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2012年6月 7日 (木)

やっぱり人によってかなり解釈が違うんだ・・・

実はこのブログ、連日のように異様にアクセス数が多い記事があって、それは何かと言うと先日UPした中村明日美子さんの『ウツボラ』についてなのです。この話、ネタバレになるので、記事には私の見解を書いていなかったのですが、そもそもこの話を教えてくれた京都在住の友人には借りていた本を返却する際に「私はこう解釈した」という手紙を添えて送りました。で、今日その返事が来たのですが、何と彼女は私とは異なる解釈をしていたことが判明しました!やっぱりだからみんな納得がいかなくって、検索しているんだなってことがわかりました。

*以下ネタバレありますので、知りたくない人は読まないでください!*

確かにこの話の解釈は割れると思います。というのもかなり混乱を招く内容が点在しているからです。ある意味矛盾があるというか・・・

京都在住の友人の解釈は自殺したのは元OLの方ですが、私は女子大生の秋山富士子だと思ったのです。元OLが自殺したと解釈した方が流れ的にはいいとは思うのです。「アパート宛に郵便を出したわ。あなたにも内緒にしていた部屋があるの。そこにあなたに遺したものを置いてあるから、きちんと受け取ってね」というセリフの「部屋」はあの身元不明の飛び降り自殺死体が発見された後に三木桜と名乗る女が溝呂木先生を姉の部屋といって連れて行ったマンションの一室であり、「あなたに遺したもの」というのが多分お金、そしてもし元OLが『ウツボラ』の作者ならその原稿と解釈できるからです。友人はケーキのことも指摘していて、1巻で自殺した女の双子の妹の三木桜と名乗る女が最初に溝呂木先生と会った時に喫茶店でケーキを頼んでいます。秋山富士子はケーキが好きだった。だから、生き残った方が秋山富士子ではないかと。

確かに私も最初2巻を読み進めていた時には死んだのは元OLの方だと思っていたのですが、最終章の#13で、溝呂木先生の「きみは『ウツボラ』の作者じゃない。僕は『ウツボラ』の作者には一度きりしか会っていない。そうだね?」というセリフにぶつかって、「あれ、死んだのは元OLじゃなくって女子大生の方だったんだ・・・?」と思ったのです。溝呂木先生が最初に会った藤乃朱を名乗る女は図書館で秋山富士子に声を掛けてきた三木桜を名乗る元OLであることは間違いありません。その後溝呂木先生は藤乃朱が自殺するまで数回彼女と会っていることを今度は自殺した藤乃朱の双子の妹を名乗る三木桜に語ります。溝呂木先生が最後に藤乃朱に会った時には部屋が真っ暗だったと#12で語っています。そして体も温かかったと。この日の藤乃朱はそれまでに会っていた藤乃朱とは別人だったと思われます。電気を暗くしていて、体も温かかった。だからこの日の藤乃朱は最初に会った元OLではなく、整形した秋山富士子だったと思われるのです。

『ウツボラ』の作者がどっちだったのかということは死んだ方がどっちだったのかってことになると思うのですが、元OLも女子大生の秋山富士子も溝呂木先生のファンであったことは間違いないと思います。秋山富士子は図書館で溝呂木先生の著書ばかり読んでいることがその時点で三木桜を名乗る元OLに指摘されていましたし、またアパートの部屋に溝呂木先生の記事がべたべたと貼られた状態からももその熱狂ぶりがわかります。また元OLの方も溝呂木先生に興味がなければ秋山富士子に接触をしてこなかったと思うのです。というか、そもそもこんな計画を立ててこないと思うのです。溝呂木先生にかなり熱い思いがなければこんなことしないと思うのです。だから、どっちが作者であってもおかしくはない。ただ、話の流れからいって、秋山富士子が藤乃朱のペンネームで、ファンレター及び執筆活動をしていたと考えるのが自然かとは思います。『ウツボラ』の投稿をめぐる二人の口論の内容からしても「人の作品を勝手に!」と怒っているのは秋山富士子の方だと推測できるからです。また溝呂木先生の「『ウツボラ』の作者には一度きりしか会っていない」というセリフからもそれが自然かと思っています。元OLの藤乃朱には多分複数回会っているはずなので。だから私も『ウツボラ』の作者は秋山富士子だったのではないかと思っています。

しかし、そうなると元OLと女子大生の秋山富士子との間の最後の電話と思われる二人のやりとり(上述の「アパート宛に・・・」というセリフ)に矛盾が生じてきます。女子大生の秋山富士子が自分のアパート以外の部屋を持っているとは考えにくいからです。ここは横領罪で起訴されていた元OLのセリフと考えた方が納得がいきます。(横領していたくらいだから、お金持ちのはず。だからこそ整形手術も受けていたはず。)この流れで行くと自殺したのは元OLの方が自然となります。

それなのに、じゃあ何で私が自殺したのは秋山富士子の方と思ったのか、その最大の理由は髪の長さなのです。整形手術後、元OLと女子大生の二人が向かい合って話をするシーンがあるのですが、この時の髪型が元OLである三木桜と名乗る女はショートボブで、女子大生の秋山富士子はロングなのです。自殺した女はロングヘアの女でした。あの時点でショートボブに髪を切った元OLが元のロングヘアに戻るまでには少なくとも半年以上の時間が必要です。このシーンの髪型が二人ともロングだったら、自殺したのは元OLってことで問題なかったのですが、すでにショートボブだったので、自殺したのはどうしても秋山富士子の方としか思えないのです。長い髪は切れば短くできますが、短い髪はカツラかエクステでもつけない限り伸ばせません。カツラでは飛び下りたらはずれますし、エクステというのも変な話です。

死体と共に落ちていた携帯電話も契約者が秋山富士子のものでした。元OLが秋山富士子の携帯電話を持って自殺したとは普通では考えにくいです。秋山富士子が持って飛び降りたとするのが自然ではあります。もし元OLが自殺したのであれば、何故秋山富士子の携帯電話を所持していたのか?という謎が生まれます。或いは身体とは別に放り投げられたとも考えられます。だとしたら、二人は飛び降り前に居合わせたということになります。「アパート宛に・・・」という元OLのセリフを聞いて、溝呂木先生の永遠になるのは私だ!と思って、咄嗟に秋山富士子が身を投げたとも考えられます。そうなるとこのセリフも死体の髪の毛の長さも問題なくなりますが、これはあくまでも推論で、本編にはそういう場面は一切出てきませんから、深読みし過ぎってところでしょうか?矛盾をなくしたいと考えるとこうも考えられるということです。

また元OLの方が自殺するにはかなりの唐突感も否めないのです。そうなると「人の作品を勝手に投稿して!」と怒ったのが元OLになるからです。そして「あなたの背中を押してあげたのよ。あなたがいつまでもぐずぐずしていているから」というセリフが秋山富士子の物になる訳です。これは大変奇妙な感じがします。、元OLと女子大生秋山富士子との関係性においては元OLの方が立場が勝っていたと思います。最初の出会いから推察しても強気な態度で出ていたのは元OLの方と考えられます。最初に「藤乃朱」を名乗って溝呂木先生と接触してきたのも元OLですし、秋山富士子を「藤乃朱」に仕立ててくれたのも元OLだからです。秋山富士子に「藤乃朱」の容姿を譲り渡したからといって、彼女がなぜ死ぬ必要があったのでしょうか?元OLが『ウツボラ』の作者なら、それらしき描写があってもおかしくないと思うのですが、全く出てきません。仮に秋山富士子と二人で『ウツボラ』を作り上げていったとしたら、「きみは『ウツボラ』作者はじゃない」という溝呂木先生のセリフに反駁できたと思うのです。

でも髪の長さで自殺したのが秋山富士子とすると上述の「アパート宛に・・・」のセリフがどうしてもかみ合いません。このセリフさえなければ自殺したのは秋山富士子で問題ないと思うのです。ここが大きな謎なのです。

更に秋山富士子の整形手術後の二人の会話の回想シーンの後、三木桜を名乗る女が溝呂木先生に向かって「私が・・・私、うまくやれたでしょうか?私が・・・彼女を・・・だから・・・」と泣き出します。その顔は整形手術後に元OLの女から「たった今からあなたが『藤乃朱』よ」と言われ、「おびえたうさぎのような顔」をした秋山富士子と同じなのです。これを見ると、「生き残ったのはやっぱり秋山富士子なのか?」と思いたくなりますが、私は上述の通り髪の毛の長さに引っかかっているので、元OLだと思うのです。あのようにしてこの計画に巻き込んだ秋山富士子を彼女が望むように「藤乃朱」に仕立て上げ、彼女の願い・思い(=「本当に私が欲しかったもの」)を成就させることはできたか?自分は三木桜という役(彼女が元OLなら三木桜自体が偽の名前)、そして溝呂木先生の復讐の女神となった藤乃朱を演じ切れたか?ということがこのセリフに込められているのかなと。

でも結局すべては藪の中ということなのでしょうか?読めば読むほど謎が深まる作品ですね。間違いなく読者によって解釈が大分異なっていると思います。これはあくまでも私が理解した内容なので、これが当たっているかどうかは全くわかりません。自分の中ではそう納得したというところです。

そして、私が驚愕したのはエピローグの最後で、コヨミちゃんとの比較だったので、私は生き残った女のお腹に宿っている子供は普通にてっきり溝呂木先生の子供だと思い込んでいました。ところが友人が「辻の可能性もあるよね?」と言ってきたのですcoldsweats02!!確かに可能性は0とはいえなくない。何せ二人は男女関係を持ったのですから。それどころか2巻をよく読み直していくとどうやら溝呂木先生は不能だったっぽいのです。但し、これは最終回で溝呂木先生と三木桜がどういう夜を過ごしたかによって変わってくることなので、精神的なトラウマからのものであれば、復活している可能性もなくもないのでは?と思い、ここは個人的にはコヨミちゃんとの対比を色濃くするために普通に溝呂木先生の子供説であって欲しいのですが、辻の子供なら「ぎゃ~っsweat01!!」って感じです。

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