ?ビヨは自分自身質問に答えることができなかった。彼は単にそのような言葉がどれほど人々に強い力を発揮し、夫や父親としての役割を取り戻すことを知っていたから、シャルニーの妻の名前と姿に呼びかけたのだった。

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ビヨはアンドレがセバスチャンの母であることを知っているから、このようなことを言ったのではないかと推察します。(『シャルニー伯爵夫人』の中でビヨがその事実を知っているという記述は出てきていませんが、それしか考えられないので。)となるとやっぱり1章で「宮廷の一婦人」と言ったのはアンドレのこととわかって敢えて言ったと思われます。多分ジルベールからそのあたりを聞いているのでは??

5章『悲しみの道』:

国王一行はシャロンに到着した。国王が馬車から降り、その日の宿舎となる家に入ろうとした時に発射する音が鳴り響き、国王の耳の側を弾丸がヒューと音を立てて通り過ぎた。国王殺害の意図があったのか、それとも単なる事故なのか?

「未熟な者が銃を発射させたようだね。」国王はとても冷静に振り返りながら言った。

「皆さん、気をつけなさい。」国王は更に大きな声で付け加えた。「さもないと私たちは事故に遭ってしまうだろうから。」

シャルニーと二人の護衛も国王一家の後に従った。

不穏な発射があったにもかかわらず、王妃にはとても親切な雰囲気の中に入っているような気がした。彼らが馬車から離れた時に群衆から哀れみ深いささやき声が挙がった。そして豪華な食事が用意されており、上品に振る舞われた。

何人かの使用人が付き添っていたが、シャルニーは自分自身と二人の護衛のために国王一家を待つ特権を要求した。こうすることで彼は国王の元に留まり、あらゆる非常事態に備えた。

王妃は彼の目的を理解していたが、彼のいる方を見もしなければ、言葉や身振りで感謝を表すこともしなかった。ビヨの「私は彼の妻に対して彼の責任を負わなければならない。」という言葉がマリー・アントワネットの心の中に恐ろしい大嵐を巻き起こしていた。シャルニーは彼女が自分と一緒にフランスから連れ出すことを願っていた人だった。そして自分と一緒に祖国を離れるのを見たいと思う人だった。しかし、今彼は彼女と一緒にパリに戻ろうとしていた。そこで彼は再びアンドレと会うだろう。

シャルニーは王妃の心の中に生じているものに疑念を持っていなかった。彼はビヨの言葉を忘れてしまっていた。彼の思考は全く現在の状況に没頭していた。彼は希望の持てる見解を持ち始めていた。彼はモンメディからパリまでの道で多くの時間を過ごしてきたので、それぞれの町の感情の状態を徹底的に理解していた。シャロンは古い町で、民衆は主に退職した商人や貴族で構成されており、ほとんどが王党派だった。事実、町の長官は国王一家に町の少女たちから花を差し上げたいと申し出てきた。国王一家は喜んでそれを受け入れた。その様子を見ていたシャルニーは国王に有利に運ぶ可能性が得られるかもしれないから1時間ほど留守にすることの許可を願い出た。

「行きなさい。ただしくれぐれも慎重に。いかなる不幸があなたに起こっても私はそれを克服できないだろう。ああ!一家から二人の死者が出たのだから、これ以上は十分だ!」

「ですが、私の命は国王のものです、陛下。私の弟たちの命がそうだったように。」シャルニーは部屋を離れた。そして入口を通った時に涙をぬぐった。彼は国王一家の前にいる間には示すよう努力していられるほど冷徹にはなってなかった。

「かわいそうなイシドール!」彼はつぶやき、胸に手を置き、ショワズールが弟の死体から取ってきた書類がまだ彼のポケットの中にあることに満足した。

30分後、シャルニーが戻ってきた。

「どうでしたか?」

「あらゆることをうまく約束できました。シャロンの国民軍は明日陛下をモンメディに案内してくれると申し出てくれました。」

「では、あなたは何か行動計画を決めてきたのだね?」

「はい、陛下。町の指導者たちと相談してきました。明日国王は出発の前にミサに出席することを求めます。明日は聖体の祝日ですので、拒否されることはないでしょう。馬車は教会のドアの前で待ちます。教会に入ったら陛下のための大喝采が聞こえるでしょう。そしてその中でモンメディヘ向けて出発する命令をするのです。」

国王は納得し、シャルニーたちに睡眠をとるように言った。国王一家が案内された部屋には見張りが置かれており、彼らがまだ囚人であることを思い出させた。

1時間後見張りは解放され、随行の長であるビヨとの会見を求めた。ビヨは道沿いの色々な村から来た人々と夕食を摂っていた。彼らのほとんどは国王を見るためにやってきていて、今は家で祝日を祝うために戻りたがっていた。ビヨはこの町の王党派の雰囲気に不安を感じ彼らを引き留めようとした。しかし彼の努力は無に終わった。ビヨはドルーエを呼びにやり、議論が続けられた。そしてそのあとビヨはレームへ、ドルーエはヴィトリ・ル・フランソワへの道を全速力で馬を走らせて行った。

次の朝6時に長官の家の前にたくさんの王党派の人たちが集まっていた。7時に国王がミサに出席することが告げられた。国王の要求を知らせるためにドルーエとビヨを呼びにやったが、彼らは二人とも見つからなかった。彼らの不在を国王は喜んだが、シャルニーは疑わしく頭を振った。ドルーエは彼にとって見知らぬ男だが、ビヨの性格は完全に理解していたからだ。

国王一家の部屋の鎧戸が開けられると、人々の「国王よ、永遠なれ!」「王妃よ、永遠なれ!」という声が鳴り響いた。二人はそれぞれに相談することもなくその姿をバルコニーに現した。歓喜の声は耳をつんざき、二人の運命の犠牲者たちは再び誤った希望で自分自身をだますことになった。

馬車の周りには国王一家を一目見たい、一言が聞きたいという人々でいっぱいになっていた。馬車が動くとシャルニーはビヨとドルーエがいないか見渡したが、見つけられなかった。農民の随行は馬車の周りに再び位置した。しかし国民軍の数は時間を追うごとに増えて行った。教会に着いた時に約600名の自由になる兵士を見て、シャルニーは満足した。しかし彼は遅れが生じることをひどく恐れた。どんな遅れも彼の計画には致命的になるからだ。彼は聖職者にミサを15分以上続けないように告げた。ミサが終わり、教会のドアのところに10~12名の馬に乗った護衛がいた。王党派の随行は明らかに相当な数になっていた。シャルニーは激励するために「進みましょう、陛下」と言った。

「皆さん、昨日ヴァレンヌで私は暴力の犠牲者だった。私はモンメディヘ行くように命令する。反抗的な首都に向かって力づくで引っ張られていくのではなく。昨日は反抗者によって取り巻かれていたが、今日は忠実な臣下たちの中にいる。モンメディへ、皆さん!」と国王が言うと人々が「モンメディヘ!」と繰り返した。

馬車は昨日の夜来た道を引き返した。シャルニーは前の晩国王の部屋の見張りをして、ドルーエとビヨの不在中に指導者として振る舞っている農民をじっと注意して見ていた。シャロンの国民軍が前を進む一方、この農民たちは塊になって後衛部隊として進んでいた。シャルニーは説明のつかない不安を覚えた。そして彼らが町の入口近くに着いた時に遠くから鈍い音が聞こえた。それはどんどん音量を増し、はっきりと聞こえるようになった。

突然シャルニーは青ざめ、彼の脇にいた護衛の膝に手を置いて叫んだ。

「すべては破滅だ」

「どうしたのです?」

「あの音が聞こえないのか?」

「ドラムの音ですか?それが何か?」

「今に分かる。」

彼らが公共の広場に入った瞬間、そこには2つの道があり、1つはレームからの道、もう1つはヴィトリ・ル・フランソワからの道で、それぞれから馬に乗った指揮官の元、国民軍が進んでくるのが見えた。指揮官の1人はビヨで、もう1人はドルーエだった。彼らは王党派の計画に気付き、それぞれの国民軍を呼び出したのだった。

国王一家の行列は止まった。国王が馬車から顔を出すとシャルニーが死人のように青ざめて立ち、歯をきつく食いしばっていた。

「どうしたのです?」

「私たちの敵は援軍を確保し、装填されたマスケット銃を持って立っています。私たちとシャロンの国民軍の後ろには農民たちが私たちを攻撃する準備をしているのです。」

「あなたはこの状況をどう思うのかね、シャルニー伯爵?」

「私たちは2つに挟まれて発射されると思います。陛下のお言葉があれば、どんな遠くにでも参りましょう。それしかわかりません。」

「それなら私たちは戻るとしよう。」

「陛下、十分にお考えになられたのですか?」

「シャルニー伯爵、もうすでに私のためにあまりにも多くの血が流されている。私はもうこれ以上一滴たりとも血を流したくない。私たちは戻るとしよう。」

シャロンの国民軍はそれ以上の奉仕をすることができず、農民とヴィトリとレームの国民軍に場所を明け渡した。

国王は王妃に「私は賢く振る舞えたと思いますか?」と尋ねた。彼女は「はい。しかし私にはムッシュー・ド・シャルニーがとても早く従順したように見えました。」と言った。そして彼女は暗い空想に陥った。彼女らがいた状況は恐ろしかったが、まるで重要でない役割を演じたかのようだった。

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王妃の最後の言葉はオリヴィエがパリに帰りたいんだろう的な気持ちがこもっているのでは?と感じます。全くもう・・・annoy

6章『悲しみの道』:

馬車は行程の変更を強いた2人の厳格な男たちに管理され、ゆっくりと確実にパリに進んでいた。

エペルネとドルマンの間の道でシャルニーはパリから4頭立ての馬車が全速力で向かってくるのを見た。彼はすぐに誰か重要な人物が来たか何か重要な情報が来たのではないかとすぐに疑った。馬車が前衛部隊と会い、数語言葉を交わした時に列が開かれ、人々が武器をうやうやしく差し出した事実によってその推測は裏付けられた。

国王の馬車は止まることを余儀なくされた。そして「国民議会、万歳!」という熱狂的な叫びが聞こえた。馬車はパリから到着し、国王の馬車に近づくまで前進を続けた。馬車から3人の男が降りてきた。そのうち二人は国王一家にとって全く見知らぬ男だったが、残る1人を見た時に王妃が国王にささやいた。「ラトゥール=モブールですわ!あのラファイエットの手先の!」彼女は頭を振り「これは私たちにとって幸先が悪いようですわ。」と付け加えた。

最年長の男が前進してきて、国王の馬車のドアを荒々しく開け、とてもぶっきらぼうに言った。「私はペティヨンです。これらはバルナーヴとラトゥール=モブールです。私と同じようにあなた方の随行の役割を担うために、そして人々の怒りが自分勝手に制裁を加えないようにするためにやってきました。私たちのために少しずつつめて、席を空けてもらえませんか?」

王妃はマリア・テレジア女帝の誇り高き娘として与え方を十分に知っている最高に軽蔑に満ちた一瞥を彼らに向けた。ラトゥール=モブールは保守的で礼儀正しい紳士だったので、この王妃の表情に耐えることができなかった。

「陛下たちですでに十分にぎゅうぎゅうづめになっています。私は他の馬車で行きます。」

「あなたはどうぞご自由に。しかし私は国王と王妃と共にここにいますよ。」とペティヨンが答え、馬車に入ってきた。後部座席には国王と王妃とエリザベート王妹が座っていた。ペティヨンは彼らを順番に見て、エリザベート王妹に「失礼ですが、私は国民議会の代表ですので、場所の名誉は私にあります。前部座席に移っていただけませんか?」と言った。

国王夫妻は抗議した。しかしペティヨンは「妥当なことですよ。さあ、マダム、立って私に席を譲ってください。」と主張した。エリザベート王妹は立ちあがりながら兄と義姉にそんなことは少しも問題ではないということを示して、席を明け渡した。

モブールは王妃の侍女たちの2頭立て馬車に乗ることをペティヨンよりも丁寧に交渉した。バルナーヴは外に立ったままだった。快適さの面ですでに満杯状態になっている馬車に押し分けて入っていく気がしていなかった。

「どうした、バルナーヴ?きみは来ないのか?」ペティヨンが叫んだ。

「私がどこに座れと言うのです?」バルナーヴはかなり困惑して尋ねた。

「私の席がお気に召して?」王妃が鋭く言った。

「ありがとうございます。しかし私には他の場所で十分です。」

エリザベート王妹は自分の側にマリー・テレーズ王女を引き寄せ、王妃は王太子を膝の上に載せた。このようにして前部座席に場所が空けられて、バルナーヴは王妃と向かい合わせで膝を突き合わすことになった。

「さあ、出発だ!」ペティヨンが国王にへりくだって相談することもなく叫んだ。耳をつんざくような国民議会への喝采の中で行進は再び開始された。

ペティヨンは32歳になる強い人間性を与えられた男だった。彼の主な長所は彼の政治的主義における高潔と正直にあった。シャルトルに生まれ、1789年に代表としてパリに送られた。その結果彼はパリ市長に選ばれ、バイイやラファイエットを上回る人気を享受した。彼の友人は彼を正直者のペティヨンと呼んだ。彼とカミーユ・デムーランはすでに共和主義者だった。まだフランスにはこの主義を支持する人は他に誰もいなかったが。

ピエール・ジョゼフ・マリー・バルナーヴはグノーブルに生まれ、30歳になったかどうかという年齢だった。国民議会に選ばれ、彼は偉大なる演説者であったミラボーが衰え始めるやいなやミラボーに反対する名簿に名を連ねることによって広く受け入れられた名声と人気の両方を素早く手に入れた。エクスからの有名な代表のすべての敵が確実にバルナーヴの友になった。彼らはバルナーヴが敵と嵐のような議論を戦わせている中で彼を支え、賞賛し、激励した。この時彼は25歳以上には見えなかった。彼は大きな見事な青い目と大きな口、反り返った鼻、甲高く耳をつんざくような声を持っていた。彼は攻撃的で、喧嘩好きな気質を持っていたけれとも、彼の振る舞いや見た目は商人の服を着た若い将校のようにみえる上品さで特徴づけられていた。彼は立憲君主制派に属していた。

バルナーヴが前部座席の王妃の向かいに座ろうとした時に国王が言った。

「私は今ここで二度と王国を去ろうという意図をわずかなりとも持たないということを言いたい。」

バルナ―ヴは座りかけたのを止めて国王を見た。

「それは本当ですか、陛下?その場合あなたによってこの保証がなされることはフランスを救うことになるでしょう。」

そして今この地方の町出身の普通市民とヨーロッパにおいて最も誇り高い王朝の1つの子孫である女との間に奇妙なことが起こった。お互いがお互いの心の中を読み取ろうとした。国の秘密を見つけようと努力している二人の政敵であるだけでなく、お互いの愛の謎の深さを測ろうと努力をしている男と女でもあった。バルナ―ヴはあらゆることにおいてミラボーの後継者になりたいと切望していた。彼自身の見解では少なくとも偉大なる政治家のマントはすでに彼の肩の上に降りてきていた。しかし彼の切望はまだ気付かれていなかった。素早い一瞥は王妃にこのすべてを発見させた。さらにバルナーヴの連続した注意が彼女の上に与えられていたことも。

最初の15分の間若い代表は5~6回外側にいる3人の男たちをじろじろ見ていた。それぞれへの監視の後彼の表情は鋭く、より敵意を持ったものになった。というのはバルナーヴはこの3人の男うちの1人のシャルニーを知っていたからだ。彼は確信していなかったが噂ではシャルニーは王妃の恋人であると言われていた。バルナーヴは嫉妬していた。これは奇妙に見えたが、王妃はそれを見て取った。彼女の敵の鎖帷子の上着の中の弱点を知ると、彼女はいつでも有効な一撃を加えられると気づいた。ついに王妃は国王に話しかけた。

「陛下、あの男がシャルニー伯爵に関して何て言ったかお聞きになったでしょう?」

「彼は伯爵の妻に対して伯爵の安全に責任を負わなければならないと言ったね。それがどうかしたかね?」

「そうですわ。思い出してくださいませ。伯爵の妻は私の旧友のアンドレ・ド・タヴェルネですのよ。あなたは私たちがパリに戻るにあたって彼に休暇のお許しを与えようとお思いになりませんの?そうしたら彼は妻を安心させ、慰めることができるでしょう。彼は私たちのために大きな危険をこうむりました。そして彼の弟が私たちを守るために殺されたのです。私はこの状況下で彼に奉仕を続けさせるのは残酷だと思いますの。」

「あなたは正しいよ。しかしシャルニー伯爵がそれを受け入れてくれるかどうか疑問だね。」

「その場合私たちが両方で義務を果たしましょう。私たちは休暇の許しを与え、伯爵はそれを辞退する。」

彼女は無邪気だった。そして疑いを持っていなかった。バルナーヴはどれほどに喜んで女性に向けた権利侵害のために王妃に許しを求めただろうか!今までバルナーヴの態度は被告人を前にした行政官のようだった。彼は裁判をし、非難する権利を持っていると感じていた。しかし今被告人は彼女の無実を彼に確信させる言葉で無意識に心の告発に答えていた。そこでバルナーヴは優しくなり、ほとんど謙虚になった。彼は王妃の注意を引くものは何も与えていなかったが、彼女はまさに彼の存在を無視しているように見えた。彼は彼女に話しかけるべきだったのだろうか?彼はあえてしなかった。王妃が彼に話しかけてくるまで待つべきだったのだろうか?しかし王妃は彼女が生み出した言葉の影響に満足していたので、他の言葉を話さなかった。若い代表は神経質な高揚の状態にあり、この冷淡な女性の注意を勝ち取るためならヘラクレスの労働も喜んで引き受けただろう。彼は神になりたかった。

暴徒があらゆるものに怒りを露わにすることが何回かあった。わめき声ややじが違反者に襲いかかった。王妃はバルナーヴに叫んだ。

「あなたは彼らが何をしているのかご覧にならないの?」

バルナーヴは頭を上げ、哀れな聖職者が呑み込まれている人の海を見た。そして今馬車の周りに怒りと非常に高ぶった波の中で揺れていた。

「なんてやつらだ!」彼は叫んだ。そしてあまりにも荒々しく馬車のドアに体を投げつけたので、ドアが開き、エリザベート王妹が彼の上着の裾をつかまなかったら、彼は地面にまっさかさまに落ちていたことだろう。

「虎たちめ。お前たちはフランス人じゃない。さもなければフランスはかつて勇敢な国だったのに、暗殺者の国になったのだ!」

群衆は後ずさりした。老人は助かった。彼はバルナーヴの元によろよろ歩き、「若者よ、あなたが私を助けたのはもっともなことだ。老人はあなたのために祈りましょう。」といって、十字を切り、歩き去った。

若い代表はまさに他の人間の命を救った人者であるという様子を少しもさせないで、自然にそして静かに再び席に座った。

「ありがとうございます。」

王妃が言った言葉はバルナーヴを徹底的にぞくぞくさせた。マリー・アントワネットはとても美しかったけれども、読者のように長く彼女を知っていると彼女が今のようにとても魅力的には見えなくなっているのは疑いもない事実である。事実、彼女は王妃としての代わりに母親としてあがめられているように見えた。

彼女の左側には王太子がいた。彼は金髪の巻き毛をした魅力的な少年で、王妃の膝から徳の高いペティヨンの膝に動いていた。ペティヨンはその自然な親切さで時々その王太子の金髪の巻き毛をなでた。

王妃の右側には娘のマリー・テレーズがいた。彼女は母親の若さと美しさの絶頂期の生き写しだった。マリー・アントワネット自身は王家の黄金の冠の代わりに悲しみのイバラの冠をつけていた。彼女の黒い目と雪のように白い額の上の豊かな髪の中に数本の早すぎる白髪がきらきら輝いていた。これらは最も悲しげな懇願をするよりも若い代表の心に雄弁に語った。

突然王太子が痛いと微かな叫びを挙げた。ペティヨンにいたずらをしたので、罰として耳を引っ張られたのだ。国王は怒りで顔を赤らめ、王妃は屈辱で青ざめた。王妃は王太子をペティヨンの膝から連れ戻そうとした。バルナーヴも同じことをしようとして、王太子は彼らの4本の腕で一斉に持ち上げられ。最後にバルナーヴの膝に来た。王妃は再び自分の膝に戻そうとしたが、「いやいや、お母様、僕はここが気に入ったの」と王太子が叫んだ。バルナーヴは王妃の動きに気付き、彼女の意図を実行することを許すために腕を広げた。

王妃はそれは母親のなのかそれとも女性としての媚態なのか?王太子がいたところから離れた。その時はっきりと言い表せない感情がバルナーヴの心を支配していた。彼は同時に幸せで誇りに感じた。王太子はバルナーヴのレースのフリル、ベルト、ついには彼の代表の制服のボタンで遊び始めた。これらのボタンはとりわけ王太子の興味を引いた。それはボタンには彫刻が施されていたからだ。王太子はボタンの文字ををひとつずつ読み上げた。そして4つの単語を書きあげた。

「自由に生きる、さもなけれ死ね。」

「どういう意味ですか?」

バルナーヴはあたかもどう答えていいのか迷っているように躊躇した。

「それはねフランス人は他の支配者を決して持たないことを誓っているという意味だよ。それがどういうことか君に分かるかな?」

「ペティヨン!」バルナーヴが叫んだ。

「ではきみが他の意味を知りたければ違った言葉で説明しよう。」とペティヨンは不注意に答えた。バルナーヴは黙っていた。ボタンに施された工夫をこれまで彼は崇高なものと思っていた。しかし、今は残酷なように思えた。彼は王太子の手を取り、うやうやしくキスをした。王妃は人目を忍んだ涙をぬぐった。

馬車はこんな子供のようなドラマの場面を持ちながら、群衆の怒りの叫びの中進んでいった。馬車にいた8人のうち6人は死を耐えていた。数分後彼らはドルマンに到着した。

7章『悲しみの道』:

ドルマンでは国王一家の受け入れは準備されていなかったので、彼らは宿に滞在することを余儀なくされた。旅行中国王夫妻が黙りがちなことに気分を害したペティヨンの命令により、実際宿も満室ではあったのだが、国王一家には3つの屋根裏部屋が割り当てられた。

馬車を降りて、シャルニーはいつものように国王と王妃の命令を聞くために近づこうとした。しかし王妃から与えられた一瞥から彼は離れているようにと理解したので、無言の命令の理由を理解することもなく、彼はてきぱきとそれに従った。

そのため宿に入って必要な物の準備をしたのはペティヨンだった。そして彼は再び現れる労を取らず、国王一家に部屋の準備ができたと告げるためにただ使用人を送ってよこした。

バルナーヴはとても困惑していた。彼は王妃に腕を差し出して死にそうになっていたが、ノワイユ夫人に代わって礼儀作法をあざ笑うまさにその人物たちが彼の中のいかなる違反も監視する最後の人になるのではないかと恐れた。

国王がマルダンとヴァロリーに支えられて、最初に馬車を降りた。それから王妃が席を外し、王太子を連れて行くために腕を伸ばした。しかし哀れな子供は直感的に彼の母親がこのへつらいから得ている利益に気付き、叫んだ。

「いや、僕は僕の友達のバルナーヴと一緒にいたい。」

マリー・アントワネットは愛想良く微笑み、同意の意味でうなずいた。そこでバルナーヴはエリザベート王妹とマリー・テレーズ王女が降りてくるのを待った。そしてそれから彼自身が王太子を腕に抱き、彼女らの後に続いた。トゥルーゼル夫人は次に降りた。そして直ちに彼女の王家の生徒を彼を抱いている平民の手から救おうとしたが、王妃からの一瞥で家庭教師の貴族的な熱意は静められた。

王妃は夫の腕にもたれながら、急な螺旋階段を上った。2階に着く時に彼女はあと20歩歩けば十分だと考えた。しかし、給仕が叫んだ。

「もっと上だ!まだもっと上だ!」

そのため彼女は上り続けた。恥ずかしさと怒りで汗がバルナーヴの額を濡らした。

「何?まだ上だと?」彼は尋ねた。

「そうです。この階は何もありませんが、食堂と部屋は国民議会の紳士方のために取ってあります。」

バルナーヴの目は怒りに満ちて光った。ペティヨンは2階の部屋を自分自身と仲間たちが使うために確保し、国王一家を3階に追いやっていた。若い代表は何も言わなかった。しかし、王妃がペティヨンによって彼女と家族に割り当てられた部屋を見た時に王妃の怒りと憤りを恐れ、バルナーヴは王太子を下に降ろし、階段を降り始めた。

「お母様、お母様、僕の友達のバルナーヴが行ってしまうよ!」と王太子は叫んだ。

「彼は賢いわ。」王妃は部屋を見ながら、笑って答えた。

部屋はそれぞれが空いている3つの小さな部屋で構成されていた。王妃とマリー・テレーズ王女が最初の部屋を、エリザベート王妹と王太子とトゥルーゼル夫人が2番目の部屋を、3番目の部屋は国王が使うことになった。これらの部屋はクローゼットよりも小さく、階段に広がっている別のドアがついていた。

国王は疲れていたので、夕食の前に数分横になりたいと思った。しかしベッドはあまりに短く、彼はすぐに起き上がらなければならなくなった。ドアを開け、彼は椅子を求めた。そこで玄関の広間にいたマルダンとヴァロリーが食堂から椅子を取ってきて、国王の元に持ってきた。部屋にはすでに椅子が1つだけあった。そしてルイはマルダンが運んできてくれた2つ目の椅子を配置して、十分な長さのベッドを作った。

「おお、陛下、あなたはこのような方法で夜を過ごすことができるのですか?」マルダンが悲嘆に暮れて叫んだ。

「きっとね。もし私の耳に届くあらゆる不満が本当だとしても、私の多くの臣下たちはこの小さな部屋にあるベッドと2つの椅子を持つことを十分うれしいことと思うことだろうよ。」

そして彼は即席で作った寝椅子に体を伸ばした。あたかもこのようにして彼が彼を待ち構えている長い投獄とそれに付随する窮乏に準備しているかのようだった。

少し後に誰かが夕食の準備ができたと知らせに来た。下に降りて行くと国王はテーブルに6つの皿があることに気付いた。

「なぜテーブルに6人分置かれているのかね?」

「一つは国王の、一つは王妃の、一つはマダム・エリザベートの、一つはマリー・テレーズ王女の、一つは王太子の、そしてもう一つはペティヨン氏のためです。」と給仕が答えた。

「なぜバルナーヴ氏とラトゥール=モブール氏の皿がないのかね?」国王は嫌味を込めて言った。

「バルナーヴ氏は動かすように言ったからです。」

「それでペティヨン氏の分が残った?」

「ペティヨン氏はそれを強く望まれましたので、陛下。」

丁度その時シャルトルの代表の厳しい顔が入口に現われた。しかし国王は彼を見ないふりをした。そして給仕に言った。

「私は私の家族か私が招待した人以外とテーブルに着くのに慣れていない。」

「私は陛下が人権宣言の第一条をお忘れになっていることを知っていますよ。しかし私は彼が少なくともそれを覚えている『ふり』をしていると思いますよ。」

ペティヨンが入口から唸った。国王はペティヨンを見ないようにしたのと同じように、正確に聞いていないふりをした。そして給仕に身振りで余計な皿を動かすように命令した。給仕は従い、ペティヨンは非常に激しい怒りと共に立ち去った。

「できたらドアを閉めておくれ、マルダン。そうしたら私達だけになれる。」

マルダンは従った。そしてペティヨンは彼の後ろのドアの近くにいて話を聞いた。それで国王は結局『家族そろって』食事をした。

二人の護衛はいつものように国王を待っていた。シャルニー伯爵は姿を現さなかった。彼はもはや王妃の使用人ではなかったけれども、まだ彼女の奴隷だった。しかし、彼が王妃に示した絶対的服従が王妃をひどく悲しませた時があった。そして今、彼を一目見たいといらいらして待っている時、彼女は彼が従順ではないことを望んだ。

夕食が終わり、椅子を押しのけ、テーブルから立ち上がった時にドアが開き、使用人がバルナーヴ氏の名において下の階の部屋と交換したいというお願いについて国王たちの意向を伺いにやってきた。国王と王妃は一瞥をかわし合った。彼らは威厳にこだわり、他の代表の無礼を罰するために一方の代表の礼儀正しさを断るべきなのか?多分国王はそのような意図を持っていた。しかし王太子が応接間に走って行って、「僕の友達のバルナーヴはどこ?」と叫んだ。王妃は王太子の後を追った。そして国王も王妃の後を追った。

バルナーヴは応接間にはいなかった。ドアからつながっている続き部屋は空いていて、王妃は中で立ち止まった。そこには上の屋根裏部屋同様3つの寝室があった。しかし、それらは豪華で、家具付きではなかったけれども、大きく、快適だった。その日の間2~3回王妃は美しい花壇を通り過ぎて賞賛の叫びを挙げた。そして彼女は自分の部屋がとても美しい花で飾られているのに気づいた。開かれている窓はあまりにも強すぎる花の香りが流れ出るのを許していた。窓の新しい白いモスリンのカーテンもまた覗き見する目から明らかに囚人を隠していた。これらすべての世話をしたのはバルナーヴだった。

王妃はため息をついた。6年前、彼女の快適さのためにこれらすべての準備をするのはシャルニーだった。そしてバルナーヴは感謝されるために自分の姿を現さない慎み深さを持っていた。これもまた彼女にシャルニーを思い出させた。しかし、小さな田舎の弁護士が彼女の宮廷で最も上品で高貴な紳士と同じように情け深く、思いやりがあり、同じような慎み深さを示すのはどういうことなのか?これらすべてがきっと女性に豊富な思考の糧を与えるだろう。たとえその女性が王妃であってさえも。

その間シャルニーはどうなっていたのか。彼は静かに王妃からの合図に従って退き、再び姿を現さなかった。義務が彼を君主の足元に鎖で拘束していたが、彼はこの一時的な退去を残念に思っていなかった。また、その理由を自分自身に尋ねることも止めていた。あたかもそれが彼に孤独と熟考のために短い時間をもたらしたかのようだった。

彼はこの3日間とても速く生きていた。全く彼自身の外側で、つまり、全く他者のために生きていたので、彼はしばらくの間彼らの苦しみを忘れていたこと、そして自分自身の苦しみについて考えていたことを残念に思わなかった。

シャルニーは保守的な紳士で、あらゆることにおいて彼の家族の家長だった。彼は弟たちを深く敬慕していた。彼は長兄というよりむしろ父親のようなものだった。

彼の弟のジョルジュの死にあたって悲しみはとても深かったけれども、少なくとも彼は遺体の側に跪き、悲しみを涙で表すことができた。さらにもう一方の弟が残っていた。そして彼のすべての愛情はすぐにイシドールに移り、オリヴィエがメスに滞在していた月の間は以前よりずっとイシドールを大切に思うようになった。その間ずっと彼の思考の中には弟とアンドレがいた。というのは私たちはその謎を説明することができないが、離れた時にいくつかの心が一層冷たくなる代わりに一層暖かくなったのは疑いの余地のない事実であり、あたかも不在が記憶が力強く成長するための新しい糧を与えたかのようだった。

事実、シャルニーがアンドレを見たのはわずかであったが、彼はより一層彼女のことを考えた。そしてアンドレのことを考えれば考えるほど彼女を愛していることになった。彼がアンドレを見た時、彼が彼女の近くにいた時、彼は氷の像の近くにいるように思えた。もしそれが愛という日光にさらされたら、本当は解けるかもしれない。しかしあたかも太陽がそれを見つけるのを恐れているかのごとく、その氷の像は入念に影の中にあり続けた。彼女から離れた時、不在はいつも魔法のような効果をもっていた。そしてそれがぎらぎら輝く色やあまりにも鋭い輪郭を和らげた。その時アンドレの冷たい形式的な態度がより生き生きとなり、彼女の穏やかでかなり抑揚のない声はより響き渡り、彼女の内気で静かな一瞥は明るさと情熱的な火さえも持っているように見えた。本当に、あたかも内部にある火がこのきれいな像の魂を照らしているかのようだった。そして彼はそのなめらかで白い身体に心臓の鼓動と血の循環を見ることができた。

アンドレがまさに本当に王妃のライバルになったのはこのような孤独の時間の中においてだった。興奮した憂鬱な夜、彼の部屋の壁が突然開いて、この透き通るような像が腕を広げて、震える唇と愛で輝いている目を持って、近づいてきたのを見たように思えた。その時シャルニーもまた腕を伸ばし、愛しい幽霊を胸に抱きしめようとした。しかし、ああ!幽霊はいつも彼から逃れた。彼はただ空の空気を抱きしめるだけだった。そしてあえいで息をしながら、現実の冷たさと薄暗さに退いた。

イシドールはジョルジュが以前そうだったよりもずっとオリヴィエにとって大切になっていた。そして二人はこの宿命的な女性のために、この絶望的な理由のために死んでいた。そしてこの同じ女性のために、同じ理由のために、彼も彼の順番が来たらいつか、疑いなく死ぬだろう。

弟の死から2日経過した間、そして血のしみがついた彼の服と犠牲者の最期のため息で濡れた唇を残した最後の抱擁以来シャルニーは深い悲しみに身をゆだねることができる瞬間をほとんど持たなかった。遠く離れたところにいるようにという王妃からの合図は従ってお願いとして受け取った。そして彼は直ちに国王一家からあまり遠く離れずどこか人目に付かない静かな場所を探し始めた。そこで彼は悲しみと共に一人になることができるだろう。ついに彼はマルダンとヴァロリーが護衛している階段の上の小さな屋根裏部屋を見つけた。彼はそこに入り、ドアを閉めた。それから明かりが燃えているテーブルに席を落ち着け、ポケットから弟が唯一残した遺品である、血のしみがついた書類を取り出した。彼の手に額を載せ、彼の眼はその手紙に釘付けになった。涙が頬を流れ落ち、テーブルの上に涙の層を厚く、速く落としながら、シャルニーは長い時間座っていた。

ついに彼は深いため息をつき、顔を上げ、手紙の一つを手に取り、開いた。それはかわいそうなカトリーヌからのものだった。数ケ月の間、シャルニーは弟と農場主の娘との関係に気付いていた。しかし彼はビヨからその説明を聞くまでその関係と受けるに足る重要性を結びつけていなかった。

彼の関心はカトリーヌの手紙を熟読することによってとても大きくなった。彼は今恋人という尊称は母親という尊称によって神聖化されていることに気付いた。そして書き手が自白した彼女の愛が簡単な言葉で書かれていることによって女性の全人生は少女の罪を償うために捧げられていることを見ることができた。彼は次の手紙も開き、それから3番目の手紙も開いた。それぞれに未来への同じ計画、幸せに対する同じ希望、同じ母の喜び、同じ愛情のこもった心配、同じ後悔、そして良心の呵責についての同じ言葉が含まれていた。

手紙の中でシャルニーはアンドレの手で書かれた彼宛の手紙に突然移った。この手紙には折りたたんだ紙がイシドールの家紋の封蝋で留められて添えられていた。イシドールの手紙の中から見つけたアンドレからのこの手紙はとても奇妙に思えたので、彼は手紙自体を開く前に添えられていたメモを開いた。

メモは急いで鉛筆で書かれていた。多分誰かが彼のために馬に鞍を付けている間に居酒屋のテーブルで書いたのだろう。次のように読まれた。

「この手紙は私のものではなく、私の兄のオリヴィエ・ド・シャルニー伯爵のものである。彼の妻である伯爵夫人によって書かれた。もし私に何か事故があったら、この手紙を見つけた人に私の兄に送るように、さもなければ伯爵夫人に戻すように頼みたい。私はそれを彼女から次の命令を受けて受け取った。

伯爵が携わっている引き受けた仕事が成功して、彼に何も不幸な出来事が起こらなかったら、手紙は伯爵夫人に戻されること。

もし彼がひどく怪我をしていて、しかし死に至るものではない場合は彼の妻に彼の元にやってくる特権を与えるように彼に要求すること。

もし彼が致命的な怪我をしていたら、この手紙は彼に与えられ、もし彼が彼自身でそれを読むことができなかったら、彼が死ぬ前にそれに含まれている秘密を知ってもらうために、彼に読んで聞かせること。

もしこの手紙が私の兄のオリヴィエ・ド・シャルニーに送られたなら、彼は多分同時にメモを受け取るだろう。そして彼自身の慎み深い感情がこれら3つの要求に関して彼の辿るべき道に関して最良の案内をするだろう。

私はかわいそうなカトリーヌ・ビヨに対して彼の最も思いやりのある世話を任せる。彼女は今私の子供と共にヴィル・ダヴレの村に住んでいる。

イシドール・ド・シャルニー」

伯爵は弟の手紙を最後までゆっくりと注意深く、さらにうやうやしくさえ読んだ。それからシャルニー夫人の手紙を手に取り、唇に押し当て、それから胸に押し当てた。あたかもこのようにしてそこに含まれている秘密と通じるかのように。それから彼はもう一度イシドールのメモを読んだ。そして頭を振り、低い口調で自分自身に言った「私はこの手紙を開く資格がない。しかし、彼女にそれを読ませてくれと懇願したい。」

それからこの決心が彼を元気づけたかのように叫んだ。「いや、私はそれを読んではならない。私にはできない!」

彼はそれを読まなかった。しかし日光が彼を見つけた時彼はまだテーブルに座り、まだ手紙の上の宛名を食い入るように見ていた。その手紙は彼の息としばしば彼の唇を押し付けたことで湿っていた。

突然出発の準備が始まったことを示す音の中で彼はマルダンが彼に呼びかけた声を聞いた。

「私はここにいるよ。」と伯爵は答え、かわいそうなイシドールの手紙を彼のポケットの元の位置に戻し、開封しなかった手紙にもう一度キスをして、彼の胸に置き、そして階段を急いで降りて行った。

階段の途中で彼はバルナーヴに会った。彼は王妃がどのように感じているかを聞いていた。そしてヴァロリーに出発の時間について彼女の希望を確かめるように頼んでいた。バルナーヴがシャルニー自身より寝ていないことを見てとるのは容易だった。

二人の男はお互いお辞儀をした。そしてシャルニーはバルナーヴの目に中にある嫉妬の光をほとんど見逃さなかったが、彼は彼の胸に置かれていた手紙のこと以外何も考えることができなかった。

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この章はほぼ全文翻訳です。イシドールのメモが泣かせますcrying。そしてオリヴィエのアンドレへの思いが高まっているとてもラブロマンス感の高い内容で、満足しました。この章の記述で、マリー・アントワネットはシャルニー3兄弟にとって破滅に導くまさに「femme fatale」であることがひしひしと伝わってきました・・・

8章『悲しみの道』:

再び馬車に乗り込もうとした時に国王と王妃は集まっている群衆がその町の民衆だけだったことに気が付き、驚いた。

前日、あまりの群衆の数で馬車が中々進まず王妃が苦しんでいるのを見たバルナーヴが気を利かせ、ブイエ将軍がオーストリアの軍隊と共に再入国しようとしているという情報をつかんだと知らせ、防備のために他の暴徒たちを家に帰らせたからだ。当時外国への憎悪は国王と王妃以上に強かった。

王妃は再び席に付くとシャルニーを探した。彼はすでに馬車の上に座っていた。しかし前日のように真ん中ではなく、より危険にさらされる場所であったマルダンが座っていた席と変わっていた。

シャルニーは怪我が彼の胸を焦がしているように見えた手紙を開く理由を与えてくれることをほとんど望んでいた。このような状況だったので、彼が王妃が彼の視線をつかもうとしていることを見逃したのはとても自然なことだった。

王妃は深いため息をついた。バルナーヴは馬車の中が狭すぎるから、より快適にするために自分が馬車から出ると申し出るが、王妃は拒絶し、また王太子からも強硬な反対を受け、バルナーヴは馬車に残った。

バルナーヴの事前の対策のおかげで馬車は順調に進んだ。そして彼らはシャトー・ティエリイで食事を摂った。この家は裕福な商人の女性のもので、国王一家が立ち寄ると知らされ、国王一家が快適に過ごせるように入念な準備をして、受け入れを待っていた。王妃はその思いやりに感動し、女主人を抱きしめてお礼を言った。

夕食の後、旅行は再び開始した。エリザベート王妹は疲労のために何度も転寝をしていたので、国王はより快適にするために王女を自分の席によこすように言った。そして彼女の疲れがとても大きくなった時に深い眠りにつき、天使のような頭を揺らし始め、ついにはその頭をペティヨンの肩にもたれかけさせた。

午後4時頃に彼らはムオーの司教宮殿に到着した。王妃は入ろうとした建物の薄暗い様相に深く感銘を受けた。それは本当に深い不幸にふさわしい避難所のように見えた。ムオーの司教宮殿の人目を引く印象は主にその簡素さのためだった。ここにはかつて君主制の破滅を予言する警告を発したムオーの雄弁な司教が住んでいた。王妃は薄暗い建物を見て、その様相が自分の今の心の状態ととてもよく調和していると感じ、バルナーヴに中を案内するように頼む。

バルナーヴが腕を差し出した時に王妃はあたりに別な一瞥を投げていた。シャルニー伯爵がずっといないことは彼女を悩ませていた。バルナーヴの何もかもが見えているような鋭い眼はその表情に気が付き、「何かお探しですか?」と尋ねた。王妃は「国王がどこにいるかしらと思っていただけよ。」と答えた。バルナーヴは国王はペティヨンと話をしていると思うと告げた。

有名な神学者の部屋に着いた時に王妃は自分自身が全く偶然にも女性の大きな肖像画のすぐ前にいることに気が付いた。機械的に目を上げるとその肖像画の額には「アンリエット夫人」という名前があった。王妃は激しく動き始め、それに気が付いたバルナーヴは「どこかお加減でも?」と声を掛けた。

王妃は喘ぎながら言った。「いいえ、でもあの肖像画は」

バルナーヴは今王妃の心の中を通り過ぎているものが何かを想像することができた。

「そうです。アンリエット夫人。不幸なイギリスのチャールズ1世の未亡人ではなく、彼らの娘であり、不誠実なフィリップ・ドルレアンの妻、いやルーブルの中で風邪を引いて死ぬべきだと思っていたアンリエットではなく、サン・クルーで毒によって死にそして死の床で彼女の指輪をボスエに送ったアンリエット・・・私は他のアンリエットの肖像だと思いたいです。」

「なぜ?」

「いくつかの口があえてある助言をするからですよ。そしてそのうえこれらの口は死によって閉じられるからです。」

「チャールズ1世の未亡人の口が私に与えようとしているのはどんな助言か教えてくださらない?」

「もしお望みなら」

「そうして頂戴」

「私にはこのように言っているように見えます。『妹よ、私たちは似ていると思わない?私はあなたと同じように外国から来た。私は騙された夫によき忠告をしようとしたかもしれないが、私は沈黙していなければ、悪い助言も与えなかった。彼と国民を和解させる代わりに、そして彼の国民と彼を和解させる代わりに私は彼らと闘うように夫を励ました。私は夫にアイルランドのプロテスタントの軍隊と共にロンドンに向かっていくように助言した。私はイギリスの敵と文通し続けただけでなく、外国の軍隊を連れてくる準備をするために二度フランスに行った。ついに・・・』」バルナーヴはためらった。

「続けなさい!」王妃はまゆをしかめ、唇を引き締めて命令した。

しかしバルナーヴはこの悲劇的な結末はあなたが知っているようにみんなに知られていることだからと続けるのを拒絶した。

「いいわ、それなら私があなたに教えてあげる、アンリエッ王妃トの肖像画が私に何と言っているのかを。間違っているところがあったら言ってちょうだい。ついにスコットランド人は裏切り、国王を引き渡した。チャールズ1世はフランスに入国する意図でチャンネル諸島を渡ろうとしていた時に逮捕された。洋服屋が彼を逮捕した。肉屋が彼を刑務所に連れて行った。ビール醸造者が法廷の司会を務め、裁判をした。そして彼の最も不正な裁判と判決の執行において嫌悪すべき人が欠けていないようにするために、王家の犠牲者は仮面を被った死刑執行人によって首をはねられた。それがアンリエット王妃の肖像画が私に言っていることよ!私は他の誰もが知っているのと同じようにこのすべてを知っているわ。私はこの致命的な類似を完全なものにするために欠けているものは無いわ。私達にもクロムウェルの代わりにサンテールがいるわ。ハリソンの代わりにルジェンドルと呼ばれている人がいるわ。さあ、あなたはアンリエット王妃が私に言ったことを聞いたわね。」

「それであなたは何と答えるのです?」

「私は彼女にこのように答えるわ。あなたが私に与えたものは助言ではない。私のかわいそうな親愛なる王女よ。それは歴史の過程なのです。歴史の過程は完全です。そして今私はあなたの助言を待っています。」

「助言に関して言えば、あなたがそれに従うことを拒否しなければ死人から同様にそれを与えることをうれしく思っている生きている人間がいますが。」

「生きていても死んでいても、私たちが話すべきものにそうさせなさい。もしそれがよい助言だとしてもそれに従えると誰が知っているというの?」

「生きているものも死んでいるものもあなたに同じ助言をしますよ。」

「それは?」

「国民があなたを愛するようにするということです。」

「あなたの国民の愛を勝ち取ることがそんな簡単な問題なの?」

「国民は私のものよりもずっとあなたのものです。あなたがフランスに到着した時人々が賞賛したもの以上によい証明はないでしょう。」

「人気はとてもこわれやすいものよ。」

「あなたにとって人気を持ち続け、取り戻すことはずっと簡単なことです。あなたの、王政の、最も高貴で神聖な目的は何を信用するのです?どんな声にどんな手にその弁護をゆだねるのです?支持者たちが何度も合図を送っているのに全く見えていない!国民の本当の感情に対して何て忘れっぽいのか!私の言うことを我慢して聞いてください。私は今あなたとお話しできることを甘受する機会をずっと切望していたのです!私は何度も今にもあなたに私の献身を捧げようとしていました!」

「黙って!誰かが来るわ!いつか別の機会にこの話をしましょう。私はまたあなたに会います。そしてあなたの助言を聞き、それに従うでしょう。」

「マダム!」バルナーヴは大喜びで我を忘れて叫んだ。

「静かに!」

「陛下、夕食の準備ができました。」使用人が言った。

彼らが食堂に入ると、国王は別の部屋からやってきた。そこで彼はペティヨンと長い会話をしていた。国王はとても興奮しているように見えた。いつものように二人の護衛が国王の側で待っていた。シャルニー伯爵は少し離れた窓の朝顔口のところに立っていた。

国王は辺りを見回し、外部の者が誰もいないことを利用して、3人の紳士たちに言った。

「夕食の後、あなたがたと少し話がしたい。よかったら私の部屋についてきてください。」

食事は粗末だったが、国王はいつものように食欲があり、食事をしたが、王妃は卵を2つ食べただけだった。王太子は一日中苺が欲しいと騒いでいた。これは王妃を困らせた。誰かいないかと辺りをちらっと見るとシャルニーが無言で、動かないで、窓のそばに立っていた。彼女は彼に一度、そして二度合図した。しかし自分の思考の中に深く没頭していたため、彼は彼女の身振りに気付かなかった。ついにかすれた声で彼女は彼をフルネームと称号で呼んだ。シャルニーは激しく動いた。あたかも突然夢から目覚めさせられたかのように。そして王妃に近づこうとして動いた。

しかしその瞬間ドアが開き、バルナーヴが手に苺を載せた皿を持って入ってきた。シャルニー伯爵は王妃に向かって進んでいたが、彼が彼女の元に到着する前に言った。

「ありがとう、ムッシュー。バルナーヴさんが私の願いを叶えてくれたわ。あとは何も必要ないわ。」

シャルニーはお辞儀をして、無言で彼の場所に戻った。

「ありがとう、僕の親愛なるバルナーヴ」と王太子が叫んだ。

「私たちの夕食は特に魅力的な物ではないのだよ、私の親愛なるバルナーヴ。しかし、よかったら私たちと一緒に食事をしてもらえませんか?」

「国王からの招待は命令です。私はどこに座ったらよいのでしょうか?」

「王妃と王太子の間に。」バルナーヴはほとんど我を忘れて、誇りと喜びを持って従った。

シャルニーは嫉妬の感情を少しも持たずに見ていた。しかしこのあわれな蝶々が王家の炎に羽を焦がされているのを見て、自分自身に言った。

「別な男が破滅した。あまりにも悪いことだ。彼は彼らの大多数より明らかによい人物なのに。」

それから今彼の心の中の最も高いところにある問題に戻って、つぶやいた。

「あの手紙だ!あの手紙だ!あの手紙には何があるんだろうか?」

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もうオリヴイエの頭の中はアンドレの手紙のことでいっぱいです。手紙のために怪我をしたいとまで思っているのですから・・・バルナーヴが王妃にメロメロになっています。

9章『ゴルゴダの丘』:

夕食の後、国王と王妃とエリザベート王妹が3人を待っていた。国王は誰も入ってこないようにと最後に入ってきたシャルニーに部屋のカギを閉めさせた。

国王は前日ペティヨンから3人を変装させて逃がすように提案されたが、それはわなだと思い、断ったにもかかわらず、今日再びペティヨンがそれを論じてきたので、彼が理解していることと彼の提案を3人に伝えることは自分の義務だと感じたことを告げた。

「陛下、先に進む前に私自身だけでなく、私の同志の将校たちのためにも話します。私は彼らの気持ちを表現していると確信しています。先に進む前に国王は私たちに1つの願いを与えてくれることを約束してくださいませんか?」

「皆さん、あなた方の献身はこの3日間に何度も何度ももうほとんど命を犠牲にしている。あなた方は私たちが追い込まれる不名誉や私たちに積み上げられている侮辱的行動を共有している。そしてあなた方は願いを乞う権利を持つだけでなく、もし私たちの力が及ぶところで与えることができるのなら、あなたがたの願いは直ちに実現されることを保証されていると知る必要がある。」

「それでは陛下、私たちは謙虚にしかし真剣に陛下に懇願します。代表たちからどんな提案がなされようとも、私達が適当だと思うように、私達を自由にするために彼らの申し出を受け入れるか、拒否してください。」

「私はあなた方にこの問題に対してあなた方に圧力をもたらさないようにしたいと言っているのだよ。決定は全くあなた方に委ねられている。」

「それでは陛下、私たちは喜んで伺います。」シャルニーが答えた。

王妃は驚いて彼を見た。彼女は彼女が気付いている彼の中で大きくなっている無関心を理解できなかった。彼女は彼が明らかに義務と感じているものから身を引かないと決心していること共にそれをあきらめさせるのはとても難しいことだとわかった。

「決心は完全にあなた方に委ねられていることを十分理解してもらったうえで、私はペティヨンからの計画を可能な限り彼の言葉に近づけてあなた方に話そう。私達がパリに到着したら、私に随行している3人の将校の命は直ちに危険な状態になる。というのは彼もバルナーヴもモブールも民衆の激しい怒りから彼らを守る保証はできないからだ。」

シャルニーは同志である二人の将校を見た。軽蔑を示す微笑が彼らの唇を取り巻いていた。

「それが何だというのです?陛下」

「それゆえペティヨンは国民軍が着ているような3つの制服を手に入れ、今晩この宮殿のドアを開けたままにしておくと提案している。それならあなた方は困難なく逃げることができるだろう。」

シャルニーは再び彼の仲間たちを見た。しかし彼らの答えは同じ軽蔑を示す微笑だった。

「陛下、」シャルニーは再び国王に振り向いて言った。「私たちの日々は陛下たちに捧げられているのです。そしてあなたがもったいなくも私たちの献身を受け入れてくださるように、私たちにとってあなたと離れて生きるよりはあなたのために死ぬ方が容易なのです。過去にあなたが私達を扱っていたのと全く同じようにこれから先もお好きなように私たちを扱ってください。あなたの宮廷のすべてにおいて、あなたの軍隊のすべてにおいて、あなたの護衛のすべてにおいて、3人の心はあなたに忠誠を尽くしています。彼らが今切望しているもの―忠誠が残っている最後の人間になること―というたった一つの名誉を彼らから奪わないでください。」

「それならそれでいいわ。私たちはあなた方の忠誠を受け入れます。しかしこれだけは理解しておいてもらいたいの。これから先あらゆることが私たちの間と同様にならなければならないという条件付きで。あなた方はもはや私たちの臣下ではありません。あなた方は友人であり、兄弟なのです。私はあなた方に名前を言うように尋ねる必要はありません。」

そういって王妃はポケットからメモ帳を取り出した。

「私はあなた方をよく知っています。でもあなた方のお父様、お母様、兄弟、姉妹の名前を教えてちょうだい。私たちはあなた方を失うだけでなく、死から生き延びるような不幸に遭うかもしれません。その時私達の共通の損失をこれらの愛する人たちに伝え、と同時に彼らが悲しみに耐えるために私ができることのすべてをすることが私の義務になるからです。話しなさい、マルダンさん。話しなさい、ヴァロリーさん。」

マルダンはブロワ近くの小さな屋敷に住んでいる老母の名前を告げた。ヴァロリーは孤児であり、ソワッソンの修道院の中にある学校にいる妹の名前を告げた。王妃はこれらの住所を書き終えるとシャルニーに振り向いて、言った。

「ああ、あなたには私たちの世話を委ねる近親者はいなかったわね。あなたのお父様もお母様も亡くなられている。あなたの弟二人も・・・」

「はい、私の二人の弟は陛下をお守りして殉死するという幸運に恵まれました。しかし、最後に死んだ者が赤子を残していたのです。彼は彼の書類の中である種の意志を持って私に世話を委ねていました。この子供の母親は彼が彼女の両親の元から家出をさせた少女です。彼女の両親は彼女を許そうとしないでしょう。私が生きている限りは彼女も子供も決して困窮を知ることはないでしょう。しかし陛下がまさに言われたように、私たちが死と直面し、もし私が倒されたら、哀れな少女と彼女の赤子は財産がない状態になってしまいます。なので、王妃様、もったいなくもあなたのメモにあわれな農民の娘の名前を書いていただけますか。もし私が二人の弟たち同様、私の畏れ多い主人と女主人のために死ぬ名誉に浴したら、あなたの寛大さをカトリーヌ・ビヨと彼女の子供に差し伸べてください。二人ともヴィル・ダヴレの小さな村にいます。」

多分弟たちのようにシャルニーが死ぬという考えはマリー・アントワネットの落ち着きにはあまりにも大きすぎることだった。彼女はかすかな叫び声を挙げ、メモを落とし、肘掛け椅子に座り込んだ。シャルニーはメモを拾い、カトリーヌ・ビヨの名前を書き、それを炉棚の上に置いた。王妃は彼女の落ち着きを取り戻そうと力強い努力をした。若い将校たちはそのような感情の爆発の後は一人になりたいと思っているに違いないと思い、退出する準備をした。しかし彼らに向けて彼女の手が伸びた。

「私を置いて行かないで。私の手にキスすることなしに」

二人の護衛は名前と住所を与えた同じ順番で、マルダンが最初、次にヴァロリーが進んだ。シャルニーは最後に来た。王妃は彼のキスを待つ間震えていた。彼女が他の将校に手を差し出したのはこのキスのためだけだった。しかし伯爵の唇はかろうじてその美しい手を見ただけだった。というのは彼の胸にアンドレの手紙を持っているので、彼にとっては王妃の手に彼の唇を押し付けることは冒瀆の罪を犯しているように思えたからだ。マリー・アントワネットはほとんど唸り声に近い重いため息をついた。決して以前にはなかった彼女と彼女の恋人の間の大きな隔たりがとても速く日に日に広がっているのを感じた。

翌朝、モブールとバルナーヴは再び提案をしてきたが、彼らは拒絶した。ムオーを出発したのは午前10時だった。彼らはまもなくパリにいるだろう。かれらはそこから5日間不在にしていた。5日間!しかし測りがたい深淵がこの5日間に作られていた。

パリに近づくにつれ、民衆の数はどんどん増えて行き、暴徒化していた。ついに彼らはヴィレットに到着した。ここにも人々がいたるところにいて、道路は身動きが取れない状態になっていた。人々は例外なく帽子を被っていた。なぜならつぎの通告が前の晩に市全体に知らされていたからだ。

「国王に挨拶するものは鞭打ちの刑、国王を侮辱するものは絞首刑」

これらすべては警告だったので、国民議会の委員はあえでフォーブル・サン・マルタンに入らないことにした。そこで、彼らはシャンゼリゼから市に入ることに決めた。そのためには行進を外側の通りを通って、市を巡回させる必要があった。これはさらに3時間の拷問を意味していた。

この致命的な門を通ってルイ16世が首都に入場するのはこれが3回目だった。最初はバスティーユ襲撃の後、2回目は恐ろしい10月6日、そして3回目は今回のこのヴァレンヌへの逃亡の後だった。パリ中の人がシャンゼリゼに急いだ。国王と王妃は遠くまで人の顔―無言の、薄暗い、むっつりした、威嚇した顔―の広大な海を見た。もっと恐ろしく、もっと不穏だったのは国民軍の列が二重になって、テュイルリーの門から伸びており、全員がマスケット銃をさかさまにして、哀悼の意を示すしるしとして持っていた。それは本当に哀悼の日だった。7世紀続いた王朝のための哀悼。

ルイ・クインズ広場、今はコンコルド広場で知られているが、そこに来た時に国王は先祖の像の目に包帯が巻かれているのに気付いた。

「あれはどういう意味かね?」

ペティヨンが答えた。「君主制は全く盲目であるということを説明しているつもりなんですよ。」

武装している随行がいるにもかかわらず、国民議会の委員がいるにもかかわらず、国王に侮辱を与えることが禁じられているにもかわらず、人々は激しく暴徒化してきた。彼らはついにテュイルリーに到着した。

「王妃は私たちの護衛を殺さないで!」とペティヨンとバルナーヴに懇願した。

「あなたがとりわけ私たちの保護を求めているのは誰かがいるのですか?」バルナーヴが尋ねた。

「いいえ」王妃は即座に答えた。それから彼女は国王と子供たちが先に馬車から降りるべきだと主張した。

次の10分は彼女の人生において最もつらかった。彼女が死刑執行に導かれる時も例外ではなかった。彼女は暗殺されることだけでなく、暴徒のおもちゃとして与えられたり、さもなければ不名誉で恥ずべき裁判の時だけ姿を現すことができるどこかの牢獄に投獄されると確信していた。そのため彼女が馬車の階段に足を置いた時にめまいを感じた。あたかも地面に落ちたかのように。

しかし彼女の眼が閉じかけていた時に彼女は見た、あるいは見たような気がした。以前シャトー・タヴェルネで彼女の未来のヴェールをとても謎めいて持ち上げたあの非常に恐ろしい男、あの時―10月6日のヴェルサイユから戻った時―以来ただ一度しか見ていない男、何か大きな不幸を予言するときだけ現れる男、しかも時間が来たらこれらの予言は達成された、その男が彼女の前に立っているのを。彼女は自分の目が彼女をだましていないことを確信すると、再び目を閉じ、絶望の叫びを挙げた。

彼女は勇敢に現実から逃げることができた。しかしこの縁起の悪い影響に対してもがくことができないと感じていた。あらゆるものがぐるぐる回っていた。力強い腕が彼女をつかんだ。そして大声で叫んだり、やじをとばしている群衆から素早く運ばれていることに気付いた。その瞬間彼女は彼女から民衆の怒りをわきにそらせようとしている二人の護衛の声を聞いたような気がした。もう一度目を開いた時に不幸な護衛が馬車の席から引きずりおろされ、今までより青白く美しいシャルニーが彼の眼の中に殉教者の光と彼の唇に軽蔑的な微笑を浮かべ、一人で10人を相手に戦っているのを見た。

その時不本意ながらこの恐ろしい大混乱の中から彼女を運んでいる人の顔を見た。彼女は恐怖と共にそれが彼女がタヴェルネやセーヴル橋で見たのと同じ謎めいた男だったことに気付いた。

「お前は!お前は!」彼女は硬直した手で彼を押しのけようとした。

「そう、私だ。」彼は囁いた。「君主制を完全に破壊するために私はお前が必要なのだよ。だから私はお前を助けるのだ!」

これ以上彼女は我慢できず、金切り声を挙げ、深く気絶した。

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王妃が3人に自分の世話が必要な親戚・縁者を挙げろと言った時にオリヴィエに「あなたには誰もいないことはわかっているわ。」っていうのはいかがなものかと思います。アンドレという妻がいるだろうがannoy!!そして王妃を暴徒から守ったのはバルサモでした。何かイメージとしてはトート閣下のようですcoldsweats01

10章『到着』:

王妃は意識が戻った時、自分が宮殿の自分の部屋にいることに気付いた。二人のお気に入りの侍女が彼女の側にいた。

王妃が最初に尋ねたことは王太子についてだった。彼はトゥルーゼル夫人とブルニエ夫人に見守られ、自分の部屋で寝ていた。

王妃の耳にはあの恐ろしい男が言った言葉が鳴り響いていた。これは本当なのか?君主制を滅亡へと駆り立てているのは本当に彼女なのか?もし彼女の敵が彼女を保護したのは彼女が彼ら自身がするよりも早く効果的に滅亡の仕事を達成することができたからだとしたら、そうに違いない。彼女が沈んでいるこの深淵は国王を飲み込んだ後、再び近づいてくるのだろうか?あるいは彼女の子供たちもまたその深淵に投げ込まれてしまうに違いないのか?これらは王妃にとって憂鬱な考えだったが、母親にとってはさらに憂鬱だった。

彼女は自分の服がぐしゃぐしゃな状態になっていることに気が付いた。そこでお風呂と靴と新しい着替えを求めた。

バルナーヴが2回彼女に面会を求めてきた。驚いている侍女のカンパン夫人に王妃はバルナーヴにはとても大きな恩義を受けた旨を伝え、彼を擁護する。

更にマルダンとヴァロリーに関する情報を探してくるように命じた。彼女はシャルニー伯爵の名前も伝えたかったが、言えなかった。

見張りは至るところに配置されていた。王妃の寝室やお風呂場にまでいた。ついに彼女は大きな困難を持って、これらの護衛に対して彼女がお風呂に入っている間はドアを閉めておいてほしいと説得した。

消息は彼らが恐れていたものより恐ろしくはなかった。シャンゼリゼを通り過ぎている時、シャルニーと仲間たちは国王一家を守るために怒り狂った民衆の注意を彼ら自身に引きつけるという一計を案じていた。馬車が目的地に到着するや否やそれが同意された。一人の将校が右側に飛び降り、もう一人は左側、そして真ん中に座っている者は前から降りた。このようにして群衆の注意は分散された。多分道は国王と王妃にとって安全に宮殿に入って行けるように見通しが聞いた。マルダンは多くの敵の手をかいくぐり、怪我も追いながら、命からがら宮殿の中に逃げ込めた。ヴァロリーも同様で敵との戦いで怪我を負い、最後にはペティヨンが敵の前に立ちはだかり、彼を助け、ヴァロリーは国民軍の副官の手に引き渡され、無事に宮殿に入った。その瞬間ペティヨンはバルナーヴが助けを求めて叫んでいるのを聞いた。と同時に彼自身シャルニーが救援なしに防御しきれていないことに気付いた。伯爵は多数のがっしりとした腕につかまれて、荒々しく泥の中に引きずり込まれていた。しかし彼は何とか足場を取り戻そうとし、銃から銃剣をねじり取り、群衆の中に少しだけ道を作った。もし最初にバルナーヴ、それからペティヨンが彼の救援に来なかったら、彼はまもなく圧倒され、殺されていただろう。

王妃はまだお風呂に入りながら侍女たちの報告を聞いていた。しかしカンパン夫人はすべての詳細を聞いてなかったので、宮殿の中にいたのを見てはっきりとした情報であるマルダンとヴァロリーに関してのみ伝えた。バルナーヴとペティヨンによってシャルニーは救助されていたけれども、伯爵が宮殿に入ってくるのが見られていなかった。カンパン夫人の報告を聞いて、王妃の顔色が死んだように悪くなったので、伯爵に少し不幸が起きたのではないかという不安からだと考えて、カンパン夫人は叫んだ。

「陛下は伯爵の無事について絶望する必要はありません。なぜなら彼は宮殿内で見られていないからです。王妃様もきっとお気づきかと思いますが、シャルニー夫人がまだパリに住んでいます。多分伯爵は妻のところに逃げ場を見つけています。」

これこそがまさにマリー・アントワネットの心に浮かんだ考えだった。そして彼女はそのように青ざめたのだった。彼女はお風呂から飛び出し、叫んだ。

「着替えを。カンパン、すぐに着替えを。私は伯爵がどうなったのかを見つけ出さなければならないわ。」

「どの伯爵でしょうか?」ちょうどその時入ってきたミゼリ夫人が尋ねた。

「シャルニー伯爵です。」

「彼は今陛下の控えの間にいます。そして短い謁見を求めています。」

「ああ、それなら彼は約束を守っていたのね!」王妃はつぶやいた。二人の侍女は王妃が何を意味しているのかわからず、不思議そうに目を交わし合った。震えていて、明らかに他の言葉を発することができず、彼女は侍女たちに急ぐように指図した。化粧はとても素早く行われたので、完璧ではなかった。しかしながら彼女は彼女の髪に満足していた。髪は香水で洗われ、ほこりから清められ、簡単な結び目に巻かれていた。そして肌着の上に素早く白い部屋着を着た。その時彼女の着ていた部屋着のように白くなり、彼女は私室に戻り、伯爵が直ちに入室を許可されるように命令をした。

2013年1月 1日 (火)

明けましておめでとうございます。*・.。ヽ(^▽^)人(^▽^)ノ。.・*。!

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新年明けましておめでとうございます明けましておめでとうございます.。*・.。ヽ(^▽^)人(^▽^)ノ。.・*。.! !今年もどうぞよろしくお願いしますhappy01

ゆく年くる年って思って2つの干支が並んでいます・・・

え~、早速今日から『シャルニー伯爵夫人』の3巻を再開する予定です。いや、本当はもう夜からするつもりがもう一方の趣味(←ほとんどの人が何か知らないことですcoldsweats01)が終わらなくって・・・ようやく完結させました!何か昔は途中でも放りっぱなりだったのに、去年から完結しないと気が済まなくなったので、どうにもこうにも終わらせたくなったもので・・・ある意味構成力が出て来たのか?(という前向きな解釈もあるcoldsweats01。)

ちょっとエアコンによる乾燥で喉風邪気味ですが・・・悪化しないようにしたいと思います。

【追伸】年末ジャンボ宝くじ、はずれました・・・crying。西銀座チャンスセンターで買ったのに・・・crying

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