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2007年2月18日 (日)

2/17(土)「コリオレイナス」大阪公演マチネ

蜷川2days初日は「コリオレイナス」です。シアターコクーンで公演だったら東京に観に行ったのですが、彩の国さいたま芸術劇場だったので、大阪公演に行くことにしていました。さすがに今となってはさいたまは遠すぎますから。というわけで梅田のドラマシティーで観てきました。

開演となって、幕が上がるとそこには鏡の扉があって、客席が映し出されていて、ちょっとびっくりしました。客席からはあちこちで驚嘆の声があがっていて、鏡に向かって手を振っている人もいました(それはどうかと思うけど)。舞台上には姿を現さないけど、観客もローマの民衆として見立てられているということなのかな?

鏡はマジックミラーでその後透明になって(?)舞台の内部が明らかになり、目の前には神社かお寺の階段をほうふつさせる急な階段が現れました。階段の上の背景が変わることで場面転換を行うといった演出になっていました。

話は紀元前5世紀の古代ローマ時代なのですが、舞台(上述の階段、四天王像、背景の仏画、お経が書かれている扉など)も役者さんたちの服装も姿(袈裟のような衣装、僧侶のような姿)もすべて仏教的なイメージ(しかも密教的な感じ?)が強いものになっており、これはロンドン公演を意識した作りになっているんだなとすぐに思ってしまいました。

今回は予備知識まったくなしに臨んだんですが、それだけにコリオレイナスは悪役なのかなと思っていたんですね。ところが、実際は国のために戦い、数々の勝利をもたらした英雄なんですよ。軍人としては優秀なのです。しかも軍人にありがちなお追従がいえないタイプなので、不器用とは思うけれども、そんなに悪い人間には思えません。ただ、貴族としての誇りがそうさせるのか平民を見下していて、傲慢な態度をとってしまい、反感を買ってしまいます。しかし、コリオレイナスに見下された民衆がかわいそうかといえば、そんなことはまったく感じられませんでした。貴族の圧政に虐げられているようには思えないどころか、自己中心的な勝手な言い分だけを主張して、しかもその時々の情勢で護民官に煽動されて、行動している愚かな烏合の衆といった感じで、なんていうのか現代社会における政治家と政治家の口車に乗せられて踊らされている有権者たちを見ているかのような気がして、民衆たちに共感はまったくもてないのでした。本来護民官は貴族に対抗すべく平民を守るためにできた役職なのに、その立場を利用して私腹を肥やしているような姿に描かれていて(まさに今の世の中の国会議員?(笑))、どうみても元老院の方がまっとうそうに思えました(笑)。だから、コリオレイナスが民衆に対して傲慢な態度をとったとしてもそれをひどいと思わせる構図にはなっていないように思えたのでした。もちろんコリオレイナスも大人なんだから激情に任せることなく、言葉を選んで行動しろ!ってところはありますし、自らが招いた厄災であることも否めませんが、なんとなく政治権力に翻弄された世渡り下手な気の毒な人という印象の方が強く残りました。ある意味pureな人なんですよね。だからこそ思ったことしかいえないわけで。ローマを追放されて、ローマに対する復讐のために宿敵であヴォルサイ人のオーフィディアスの元を訪れたときもオーフィディアスの言葉をそのまま受け入れ、信じてしまう。普通ならオーフィディアスを全面的に信頼するという危険は犯さないのではないか?このあたりにコリオレイナスの人間的な甘さというか精神的に子供といったものを感じてしまいました。武力は優れていても政治的な能力には欠けていたことがわかるし、それが彼の悲劇を招いたような気がしました。そんなコリオレイナスを唐沢さんが熱演していました。熱演といっても見た目にあちちと濃い演技ということではなく、淡々とした中に内に秘めた情熱をたぎらせているというか、修行僧のようなみてくれにマッチしたストイックな情熱とでも言うのでしょうか、そんな印象を持ちました。

今回の舞台上にたくさんの民衆が存在していて(といっても「タンゴ・冬の終わりに」のような大人数ではありませんが)、エネルギーのぶつかりあいによる気の高まりのようなものを感じました。大勢の人がいるというのはやっぱりインパクトありますね。

上述の通り、舞台上にはかなり急な階段が設えてあるのですが、その階段を降りてくるとき、コリオレイナスの母親ヴォラムニア役の白石加代子さんはドレスの裾を上げて降りてくるいるのですが、コリオレイナスの妻ヴァージリア役の香寿たつきさんは元タカラジェンヌだけあって、ドレスの裾も上げなければ、下も見ずにすたすた降りてこられていて、さすがだなと思いました。

さて、ヴォラムニア役の白石加代子さんはさすがの存在感で、それはそれはすごかったのですが、実は今日の舞台で大変気になることがありました。それは観客の反応なのです。ヴォラムニアがせりふをいうところでやたらと笑いが起こるのです。もちろん笑いを誘うシーンのところ(例えば護民官を罵るところとか)は別になんとも思わなかったのですが、ここは笑うシーンではないはずと思うところでも笑っている人がいて(しかも結構静まり返っているところで)、舞台の雰囲気をぶち壊されたような気がして、とても嫌な感じを受けました。一緒に見に行った友人も「ここは笑うところではないはずと思ったので、びっくりした」といっていたので、そう感じた人は他にもいたのではないかと思います。それこそ白石さんの熱演がぶち壊されて、お気の毒でした。

2幕の最後にコリオレイナスとオーフィディアスが戦うのですが、なぜかその場面で「メタルマクベス」のランダムスターとグレコの戦いを思い浮かべてしまい、コリオレイナスが切られてもなかなか死なないんじゃないかという気になってしまいました。それはもちろん杞憂に終わりました(笑)。しかしそのことを一緒に観に行った友人に話したら、「同じこと思った」といわれてしまいました。どうやらあの場面に何か「メタルマクベス」をほうふつさせるものを感じるみたいですね(笑)何にそう思ったんだろう??

という訳で(?)、蜷川さんの舞台のヒット率が高く、かつ唐沢さんが好きな私の友人H嬢はやはりさいたまに行ってこれ観るべきだったよと思った次第です。(大阪公演誘えばよかった?(苦笑))

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