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2006年10月 1日 (日)

9/30(土)「オレステス」マチネ@シアターコクーン

昨日「オレステス」を観てきました。

シアターコクーンはどうしていつも定刻通りに始まらないんでしょうねえ?今回もそうでした。シアターコクーンの係員には歌舞伎座に修行に出て欲しいと思ってしまいます。

さて、本題です。

「オレステス」は雨を降らせる演出であることは聞いていました。そして雨で声がかき消されてしまうので、雨の水量を減らしたとも聞いていましたが、それでも雨が降ると声が聞き取りにくい状態でした。昨日は1階E列で観ているのですが、それでも聞き取りにくかったので、後方座席の人は相当聞こえなかったんじゃないでしょうか?

水量をおさえたということで激しさも緩和されてしまったのか、思っていたよりも激しい印象はなかったです。特にコロスが「メディア」と比べるとゆるい感じがしました。

藤原竜也くんは前評判通りの熱演でした。最初しばらくエレクトラのセリフが延々と続いているのですが、上手側には人が横たわっているように見えるベッドが置かれていました。布がかぶせてあるので、姿は見えません。エレクトラのセリフから横たわっているのはオレステスとわかるのですが、まったく微動だにしないのです。なので、藤原くんではなく、人形でも置かれているのかと思いきや、やっぱりそこには藤原くんが息をひそめていたんです。あれだけの時間まったく動かずにいれるというのはすごい鍛錬だよなと思ってしまいました。そして動き出してからはその動きの激しいこと。なんとなくあれでは足首を捻挫してもおかしくないって思ってしまったほどです。

オレステスの母親殺しはアポロンの神託によるものだという。にもかかわわらず、父親の名誉のためとはいえ、実の母親を殺すという大罪を世間は許さず、オレステスとエレクトラはまさにその罪により死刑宣告を受けようとしていた。それを不服と思うオレステスは劇中、神の命で行った正義の殺人なのに神は自分を助けてくれないと嘆く。そこで思ったのが、ギリシアの神々って元々そういう神様たちなんじゃないですか?ってこと。見守ることはしても、何かをやってくれる神様ではないということを「ローマ人の物語」で読みましたが・・・・・。自分の激情を吐露することにより、気持ちの整理をつけたいってことなんですかね?

古代ギリシアの神々が大変人間的というのか、勝手な神々(笑)であったことは色々な文献で読みましたが、今回の舞台でも大変唐突というか違和感があったのはやっぱりヘレネでしょう。劇中には詳細は明らかにされないけれど、あんなにお騒がせな女が最後に女神になるってどういうことだ??いくらゼウスの娘だからって、その行動は許せたものではない。なのに神として選ばれてしまうって、神様であっても美貌には甘いのか?って思わずにはおれませんでしたね(笑)。ただ、香寿さんの絶世の美女というのはどうも違和感ありましたけど。

あとギリシア人は法に従うことを大切に思うようなことをいっていましたが、それギリシア人じゃないんじゃあ?とも思ってしまいました。ギリシア人が人間の行動原理の正し手として求めたのは哲学であり、いっていることはすばらしいけど、その抽象的思考を理解し、問題意識を共有できる人は知識層レベルだけでごく限られた。つまりきれいごとをいっているだけで行動に移せた人がおらず、だからこそ最後は神様が解決してくれるのを期待するっていうような終わりになっているのかなどと思えてしまいました。

ちなみに最後のご都合主義の大団円の前に上から現在戦争を行っている国々の国歌が書かれたA4用紙が大量にふり撒かれるのですが、それが意外と頭にばさばさ当たって痛かったです。戦いや憎しみの連鎖は今でも断ち切れずに続いているということの表れのようですが、国歌の内容を読んだだけで、それぞれの国でいっていることがそれぞれの立場での主張であり、どちらかを認めればどちらかがそれを不当と思うだろうと実感できました。多様な価値観・考え方があるがゆえに現在はもはや何でもありの世の中になっているように思えます。だからといって考えをまとめれば当然のことながらひずみが出るわけで、どちらも一長一短があるわけですが、善悪とかモラルとかは国が違っても宗教が違ってもそう違いはない気がします。これまで長い時間をかけても戦いの連鎖を断ち切ることは誰もできなかったし、今後にも期待はできないけれど、少なくとも悪いことをしても許されるといったようなことはない世の中になってほしいと強く感じました。

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